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アイヌ民族旗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

アイヌ民族旗
青地に白い図像と赤い矢
Flags of the World にアップロードされたインタープリテーションのベクターレンダリング
使用その他 その他の用途?
採用1973
デザイン青地に白い図像と赤い矢
デザイナー砂澤ビッキ

アイヌ民族旗(アイヌみんぞくき)は、アイヌ民族にルーツを持つ砂澤ビッキによってデザインされたアイヌの民族旗である[1][2][3]

砂沢ビッキはアイヌ民族に対しての政府・行政からの支援を求める政治活動からは距離を置いていた。しかし、友人からの度重なる要望があり、とうとう1973年に当旗をデザインした。彼の政治的態度はさておき、あるアイヌ団体が同年に札幌で行われたメーデー祝賀行進の際、この旗を掲げた[4]。 現在でも(稀ではあるものの)、アイヌの行事などでこの旗が使用されている場合がみられることがある[5]

2020年、砂澤ビッキの息子である砂澤陣が彼が当旗の著作権を保有している旨を主張し、当旗の使用中止を要請した[6]

概要

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アイヌ民族旗は、北海道の空と海を表すセルリアンブルーの地、雪を表す白い図像、そして空の下を飛ぶ赤い矢で構成されている[7]。 矢印の赤色は、アイヌの伝統的な狩猟で毒矢の毒として用いられ、シサム(和人)によって禁止されていたスルク(トリカブトの毒)を表している[5]

ビッキ紋様とよく呼ばれる白い図像は、アイヌが伝統的に用いてきたモチーフというわけではなく、ビッキの個人的な発明である[8]

脚注

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  1. ^ Independence movements and aspirant peoples (Japan)”. 2017年10月20日閲覧。
  2. ^ ФЛАГ АЙНОВ” (ロシア語). Геральдика.ру. geraldika.ru. 2017年10月20日閲覧。
  3. ^ Irish, Ann B. (2009). Hokkaido: A History of Ethnic Transition and Development on Japan's Northern Island. McFarland & Company. pp. 208. ISBN 978-0-7864-5465-5. OCLC 646854076. https://books.google.com/books?id=-9EBuQK-NRQC&pg=PA208 
  4. ^ Weiner, Michael (2003-07-13) (英語). Japan's Minorities: The Illusion of Homogeneity. Routledge. pp. 37. ISBN 978-1-134-74442-8. https://books.google.com/books?id=POGEAgAAQBAJ&pg=PA37 
  5. ^ a b Dubreuil. “The Ainu and Their Culture: A Critical Twenty-First Century Assessment”. The Asia-Pacific Journal. apjjf.org. 2017年10月24日閲覧。
  6. ^ Jin Sunazawa (2020年10月2日). “2020 nendo Sapporo Ainu Kyōkai sōkai giansho (mushūsei) to migatte na sakujo irai”. Kōshin minzoku Ainu. 2020年10月18日閲覧。
  7. ^ Minahan, James B. (2016-08-01) (英語). Encyclopedia of Stateless Nations. ABC-Clio. pp. 14. ISBN 978-1-61069-954-9. https://books.google.com/books?id=pGClDAAAQBAJ&pg=PA14 
  8. ^ Jin Sunazawa (2020年10月12日). “Bikki mon'yō wa Ainu mon'yō ni arazu! Hokkaidō Shinbun no sabetsu kiji”. Kōshin minzoku Ainu. 2020年10月18日閲覧。

外部リンク

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