アウターゾーン

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アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
アウターゾーン リ:ビジテッド
(THE OUTER ZONE Re:visited)
ジャンル ホラーミステリオカルト
漫画:アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
作者 光原伸
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス (JC)
発表号 1991年14号 - 1994年15号
(1991年25号 - 同年50号は休止)
巻数 全15巻 (JC)
全10巻 (JCS)
全10巻(文庫)
漫画:アウターゾーン リ:ビジテッド
(THE OUTER ZONE Re:visited)
作者 光原伸
出版社 ホーム社
掲載誌 コミック特盛
レーベル ホームコミックス (HC)
発表号 2011年秋号 -
巻数 1巻
小説:アウターゾーン
(THE OUTER ZONE)
著者 山田隆司
イラスト 光原伸
出版社 集英社
掲載誌 ジャンプノベル
レーベル ジャンプ ジェイ ブックス
発売日 1995年7月3日
巻数 全1巻
テンプレート - ノート 

アウターゾーン』 (THE OUTER ZONE) は、光原伸による日本漫画作品。

週刊少年ジャンプ (WJ) 』(集英社)にて1991年14号より連載が開始され、同年24号で一旦終了。同年51号より連載が再開され、1994年15号まで連載された。

2011年10月の『コミック特盛 秋号 怖すぎて禁じられた怪談』(ホーム社発行・集英社発売)より新作『アウターゾーン リ:ビジテッド』 (THE OUTER ZONE Re:visited) が連載されている[1]

概要[編集]

現実と隣り合わせに存在する、「アウターゾーン」と呼ばれる不思議な世界に巻き込まれる人々の姿を描く。本作の原点であるSFテレビドラマミステリー・ゾーン』と同様に基本的には各話完結であり、ホラーオカルトを主な題材としているが、第32話『時間をとめる機械』に代表されるSF的ガジェットなども頻出する。また、女性陣のヌードなどのお色気要素も盛り込まれていた。

ほぼ全話を通じ、謎の美女ミザリィが案内人(ストーカー)[2]として登場する[3]。『WJ』連載時は巻末に固定されていることが多く、読者投票人気も高くはなかったが、本作のような連載復活は非常に珍しいことであった。光原曰く、「もともと人気がさほど上がらないことを想定して10週限定連載の予定だったが、思いがけず好評を得た。しかし、別の連載作品の掲載が決まっていたために予定通り10週で打ち切り、日程を調整したのち第2部として再開した」とのこと。

光原は、本作の各話結末を考えるのに毎回苦悩したという。それは、本作のようなショートストーリー作品で登場人物が不幸な結末を迎えるものが多いことに対し、「不幸な結末を描くことは比較的楽かもしれないが、不幸な結末など現実にいくらでもある。それなのにどうしてフィクションの中でまで暗い思いをしなければならないのか」「せめて物語の世界だけでも希望のある結末を描きたい」という意地と信念を抱いており、「後味の悪い結末はできる限り避けて、読後感の良い結末を心掛けたつもり」としている。本作が長く続いたのは、「そのような信念を抱き続けて描いてきたから成功につながったのでは」と、光原自身は述懐している[4]

登場人物[編集]

ミザリィ
自称・アウターゾーンへの案内人(ストーカー)。知的かつ妖艶な色香を持ち、なおかつ雰囲気が謎めいている美人。素性は一切謎。性格は自己中心的かつ気紛れで、ややサディスト。悪人や自分勝手な人には容赦ないが、善意の人間(特に少年少女)にはそれなりに優しい。
ウェーブの掛かった緑色の髪は腿まで伸びており、前髪の一房のみが紫色である。時には髪を刃物やドリルのように変形させ、攻撃する。耳介が尖っており[5]、左眼は常に前髪で隠れている[6]。本人曰く、人間ではない。銃や刃物程度で身体が傷付くことはなく、妖精吸血鬼ゾンビなどの怪物程度は簡単にあしらえる。
神出鬼没で場所や時代を選ばず、どの時代に登場しても年恰好は同じであり、加齢した様子はない。第11話以降、しばしば「アンティーク・ショップ 美沙里」の店主として登場する。時には看板を変えたり、店自体を変えたりしている。ショップの商品にはどれも不思議な力が宿っており、超常現象を引き起こす。
一部のシーン[7]を除き、吹出しの形状は四角形に近い形状で台詞に使われている字体は丸ゴシック体である。
的矢悟朗(まとや ごろう)
第60話、第78話、第111話 - 第115話に登場。超常現象の専門誌「月刊ワンダーワールド」の編集者兼ライター。元々はジャーナリスト志望で、社会の不正を暴くのが夢だったが、機会に恵まれず、三流オカルト誌の記者に甘んじていた。ミザリィの正体を探るため、取材を続けている。小学生の娘と2人暮らしで、娘にはいつも寂しい思いをさせている。退社してフリーランスとなってからもミザリィを追い続け[8]、最終的には生物兵器を開発していた企業の全貌を暴き、一流ジャーナリストの仲間入りを果たす。

『マジック・ドール』編の人物[編集]

敏腕刑事・火牙明と“動く人形”マキの奇妙なコンビの活躍を描く[9]。読者からは好評を博し、シリーズ化された。全8エピソードの計15話。明とマキは、『狙われたミザリィ』にも特別ゲストとして出演している。

火牙明(ひが あきら)
平口町警察署の刑事。麻薬取引の捜索中に犯人を射殺した際、無関係の女性を死なせる。その責任から、被害者の女性の魂が宿った人形「マキ」の面倒を見る。マキにせがまれるまま署へ連れていったために同僚からは人形マニアの疑惑を掛けられるなど、受難の日々が始まる。当初はわがまま放題のマキに辟易していたが、幾多の事件を経て、やがて彼女をかけがえのない存在として認識する。5年前、高校時代からの親密な間柄だった女性・由美(ゆみ)と突然の死別に見舞われた経験が枷となり、それ以降は女性と距離を置いていた。東京都集英市在住。警察の所在地「平口」は、本作の各所で見られる。愛銃はベレッタM92。愛車はチゼータ・V16T
坂内マキ(さかうち マキ)
通称:マキ。18歳。道に迷って麻薬取引の捜索現場を通りかかった際、刑事に射殺された犯人の流れ弾を受けて死亡する[10]。元の肉体は火葬されたため、怒って死者の門のオヤジを脅し、新しい肉体が見つかるまで自らの魂を着せ替え人形に宿らせると、自身の死の間接的な責任者(明)のもとへ押しかけ、強引に同居する。機転が利き行動力に優れるが、強気でわがまま。第46話以降、輸入品の海外製ドールハウスを買わせて住んでいる。憑り付いている人形の商品名は「MIKA」。
田所(たどころ)
明の上司で、課長。人形マニアと噂される明に休暇を勧めるなど、部下想い。趣味は、独身の部下に見合いをさせること。第56話 - 第57話では、逆恨みから命を狙われた。最終話にも登場。
マイク・ピンキー2世
通称:死者の門のオヤジ。あの世の入り口「死者の門」を担当する男性。褐色の肌でハゲ頭。眼鏡を着用。前頭部には一房だけ髪が生えている。お人好しで争いごとは不得手。中級管理職らしく、第69話では仕事に失敗すればクビになるらしい。

第87話『禁書』について[編集]

SF作家山本弘は、東京都青少年の健全な育成に関する条例改正について、自身のブログ『山本弘のSF秘密基地BLOG』で「他にも『アウターゾーン』の「禁書」というエピソードを連想した人も多いようだ」[11]と述べている。この話は下記のようなものである。

あらすじ
作品や表現物に極端な規制が加えられた、架空の未来が舞台。そこは道徳的な漫画だけが出版を許され、ギャグシーン、お色気シーン、暴力的なシーン、個人の思想が入れられた漫画は悪書とされ、隠し持っているだけで重罪となる世界である。
イラストレーターの西崎守(にしざき まもる)は悪書とされる漫画を何冊も隠し持っており、近所の少年の拓磨(たくま)にそのコレクションや自筆の漫画を見せていた。やがて、拓磨は守から漫画の描き方を教わるようになる。だがあるとき、拓磨が内緒で持ち帰った漫画が母親に見つかり、守は“悪書を所持し他人に公開した容疑”で逮捕される。
法廷で「汚らわしい書物を見せ、青少年の健全な発育を阻害した」と厳しく糾弾された守は、「子供に人間の本質を知らせないことこそ悪であり、子供は我々が想定している以上に大人である」と反論したが、彼は禁固30年の判決を言い渡され、隠し持っていた漫画はすべて焚書となる。その2年後、守は獄中で自殺した。
やがて、月日が経ったある日。そこには、近所の少年に自作の漫画を見せる、成長した拓磨の姿があった。

小説版[編集]

漫画版と同タイトルで、1995年7月3日ジャンプ ジェイ ブックスより発売された。著:山田隆司ISBN 9784087030365

脚注[編集]

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  1. ^ コミック特盛秋号 怖すぎて禁じられた怪談|ホーム社より。
  2. ^ 案内人をストーカーと呼称するのは、アンドレイ・タルコフスキーの映画『ストーカー』にちなんでおり、英語で「不幸」を意味する名前「ミザリィ」 (misery) は、「スティーヴン・キング同名小説の題名から取った」と、JC第1巻のあとがきに明記されている。なお、連載当時は、「執拗に付きまとう人間」という意味の「ストーカー」という言葉はまだ一般的ではなかった。
  3. ^ ただし、『マジック・ドール』編にはミザリィがほとんど登場しない。
  4. ^ JC第15巻「アウターゾーンにおける制約」より。
  5. ^ 普通の人間には見えない。
  6. ^ 実は獣のように不気味な瞳で、その眼力は大爆発を起こすほどの威力がある。
  7. ^ 第11話『フォーチュン・リング』、第70話『商売仇』、第78話『マンハント』など。
  8. ^ それについての聞き込みの過程で、他編の人物にも会っている。
  9. ^ ネーム作りの手間の軽減とシリアスな展開が多い本作の清涼剤を目指して作られたが、実際には光原の手間が倍増する結果となった
  10. ^ 実は死神のミスによるものである。
  11. ^ 2010年03月17日 「非実在青少年」規制:反対集会に行ってきたより。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]