アイソレーション

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アイソレーション: Isolation)とは、分離、隔離、孤立、絶縁などの意味を持つ。以下の用法がある。

  • 隔離 - 医療に関する隔離(: Isolation)。
  • 建設業における業界用語。単にアイソレともいう。
    電気工事においては、感電災害を抑制するために、作業を行う機器・電路を充電された系統から切り離す行為を指す。回路上では断路器が該当するが、これがない場合は、当該機器・電路の上流側直近の開閉器(スイッチ)・遮断器(ブレーカー)等を開放(OFF)にして下流側に電流が流れていないことを検電器にて確認し、電線を取り外し絶縁養生を施す、或いは操作禁止の表示を行うまでの一連の作業を指す。
    物理的(ナイフスイッチは取付向きによっては重力で自然にONになる)、人為的(作業を知らない第三者がスイッチを投入する)により電流が流れない状況を作ることが肝要である。
    管工事においては、内部流体の不用意な漏えいを防止するために、作業箇所につながるバルブ)を閉止状態にし、操作禁止の表示を行うことを指す。ただし「アイソレ」を実施したとしても、配管内には残留する流体が存在することを留意しなければならない。(配管内に充満していた不活性ガスが漏えいし、酸欠により死亡したケースがある。)
  • パントマイムストリートダンスにおいては、体の各部分を単独で動かすトレーニング。
    人間離れして見える動きの基礎となるトレーニングである。人間の通常の動作では、身体のひとつの部分だけを動かしているつもりでも身体のほかの部分がつられて動いてしまう。それを意識して分離してゆく。顔、首、肩、腕、手、指、胸、腰、足、さまざまな部分の切り離しが可能である。アイソレーションを訓練すると空間上の固定された部分、空間固定点: fixed point)を作り出すことができる。そしてこの応用によって、実際には存在しない壁、階段、ドアなどを、存在感をもって現出させる動きが可能になる。
  • バスケットボール用語。1対1を仕掛けやすいように企図されたフォーメーション
    ドライブするスペース(空間)を作りやすくするため、ダブルチームなどによる守備側のプレッシャーを軽減するため、ポストから仕掛ける場合は、ボールを所持している選手以外の4人はウィークサイド(ボールと反対側のサイド)に移動し、パスを受けた後のシュートチャンスを窺う。トップから仕掛ける場合は、いわゆる1-4、他の4人は両サイドのスリーポイントライン近辺やポストに位置し、そこから展開する。古くから主流のセットとして使っていたNBAでは、近年はゾーンディフェンスの解禁などのルール変更の影響で、以前より積極的に行わなくなり、それに伴い戦術も多様化している。
  • アメリカロックバンドTOTOの5枚目のアルバム。「アイソレーション (アルバム)」を参照のこと。
  • 電子回路において、電気的にどれだけ分離できているか、またはどれだけ結合していないかの尺度に使われる。単位はデシベル (dB) が使われることが多い。アイソレータの語源でもある。
  • コンピュータキーボードの機構の一つ。キーボード (コンピュータ)#アイソレーション・キーボード参照。
  • コンピュータにおけるDBMSトランザクション処理の分離レベルのこと。アイソレーションはあるオペレーションによって行なわれた変更が、他の処理からどのように見えるかを定義する。
  • ビートルズジョン・レノンが1970年には発表したアルバム『ジョンの魂』に収録された楽曲 (原題:Isolation)。→孤独 (ジョン・レノンの曲)
  • アイソレーション (地誌学) - ある山頂から、最も近いそれと同じ高さの地点までの距離

関連項目[編集]