ろうと台
ろうと台（ロート台、漏斗台、ろうとだい、英: funnel holder）は、漏斗を穴に差し込んで固定するための器具である。理科学実験用漏斗と用いる場合は、液体をろ過する際に使用する[1]。同様の機能を持つ器具のロートスタンド、ロート受け、ロート架、ロートホルダー、ロートアダプターなどについてもここで説明する。
図1のように、ろ過で漏斗を使用する際には、ろ過した後の液体が飛び跳ねるのを防ぐために[2]漏斗のとがった先をビーカーの器壁に密着させて注ぐ[3]。このとき、うまく注げるようろうと台の高さを調節すると良い[4]。漏斗の先端が割れやすい[5]ので、調節の際は注意する。
種類[編集]
化学の教科書や参考書では、しばしば、図１のような木製で高さを調節することができる、2か所の穴が空いたろうと台が掲載されている[6][7]が、木製だけではなく、同じ形状で金属製、樹脂製のろうと台も存在する[8]。また、使用できるビーカーや漏斗は限られてしまうが、軽く、安価で、安定し、収納スペースを取らないろうと台として、板をコの字型に折り曲げ、漏斗を刺すための穴をあけた、ビーカーに乗せられるろうと台[9]や、同様にビーカーに載せて使えるロートホルダー[10]、ロート架[11][解説 1]が存在している。また、ワイヤーのみで出来た、高さの調節が可能なロートスタンドもある[12]。スタンドに取り付けられる環状のロートホルダーもある[13]
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分液漏斗用のろうと台には、複数の分液漏斗を並べて比較できるような、大型のものがある[13]。吸引ろ過やガラスフィルター使用のためにブフナー漏斗を固定する場合には、ゴム栓状のロートアダプター[11]を使うとよい。
標準規格[編集]
JIS規格では、JISK 0050：2019 「化学分析方法通則」において「沈殿重量分析の一般的操作」で、ろ紙を用いて沈殿物のろ過をする場合は、漏斗をろうと台に置いてろ過するよう指示がある。その際、漏斗の脚部（細い部分）が受け器の内壁に接触するようにし、漏斗の高さを、脚部先端がろ紙の中に浸らない位置に調節する必要がある[14]。
脚注[編集]
- ^ “ろうと、ろうと台、ろ紙”. rika-net.com. 2021年8月16日閲覧。
- ^ 吉嶺 擢郎 (1983). “実験の基本操作, 化学実験の手引”. 化学教育 31 巻 1 号: 4.
- ^ 数研出版株式会社『改訂版 フォトサイエンス 化学図録』数研出版、2014年2月1日、8頁。ISBN 978-4410273858。
- ^ (日本語) 048【ケニス】ろ過をしよう！ 2021年8月17日閲覧。
- ^ “ろうと、ろうと台、ろ紙”. rika-net.com. 2021年8月16日閲覧。
- ^ 東京書籍『改訂 化学基礎』東京書籍、2017年、92,93頁。ISBN 978-4487165476。
- ^ 数研出版株式会社『改訂版 フォトサイエンス 化学図録』数研出版、2014年2月1日、8頁。ISBN 978-4410273858。
- ^ “ＵＣＨＩＤＡＳウチダス理科/スタンド類・加熱器具/スタンド・ろうと台”. www.uchidas.net. 2021年8月16日閲覧。
- ^ “ろうと台(ミニ) 1個”. Scibox. 2021年8月17日閲覧。
- ^ 株式会社ケニス (2021-2022). “化学 指示器具・加熱”. ケニス理科機器 No.940: 594.
- ^ a b アズワン (2021-2022). “07 実験器具・材料・備品 E 金属・樹脂・磁製 実験用備品”. 研究用総合機器カタログ: 2138.
- ^ アズワン (2021-2022). “07 実験器具・材料・備品 E 金属・樹脂・磁製 実験用備品”. 研究用総合機器カタログ: 2138.
- ^ a b ケニス株式会社 (2020-2022). “容器・実験器具 「指示器具」”. ケニス研究用総合科学機器 No.3700: 735.
- ^ “日本産業標準調査会：ログイン画面”. www.jisc.go.jp. 2021年8月17日閲覧。
解説[編集]
- ^ ロート架は、ビーカーの壁面に漏斗の脚部(細い部分)を当ててろ過することはできない
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- ろうと、ろうと台、ろ紙 理科ねっとわーく（一般公開版） - ウェイバックマシン（2017年10月3日アーカイブ分） - 文部科学省 国立教育政策研究所