やすらぎの郷

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やすらぎの郷
ジャンル テレビドラマ
放送時間 月曜 - 金曜 12:30 - 12:50(20分)
放送期間 2017年4月3日 - 9月29日(予定)
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
製作総指揮 五十嵐文郎(テレビ朝日)
演出 藤田明二
阿部雄一
池添博
唐木希浩
脚本 倉本聰
プロデューサー 中込卓也(テレビ朝日)
服部宣之(テレビ朝日)
河角直樹(国際放映
出演者 石坂浩二
浅丘ルリ子
有馬稲子
五月みどり
野際陽子
加賀まりこ
藤竜也
ミッキー・カーチス
八千草薫
山本圭
常盤貴子
松岡茉優
草刈民代
風吹ジュン
名高達男
音声 ステレオ放送(解説放送実施)
字幕 字幕放送
オープニング 中島みゆき慕情
外部リンク 『やすらぎの郷』公式サイト
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やすらぎの郷』(やすらぎのさと)はテレビ朝日系列帯ドラマ劇場』(おびドラマシアター)枠(毎週月曜 - 金曜12:30 - 12:50)にて、2017年4月3日から放送中の、同枠第1作となる帯ドラマである[1][2]倉本聰のオリジナル脚本作品。主演は石坂浩二で、浅丘ルリ子有馬稲子加賀まりこ五月みどり野際陽子八千草薫藤竜也ミッキー・カーチス昭和を代表する俳優が共演する。放送話数は130話(予定)。

公式ホームページに掲載された番宣コピーは『さいごは笑って、いきましょう。

概要[編集]

俳優歌手ミュージシャン脚本家などの昭和世代にテレビの世界で活躍した人物だけが入居する、東京近郊の老人ホームやすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ[注 1])」を舞台に、“家族の絆”・“友情”・“愛情”・“死”などをテーマに、現在のテレビの在り方に対する批判も盛り込み、ユーモラスかつシリアスに描く。

テレビ朝日が設けるシルバー向けの新・帯ドラマ枠『帯ドラマ劇場』の第1作として放送されている作品で[3]、脚本家の倉本聰が「夜のゴールデンタイムに若者向けのドラマが数多く放送され、大人の観るドラマが少ない」として本作を企画、その企画を受け入れたテレビ朝日が「大人のための帯ドラマ」枠を新たに創設した[4]。本作は2クールを予定している[5]

『帯ドラマ劇場』枠としての初回かつ同枠第1作である本作品初回の2017年4月3日放送分の視聴率は8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)を記録し、同時間帯[注 2]の前4週[注 3]平均から3.0ポイント上昇、同時間帯の他局の情報・バラエティ番組を上回って、中高齢の視聴者向けの新設枠として好スタートを切った[6][7]

本作初週に限り、後座番組『ワイド!スクランブル・第2部』の冒頭では本作を観た出演者が感想を述べる演出が行われた。

民放製作TVドラマの視聴率が人気作でも10%以下に低迷する斜陽期にも関わらず、週刊新潮週刊文春など一般向け週刊誌を中心に撮影時の秘話や裏話、登場人物のモデルが誰かといった内容が度々記事にされるほど、話題性と注目度で成功を収めた。

尚、栄役の石坂、マロ役のミッキー、大納言役の山本が劇中釣りをしながら雑談するシーンでは演者たちの安全のため背景を別撮りした合成撮影が用いられる。他にもお嬢役の浅丘とマヤ役の加賀が自動車で移動するシーンでも用いられている。

野際陽子が放送期間中の6月13日に死去した為、本作が野際の遺作となり、野際の死去が公表された翌日(同月16日)の第55話において、番組冒頭に 「6月13日、野際陽子さんがお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」というテロップが挿入され、本作の番組ホームページでも同様に野際の死を偲ぶ文章が記載された。

ストーリー[編集]

テレビ業界の黄金期に人気脚本家として活躍した菊村栄は、元女優で認知症を患った妻・律子を献身的に介護したが先立たれる。律子は更年期に入り物覚えが悪いことに悩んでいた時期、ある批評家の酷評が引き金で女優引退を余儀なくされ生き甲斐を失い認知症を発症したのだった。栄は彼女の介護に専念するため、脚本家としては事実上の断筆状態となってしまう。そして、同居しながら介護に一切関わろうとしない長男の嫁との間にも深刻な溝が生じていた。

律子を看取った後、仕事も生き甲斐も失って途方に暮れていたとき、以前に律子と夫婦での入居をすすめられていた「やすらぎの郷」から再び入居の誘いを受ける。テレビ業界では「都市伝説」のように語られていたその施設に半信半疑ながら入居を決めた栄は、そこでかつて一世を風靡した女優たちと再会を果たす。栄にとって憧れの存在でもあり清楚な雰囲気で人気を博した九条摂子、国民的人気女優だった白川冴子、菊村とは仕事の機会が多かった水谷マヤ、亡き律子を知る井深涼子など入居者たちの錚々たる顔ぶれに菊村は驚愕する。

入居者たちは海沿いで風光明媚かつ広大な敷地の中に作られた施設で、元CAで行き届いたサービスを提供する松岡伸子コンシェルジュと呼ばれる女性スタッフや、悉く前科者で「更生中」の男性スタッフから大事に扱われ人生の終末期を謳歌していた。また、それぞれあだ名があり、摂子は「姫」、冴子は「お嬢」、逮捕歴もある個性派男優真野六郎は「マロ」、時代劇の当たり役に由来する「大納言」こと岩倉正臣など様々。栄は「今もって現役」意識の強い女優たちから自分たちを主役にした脚本の執筆依頼を談じ込まれ、現役当時のように「栄ちゃん」「菊村先生」と呼ばれるようになる。そして、夜は「ハッピーちゃん」の愛称で親しまれるバーテンダー財前ゆかりが切り盛りする「カサブランカ」で一杯やりながら噂話や昔話に花を咲かせた。

やがて栄は、施設を運営する「やすらぎ財団」の理事長で施設内の医師でもある名倉修平、加納の娘で総務理事の名倉みどり夫妻から信頼され内々に依頼を受けることになったり、女優たちの持つ意外な一面を知ったり、余計な指摘からちょっとした騒動に巻き込まれるなど、多忙かつ新鮮な毎日に翻弄されるのであった。

登場人物[編集]

「やすらぎの郷 La Strada」の入居者と関係者[編集]

菊村栄(きくむら さかえ)
演 - 石坂浩二
脚本家。年齢は70代後半。戦時中[注 4]の疎開時期を除いて東京・杉並の善福寺で生まれ育ち、早稲田大学文学部を卒業後[注 5]に脚本家への道を歩み、テレビの黄金期には数多くのテレビドラマをヒットさせ紫綬褒章を受章するほどの活躍をした。愛煙家で、近年の禁煙ブームに辟易している。性格は表面的には温厚で人当たりが良い一方、頑固な面や執念深い面、猜疑心も強いなど、内面的にはかなり複雑な人物。
「やすらぎの郷 La Strada」に入居するまでは、善福寺に一戸建てを構え、妻の律子、息子の一郎とその嫁の加奈子、孫の梢の5人で暮らしていた。数年前に律子が認知症になってからは、介護と両立させるために在宅での執筆に専念していたが、病状が進むにつれそれすら困難となり、ついには彼女を殺して自らも死のうと考えるまでに追い詰められ事実上の断筆状態となっていた。その矢先に「やすらぎの郷 La Strada」から誘いがあり、夫婦共々入居する決意を固めたが、律子の死により入居は一旦棚上げとなった。それから約半年が経過して心の整理ができたことを機に、単身での入居に踏み切る。
家族は先述の妻と息子の一家の他に、死別した両親と兄がおり、この他に姉と妹と、何人かの甥や姪がいるが、この他に両親に兄弟がいるかどうかといった親族の全容については本人もはっきりと把握してはいない。
「やすらぎの郷 La Strada」ではコテージの203号室に入居するが、かつてそこに入居しており、最後には自殺した栗山たかこの霊と思しき幽霊騒動の末、マヤの提案により部屋の模様替えを行い、たかこが使っていた家具の数々をマヤが手放した物に入れ替えた。律子の位牌と遺影は自宅から持ち込んだが、遺影については摂子らが所持していた昔の写真の中にあった、律子が一番輝いていた若い頃の水着姿のブロマイドを譲ってもらい、コテージに改めて飾っている[注 6]。冴子とマヤからは“栄(えい)ちゃん”の愛称で呼ばれ、他の人物からは主に「先生(または菊村先生)」と呼ばれる[注 7]。また、脚本家としては事実上の引退状態にあるものの、彼ら旧友の俳優陣からは自分のために脚本を書くよう個人的に頼まれている。
「姫」こと摂子からある男性から受け取った遺品について相談され、博学ぶりを見せ「ただのデッサン画」を実は高価なものだと疑ったことで事態をややこしくしてしまった。また話題の新人作家「濃野佐志美」が発表しようとしている作品が摂子と英吉にとって苦く辛い過去を暴くものだとして名倉夫妻から正体を含めて内々に相談され、食事に誘って凉子の説得にあたり「作家として人を傷つけるものは世に出すべきではない」と諭した。
秀次の入居が決まった後で六郎と彼に関する話をする中で、「やすらぎの郷 La Strada」に彼と過去に関係を持った女性が何人もいるという話題になり、顔ぶれを説明される中でポロリと律子の名が出たのに反応するも、六郎から違うと言われる。しかし、当の六郎が栄の追及に対し慌てて否定するだけだったことや、後述の律子の過去における行動もあって彼女と秀次の間に何かがあったのではないかとの疑念を抱く。秀次が女性のヌードを樹木の様にデフォルメして描いたデッサン「Rの木」は佐々木正(日本美術院特待)が担当した。秀次は入所予定日に現れず、深夜になって突然栄のコテージを訪ね、律子の位牌に長々と手を合わせた後、無言のまま遺影に見入ってしまうなど不審な行動で栄を更に悩ませ、不眠に悩んで[注 8]明け方に眠剤を飲んだ栄は起床点呼に遅れ「死んだ」と騒ぎになる。マヤや冴子たちに律子と秀次の関係をはぐらかされ、凉子に真相を聞いた。その中で、律子は秀次にヌードモデルに誘われたが結局何の関係もなかったこと、かつて起こした律子の自殺未遂の原因が凉子に対する罪悪感によるものであって栄が若い女優の安西直美に慕われた事が直接の原因でなかったことを知る[注 9]
秀次と律子の関係について誤解が解けるや、秀次がギックリ腰を起こしたことで密かに溜飲を下げていたが、病室から逃げ出した秀次にコテージに転がり込まれる。(秀次の項参照)そもそも嫌いな人物だというのに横柄な態度に出られるわ、ソファーで寝るハメに陥るわ、下の世話まで手伝わされるわと散々な目に遭うが、人間としての格の違いで強い態度に出られない。さらに警察に疑いを持たれ、実情は知らない凉子、冴子、マヤからは不本意にも秀次を匿う「真犯人」と勝手に憎まれていた上、ついにはこれに対して警察を呼んだ施設側への怒りから「他の入居者が頼りにならないから、入居者代表になって抗議して」と頼まれるが、その理由は自身が早稲田大卒のエリートと見なされた上に、「過去には刑事ドラマも手掛けたから、法律にも詳しいはず」という強引な理屈によるものだった[注 10]
郷内の人間が確執がある小春を避ける中彼女と接し、歓迎パーティーにも出席する。その後小春の自殺を受け、彼女の遺体の引き取り人を買って出て一時都会へ戻り、彼女の遠縁である村井や手伝いに来た中山と共に彼女の遺体を荼毘に付す。
かつて共に仕事をしていた、「ちのやん」こと茅野大三郎(後述)と再会。彼とは、妻が先立った後の事を語り合っていた。葬儀の後、冴子から安西直美に瓜二つな彼女の孫娘、榊原アザミと会った事を明かされた。
その後アザミと連絡を取るべく、携帯電話のメールを四苦八苦しながら習得する。
しのぶが郷を退去した同時期、アザミとついに対面するが彼女から直美が東日本大震災で亡くなった事を明かされた。彼女と駅で別れ、郷へ帰った後に彼女から「読んで下さい」と託された脚本の中に、自身がかつて直美へと宛てた手紙の一文が執筆されていた事を知り、衝撃を受ける。
秋になり、摂子がかつて高井の半生を描いたノンフィクション作家と対面する事になり、その場に立ち会うが触れられたくない過去の事を根掘り葉掘り聞かれ、深く傷ついた彼女の手を握っていた。
その後、夜中に自身のコテージを訪ねてきた摂子から、千坂との京都での思い出話を聞いた後で彼女を送る。
摂子の一件からしばらく後、中井が催していた「じじいバンド」のライブでかつて一緒に仕事をした事があるトランペッター兼作曲家の白鳥洋介と再会する。その前後頃、六郎から伸子の父と対面する事について相談された。彼と松岡が麻雀で勝負[注 11]する事になり、その場に立ち会う。終った後、松岡から呼び出され今後の事を託された。
六郎の麻雀勝負及び松岡との一部始終を、BAR「カサブランカ」で正臣に語り、閉店時間までその話で盛り上がってしまい、財前から窘められ、慌てて水割りを2人で飲み干していた。その後、財前の性的暴行被害を知り、悩みつつも彼女が復帰したBAR「カサブランカ」へと行き、彼女に対してどう接するべきか戸惑っていたが、意外にも吹っ切れた様子だった事から、安堵していた。
菊村律子(きくむら りつこ)
演 - 風吹ジュン
栄の妻。元女優。物語開始の時点で故人。劇団に属する舞台女優として活動し、人気を集めてブレークしたが撮影中の事故で腰を痛めてからは体力が落ち、加齢による心身の衰えもあって集中力や記憶力が低下してゆき、2012年に自らが出演した舞台劇『もういいよ…まぁだだよ…』で台詞を全く出せなくなり、その舞台を中断させた上に一部からも批判を受けた事に傷ついた末、その批判を気にする必要はないと励ます栄の言葉も「あなたは書くだけで、人前で演じた事が無いからそんなことが言えるのよ!」と撥ね退けて女優を引退する。
ブレークした全盛期には天然な面を持つことから“トロコ”の愛称で呼ばれていたが、凉子や六郎や秀次は栄との会話の中で律子を“律(りっ)ちゃん”の愛称で呼んでいる。
引退後は専業主婦として日々を過ごしていたが、晩年は認知症を患い、突如として家を出て周囲を徘徊しては栄に家へと戻されるようになり、末期には過去の出演作品を見せられても画面に映っているのが自分だと気付かず、栄が誰なのかすらわからなくなるに至った。それでも時々は意識が正常に戻って栄と普通に会話を交わすこともあり、そのような中で「やすらぎの郷 La Strada」への入居の話が舞い込み、栄と共に入居すると決まっていたが、入居を待たずして亡くなった。折しも入居のみならず、金婚式を迎える前であった。
栄は後述の路子との「女の一生」に関する会話の中で、自分と律子の関係について尋ねられた際に「律子の初体験の相手は自分」と口を滑らせている。その一方、栄との結婚後に仕事にて秀次と共演した頃、絵に熱中していたことがあり、これと六郎の発言もあって栄から秀次との間に何かあったのではないかと疑われる。
実際に、夫である栄が若い女優の安西直美から一方的に慕われ、「この件で律子に心配をさせたくない」という思いからあたかも何もないように装っていた中で彼女からのプレゼントであるペンダントを自宅のピアノに隠していた事に気づいてしまい、栄の意図を察してあくまでも表面上は「全く気付いていない」というふりを通そうとして精神が不安定になっている時期、秀次から執拗にヌードモデルを頼まれていた事があった。だが結局モデルにはならずに途中で思い返して帰ろうとし、その途上で当時秀次と同棲中だった凉子と鉢合わせる。その後凉子に謝罪の電話を掛けたがそこで凉子が何も言わずに電話を切るという、「あなたを絶対に許さない」と激怒しているとも受け取れる反応をしたことで精神的に追い詰められた末、過量服薬自殺を図るが、これに伴い「別れの挨拶」としての電話を掛けた凉子が事情を察し、手を回して病院に搬送したため一命をとりとめている。これが秀次との関係の真相であった[注 12]
すでに没しているが、栄の回想や妄想などにたびたび登場している。
白川冴子(しらかわ さえこ)
演 - 浅丘ルリ子
コテージ108号室の住人で、『緑の天使』でデビューを果たして以来芸能界で活躍してきた国民的人気女優。愛称は“お嬢”。「やすらぎの郷 La Strada」へ入居した栄と、『ゴールデン街の天使』の打ち上げから20年の時を経て再会を果たした。かつて203号室で暮らしていたが、栗山たかこの幽霊と思しき怪現象の末、わずか3ヵ月で部屋を代えた。老いてもなお見栄えには気を遣っており、化粧をしていないすっぴんの顔は誰にも見せない主義[注 13]。中学卒業後すぐに芸能界へ進んだためか常識には疎く、栄のみならずマヤをも閉口させることも多い。経済観念も破綻しており、絶頂時に稼いだ多額のギャラは「墓まで持って行けないから、お互い連れ合いもいないので生きているうちに使う」というマヤとの合意もあってほぼ使い果たし、現在は困窮している。一体幾つまで生きる人生計画だったのかと栄からは呆れられているが本人は「美人薄命」という理由でもっと早く死ぬものだと考えていた。
かつて人気の絶頂にあった頃は、冴子の誕生日パーティーに呼ばれることが芸能界におけるステータスであり、『山から谷へ』でギャラクシー賞を受賞した年の六郎や、『大納言シリーズ』が大ヒットしていた頃の正臣も呼ばれたこともあったが、彼女の人気に陰りが出だした頃から招待状を出してもそれを受けて出席する人数が減ってゆき、ついには3人しか出席しない事態となりパーティーの中止に追い込まれるが、周囲の手のひらを返したような扱いの違いを前に摂子が提案した「ナスの呪い揚げ」を承諾し、儀式の内容上大勢を呪うことは出来なかったものの、当初予定した384人の呪い揚げ候補を何とか30人にまで絞り込んだ上で実行した。翌日、そのうちの一人が儀式の時間帯に40代の若さで急死したことを知って動揺する。
他の女優たちと同様、小春と確執があり嫌っており、彼女がやって来た当初は「やすらぎの郷 La Strada」へ入居する気であると勘ぐるや、「小春が入るなら私が出ていくわよ。やすらげない郷になっちゃう」とまで言い放ち、歓迎パーティーにも出席しなかったが、その後考えを改め、小春が去る際には摂子と共に彼女を門で待ち受け和解。涙ながらに去る小春を見送った。
「女の一生」の実写ドラマ出演の打ち合わせを優先させたがために茅野夫妻の合同告別式に遅刻して現れ、マヤを怒らせた上に彼女の追及から逃れて自室に逃げるという醜態をさらしたことで、さらに怒りの炎に油を注ぐ結果となった。その夜、「カサブランカ」で、演出家・韮川から「すっぴんで演じる事」を求められ、怒りのあまり水をぶっ掛けて断った事を栄に話すが、その過程で知り合った脚本家志望の若い女性が実は安西直美の孫娘である事を知り、あまりにも瓜二つな事に驚き、スマホで撮影し栄に見せた。
栄がアザミと対面する日、マヤたちと彼を尾行して待ち合わせ場所の「アザレア」へと向かい店内から[注 14]様子を伺っていた(後から合流)。
伸子の父が郷へ現れ、六郎と娘を別れさせるようみどり達へ訴えていたところに理事長室へと現れ彼を麻雀に誘う。
財前の性的暴行被害を六郎を通じて知り、BAR「カサブランカ」で彼女を励ましていた。
水谷マヤ(みずたに -)
演 - 加賀まりこ
コテージ105号室の住人で、きつい口調が特徴の女優。16歳で『青い果実』でデビューした。喫煙者かつ酒も強く「悪女」といった印象を与える。冴子とはしょっちゅう口喧嘩をしているが、決して仲が悪いわけではなくむしろ良いコンビ。なお、女優としての仕事の中には『星の世界の洋子』という主演作品があるが、後述するちのやん夫妻にとっては特別な思い入れのある作品となっている。
昔から他者の心を読むのに長けており、それを遠慮なく追及するためどんな男とも長続きしなかった。栄とは仕事上の付き合いが深く、腐れ縁で互いの過去の所行については互いにイヤというほど知っており正に「異性の悪友」。冴子と同じく最終学歴が中卒という身で難しい日本語は苦手。ただ事情通で世間擦れしているため、浮き世離れした面も持つ女優陣の中ではわりと常識派に位置して、したたかな面も際立つ。栄の妻・律子の過去にも精通しているのだが、わりと口が重く大事な秘密は漏らさない。気の置けない存在として栄のコテージには頻繁に出入りしている。
犬山小春の歓迎パーティーに出席せず、また最後まで小春との和解は無かったが、小春の死後、小春が最後に書いた彼女宛の手紙を読み、涙する。
ちのやん夫妻の告別式に遅刻してきた冴子に「今頃来やがって」と不快感を抱き、彼女を問い詰めようとするが話らしい話も出来ぬまま逃げられたことで不快感はさらに増し、後日大喧嘩になる[注 15]
後述のノンフィクション作家が摂子を訪ねてきた際、彼女の様子がおかしかった事からBAR「カサブランカ」で栄に事情を聞き、彼女の心情を慮っていた。
中井のライブ直前まで行なっていた、リハーサルの音で麻雀に集中できず「うるさい!」と文句を言っていた。
松岡が郷へ現れた際、冴子と共に彼を麻雀に誘っていた。
三井路子(みつい みちこ)
演 - 五月みどり
コテージ304号室の住人で、歌手としてデビューし『夜、咲く花』で一世を風靡してから女優へと転身。1990年代に栄が脚本を手がけた『可愛い女』でギャラクシー賞を受賞した。かつて203号室で暮らしていた大女優の栗山たかことは「お姉様」と慕っていた仲であり、彼女と話し合って構想を作った「女の一生」を題材にした、自分が主役の舞台の脚本を書くよう栄に頼む。彼女らが構想を練った「女の一生の3つのターニングポイント」とは、「処女を失う時・男に金で抱かれる時・男に相手にされなくなってから、金で男に抱かれるようになる時」という、栄を仰天させるものであった。しかし、これを頼んだ時点で既に、謎の新人作家「濃野佐志美」によって勝手に『流されて』というタイトルで文芸誌に掲載されていたのには気付いていなかった。
霊感が強いと自称し、203号室での怪現象をたかこや彼女の死後に息を引き取った飼い猫の霊が原因であると主張するが、彼女の霊感絡みの発言の中には脚本を書く気は無いと言う栄に「嘘。書きたいと顔に書いている」と否定したり、怪現象を止める方法として「お姉様の望み通りの脚本を書いて」と頼むという、彼女自身の願望を栄に押し付ける口実じみたものが含まれており、栄からは脅迫かと疑われるなどいささか胡散臭く思われている。しかし彼女自身はこれはあくまでも本物の霊感であると認識しており、そのために霊のみならず人の心もわかると称する他、霊を慰めるために香を焚いたりもしている。秀次がぎっくり腰で倒れた時もおむつを穿かせようとする冴子たちとは異なり、ヴィラの一角で香を焚いていたが後にこれについて「亡くなった大村さんも腰を痛めていたけど、大村さんの霊がまだいたから、秀さんもぎっくり腰になった」と語っている[注 16]
秀次の件が収まったのちにどさくさに紛れて彼のヴィラへ赴き、おむつを取り替えるしたたかさも併せ持つ。
小春の歓迎パーティーに出席した数少ない入居者の一人。
郷に(実は仔熊だった)の出没情報が発生した際に、動揺し[注 17]栄に「殺さないよう猟友会に伝えて」と電話で相談していた。
九条摂子(くじょう せつこ)
演 - 八千草薫
ヴィラA号室の住人で、戦前から活躍する女優。戦前はいくつもの映画に出演していたが、戦後はテレビドラマを中心に活躍し、かつて栄が手がけた『祇円物語』で主演女優賞を受賞したことがある。90歳を過ぎても品の良い美しさを保っている。愛称は“姫”。
かつて若手の画家と結婚するも、その結婚生活は夫の薬物中毒死によって数年で破綻しており、それ以外の結婚歴はない。ただし、世間では戦前に関係があるも死別した映画監督の千坂浩二こそが「姫の永遠の恋人」として認識されており、彼女自身も浩二の写真が入ったカメオを大切に身に着けており、なおかつ彼に「処女をあげた」とも冴子らに語っている。普段の生活はガーデニングに精を出す穏やかで慎ましいもので、飲めないため「カサブランカ」に顔を出すことも稀。一回り年下[注 18]の栄にとって憧れの存在。
故人の意向で贈与された遺品のスケッチ画について摂子から相談された栄は、それが有名画家の大作のもとになったデッサン画でないかと指摘。高額なものでないかと疑い鑑定を依頼する。それと知った摂子は受け取りを拒否し、故人の意向を重んじる遺族と揉めることになってしまう。その後、栄だけに「ホントは欲しかったが、女の意地というものがあるでしょう」と本音を覗かせている。
戦時中、海軍の若手参謀だった英吉からの求めに応じて特攻隊員への慰問の食事会に参加した。隊員たちは思いも掛けぬ計らいに喜んだが、それは翌日に出征し死ぬことが確実であった彼らに対する、いわば「最後の晩餐」であったことを知り、複雑な心境を抱く。さらに終戦後、その時の特攻隊員の母親から「息子は貴方に逢えたことを喜んで戦死を遂げたが、貴方はそのときの食事の味を覚えていますか?」という内容の手紙を受け取り、深い心の傷を負う。
冴子が毎年行っている誕生日バーティーに出席するとの返事を出した数少ない一人であったが、出席者の少なさゆえにパーティーが中止となり、ホテルへの高額なキャンセル料の発生に困惑する冴子への同情と、恩知らずな関係者への憤りから、戦前の映画撮影所で流行っていたという、丑三つ時に恨みのある人間一人に対して一本のナスを揚げてから食べる(あるいは、最低でも一口は齧る)という「ナスの呪い揚げ」の儀式を提案、内緒で協力してくれたスタッフの助力も得て自らのヴィラにて実行した。後日、深夜に大騒ぎしていたことと「ナスを使ってなにかしていた」件についてみどりから追及を受けるも、ボケたふりをして誤魔化すお茶目な一面も持っている。
一方で過去の蟠りに囚われて小春の歓迎パーティーに出席しなかった冴子やマヤ、マロに対しては激怒を露わにした。
その後小春が「やすらぎの郷 La Strada」を去る際には冴子と共に門で待ち受け、彼女に「郷のみんなから」とした餞別を渡して彼女を励まし、見送った。
秋になり、自身を訪ねてかつて高井の半生を描いた本を出版した、ノンフィクション作家と対面。彼から、戦時中の出来事等を根掘り葉掘り聞かれ、当時の事を思い出し傷つき絶叫しその場を後にした。深夜になり、突然栄のコテージを訪ねてくる。
ノンフィクション作家に対し、「悪い事しちゃったわね」と語り、彼が出征する直前に自身を撮影した時[注 19]の出来事を栄に語る。話し終わると、栄と手を繋いで帰って行った。
後日、朝食をとる栄の前に現れ、千坂が自身の夢枕に現れた事を栄に打ち明け、自身が老いたのに彼が若いままだった事から「ずるいわよね」とこぼしていた。
川添夕子
演 - 松本ふみか
摂子の付き人で、606号室の住人。彼女からは「夕ちゃん」と呼ばれている。秀次の失踪騒ぎにおいては、誰も傷つけない形で問題を有耶無耶にするために「誰も気づかなかったことにすれば良い」という幕引きを提案。少々無理のある筋書きであったが、一応の収束に成功させる。
真野六郎(まの ろくろう)
演 - ミッキー・カーチス
コテージ101号室の住人で、賭博での度重なる逮捕歴[注 20]を持つ個性派男優。愛称は“マロ”。秋田県出身。賭場への出入りは終戦後間もない時期からという筋金入り。老いてもその性分は変わらず、秀次の失踪騒ぎの際には、自らが胴元となり施設内の住人や職員に対して「誰が秀次を匿っているか」を予想する“馬券”を売っていた。一方で本業の俳優業では『山から谷へ』でギャラクシー賞を受賞したことがあるが、本人はこれを受賞した当時について「あの年だけやけにチヤホヤされたが、翌年からはあまり見向きもされなくなった」と語っている。
夜になると「カサブランカ」の常連客として、正臣や栄と盃をかわしている。芸能界での長いキャリアから表には出ない様々な噂話を知っており、酒が入るとそれらをポロリと漏らしたりすることが多く、そのせいで「ナスの呪い揚げ騒動」に巻き添えを食って参加させられたり、栄に律子の件でいらぬ疑いを持たせたりしてしまう。
プライベートではアメリカ絡みのものが好きなようで、コテージの室内の一角や玄関の近くにアメリカのポップ・カルチャーでは有名なルート66のグッズを飾っている。また、高齢者ながらもネット関連には詳しいようで、入居者の多くがガラケーを使っている中で若者よろしくスマホを愛用しており、ヤフオクのことも知っている。さらに、老いてもなお色気絡みの事項への興味は失われてはおらず、摂子らが所持していた若い頃の写真の中に水着姿の若い律子を見つけた際には「わーお」と歓声を出していた。また、敷地内の入り江で職員の若い女性たちが水着姿で戯れているのを目にして「青春が蘇っちゃう!俺、森田健作になっちゃう!」とハイテンションになったが、直後に数日前に目撃した凉子の様な老いた姿に、彼女たちも時が経てばいずれはなるという現実に気付くや「時よ!せめて1人くらいは例外を作れ!」と怒鳴った。
家族は暴力団組長だった父親がいたが、抗争にて死亡[注 21]。兄と姉がいるが関係は良くないようで「俺の遺産はあいつらにはあげないよ」と栄や正臣に明言しているが、その総額は30万円とのこと。また、50歳の頃に愛人に産ませた娘がおり、遺産は彼女に全て譲る意向であるが、それが法的に可能か否かについては少々ややこしい(詳細は後述)。結婚歴があり子供を3人儲けているが、離婚。しかし、伸子との結婚話の過程で籍が抜けていなかった事が発覚。信三から「重婚罪で訴える!」と言われていた。さらに、孫もいるがこの孫と接する時だけは典型的な「孫を溺愛するおじいちゃん」に人が変わる。
実は1年ほど前から、コンシェルジュ・伸子(後述)と密かに交際している事が判明。結婚を考えるまでに発展している。しかし、秋になり伸子の父が現れ自身の経歴を調べ上げた上で別れを迫られるが、彼と麻雀で対決。かなりの好成績だったが、結果は自身が勝ちを譲る形に。その後、BAR「カサブランカ」で栄と呑んでいた。
岩倉正臣(いわくら まさおみ)
演 - 山本圭
コテージ201号室の住人で、1970年代に時代劇で人気を博した男優。栄と同じく、妻に先立たれた身である。
自ら主演した東日テレビの『痛快極楽時代劇 幕末大納言』を主軸とする一連の『大納言シリーズ』が大ヒットしたことから、愛称はそのまま“大納言”。同作品には、続編として作られるも当たらなかった『新大納言シリーズ』と、その続編で再びブレイクした『中納言シリーズ』、さらにその続編として作られるも大失敗に終わった『少納言シリーズ』がある。その後、麻布に居酒屋「大納言」を出店するが、あえなく失敗に終わる。
『大納言シリーズ』には思い入れがあるようで、コテージの洗面所の一角には関連グッズと思しき「大納言」と書かれたステッカーを貼っている。また、時代劇に出演した経験や武道の嗜みがあることから、ある程度ながら日本刀の目利きが出来る。
第41話では六郎が天国と地獄を語るシーンで(地獄絵担当、佐々木正:日本美術院特待)あの世でもう二度と会えないと思っていた女房に会えるなら「若い頃より、死ぬ間際の老けた女房に俺は会いたい。その方が、話すことがいっぱいある」と感動的な言葉を述べた。
小春の歓迎パーティーでは司会を務めた。
六郎が伸子と密かに交際している事を、一緒に雀卓を囲んでいた栄たちに話した。
身内の葬儀のため、一時郷から外出していた。
井深凉子(いぶか りょうこ)
演 - 野際陽子[注 22]
コテージ206号室の住人で、女優。かつて栄が手がけた『老女組合』に出演したことがあり、加えて律子を含めた菊村家とは家族ぐるみでの交流があった。体も頭も動かさないと鈍るという考えから、ウォーキングが日課。執筆業という職業病につきもので運動不足気味の栄とは正に対極に位置する溌剌とした女性。小料理屋「山家」の常連客でもある。
秀次とは若い頃同棲をしていた過去を持つ。それ故に秀次の入居に浮き足立つ女優陣の中で唯一人超然と構えていたが、彼の失踪騒ぎの際にはその過去から警察に被疑者として真っ先に疑われ、事実上「家宅捜索」されたことに立腹していた。
冴子たちと共に栄の後をつけ、「アザレア」で合流したがその後、気を使って栄に「山家」へ場所を移すようアドバイスした。
濃野佐志美(こいの さしみ)
『老女たちの春』といった作品が本屋大賞にもノミネートされるなど、最近注目の新人作家。その正体は謎とされているが、実は凉子のペンネームである。作品の多くは「やすらぎの郷 La Strada」での出来事や入居者たちの過去話を、人名を架空の名前に変えるなどしてフィクション仕立ての小説としたもので、その中にはかつて栄が律子と若い女優の安西直美との三角関係になったあげく、律子の自殺未遂にまで至った一件を題材にした『壊れたピアノ』もあった。ペンネームの由来は「山家」の名物メニューにして彼女のお気に入りでもある「鯉の刺身」。
女優として脚本家の台本に沿って演じていたことへの反動と、入居者たちから聞き出したネタを眠らせたくないという欲求が執筆業への転身に繋がった[注 23]。栄が名倉夫妻から後述の『散れない桜』の件を頼まれるよりも前の時点では、路子と栗山たかこが構想を練っていた「女の一生」をネタとして執筆した『流されて』を発表している。その後、摂子と英吉の戦時中の秘話をもとにした『散れない桜』を発表しようとした時には、その分野では先輩格の栄の説得を受け、原稿を破棄しろという忠告には従った。逆に栄が律子と秀次の過去に疑惑を向け、故人の秘密を暴こうとした際には「事実は事実だが、唯一無二の真実ではない」と諭す側に回った。
その後、財前が持っていた鯉から真相に辿り着いた真野と岩倉によってその正体が井深であることが郷内に暴露されるに至った。
及川しのぶ(おいかわ -)
演 - 有馬稲子
コテージ306号室の住人で、シャンソン歌手。お酒好き。かつて日本人歌手としては初めてカーネギーホールでコンサートを開催した経歴を持ち、さらには今から遡ること40年ほど前に、日本のバラエティ番組の草分け的な存在とも言われた伝説の番組『しのぶの庭』のMCを担当していたが、声が出なくなってからはシャンソン歌手としての第一線からは身を引き、女優業にも手を出すが、栄の手掛けたドラマに出演するものの演技力不足で人気を得られずに終わった。
現在は認知症なのか、酔った勢いで「エディット・ピアフイヴ・モンタンは死んでおらず、まだ生きている」などと訳の分からない話を堂々とする面があり、かつてシャンソンにはまって彼女に夢中になっていた時期もあった栄もその姿にはショックを受けた。一方で歌唱力は全勢期よりも衰えているとはいえ未だ健在で、時折「やすらぎの郷 La Strada」の入居者たちを前に歌を披露することもある。また、ピアノの演奏も出来る。
六郎によれば時折全く正常な様子で会話をしているとのことで、それゆえに彼はそのボケが演技ではないか、また「濃野佐志美」の正体は彼女で、ボケていると思い込んで警戒を解いた入居者たちの会話をしっかり記憶しているのではないかと疑ったが、当の彼女に探りを入れるもそれを伺わせる反応が無かったことから、推理は外れという結論に至った。
犬山小春とは長きにわたり確執があったが、貝田がしのぶを諭してついに和解。小春の歓迎パーティー開催を開こうと提案するまでに至る。その後のパーティーにも出席し、『しのぶの庭』のオープニングテーマ、「花は今開く」を披露した。ところがその後石上の詐欺行為が明るみになり、『しのぶの庭』の復活が嘘であること、そして貝田が自殺未遂をしたことを告げられると、ショックを受け、ピアノを叩き絶叫してしまう。
夫の遺産はいわゆるタックスヘイブンヴァージン諸島で管理されており、パナマ文書の中にあった「S.OIKAWA」の名義からしのぶの口座の存在が明らかになる。他にも施設が入居にあたって申告を求めた資産とは別にタンス預金で貝田が管理している資産があった。詐欺の被害額は3000万円とされる。
石上の詐欺行為が発覚するとショックを受け荒れてしまう。事情聴取を終えて戻ってきた小春が自室にやって来た時も飲んでいた酒を浴びせるなど辛く当たり、怒りのままに「やすらぎの郷 La Strada」の入居者に土下座して謝ってから帰ることを要求した。その後彼女が本当に土下座して帰った後、「カサブランカ」で彼女が騙されていたことを受けて「私、あの娘に悪いことしたのかな」と栄に語った。皮肉にもこれが彼女が認知症が悪化する前に最後に発した言葉となった。
その後この事件のショックで認知症が悪化。当惑する入居者たちの前で『しのぶの庭』を一人で再現し[注 24]、その中で特別ゲストとして小春を紹介、彼女に対する本心を垣間見せた。その直後には修平から鎮静剤を処方されて病室棟で眠っていたが、それから2か月後の7月の時点では虚ろな様子であるのが時折目撃されている。
茅野の告別式に車いすで現れ、故人夫妻が好きだった歌手・中島みゆきの曲『ファイト!』の1番の歌詞を朗読していたが、途中から歌い出して葬儀の参列者と共に大合唱で見送った。
真野と伸子の交際が明らかになった前後頃、突然「やすらぎの郷 La Strada」から失踪し騒動になるが、数時間後、漁村で発見され保護されていた。
それ以降、徘徊が激しくなり[注 25]貝田を始め「やすらぎの郷 La Strada」のスタッフが疲れ果て、ついに「医研センター」[注 26]という別の介護施設へ移されることになり、郷を去っていった。
貝田英信(かいだ ひでのぶ)
演 - 藤木孝
コテージ308号室でしのぶと共に暮らす。バンド「スウィーティ・ファイブ」のピアニストをしていた。彼女とは籍を入れていないが1972年より事実上の内縁関係が始まり、現在は「ソフレ(添い寝フレンド)」の関係にある。彼女からは「貝ちゃん」と呼ばれている。仕事の話の時は、二人きりでも敬語で話をする。
炭鉱業が盛んだったころの北九州に生まれたが、その後の閉山によって家族は離散し、現在連絡の取れる身内はいない。妹も小倉に住んでいたが1971年に亡くなっている。また、バンド時代の彼以外のメンバー4人も、その内3人は既に亡くなっており、残る1人は老衰でとある施設の世話になっている身であり、ほとんど天涯孤独という身。周囲には、自らのことを自嘲も込めてジゴロだと語っているが、伸子ら施設職員からは単にヒモと認識されている。
「やすらぎの郷 La Strada」でしのぶが歌う時は彼がピアノを伴奏するのが常。また、「カサブランカ」にしのぶと連れ立って来店した際、しのぶが「私はいつものテキーラ。こっちはいつものジンジャーエール」と注文していることから下戸である模様。なお、しのぶと違って認知症の気配は無いようで、しのぶが酔った勢いで先述の訳の分からない話をしていた時も否定をすることなく調子を合わせてはいたものの、複雑な表情を浮かべていた。
石上が持ちかけた「しのぶの庭」復活計画に際し、彼に促されるまま関係者への工作資金を提供するが、その話が全て詐欺で資金を持ち逃げされたことを知りしのぶへの責任感や罪悪感から「やすらぎの郷 La Strada」に電話で「しのぶさんには言わないでほしい」と前置きをしてから事情を伝えた上で失踪。木更津の海岸で入水自殺を図るが、近所の漁師に発見され一命は取り留め、施設内の病室棟に入院療養する。それから2か月後の7月の時点では傷が癒えて退院しており、時折しのぶの車椅子を押している姿を目撃されている。
それ以降、病状の悪化したしのぶに連れ添い彼女を見守っていたが、漁村での一件以来徘徊が激しくなりしのぶが休館日の公共施設へ入り込む事件が発生。職員からも「共倒れになる」と心配される事態に。ついに彼女が郷を退去することとなり、涙ながらに見送っていた。
高井秀次(たかい ひでじ)
演 - 藤竜也
栄の入居後からいくらかの時を経てヴィラB号室に新しく入った住人で、任侠映画で一世を風靡した伝説の男優。77歳。九州出身。「やすらぎの郷 La Strada」の入居者や、非行に走った過去のある一部の職員は親しみと畏敬の念を込めて「秀(ひで)さん(もしくは高井の秀さん)」と呼んでいる。一方で後述の人を引き付ける魅力から、猫を引き付けるマタタビに因んで「マタタビスター」とも称されている[注 27]
俳優業以外では、美大の出身で画力があったことから様々な絵をコンクールに出展し、何度も入選している。その絵の中には、彼独特の人を引き付ける魅力によって、関係を持った女性の“ありのままの姿”を題材にした裸婦画もあったが、十数年前、自らが還暦に近かった頃に描いた絵のモデルが現職大臣の夫人であったことがスキャンダルとなり、世間を騒がせた末に芸能活動を停止することとなった。それからはただでさえマスコミへの露出が少なかったのが、さらに世間から姿を隠した隠者も同然となり、「やすらぎの郷 La Strada」への入居が決まる前のここ数年は海外で暮らしていた。
「伝説の男優」としてのパブリックイメージも手伝って、何かにつけて一挙手一投足を注目され本人も辟易している。「やすらぎの郷 La Strada」への入居に際しても迎えの車を断り、予め手配していた船から沖合でゴムボートに乗り移って施設に面した海岸から上陸。入居を待っていた人々(特に入居者の女性陣)を肩すかしさせた。
しかし、本人も自分のキャラクター性に合わないことを徹底的に隠すなど、やや見栄っ張りな面も持つ。ジムでは早朝トレーニング中に「ぎっくり腰」を起こし(入居者達からは当初心筋梗塞で倒れたと誤解された)、部屋に「私が世話をする」と押しかけて来た女性陣から無理やり紙オムツを着用されそうになるなど落ち着けない状態に置かれ、とうとう一馬に頼んで密かに逃げだすや、栄のコテージに転がり込み、秘密を守れる存在だと勝手に見込んだ彼の寝室を占領してしまう。このことは施設のみならず世間的にも「失踪騒ぎ」となり、警察の捜査対象となる。更に我が物顔に振る舞って室内での喫煙を注意するなどして栄を苛立たせる。また世間的には「寡黙」を通り越して「無口」で通っているが、心を許した相手に対しては饒舌であり、哲学じみた持論を長々と語る。また、発情期の猫の声のような独特のいびきをかく。
犬山小春とは彼女が歓迎パーティーを待つ間に海岸で再会する。その後彼女の「シワだらけ」の顔を描きたいと懇願し、ヴィラ内で彼女の顔を描き始める、スケッチブックへの写生は佐々木正(日本美術院特待)が担当した。その後小春が郷内のフロントで土下座し謝罪した際に現れ、栄と共に彼女を海岸に連れて行き励ます。そこで彼女に「モデル代」として金銭と、「お守り」として不動明王が彫られたペンダントを餞別として渡す。彼女の死後も描き続けていた小春の肖像画は第65話で完成、菊村を感激させた。
茅野が亡くなってすぐ、彼が妻のために作った『星の世界の洋子』のラストシーンに由来する、手作りのプラネタリウムの如き大仕掛けを栄と共に振り返り、「たった一人の奥さんのために、幾晩徹夜して作ったんでしょうな」と思いを語った。
かつて、自身の半生を描いた著書を出版したノンフィクション作家と摂子が対面するところに立ち合い、彼が摂子の過去に執拗に踏み込んだ発言をした際には、制止していた。
財前の暴行事件を知り、原田・那須と共に犯人グループの元へ乗り込み、犯人グループへ報復した。
なお、モチーフにした人物は高倉健であるとされる。[8]
三角寬次
演 - 山谷初男
コテージ202号室で暮らす老優。身寄りはいない。小春の歓迎パーティーに出席していた。
堺田俵介
演 - 毒蝮三太夫
409号室で暮らす老優。館内放送「やすらぎアワー」担当時には毒舌調の語り口が持ち味。
原田
演 - 伊吹吾郎
601号室で暮らす大部屋俳優。トレーニングジムの常連。
那須
演 - 倉田保昭
503号室で暮らす。元殺陣師。原田と同じく、トレーニングジムの常連。カンフーが得意。
中井竜介(なかい りゅうすけ)
演 - 中村龍史
502号室で暮らす、コミックバンド「ファンキー・ドッグ」の元メンバー。DJとしても活躍した。
現役時代は様々な病気にかかり闘病を重ねていたことから「病気のデパート」とも揶揄されていたが、何の因果か彼よりも人気があり健康でもあったはずの他のメンバーが次々と亡くなっていく中で唯一生き残り、医師からガンで余命3年の宣告を受けてからも「それから1年、また1年」と時を重ねながら生き続けている身である。
「やすらぎの郷 La Strada」への入居後も、自身の大病経験を面白おかしく織り込んだ自虐的な楽曲をインディーズで発表。入居者の中にもそれなりにファンが付いている。それらは「糖尿だよ、おっかさん」「振り向けば腰痛」「痛風に吹かれながら」「透析ブルース」「いぼ痔のオヤジ」「前立腺と新幹線が豊橋の駅で恋をした」と、楽曲名だけでもナンセンスさが十分窺えるものである。
「やすらぎアワー」担当時は話している言葉の同音異義語を連想させる振付をしながら喋っている(「今朝」で「袈裟」など)。
「やすらぎ体操」の作詞・作曲・振付も手掛けており、時折ギターを弾き語りしてやすらぎ体操のBGM代わりとする。
摂子の一件からしばらくして、自身が率いる「じじいバンド」[注 28]のライブを郷内のサロンで開催するが、そこでは先述の「糖尿だよ、おっかさん」[注 29]を歌っていた。
第20週にバルコニーで歌の練習をしていたところ、白鳥が現れ彼から曲のアドバイスを受けていた。
茅野大三郎(ちの だいさぶろう)
演 - 伊藤初雄
「第一テレビ」の元美術担当者[注 30]。愛称・「ちのやん」。テレビの世界に、作り物ながら本物と同じ「溶ける雪」を初めて持ち込んだ実績の持ち主で、栄とは昭和41年の『文七かんざし』が共に手がけた初仕事の仲。
妻である、順子(後述)と共に入居。夫婦揃って中島みゆきのファン。
栄と再会した際、自分たちの終活について語り合い、夫婦の末路について「残される方が絶対つらいよね。だから俺はつらい方を引き受けようと思う」と語るが、それは律子の死に際した栄もかつて考えたものであった。自身の最後の仕事として、病棟内に順子が大好きだった『星の世界の洋子』の演出である満天の星空を再現。彼女はその下で静かに息を引き取る。その翌日、自身も後を追うように心筋梗塞で亡くなる。
亀山〔茅野〕順子(かめやま〔ちの〕じゅんこ)
演 - 長内美那子
「第一テレビ」の元タイムキーパー。「カメコ」の愛称で皆に親しまれた。「ちのやん」こと茅野大三郎とは職場結婚。
栄が夫と再会したころ、すでにガンに侵されて病棟で寝たきりだった。それからしばらく後、亡くなる。
白鳥洋介(しらとり ようすけ)
演 - 上條恒彦
トランペッター兼作曲家。中井が催していたライブ当日、郷へ入居した。妻・ジュディ(後述)とニューオリンズで暮らしていたが、先立たれた事を栄に話す。
かつて、栄とも一緒に仕事をした事があり、フロアで再会を祝して一緒にビールを酌み交わしていた。
自身が手がけた、テレビドラマの劇伴に使われた曲をCDにダビングし、栄に贈る。

「やすらぎの郷 La Strada」の職員[編集]

松岡伸子(まつおか のぶこ)
演 - 常盤貴子[9]
「やすらぎの郷 La Strada」のコンシェルジュ。入居者の日々の生活全般はもとより、時には財産・遺産の相談にも乗っている。死後のトラブル回避のため入居者に終活も勧めている。
第77話にて、1年前から六郎と熱愛関係にあったことが判明し、急遽名倉夫妻に呼び出され事情を聞かれるも、ある種達観した様子で六郎を愛している事を夫妻に告白した。また、幼い頃は「ブー」の愛称で呼ばれており、六郎からもそう呼ばれている。
第94話で、父親が郷へ来る事となり、六郎が困り果てて栄に相談していたが「あなたの問題でしょう」と彼に告げた。
出身地の詳細は不明だが、第35話で他の面々が聞き慣れない言葉を発し、それが北海道の言葉と説明していることから、北海道と何らかの縁がある模様。また、元財務官僚の父(後述)がいる。35歳。
財前ゆかり(ざいぜん -)
演 - 松岡茉優[9]
「やすらぎの郷 La Strada」内にあるバー「カサブランカ」に勤務するバーテンダー。平成8年(1996年)生まれ。郷へは自転車で通勤している。バーの常連客からの愛称は「ハッピー(ちゃん)」。家族は漁師の父と、「やすらぎの郷 La Strada」からそう遠くない山中で食用鯉の養殖と小料理屋「山家」を営む祖父がいる。
老優たちがカウンターで「密談」を重ねる際は、席を立つ気遣いを見せる。かつてそろばん教室に通っていたらしく、暗算が得意。
祖父から郷の住人たちへの差し入れとして送られた鯉を持ち込む際に「刺身にして食べさせる」「(「山家」には)井深凉子さんもよく来てくれる」と、何気なく大納言とマロに言ってしまったが、そのことで彼らが「濃野佐志美」の正体に気づくきっかけを作ってしまう。
第96話で、栄と正臣が六郎の一件で盛り上がり閉店時間を大幅に過ぎるまで呑んでいたため、彼らに告げると一気飲みして帰ろうとしたため、窘(たしな)めていた。郷からの帰宅途中、路上で若者グループが急病人を介抱している様子を見て声をかけたが、[注 31]グループのメンバー2名からいきなり襲われ、拉致されて性的暴行を受けてしまう。
しばらく、郷を「風邪をひいた」[注 32]という事にして欠勤していたが、第100話で復帰。吹っ切れた様子であった事から、栄たちを安堵させていた。
加納英吉(かのう えいきち)
かつて芸能界で絶対的な権勢を誇った芸能事務所「加納プロ」の創業者兼会長で、その存在感から「芸能界のドン」とも呼ばれた。
みどりの父(ただし実の親子ではなく、いわゆる婚外子である)。2001年に加納プロを解散してからは表舞台に姿を全く見せず、世間からも半ば忘れ去られていたが、みどりから栄に対して、彼が莫大な私財[注 33]を投じて「やすらぎの郷 La Strada」を作ったことと、百歳近い高齢であるがまだ存命であることが明かされる。ただ、往事を知る人物たちからは芸能界に寄生する「芸能ヤクザ」とみられていた節もあり、どういう意図でこのような慈善事業に乗り出したのかと訝しまれており、またそのことが、施設の存在を「都市伝説」たらしめている一因ともなっている。
戦時中は海軍軍令部に所属し、若手参謀の一人であった。その時担当していた仕事に、当時人気の役者・歌手・浪曲師らを満州などの前線へ慰問に送り込む「前線慰問隊」の運営もあり、そこでデビューしたばかりの摂子と出会い一目で心を奪われた。しかし、慰問隊に摂子を参加させたことが、後に深い心の傷を負わせることになる。
戦後はその職歴から一時公職追放に遭い、摂子の運転手となって糊口を凌いでいた時期もあった。しかし、ちょうどその時に摂子が先述の「手紙」を受け取り傷ついたのを目の当たりにし、責任を感じて彼女の元を去る。
公職追放の解除後、海軍時代の人脈から政財界へのコネクションを得て、高度成長期にはテレビ局の開設準備にかかわる。そのことがきっかけで、芸能人のマネジメントを手掛けることとなり「加納プロ」を設立。当時、夫を薬物中毒で失うなど窮地にあった摂子の復活に尽力しただけでなく、後には芸能界を牛耳る一大プロダクションにまで育て上げる。摂子への恋心はその後も終生引きずり、誰とも正式な結婚をしていない。
みどりと修平は栄との会話の中で英吉のことを、前者は「父」、後者は「親父」や「加納のパパ」と呼んでいる。また、高齢ながらも存命だと聞いて驚いた栄が「まだご健在ですか」と言った際に修平が「ご健在といえるかは…」と言葉を濁していたことから、全盛期と比べて心身には衰えがある模様。一方で石上の詐欺事件で明るみに出たしのぶの隠し資産については、当惑するみどりをよそに「人はすべからくそういうものだ」と一笑に付した。
名倉みどり(なくら -)
演 - 草刈民代[9]
「やすらぎ財団」総務理事。英吉の娘だが、本人曰く「二号さんの娘」。少し気取ったところはあり、口さがない面もあるが根は正直で無闇に人を疑う性格ではない。また、施設職員に対して入居者への表現をたしなめる[注 34]など根っからの常識人ではあるが、医師の妻という身で良い意味でも悪い意味でも世間擦れしていない。
栄に夫婦で「やすらぎの郷 La Strada」に入居する話を持ちかけてきた。律子の死に際しても弔問に足を運び、改めて栄だけでもと入居を勧めた。
栄の入居後は信頼が置け、口も堅いと見込んだ栄をなにかと頼りにしており、事件の穏便な解決や突発的な問題対応で栄に協力や助言を仰ぐことが多い。
慈善事業としての施設運営には誇りを持つ。それゆえに、石上をめぐる一連の詐欺事件では事態の収拾に苦慮し、またしのぶが虚偽の資産申告をしていたことにショックを隠せないなど施設運営に悩む姿を見せた。
四宮来郷の際にはそれを楽しみにしているなどそれなりにミーハー。
コンシェルジュの伸子が真野と密かに交際している事を知り、彼女を呼び出し事情を聞き伸子から真野を真剣に愛している事を打ち明けられ、修平共々驚く。
名倉修平(なくら しゅうへい)
演 - 名高達男[9]
「やすらぎ財団」理事長。みどりの夫で、過去に明北医大の院長も務めたことがある医師。落ち着いた雰囲気で人当たりの良い名医。普段は「やすらぎの郷 La Strada」の施設医師として、入居者の健康診断といった仕事を週5日で受け持っている。
妻と同様に世間擦れしておらず人間の表裏にはやや疎い。しのぶが石上に詐欺にあった際も、大金をだまし取られたことよりもその大金自体が「自分達を心の底から信頼せず、申告しないで隠し持っていたもの」であることにショックを受けていた。
第20週で、高井たちが財前と一馬を襲った暴走族に報復した件で3人を呼び出し、厳重注意した。
三枝奈々
演 - 東松史子
伸子の部下。肩書は「アシスタント・コンシェルジュ」。
風間ぬい子
演 - 広山詞葉
みどりの秘書。なお、奈々とぬい子はかつてみどりや伸子と共に、太平洋航空が業務縮小に伴い人員整理をするまでキャビンアテンダントとして勤務していた同僚同士。
洋介の入居当日、栄と呑んでいた彼に自身の父親が「白鳥さんのファンなんです」と伝えた。
宮下一馬
演 - 平野勇樹
総務担当職員。その容姿や気安さもあって入所者からは「カズマ」と慕われ、特に冴子やマヤのお気に入りでよく運転手替わりにされている。元は小田原暴走族をし犯罪行為にも手を染めたが、現在は更正して真面目で熱心に働いている(但し、現在も保護観察中の身である)。もっとも、冴子とマヤを盗撮したパパラッチを見つけた際には、かつての悪行ぶりを彷彿とさせる手荒な手段を使って撃退したこともある。
秀次の失踪騒ぎの際の共犯者。彼が秀次の頼みを受けて車椅子で、「口が堅くて信頼できる」という考えで栄のコテージに無理矢理運び込んだ。栄とは暗号を決めて秀次の介護や食糧調達に協力するも、不審な行動が正や秀夫にバレそうになるや、保身のために「菊村先生に頼まれたんです」との虚偽の自白をもって栄に責任転嫁した。しかも、マロが胴元となって主催していた、事件の真犯人を当てる賭けには唯一人大穴狙いで栄に賭けていた。
第96話で、帰宅途中に不審車を目撃し近くにゆかりの自転車が草叢に放置されているのを見つけ、彼女を捜すがゆかりが性的暴行の被害を受けた事を知り、ショックを受けた。犯人グループの一人がかつての同級生である事を知り、彼が働く解体工場へと赴き、咎めるが逆に返り討ちに遭う。事件後は「風邪」という事にして[注 35]、自宅で療養していたが高井たちが現れ、彼の所属する暴走族のたまり場を教えていた。
中里正
演 - 加藤久雅
保安部主任。認知症の入居者が徘徊して行方が分からなくなったような場合には、部下を引き連れて捜索する立場の人間。秀次の件で一馬が怪しいと睨み、夜の栄のコテージから合鍵を使って出てきた所を秀夫と共に押さえた。
財前たちの一件を知り、進藤たちと共に犯人グループへ報復しようとして準備していたが、高井たちから「あなた達がいなくなったら、誰が年寄りの面倒をみるんですか!?」と諭された。
進藤秀夫
演 - 山下澄人
施設主任。「やすらぎの郷 La Strada」の運営に必要不可欠な発電用のソーラーパネルといったインフラ設備の保守点検を担当する。秀次の件で正と共に、一馬の言い逃れの出来ない現場を押さえて問い詰めた。
橋本忠吉
演 - 納谷真大
食堂主任。秀次の入居が決まった件で、話に夢中になるあまり仕事の手がおろそかになっていた平助と豊を叱責するが、直後に火にかけたフライパンを手で揺すりながら、後述する“ケツササイズ”の動作である尻を振るという、「仕事とケツササイズを両立させるベテランの技」を披露した。
野村伊三郎
演 - 芳野史明
介護主任。
菅野平助
演 - 西岡ゆん
食堂担当職員。同僚の豊とは仲が良い。
村松豊
演 - 福崎峻介
食堂担当職員。秀次が主演した映画を見て、彼の臀部全面に彫り込まれた刺青に憧れ、スポーツジムでお尻の筋肉を引き締めるためにエクササイズならぬ“ケツササイズ”に熱中していた過去がある。
冲正之
演 - 熊澤洋幸
保安部職員。
千倉和夫
演 - 森谷勇太
保安部職員。
竜村剛
演 - 橋爪遼
若手の介護士。なお、演者の不祥事により2017年6月4日付で(実質的には第45話〈同月2日放送〉をもって)降板。番組公式サイトからも役柄及び氏名が削除され、すでに収録済の出演シーンについても今後一部カット・編集される。
荒木実
演 - 関健介
若手の介護士。
正岡治
演 - 池田絢亮
若手の施設担当職員。
田辺三郎
演 - 湯川尚樹
若手の施設担当職員。

その他の人物[編集]

第1週[編集]

中山保久(なかやま やすひさ)
演 - 近藤正臣
テレビ局勤務を経て、定年退職後もフリーのテレビディレクターとして活動している。栄にとっては、かつて共にテレビの黄金期を築いた”戦友”的存在でもある。高齢の身ではあるが、仕事を頼まれると断れない性分で、今なお現役。栄から「やすらぎの郷 La Strada」への入居の経緯を聞かされ、自分もテレビ業界には少なからず貢献したという自負も手伝って「じゃあ、俺にももうすぐ誘いがあるな」と期待するが、その直後に「テレビ局に勤務して給料を得ていたものは対象外」であることも知り、少し凹んでいた。
小春の自殺時には、引き取り手のいない彼女の遺体を、栄と、彼女の遠縁である村井の三人で引き取り荼毘に付した。
侘助(わびすけ)
演 - 小松政夫
栄の小学校時代の同級生で、居酒屋「侘助」を営む。年老いても料理の腕は確かだが、時折お客からの注文をすっぽかすなどやや物忘れが激しい。
おかみ
演 - 福井裕子
「侘助」のおかみ。
玉子(たまこ)
演 - 野村麻純
侘助の孫で、「侘助」の従業員。
菊村梢(きくむら こずえ)
演 - 山本舞香
一郎と加奈子の娘で、栄と律子の孫。律子亡き後の菊村家においては最も祖父の栄を大切に思う人物で、仕事や用事で手の離せない両親が夕食を作れない代わりに出前を頼んだのを「断って、私が作る」と言い張るという、祖父に似た頑固な気性の持ち主。
菊村加奈子(きくむら かなこ)
演 - 森上千絵
一郎の妻で、菊村家の嫁。栄が家を引き払う最後の夜を前に、会合があるとの理由で家を離れた。栄によると、律子が認知症になっていた頃は夫と同じく自らも仕事をしていたことから、彼女の介護には非協力的であった。
菊村一郎(きくむら いちろう)
演 - 水津聡
栄と律子の息子。栄が「やすらぎの郷 La Strada」に入居するのに伴い、自分達菊村家の面々が長年暮らしてきた東京の家を譲られる(ただし家への愛着は薄く、その後すぐに売却の手筈を整えていた)が、栄が家を引き払う最後の夜を前に、仕事があるとの理由で家を離れた。栄によると、律子が認知症になっていた頃は自らも仕事があったことからあまり協力することは出来なかったものの、それでも妻に比べれば協力的であったとのこと。しかし、5月の連休時に家族を連れて郷の栄の元にやって来ることは無かった。
本編内で直接姿を見せるのは当該週のみであるが、本編外ではオープニング映像内で幼い頃の彼を乗せた乳母車を押す、在りし日の栄と律子の姿が描かれている。
住職
演 - 坂本長利
栄が「やすらぎの郷 La Strada」に入居する直前、遺言書を託す。
隣人
演 - 清野佳津美[注 36]
菊村家の隣家に住む女性。栄が加奈子から譲ってほしいと頼まれた律子の遺品の着物を、「他に世話になった人はいる。その方々に渡す」と譲るのを断った後、その中の一着を律子に捧げるかのごとく庭で燃やした際、「何か燃やしているんですか。庭でたき火をするのは禁止ですよ」と塀越しに尋ねる。しかし栄は律子を思ってか黙ったまま何も答えず、その場にいた梢も何も言えなかった。
大村柳次郎(おおむら りゅうじろう)
かつて時代劇を中心に映画やドラマで活躍した男優。過去に映画で共演したことのある秀次や大納言などの俳優陣にとっては大先輩に当たり、彼らは尊敬の念を込めて「大村の御大」と呼んでいる。認知症の妻と共に「やすらぎの郷 La Strada」のヴィラB号室に入居していたが、栄が入居する数日前に102歳で亡くなり、入居したその日に葬儀が営まれた。栄はこの葬儀を終えて戻ってきた冴子たちと、何年ぶりかで顔を会わせることとなった。
名倉夫妻によると生前の彼は足が不自由ながらも認知症の妻に付き添っていたというが、摂子によると自身が認知症になっていた頃は、彼女を昔の交際相手と勘違いして、尻を触ったという。
出身は茨城県で、同郷の横山大観と父親が縁があったのがきっかけで自身も縁があり、彼からもらったという絵について生前に摂子に語っていた。死後、遺族の柳次がそれを形見分けとして摂子に譲るが、栄がそれを莫大な価値がある名作の下絵ではないか、その場合はたとえ下絵であっても数千万円の価値があると評したことで冴子やマヤまで巻き込んだ騒動になってしまう。結局その絵は摂子と柳次のどちらも受け取らず、栄の提案で「やすらぎ財団」を通して詳細な鑑定をしてもらった後に、真偽に関係なく柳次郎ゆかりの品として施設内に展示するという運びとなった。
六郎によると、かつて映画界で活躍していた頃は主人公の正義役を演じていたことから「自分は芝居の中では決して死なない」という信念を抱き、映画の衰退によってテレビに活躍の場を移してから、そこで殺される役を任された時はどんなに演技の中で斬られても中々死なず、ようやくシナリオを受け入れて倒れてから監督がカットの合図を出した際には付き人がすぐさま駆け寄って涙を流したという、頑固なまでのこだわりを持った人物だったとのこと。
彼の死後、利用していた部屋は孫の柳次によって遺品が整理されてから、新たに入居する秀次が暮らす場所となった。その後、失踪騒ぎを終えて戻ってきた秀次が、天井の一部に不自然な形状があることに気付いたのがきっかけで、屋根裏に隠されていた柳次郎直筆の遺書と、遺品の日本刀が発見された。日本刀については正臣の鑑定により妖刀の異名を持つ「村正」で、かつて主演作のリハーサル時にこれを手にした柳次郎が相手役の大部屋俳優を誤って斬ってしまい、周囲が柳次郎を守るために事実は隠蔽したものの、斬られた俳優は最終的に死亡していたといういわく付きの一品であるとされた。またこれにより(遺族から相続手続きの一切を委任されていた)財団の代表者である名倉夫妻も手続のやり直しを余儀なくされることとなった。
柳次郎の妻
夫と共に「やすらぎの郷 La Strada」に入居した女性で、柳次の祖母。高齢で認知症の身で、認知症が悪化してからは病室棟にはいっているが、夫亡き後も未だ存命である。屋根裏から見つかった夫の遺書によると、夫が自分とは別の女性との間に作っていた2人の隠し子については承知していたとのこと。

第2週[編集]

千坂浩二(ちさか こうじ)
戦前に活躍した映画監督。自らが手がけた作品に出演した摂子とは私生活でも恋愛関係になるが、戦時中に徴兵[注 37]され、出征先のアッツ島で所属部隊が玉砕、自らも戦死した。
その後、摂子は女優業を続けるものの、彼以外の人物がメガホンを取る映画には全く出演しなかったことから、世間の男性諸氏から「の永遠の恋人」として認識されるようになった。
摂子が栄に語ったところによると、摂子の母が営んでいた旅館にやって来たのが出会いであり、当時17歳の摂子を映画館に連れて行ったという。また、当時の彼自身は既婚者であったが、摂子はそれを知った上で恋心を抱いた彼と男女の仲になり、それについて栄に「私、意外と悪い子ですのよ」と語っている。
第18週にも摂子の回想で、登場している。ただでさえ妻子のある身で、ましてや男女が一緒に道を歩くのが「非国民」と罵られる戦時下の中で、摂子とまともに会話をするのもままならなかったが、それでもすれ違った際に小声で「さよなら」と別れの言葉をかけることが出来た。また、当時の軍部の命令により戦意高揚のための映画を撮影する仕事を手がけていたが、そのため立木からは「当時の映画界や芸能界の人々は、戦争協力をしており、戦後にGHQによってパージされました」と言われている[注 38]

第3週[編集]

大村柳次(おおむら りゅうじ)
演 - 久保隆徳
柳次郎の孫で、遺族を代表して彼が晩年を過ごした「やすらぎの郷 La Strada」に遺品整理のためやって来た。茨城県出身。「じっちゃん」と呼んでいた祖父とは異なり、芸能界には入らず大豆農家を営み、地元の名産品である納豆を生産している。また、ネギやメロンも栽培している。頑固な性格は祖父譲りで、形見分けとしてが摂子に譲った絵が莫大な価値があると知らされても「一度譲った物は受け取れない」と言い張り、「こんな高価な物は受け取れない」と主張する摂子と譲り合いのまま平行線になるという事態になったが、最後には栄による先述の解決策を受け入れ、帰宅の途についた。

第4週[編集]

安西直美(あんざい なおみ)
演 - 清野菜名(二役)[注 39]
かつて栄と律子の夫婦の間に入り込み、三角関係となった若い女優。ただし三角関係といっても、実際には栄と恋愛関係や肉体関係を結んだのではなく、若くて人生経験が乏しい彼女が恋愛に対する免疫力も無かったことから、既婚者の栄の事情を考慮せずに一方的に慕っていたのが真相。しかし、当の栄は律子とは異なる若さや個性を持った彼女に夢中になり、彼女からプレゼントを贈られたり、デートの様なことはしたものの、律子を捨てて夫婦になろうという決断までは出来ずにいた。しかし、栄が律子を心配させたくないあまり、彼女とのことを隠そうとし、上手く隠したつもりだが実際には気づいていた律子がそれでも栄の想いを尊重するあまり、気付いてないふりをしようとして、結果的にお互いに過剰な気遣いをしたのが、逆にこの夫婦を先述の律子の自殺未遂という泥沼へと誘い、最終的に栄は「妻を捨てることは出来ません。あなたを今でも愛しています」との旨を記した別れの手紙を出して、別離の道を選んだ。
その後は、律子の一件からおよそ1年後にアメリカへと渡り、5年後には一般人と結婚。この時、栄の元へ結婚式への招待状を送るが、栄が出席することは無かった。それから時を経て、孫娘の榊原アザミ(後述)と絆を育んでいたが、2011年3月11日東日本大震災でアザミと共に被災し、孫を残して亡くなった。
栄の母
栄の母親で、律子にとっては姑。現在は故人。かつて栄が手がけたテレビドラマ『さよなら』が大ヒットし、そのドラマの中で姑が嫁に発した言葉がその年の流行語にまでなって栄は得意になっていたが、彼女自身はその言葉を栄が「私が律子さんにそんな言葉を言っていると思っていて、そこから発想した」と思い込んでおり、栄とこの件について会話をするまでの2年間苦悩していた。この苦い経験から栄は物書きとしての責任を痛感し、「自分が書いた作品がたとえ100万人を感動させたとしても、1人を傷つけてはいけない」と悟った。なお、栄によると先の会話の時点で既に精神を病んでいたとのこと。
後に第28話で、栄が入居時に持ち込んだ私物の中に、彼女の遺影と思しき写真が、彼女の夫にして栄の父の遺影と思しき写真と共に登場した。

第5週[編集]

宮本かげろう(みやもと -)
お笑い芸人で俳優としても活動している。42歳。なお、宮本かげろうの名は芸名で、本名は宮本敏幸。冴子の誕生日パーティーへの出席を断った中の1人で、呪いの対象を絞り込んだ30人の中にいたが、折しも彼を「ナスの呪い揚げ」に処しているのと同時刻に、飲みに行った友人と店を出た帰りの途中で急死した。
笹野健介(ささの けんすけ)
演劇評論家。かつて律子が舞台劇『もういいよ…まぁだだよ…』の最中に台詞を忘れて舞台を中断させた件で、作品自体は褒めたが老いた彼女の出演がミスキャストであると新聞紙上で酷評し、律子が女優業を引退する一因を作った。その後、「ナスの呪い揚げ」を終えた後で摂子らが持ち寄った昔の写真の中に、若かりし日の律子の映った物があったのがきっかけで、昔の律子に思いを巡らせていた栄はこの件に対する怒りを覚え、自らが彼を呪い揚げに処す様子を妄想した。

第7週[編集]

溝口(みぞぐち)
演 - 布施博
秀次の失踪騒ぎの時に事情を聞きに訪れた、地元警察署の署長。当該週以降も「やすらぎの郷 La Strada」で警察沙汰になるような事件が起こると訪れる。普段は柔らかい物腰だが犯罪者に対しては遠慮が無く、石上の詐欺事件に関するみどりとの会話の中では彼を「石上の野郎」呼ばわりしている。

第8週[編集]

柳矢(りゅうや)
屋根裏で見つかった柳次郎の遺書に記されていた、彼の一人目の隠し子。昭和14年(1939年)生まれ。柳次郎は遺書の中で彼に「横山大観のスケッチ」を譲ると記しており、そのスケッチこそかつて柳次が摂子に形見分けとして譲ろうとして騒動となった一品であった。肝心の品は、遺書発見の時点において鑑定作業に当たっていた学者と鑑定士の意見が対立して真贋の結論が出ていなかったが、後に大観の作品を多数所蔵する美術館の鑑定により贋作と判定された。その一方で、柳蔵に譲ると遺言書に記されていた日本刀については、年長で経験豊富な自分が上手く主導権を握ってヤフオクに出品。420万円の値が付き、売却金を2人で山分けした。
柳蔵(りゅうぞう)
屋根裏で見つかった柳次郎の遺書に記されていた、彼の二人目の隠し子。平成4年(1992年)生まれ。生年から換算して柳次郎が70代半ばで作ったという計算になり、医者でもある修平は「本当ならギネスブックものだ」と驚いた。柳次郎は遺書の中で、屋根裏に隠されていた日本刀を譲ると記している。それは後に本物の村正と判明したが、柳矢に丸め込まれて売却金の半分しか手に入らなかった。
六郎の娘
六郎が愛人との間に作った娘。六郎は自らの遺産を全て彼女に譲る意向で、既にそれを明記した遺書も作成しているが、彼女自身を認知してはいないので、「遺産を譲られると遺書に書かれただけの、認知されていない婚外子」という、遺産相続の法規上いささかややこしい立場にある。

第9週[編集]

今田(いまだ)
Bテレの社長。冴子達が栄に語ったのによると、かつて石上と組んでBテレを数々の番組企画で輝かせていたが、ここ最近ではBテレの業績悪化に悩んでいるとのこと。そのため誰もが石上のしのぶと貝田に持ちかけた話を「Bテレの再起を賭けた企画」として信じていたが、当の石上の動きに疑問を抱いたみどりからの電話に対し、「石上とはコンサルタント契約など全く結んでいないし、そもそもここ10年以上会ったことすらない」と、彼の話を全面否定する。
石上五郎(いしがみ ごろう)
演 - 津川雅彦
元「Bテレビ(略称:Bテレ)」の敏腕プロデューサーで、あだ名は「デメ金の石上」。テレビ黄金期に数々の人気番組を手掛けた後にハワイへと渡り、現地でも成功を収め、ハリウッドともコネを持つ。ハワイ暮らしが長いせいか「ミーは(=私は)」など、会話が時折英語混じりになる。
小春を伴って「やすらぎの郷 La Strada」を訪れる。その目的は、視聴率低迷にあえぐBテレの社長・今田からコンサルタントとして招聘され、起死回生の策として高齢者をターゲットにした新企画を提案。往年の人気番組であった、及川しのぶが司会進行を務めたバラエティ番組「しのぶの庭」を40年ぶりに復活させるにあたり、彼女の健康状態などを見極めるためだ──と栄には吹聴していたが、後にそれらは全て作り話であったことが明らかになる。本当の目的はしのぶの隠し資産で、その管理をしていた貝田に「しのぶの庭」の復活という作り話をでっちあげ、テレビ局の一室に彼を誘い出し、あたかも「しのぶの庭」の復活のための打ち合わせと称して関係者であるかのように装った仲間と共に言葉巧みに金を出させてから、頃合いを見て彼1人だけをその場に残して全員が金を手に去るという「籠脱け詐欺」を行った。
溝口によると、事件直後に国外へ逃亡した可能性が高いとのこと。また、詐欺的行為に及んだことは今回が初めてではなく、Bテレ在籍時にも悪徳プロデューサーとして名を馳せており、活躍の裏ではあくどい横領事件も起こしていたという。
犬山小春(いぬやま こはる)
演 - 冨士眞奈美
翌第10週、第11週にも登場する。
かつて人気を博した演技力抜群の女優で、栄も一時期彼女を自分が手がけた作品に積極的に起用していたが、撮影現場で監督そっちのけで、自分に同調した面々と一緒になって共演者たちに「演技指導」[注 40]を行うような、自由奔放な言動が災いして日本のテレビ界から事実上追放され、渡米。ハリウッドで女優としての再出発を目指すも、実力の違いを見せつけられて断念。その後はニューヨークに居を移し、アルバイトなどをしながら下積み修行に明け暮れるが成功には至らず、渡米していた石上のもとに身を寄せる。及川しのぶとは歌劇団時代の同級生。
「やすらぎの郷 La Strada」への入居を希望しているが、財団側の審査により入居不可という判断を下されている。
その後貝田に諭され会いに来たしのぶと和解、歓迎パーティーを開かれ歓迎されるが、彼女に蟠りを持つ俳優たち(冴子やマヤも含む)が出席せず、ごく小規模なものとなった。それでもニューヨークで出会った一人の紳士の話をし、栄を含む出席者の喝采を浴びた。
ところがその後石上の貝田としのぶに対しての詐欺行為が発覚。やって来た警察からは石上との縁から共犯を疑われ、さらに宿泊先のゲストハウスに姿が無かったことから職員も捜索に出るが、その過程ですでにしのぶへの石上の詐欺の噂が広がっていた「やすらぎの郷 La Strada」の入居者の間では過去の問題のある言動もあって「石上と一緒になってしのぶに詐欺を働いた」とされるが、実際には自分の「しわのある」顔を絶賛した秀次のモデルになった上に彼のヴィラに一晩泊っていただけだった。やがて発見されるや警察の任意同行に困惑のまま応じ、自分は無実であるとの事情を説明してから郷内に戻ったのち、しのぶを心配して彼女の元に向かうがそこで「詐欺行為をした共犯者」と決めつける彼女から罵倒された挙句に「皆に謝れ!」と要求され、それを呑んだ上で栄やマロ、冴子やマヤのいるフロントで土下座して謝罪。その後その場に現れた秀次と栄と共に海岸へと行き、二人に慰められる。そしてその日のうちに、ほとんどの入居者から無視され石持て追われるように「やすらぎの郷 La Strada」を去ってゆくが、最後まで付き添った栄と、更に門で待ち受けていた摂子、彼女の叱責を受けて改心した冴子の二人にも送られ、涙を見せながら郷を去っていった。それから程なくしてしのぶを含む郷の入居者たちは、小春もまた頼った石上に騙され、預けていた財産を奪われた「被害者」であるとの情報が伝わるにつれて、彼女への考え方を変える。
その後、事件の影響でしのぶの認知症が悪化。「しのぶの庭」を再現する中でメインゲストの「美空ひばり」とは別に海外から駆けつけたゲストとして小春を紹介しており、しのぶの本心を垣間見せることになった。
その翌日、新宿のビルの屋上10階から投身自殺。彼女が日本を離れてからの30年もの年月は無情にも、多くの人々の中から「かつて犬山小春という女優が存在した」という事実を忘却の彼方へと追いやっており、大手新聞各紙は彼女が女優であったことには全く触れず、小さく社会面の片隅に「老女の自殺」と報じたのみであり、スポーツ新聞の芸能欄に至っては全く取り上げていなかった。これを目にした冴子や凉子らは「小春が女優だったのに気付かないんじゃなくて、彼女の事をもう誰も知らないのよ」と結論付けたが、直後に凉子は自分の知り合いの記者に電話をかけてちゃんとした記事にしてもらおうと思いつくも、その記者がすでに退職しているのを思い出し、もはやマスコミ関係者の中に彼女が女優として活躍していた当時を知る者が完全にいなくなってしまったという現状にため息を吐いた[注 41]。その死は「やすらぎの郷 La Strada」内の入居者に大きな衝撃を齎した。
その後遺体は栄と遠縁である村井に引き取られ、中山の手助けの下、火葬場で荼毘に付された。享年79歳。

第10週[編集]

フランク
犬山小春の話に登場する、ニューヨークで彼女が知り合った老紳士。元は平凡なセールスマンで、演技の世界とは無縁の人物だったが、ある日『セールスマンの死』を見たのがきっかけとなって演技の道に進む。だがそれは60歳になってから演劇学校に通うという、あまりにも遅咲きな夢への挑戦であったが、70歳を越えたある日に端役ながらも、リハーサルではない本番の舞台の上で演技をする好機を得られたという。

第11週[編集]

村井(むらい)
演 - 坪井優樹
小春の遠縁とされる22歳の青年。ただしその関係は「小春の亡くなった弟の娘の別れた夫の息子」という事実上の無縁に等しいもので、小春とももちろん面識がなく、いきなり彼女の訃報を聞かされて戸惑う。栄と中山の協力の下、二人と共に小春を火葬場で弔う。

第12週[編集]

四宮 道弘(しのみや みちひろ)
演 ‐ 向井理
「シノ」の愛称で人気の若手俳優。九州の田川出身。長身でイケメン、演技力もあり老若男女問わずファンが多い。若松いわく「無口なタイプ」。
実は、祖父や父と共に一家三代で秀次の大ファンで、彼と栄が親しいとするや「菊村先生に同行してもいいでしょうか?」と尋ね、承諾された末に直接対面を果たすと態度を一変させ、興奮気味に饒舌となり一方的に言葉を発し続けた。だが、秀次からは「男は、人生で二言も喋れば十分」と軽くあしらわれた。
なお、「やすらぎの郷」の女性入居者には目もくれず秀次だけを追っかけていたため、マヤたちを怒らせたが、そもそも四宮本人はマヤに加えて冴子のことも良く知らなかった様子。ただし摂子のことは写真で見たことがあり、なおかつ彼女については人柄を気に入っているとの旨の発言をしている。

第13週[編集]

若松(わかまつ)
演 ‐ 天宮良
国営テレビのプロデューサー。四宮を連れて、摂子に戦時中の話を聞く目的で「やすらぎの郷 La Strada」を訪問する。
三浦 春樹(みうら はるき)
脚本家。国営テレビが濃野の「散れない桜」を下敷きにしたドラマを制作する際の脚本を担当した。しかしその内容は、原作とは全くかけ離れた陳腐なメロドラマに堕したもので、栄と涼子、そして名倉夫妻をも決定的に落胆させた。なお、栄は名倉夫妻に対して彼のことを同業の人間として「一言で言えば軽い。局に食い込み商売をする能力は抜群で、視聴率を稼ぐ力もあるが、哲学が無い。まだ若くて戦時中のことは知らないくせに、保守的な発言をして体制派からは可愛がられている」と酷評している。

第14週[編集]

貫井(ぬきい)
演 ‐ 小野了
「やすらぎの郷 La Strada」に勤務する医師。栄のファンであり、非番にもかかわらず、彼の頼みを受けてAEDの使用方法について説明を行うが、そこに凉子が呼吸困難を起こしたとの急報が入り、彼女の元へと向かう。
その後、栄の元に戻って来るが、先の件について問いかけた栄に「ただのしゃっくり」だったと答えた。
好きな酒はウイスキーの「タッカラン」。
韮川(にらかわ)
著名な演出家
涼子が執筆した、「女の一生」をテレビドラマ化する事になりその演出を手がける。
冴子に出演オファーするが、すっぴんの顔は誰にも見せない主義という彼女に対し、「すっぴんで演じて欲しい」と要望したところ、激怒した彼女から水をぶっかけられて断られた[注 42]

第15週[編集]

柿原一平(かきはら いっぺい)
演 - 村田雄浩
ちのやんこと茅野の元弟子で、現在は舞台美術の大御所として活躍している。愛称・「あにやん」。かつて世話になった茅野夫妻への恩返しとばかりに、他の兄弟弟子と共に抱えた仕事を中座してまで駆けつけて先述の『星の世界の洋子』に因んだ大仕掛けを施した。
栄とも面識があり、彼に茅野が作った先述の「溶ける雪」について「昔、どうやって作っているんですかと訪ねたら、自分で考えろと言われてこんちくしょうと思ったけど、今考えるとそれが良かった」と思い出を語り、その上で現在のコンピューターにばかり依存した裏方仕事の実態[注 43]を嘆いた。
榊原アザミ(さかきばら あざみ)
演 - 清野菜名[注 44]
冴子が前述のテレビドラマオファーの過程で知り合った、脚本家志望の若い女性。栄を神の様に尊敬している。
実は、安西直美の孫娘。彼女の若い頃とあまりにも瓜二つな事から、冴子を驚かせた。
その後、翌第16週にて、栄とメールのやり取りを行い、逢う約束をする。そして栄と対面を果たし、直美が昔女優であったことをずっと知らなかったことや、直美から栄のシナリオ集を譲られた時に初めて女優であったと知ったこと、そして直美が「東日本大震災で亡くなった」ことを、栄に伝えた。
栄に自身が書いた脚本『手を離したのは私』を託す[注 45]が、その中で若き日の直美に送った別れの手紙に関する記述があったことから、栄から「本当は自分と直美の過去を全て知った上で、何かしらの思惑を抱えて近づいてきたのでは?」と疑念を抱かれた。

第18週[編集]

立木 公太郎(たちき こうたろう)
演 - きたろう
秀次が郷へ入居する以前、彼の半生を記したドキュメンタリー小説『高井秀次の残像』を出版した、ノンフィクション作家。
摂子が戦時中に出演した映画の事などを執拗に聞き、彼女を深く傷つけ秀次から制止されていた。だが、そこに悪意は無く、戦時中に何があったのかを知りたいという純粋な探究心によるものであり、それは摂子もわかってはいたが、それでも彼女にとっての「思い出したくない過去」を克服させるには至らなかった。
秀次の父
秀次の父親で、故人。秀次と立木の会話の中で登場。九州の炭鉱夫で滅多に言葉を発さない無口な男であったが、戦時中の秀次が5歳の時に召集されて中支で戦死した。秀次によると、出征前夜に秀次に小声で「カッコつけるのも、男の道」と言ったという。
マキノ省三(まきの しょうぞう)
回想シーンで登場。大正昭和にかけて活躍していた、映画監督。
阪東妻三郎(ばんどう つまさぶろう)
回想シーンで登場。愛称・「バンツマ」。
昭和を代表する、銀幕スター。
山本五十六(やまもと いそろく)
回想シーンで登場。太平洋戦争当時、海軍司令長官だったがソロモン諸島で戦死した。千坂がアッツ島で戦死する少し前の出来事で、摂子にとっても特別な一件[注 46]だった。

第19週[編集]

白鳥ジュディ(しらとり じゅでぃ)
洋介の妻。栄と洋介の会話で登場。洋介を遺して、亡くなる。
三島由紀夫(みしま ゆきお)
栄と洋介の会話で登場。昭和を代表する、文豪。
栄が脚本家としてかけ出しの頃、自身の原作・『鹿鳴館』をテレビドラマ化した際彼が脚本を書いたが、「君は歴史というものを、分かっているのか!?」と栄に説教したとのこと。
松岡信三(まつおか しんぞう)
演 - 柴俊夫
伸子の父。元財務省官僚で政務次官を務めた。実は冴子のファン。
伸子曰く「頑固な性格だけど、麻雀になると人が変わる[注 47]。」とのこと。自称「財務省の阿佐田哲也」。
第94話で郷へ現れ、六郎の経歴を調べ上げた上で、なおかつ「自分よりも16も年下の、義理の息子になろうとしている」との理由で結婚に反対していることをみどり達に伝えた。理事長室へ現れた冴子とマヤから言葉巧みに麻雀に誘われ、冴子・マヤ・六郎の3人と、栄が見学する中で対戦する。その対戦は、六郎と伸子の結婚を認めてもらおうとの思惑を孕んだある種の「接待麻雀」[注 48]であったが、途中からツキが落ちて勝ちから遠のくという好ましくない流れになるも、一生の中で見る機会がまず無いとまで言われる「九蓮宝燈」でアガる機会がやってきて、六郎の打牌で大逆転の勝利を収めた。その後、伸子に六郎との結婚を認めた上で栄を呼び出し、先の勝利は六郎がそうなるよう図った「屈辱的な譲られた勝利[注 49]」であると言いながら、「あれで彼なりの想いというのがわかりました。娘をお願いします」と言い残して去っていった。
六郎の父
回想シーンで登場。六郎の項にもある通り、暴力団同士の抗争の末1946年に亡くなる。
丹波哲郎(たんば てつろう)
回想シーンで登場。昭和を代表する、名俳優で『Gメン75』の黒木警視正役や『HOTEL』シリーズなど、数多くのテレビドラマや映画で活躍していた。
自他共に認める、「霊界の宣伝マン」。
勝新太郎(かつ しんたろう)
回想シーンで登場。愛称・「勝新(かつしん)」。
昭和を代表する俳優兼映画監督。兄は俳優の若山富三郎。妻は女優の中村玉緒。上述の丹波と同様「変人」(栄談)。
六郎と同じぐらい、破天荒な人生を送っており平成に入ってからは大麻取締法違反での逮捕歴がある。
座頭市』シリーズや『悪名』シリーズなどの主演を務めた。

第20週[編集]

宍戸錠(ししど じょう)
高井たちの会話で登場。愛称・「エースのジョー」。
昭和を代表する、個性派俳優。悪役を演じるに当たって、頬を整形した事でも知られている。
まむし
一馬の高校時代の同級生で、同じ暴走族のメンバーだった。現在は、解体工場で働いている。
ゆかりを暴行した犯人グループの一人。事件を知り、乗り込んできた一馬を仲間と返り討ちにした。
後日、高井たちから報復を受けた。

カメオ出演[編集]

車イスに乗った男性入居者
演 ‐ 倉本聰[注 50]
車イスを押す女性入居者
演 ‐ 中島みゆき[注 51]
上述の「車イスに乗った男性入居者」とは夫婦で入居している。第64話と第70話に登場。

老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」[編集]

東京から車で1時間半ほどの場所にある、静かで小さな入り江を見下ろす海岸沿い[注 52][注 53]に佇む老人ホーム。外界から遮断されるが如くに存在するその施設は、テレビ業界では半ば都市伝説のように語られている。

芸能界のドンと呼ばれた加納英吉が、かつてテレビ界で活躍するも年老いて仕事も無く苦労している、あるいは金銭面での困窮こそないが孤独を託つといった状態にあるフリーの人々(栄のような脚本家や、俳優・歌手など)らに対して、その功績に報いるために作り上げた場所である。入居に際して食費や光熱費の負担は一切無い[注 54]。入居は施設を運営する「やすらぎ財団」の審査を通過した人間に、財団側から入居を勧誘するという形をとっている。その条件は上記の通り「テレビ界で一時代を築いた芸能人や制作者」であるが、かつてテレビ局の社員として働いていた経験のある者は審査対象そのものから除外される。その理由は「テレビが昔に比べて人々を沸かせなくなった責任は、テレビ局そのものにある。そこで働き、禄を食んだ者も同罪である」からとされている。なお、入居に際しては「財団に対し、施設の場所やその存在を無暗に放言しない旨の誓約書を差し入れる」「入居前に所属していた事務所との契約を解消する」「入居時の資産状況を財団に申告し、その管理については、財団が紹介する大手銀行との間で信託契約を結ぶ」ことが条件となっている。栄も、古くからの縁から保久にだけ入居の経緯を話したものの「今の話は誰にも言わずに、忘れてほしい」と頼んでいる。但し「入居=業界からの引退」ではなく、希望すれば仕事を続けることも出来る。その場合は財団内に設置された「芸術委員会」を通すことになる。これは、施設の開設当初に興味本位や売名行為といった思惑から入居者の経歴に不釣合いな依頼が多々持ち込まれたことから、予め仕事の内容を委員会で確認し、問題のない依頼だけを入居者に紹介するためである。

元々ゴルフ場として作られた物件をリーマン・ショックの際に英吉が買収、2011年に現施設へと衣替えした。そのため、敷地面積は東京ドームの約30個分という広さで、施設内には食堂やスポーツジム、温泉を利用した大浴場、古い映画やテレビ番組を観賞できる映写室など様々な施設が充実しており、認知症を含めた病人に対する医療設備やスタッフも完備している。また、ゴルフ場時代の名残もあり、敷地内の長距離移動に際してはカートが利用される。喫煙については特に規制されてはいないが、最低限のマナーとして副流煙を嫌う人には気を遣い共存するようにとされている。入居初日にこれらの説明を聞かされた栄は笑顔で「まさに至れり尽くせり、夢のような施設」と絶賛した。

入居者の暮らす部屋は、主要施設が集まる中央棟の中に作られたマンションタイプの個室(30室)と、敷地内に点在する一戸建てタイプのコテージ(15棟)・ヴィラ(2棟)の総計47室が設置されている[注 55]。各部屋と中央棟の館内放送室との間には入居者の安否を確認するためのホットラインが設置され、入居者は毎朝6時からの館内放送「やすらぎアワー」開始時[注 56]に、部屋からホットラインのボタンを押すことで身に異常が無いことを知らせるシステムとなっている。施設内には風力発電や太陽光発電の設備もあり、施設内の電気のほとんどはそれら自然エネルギーで賄われる。なお、入居者が眠りにつくのが早く、朝起きるのも早い高齢者という関係と、夜間には「カサブランカ」のような各所が営業を終わり、電力需要も減少することから電力供給量も必要最小限レベルに下げられる。なお、このような状態でも電気に関係なく夜間の照明を確保する必要から、施設内の各所にアルコールランプが置かれており、緊急時には職員用の懐中電灯もある。もっとも、深夜帯に夜更かしをすること自体は制限されていないが、騒音が外に漏れて他の入居者からの苦情が発生するような場合は、施設側から当事者に注意がされる。

施設の存在については、入居者たちが好奇の目で見られるのを防ぐために、詳細な情報は公開されていない。外界との出入りも原則として施設の正門のみに制限され、入居者や職員の外出や、外部からの訪問者は必ず正門でチェックされるシステムとなっている[注 57]

従業員は、みどりや伸子といった一部の女性は太平洋航空をリストラされた元キャビンアテンダントという経歴を持つ。また、理事の一人が元検事総長という関係で、医師や看護師を除いた男性従業員の多くは前科のある訳ありの者で、この施設自体が刑務所からの出所者を受け入れる更生施設としての隠れた側面も持つ。

「やすらぎ体操」[編集]

「やすらぎの郷 La Strada」内で行われている体操。毎朝6時から流れる館内放送「やすらぎアワー」の中で放送されている。

第25話(2017年5月5日放送)のエンディングで「第一体操」が放映され、5月9日よりyoutube動画が公開された。

出演[10]
パフォーマー:東松史子、広山詞葉(それぞれ、劇中出演役の「三枝奈々」「風間ぬい子」名義)
作詞・作曲・振り付け:中村龍史(劇中出演役の「中井竜介」名義)
ピアノ:有馬稲子(劇中出演役の「及川しのぶ」名義)
歌唱:おかえいり

放送局・配信元[編集]

  • 上記以外に番販遅れネット局あり。

放送日程[編集]

  • 放送期間は制作局のテレビ朝日基準。
放送期間 演出 備考
01週 001 - 005話 2017年04月03日 - 04月07日 藤田明二
02週 006 - 010話 04月10日 - 04月14日
03週 011 - 015話 04月17日 - 04月21日 阿部雄一
04週 016 - 020話 04月24日 - 04月28日 池添 博
05週 021 - 025話 05月01日 - 05月05日 唐木希浩
06週 026 - 030話 05月08日 - 05月12日 藤田明二
07週 031 - 035話 05月15日 - 05月19日 阿部雄一
08週 036 - 040話 05月22日 - 05月26日
09週 041 - 045話 05月29日 - 06月02日 池添 博
第10週 046 - 050話 06月05日 - 06月09日
第11週 051 - 055話 06月12日 - 06月16日 唐木希浩
第12週 056 - 060話 06月19日 - 06月23日
第13週 061 - 065話 06月26日 - 06月30日 藤田明二
第14週 066 - 070話 07月03日 - 07月07日
第15週 071 - 075話 07月10日 - 07月14日 阿部雄一
第16週 076 - 080話 07月17日 - 07月21日
第17週 081 - 085話 07月24日 - 07月28日 池添 博
第18週 086 - 090話 07月31日 - 08月04日
第19週 091 - 095話 08月07日 - 08月11日 唐木希浩
第20週 096 - 100話 08月14日 - 08月18日
第21週 第101 - 105話 08月21日 - 08月25日

総集編等[編集]

(注)いずれも2017年に放送。

  • 『スペシャルサタデー第1部1・やすらぎの郷スタートSP 大女優ここだけの話 今しか聞けない女子会トーク』
    • 4月1日(土曜日)9:55 - 10:45(テレビ朝日・大分朝日放送の2局同時ネット。このほかテレビ朝日フルネット系列局の一部とBS朝日でも同月3日午前までに遅れネット)
  • 『スペシャルサタデー第1部・やすらぎの郷総集編 #1~#5』
    • 4月8日(土曜日)9:55 - 11:40(テレビ朝日のみ。熊本朝日放送でも当日午後に遅れネット)。本編終了後に、倉本聰・松岡茉優・山下澄人の三者によるプレミアムトークを放送。
  • 『スペシャルサタデー第1部・今からでも間に合う!一挙放送!!・やすらぎの郷・ゴールデンウィーク特別編・前編』
    • 4月29日(土曜日・祝日)10:00 - 11:40(テレビ朝日・北海道テレビの2局同時ネット)。第1・2週を中心に一挙放送。
  • 日曜ワイド・今からでも間に合う!一挙放送!!・やすらぎの郷・ゴールデンウィーク特別編・後編』
    • 4月30日(日曜日)10:00 - 11:50(テレビ朝日系列フルネット24局で同時ネット)。第3・4週を中心に一挙放送。
  • 『日曜ワイド・やすらぎの郷 第5週特別編』
    • 5月7日(日曜日)10:00 - 11:50(テレビ朝日系列フルネット24局で同時ネット)。第5週の総集編を放送。
  • 『スペシャルサタデー第1部・やすらぎの郷 5月総集編』
    • 5月27日(土曜日)10:00 - 11:40(テレビ朝日・北海道テレビの2局同時ネット)。第5 - 8週を中心に一挙放送。
  • 『スペシャルサタデー第1部・やすらぎの郷 6月総集編』
    • 6月24日(土曜日)10:00 - 11:40(テレビ朝日・北海道テレビの2局同時ネット。長崎文化放送でも当日昼に時差ネット)。第9 - 12週を中心に一挙放送。
  • 『やすらぎの郷 プレミアムトーク 倉本聰×松岡茉優』
    • 7月3日(月曜日)3:40 - 4:00(2日〈日曜日〉深夜、テレビ朝日のみ)
  • 『スペシャルサタデー第1部・やすらぎの郷 7月総集編』
    • 7月22日(土曜日)10:00 - 11:40(テレビ朝日・北海道テレビの2局同時ネット)。第13 - 16週を中心に一挙放送。

スタッフ[編集]

劇中使用歌[編集]

第15週の放送より、たびたび、本作の主題歌を担当している中島みゆきの楽曲が使用されている。

  • ファイト!
    • 第72話と第74話で使用。茅野夫妻の好きな曲で、たびたび病室で二人により歌われ、二人の合同葬では参列客により合唱された。両話では中島による歌唱も使用され、特に第74話ではエンディングとして使用、事実上この回の主題歌であった。
    • その後第76話で、徘徊中のしのぶが歌っている。
  • 時代
    • 第74話で使用。茅野の訃報を伝える「やすらぎアワー」の際、通例の「やすらぎ体操」を割愛し、茅野夫妻の共通の愛唱歌であったこの曲のシングル・ヴァージョン(1975年)が使用された。
  • アザミ嬢のララバイ
    • 第76話と第78話で使用。榊原アザミに関するシーンで、シングル・ヴァージョンを使用。76話では菊村がこの曲を口ずさむシーンがある。
  • 人生の素人(しろうと)
    • 第97話の一馬の出陣シーン、並び99話の高井、那須、原田の出陣シーンで使用。

以下は中島みゆきの歌曲でない挿入歌。

  • 『糖尿だよ、おっ母さん』
    • 第19週で竜介が催した、「じじいバンド」のライブで歌唱されていた。

関連商品[編集]

シナリオ[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ イタリア語で「」の意。
  2. ^ (枠縮小前の)『ワイド!スクランブル・第2部』の冒頭20分。
  3. ^ 2017年3月6・13・20・27日。
  4. ^ 後述にある摂子の一件を、BAR「カサブランカ」でマヤに明かした際自身が「開戦当時、国民学校1年生だった」事を明かしている。
  5. ^ ただし本人によると、毎日講義に出席するような、模範的な大学生ではなかったとのこと。
  6. ^ 変な下心はなく、ここ数年の認知症となった律子の介護の中で、彼女の輝いていた若い頃を栄自身がいつの間にか忘れていたため、このブロマイドはある意味「かつて確かにあった、壊れていなかった頃の律子」の象徴であった。
  7. ^ 栄本人はこの2つの呼び名をそれぞれ別の物と認識しており、凉子から「栄ちゃん先生」と呼ばれた時は「どっちか片方だけにしてくれよ」と返している。
  8. ^ 第20週では、食後に睡魔が襲ってくるようになり、律子が夢枕に立ち「一緒に川を渡ろう」と誘われた事から、「律子があの世から迎えに来ているのか」と思っていた。
  9. ^ それまで栄は律子の自殺未遂の原因が自分が若い女優に慕われた事が原因だと誤解しており、第一報を聞いた際に執筆の為缶詰になっていたホテルから慌てて駆け付けたほど心の奥底で罪悪感を感じていた
  10. ^ 早稲田大を出たのも刑事ドラマを手掛けたのも事実ではあるが、前者は法学部の所属ではないために法律を専門に学んでいたわけではなく、後者に至っては手がけたのが一度きりというものであった。このため、名倉夫妻へと抗議に出るに際しては1人だけでは心もとないという理由で、六郎や正臣に同行してもらった。
  11. ^ いつもは100円のレートで麻雀をしているが、千円で対戦する事に(ただし、栄が「本来は賭博罪に当たる」とナレーションと共に視聴者へ断りを入れていた。)。
  12. ^ 濃野佐志美こと凉子の『壊れたピアノ』という作品はこの一連の出来事をフィクションとして執筆したものであり、タイトルは律子がピアノの中から発見したペンダントを元の位置に戻そうとして誤ってピアノを壊してしまい、栄の目を盗んでこっそりと修理業者を呼んでピアノを直してもらったという一件に由来する。
  13. ^ 後述する、テレビドラマのオファーを断ったのもそのため。
  14. ^ 栄とアザミはテラス席、冴子たちは店内の禁煙席だった。
  15. ^ 栄たちと釣りをしていた正臣が「猛獣」と評していたほど、激しい喧嘩だった事が伺われる。
  16. ^ 路子自身は霊に気付いた時点で香を焚いておきたかったが、名倉夫妻がこの手のことに興味が無い手前、香を焚くのを秀次が実際にぎっくり腰になるまで見送っていた。
  17. ^ 名前まで付けて見守っていた。
  18. ^ 栄の項にもあるが、彼は当時国民学校1年生。
  19. ^ 当時、男女同伴で歩くと「非国民」とされる事から、撮影時に離れて歩くよう千坂から指示された。
  20. ^ 後述にもある、信三が持参した自身の身辺を調査した調査書にて判明。
  21. ^ 父の死後、自身は父の所属していた組の上部組織に引き取られた。(信三が持参した、調査書にて判明)
  22. ^ 肺線ガンでの闘病中で出演が制限され、2017年5月に肺炎併発による緊急入院の後に6月13日6月15日に公表)に死去、テレビドラマは本作が遺作となった。
  23. ^ 凉子本人が栄に語ったところによると、小説を執筆すること自体は「濃野佐志美」を名乗る前の現役女優時代から既にしていたとのこと。
  24. ^ 当初は自分が「やすらぎの郷 La Strada」にいることをはっきり理解していたようで、「時間が迫っているのに、テレビ局からの迎えの車がまだ来ない」と言っていたが、途中から自分がテレビ局のスタジオの中にいて、あたかもカメラを向けられて『しのぶの庭』収録の本番の真っただ中であると錯覚していた。
  25. ^ しのぶ本人にとってはかつて自分がリサイタルを催した会場で「今日もリサイタルがあるから行かないと」という明確な理由があり、先の漁村での保護も本人にとっては海に沈もうとしている太陽の光を「舞台に立つ自分を照らす、スポットライト」と誤認しての行動であった。
  26. ^ 栄によると徘徊を防ぐ対策として、人を閉じ込める部屋があるとのこと。
  27. ^ ただしこの名には、秀次が任侠映画で演じた「股旅者」に由来するという名という、全く異なる由来を持つ同音異義語の名があるという側面があり、実際摂子はこちらの方が由来であるという旨を語っている。
  28. ^ 直前まで、リハーサルを行なっていたが、麻雀をしていたマヤたちから「うるさい」と文句が出た。
  29. ^ 歌詞の中で、「糖尿」と「東京」の言葉遊びがある。
  30. ^ ただし、「やすらぎの郷 La Strada」にはテレビ局の社員は入居できないとされていることから、実際にはテレビ局と専属契約を結んでいた制作会社の社員であったと推測される(順子についても同様)。
  31. ^ 実は不良グループ(暴走族)で、仲間の女に仮病を使わせていた。
  32. ^ 返り討ちに遭い、大ケガを負った一馬も風邪を名目にしていた。
  33. ^ 倉本によれば、施設の建設および運営をはじめとする諸費用には2兆円を費やしたという設定になっているという。(週刊文春2017年5月4・11日号より)
  34. ^ 例として、貝田を「ヒモ」呼ばわりする伸子らに彼の事は「ジゴロ」と説明しているが、その理由は本人曰く「ジゴロは上品。ヒモは下品」とのこと。
  35. ^ 財前の項を参照。
  36. ^ 映像内に姿は登場せず、声のみの出演。
  37. ^ 家にいた摂子を呼び出し、8ミリフィルムで撮影していた。そのすぐ後で自身に赤紙が届く。
  38. ^ ただし立木は千坂が戦争協力者として裁かれることなく戦死したことはしっかりと把握しており、なおかつこの手の戦意高揚映画は敵対するアメリカを含めたいくつもの国もまた行っていたと発言している。
  39. ^ ただしこちらでは、回想シーン内の若い姿でのみの出演。
  40. ^ ただし栄に対する冴子らの言によると、その実態は納得のいかない演技をした共演者に対する「いじめ」も同然の様相を呈しており、かつてその標的となった律子が耐えかねて泣き出した際は「そういう演技を本番でもすればいいのに」と笑って言ったという。
  41. ^ なお、小春に親族がいるかどうかを警察から問い合わせを受けたみどりらは彼女がかつて所属していたとされる事務所に連絡を取ろうとしたが、その事務所はすでに閉鎖されていたため為す術がなかった。
  42. ^ 事情を聞いた、マヤたちが「ナスの呪い揚げ」をした事で、当のマヤから「長くないわよ(つまり、いずれ亡くなるであろう)」と言われていた。
  43. ^ 音響の担当者も「耳で仕事するはずの連中が、コンピューターのモニターに映る波形を目で見ながらやっている」とのこと。
  44. ^ 冴子のスマホの画像にて確認。
  45. ^ 元来他人、ましてや新人の作品は「出来が悪くて当たり前だから、読むと自分の脚本まで悪くなる」と読まない主義の栄だが、彼女の脚本を読んだところ出来栄えは「まだまだ稚拙」との事。
  46. ^ 摂子曰くこの頃から「玉砕(つまり戦死)」という言葉が使われるようになったとのこと。
  47. ^ 家族で麻雀をやっても「娘から小遣いを巻き上げる」ほど強く、しかもプロ級とのこと。
  48. ^ ただし、レート千円の賭け麻雀でもあった。そのため、栄がナレーションで断りを入れている。
  49. ^ この時「大蔵大臣の尻拭いをさせられた時以来だ」と語っていたことから、旧大蔵省時代からの古株官僚であったことがわかる。
  50. ^ クレジットなしのカメオ出演、本作の脚本を担当。
  51. ^ クレジットなしのカメオ出演、本作の主題歌を担当。
  52. ^ 詳細な立地は明かされていないが、警察の協力が必要な事態(秀次の失踪騒ぎなど)が発生した際に神奈川県警のパトカーが往来していることから、神奈川県内のどこかと考えられる。なお、同県内で「静かで小さな入り江を見下ろす海岸」という立地が成立する場所は、真鶴半島三浦半島のみに限られる。
  53. ^ 理事長室の本棚には「西湘町史」が置かれている(第53話)。この町名は架空のものだが、西湘とは神奈川県の相模湾沿岸部の湘南地方より西の地域一帯の総称である。
  54. ^ 施設内のバー「カサブランカ」のみ有料。しかし、価格は街中の同種施設と比べても低廉に設定されている。
  55. ^ その他、外部からの訪問者が短期間滞在するためのゲストハウスも別途設置されている。
  56. ^ もちろん、早起きした場合はそれ以前でも構わない。
  57. ^ ただし例外として、秀次の入居時だけは沖合の船からエンジン付きのゴムボートで入江から「上陸」するという方法を使った。

出典[編集]

  1. ^ テレ朝 勝負の大幅改編、力込める総合編成局長「大きなチャレンジ」 Sponichi Annex 2017年3月7日発行、同日閲覧。
  2. ^ 今週の徹子の部屋 2月2日(木)- テレビ朝日(ウェブアーカイブ) 2017年1月29日閲覧。
  3. ^ “石坂浩二&浅丘ルリ子、31年ぶり元夫婦共演!情報番組からシニア層奪う”. サンケイスポーツ. (2016年6月30日). http://www.sanspo.com/geino/news/20160630/geo16063005050014-n1.html 2016年7月1日閲覧。 
  4. ^ “テレビ朝日、シニア世代向けに帯ドラマ枠を新設 第1弾は倉本聰氏オリジナル作品”. オリコンスタイル. (2016年6月30日). http://www.oricon.co.jp/news/2074293/full/ 2016年7月1日閲覧。 
  5. ^ 情報番組に負けん!石坂浩二、テレ朝の昼ドラで激戦区“殴り込み” SANSPO.COM 2017年2月1日発行、同日閲覧。
  6. ^ シルバー層向け新ドラマ「やすらぎの郷」 横並びトップの8・7%の好発進 Sponichi Aneex 2017年4月4日発行、同日閲覧。
  7. ^ “シルバー狙い大当たり『やすらぎの郷』初回8.7%の好発進”. ORICON NEWS (oricon ME). (2017年4月4日). http://www.oricon.co.jp/news/2088607/full/ 2017年4月4日閲覧。 
  8. ^ 週刊文春2017年5月25日号記事より。
  9. ^ a b c d “シニア世代向け帯ドラマに常盤貴子、松岡茉優、草刈民代ら出演決定”. ORICON STYLE. (2016年12月22日). http://www.oricon.co.jp/news/2083437/full/ 2016年12月22日閲覧。 
  10. ^ オリコンニュース2017年5月9日分記事
  11. ^ “中島みゆき“大人連ドラ”主題歌担当 倉本聰氏が強烈オファー 「マッサン」以来”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2017年3月2日). https://www.daily.co.jp/gossip/2017/03/02/0009960374.shtml 2017年3月2日閲覧。 
  12. ^ やすらぎの郷 上 第1話〜第45話(ヤスラギノサト)”. 単行本. 双葉社. 2017年2月27日閲覧。
  13. ^ やすらぎの郷 中 第46話〜第90話(ヤスラギノサト)”. 単行本. 双葉社. 2017年6月13日閲覧。

外部リンク[編集]

テレビ朝日系列 帯ドラマ劇場
前番組 番組名 次番組
(枠設置前につきなし)
やすらぎの郷
テレビ朝日系列 月 - 金曜日12:30 - 12:50枠
ワイド!スクランブル・第2部
※12:30 - 13:45
【20分繰り下げ・短縮して継続】
やすらぎの郷
【ここから『帯ドラマ劇場』枠】
トットちゃん!