もういっぽん!

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もういっぽん!
ジャンル 柔道
漫画
作者 村岡ユウ
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表号 2018年47号 -
発表期間 2018年10月18日 -
巻数 既刊4巻(2019年9月6日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

もういっぽん!』は、村岡ユウによる日本漫画埼玉県を舞台にした高校柔道漫画で、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、2018年47号から連載中[1]

ストーリー[編集]

中学から高校入学まで[編集]

一本勝ちの快感のみを求めて柔道を続けてきた青葉中学3年園田未知。3年の大会を最後に綺麗に一本勝ちして柔道を引退するつもりだった。しかし、大会で当たった相手は見たこともない強敵で健闘空しく締め技で失神一本負けしてしまい、それが最後の試合になるはずだった。

敗戦から9か月。どうにか希望の青葉西高校に進学した未知は、恋に遊びに目一杯高校生活を満喫するつもりだったが、剣道部・南雲安奈の謀略で武道場に誘導され、そこで中学最後の試合で敗北を喫した氷浦永遠と再会する。柔道部入部を決めていた永遠の熱心な勧誘に期せずして乱取りを始めてしまった未知は、見事に永遠を背中から叩き付け、再び一本の快感に酔いしれる。未知の生き生きとした姿を見ていた親友の滝川早苗は再び柔道へと未知を誘うのだった。

インターハイ予選[編集]

部員も未知・早苗・永遠の3人が揃い、顧問の体育教師夏目紫乃も加わり夏のインターハイ予選に向けて練習に余念がない青葉西高校柔道部。部活後にファミレスに訪れた3人の前に2年生の天音恵梨佳をエースに据える霞ヶ丘高校柔道部が現れる。天音は河北中での永遠の1年先輩で永遠を柔道に誘い指導し、そして実力をつけさせてレギュラーを争うまでになった永遠のライバルであった。そして迎えたレギュラー決定戦で天音を破りレギュラーを勝ち取った永遠であったが、ふとした誤解から天音の卒業と同時に疎遠になってしまっていた。天音は中堅でインターハイ予選に臨むことを永遠に告げ、その場を去る。

天音との再会後、調子の上がらない永遠を敏感に察して自分なりのやり方で励ます未知に笑顔と調子を取り戻した永遠。そして迎えたインターハイ団体戦予選では両校一回戦を突破して二回戦で青葉西と霞ヶ丘の直接対決が実現する。先鋒戦は霞ヶ丘の妹尾緑子が速攻の合わせ技一本で早苗を下し、天音と永遠の因縁の中堅戦に突入する。

新入部員 - 金鷲旗目指して[編集]

団体戦・個人戦共に惜しくもインターハイ全国大会出場を逃した青西。次なる大会、金鷲旗に向けて新たに始動するが同じくインターハイで剣道部を全国大会に導いた未知の幼馴染、南雲安奈が剣道部をやめると言い出す。最初は困惑するが中途半端な覚悟で安奈が途中で物事を投げ出すことはないと知る未知は安奈に電話して退部を受け入れる。すると次の日の部活の柔道場には安奈が正座で皆を待っていた。安奈は未知と同じ場所で頑張ってみたい、それができるのは高校3年間の今しかないと覚悟を決め剣道部を退部して柔道部に入部する決意をしたのだった。

安奈を加えた青西柔道部は5人の勝ち抜き制である金鷲旗に向けて練習を再開した。夏目は柔道初心者である安奈を大会に出すことを見送り、代わりにかつて廃部になるまでたった1人頑張っていた3年生・姫野紬を柔道部に勧誘することを決める。一方、青西と同じく金鷲旗出場を決めていた霞ヶ丘高校はインターハイ予選個人戦で優勝し全国大会出場を決めた天音のために3年の白石亜実が夏まで引退の延期を決意。さらに柔道経験者を新たに2人加えて部員を5人揃え、白石の提案で青西との合同練習に臨むことになった。

登場人物[編集]

青葉西高校[編集]

園田未知(そのだ みち)
主人公。青葉西高校1年生。青葉中学校出身。セミショートだが、試合時には天辺をゴムで止める。
階級は48kg級。中学最後の試合で綺麗な一本勝ちを収めて柔道を引退するつもりでいたが、一本負けしてしまう。高校生活を恋や遊びで満喫するつもりであったが、中学最後の対戦相手の氷浦永遠と再会したことがきっかけで、早苗の後押しもあり再び柔道部入部を決めた。
私生活はだらしない。勉強はあまり得意ではなく青葉西高校も補欠ギリギリ合格だったことが安奈から語られる。天真爛漫で誰に対しても物怖じせず話しかけ、早苗や永遠のような積極的でない者ともすぐに打ち解けられる。基本空気を読まず口の多さから、騒がしいのが苦手な者には煙たがられることもあるが、相手の強さや努力は手放しで素直に認め褒め称えられる性格でチームメイトや顧問の夏目からもその人柄は好かれている。青西で一番小柄だが柔軟性と体幹の強さに富み、身体能力は高く反射神経も優れている一方で寝技は苦手。一本の気持ちよさを追い求めて柔道をやっており、有利不利に関わらず攻め一辺倒でポイントで優位に立とうが時間切れを嫌い、貪欲に一本勝ちを狙うため守りに入ることを知らない。未知にとって「楽しい」柔道スタイルを貫く様は時に対戦相手をも巻き込んで柔道の魅力を再確認させてしまうほどの影響力を持つことが度々ある。
滝川早苗(たきがわ さなえ)
青葉西高校1年生。青葉中学校出身。
階級は57kg級。中学からの未知の親友、眼鏡におさげでおとなしい性格。柔道は中学でクラスメイトになった未知の誘いで始めた。中学で柔道は引退して高校では勉強に専念することを母親に命じられていたが、柔道を続けたい気持ちを両親にハッキリと示し最終的に父親から入部の許可を得る。勉強の成績優秀で中学時には学年2位、高校に進んでも学年トップクラスを常にキープする才女、勉強の苦手な未知の教育係でもあり、基本空気を読まない未知に鋭くツッコむ数少ない人物。柔道は体力・技術共に平凡だが粘り強く寝技に引き込むのが得意。未知曰く中学時代から責任感が強く金鷲旗からは柔道部キャプテンに就任する。一方で責任感のあまりプレッシャーには弱く、インターハイ団体戦予選前は何度もトイレに駆け込んでいた。
氷浦永遠(ひうら とわ)
青葉西高校1年生。河北中学校出身。ポニーテール。
階級は52kg級。中学時代に未知との対戦で絞め技で勝利しているが、未知の失神顔がSNSで拡散してしまったことを大変悔いており、それを謝るため、また未知の前向きな柔道への姿勢に惚れ込み、共に柔道をするため、私立の推薦を蹴ってまで未知が進学を目指していた青葉西高校に入学した。河北中時代は一年先輩の天音から柔道のイロハを教わり才能が開花、天音とレギュラーを争うまでになり全国大会にも出場している。部員・夏目共に認める青西の大黒柱で、体は細いがフィジカルは強い。得意技の背負い投げは必殺の切れ味を誇り、インターハイ団体戦では中堅、金鷲旗では実質大将として青西のポイントゲッターを任されている。どもりがちな口下手で引っ込み思案だが、柔道着を着ると別人のように表情が引き締まる。チームメイトを非常に大事にする優しい性格。
南雲安奈(なぐも あんな)
青葉西高校1年生。青葉中学校出身。太い眉毛にナチュラルブラウンのボブカットの少女、剣道部→柔道部所属。
未知とは小学校からの同級生で柔道部員を含めても付き合いは一番長い。未知の身体能力を高く買っており何かにつけて柔道部に突っかかってきては未知を剣道部に入れようとしていた。剣道は小学校ですでに全国大会に出場する腕前。永遠とは口喧嘩仲間のような間柄。1年生ながらすでにレギュラーで青西を全国大会出場に導いたが、日に日に同じ場所同じ競技で大好きな友達(未知)と高校3年間を共にしなければ後悔すると思うようになり剣道部を辞めて柔道部に入部した。運動神経は抜群で柔道は未経験だが3週間練習をこなした後の稽古では受身のみならず、早苗が惚れ惚れするほどの投げも披露する。夏目に初心者がいきなり全国レベルの大会は危険と判断され金鷲旗は負傷扱いで選手としての出場は見送られるも部員のマッサージをしたり、対戦前に相手校の情報収集をしたりと陰で皆を支える。中学では生徒会長を務め高校でも成績優秀、柔道部に入部後は永遠に柔道の教本を借りて熟読するなど、努力家。警察官の父を持ちそのマネをしていたため、未知の安奈に対する挨拶は警察式の敬礼。
姫野紬(ひめの つむぎ)
青葉西高校3年生。パーマをかけたウェーブの髪を茶色に染めている。
未知ら1年生が入学前に柔道部に所属していた。先輩の引退により部員が紬たった1人になり半ば引退して空いた時間をコンビニのバイトに充てていた。未知達の入部で活気を取り戻した柔道部に再度夏目から勧誘を受け見学に訪れる。半年のブランクがあるが引退中もランニングを怠らず体力の維持に努めており、未知の生き生きとした乱取りを見て、そして中学時代の同級生である霞ヶ丘の白石が同じく未知との試合で引退を延期した事で気持ちを固め、残り少ない部活の時間を楽しむために再度の入部を決めた。階級は不明だが夏目とほぼ同じ体格の長身。染髪は本来校則で禁止だが黒のウィッグを使って権藤の目をごまかすなど要領がいい。明け透けなさっぱりとした性格で白石をアーミンと呼ぶ。

青葉西高校その他の人物[編集]

夏目紫乃(なつめ しの)
青葉西高校柔道部顧問。
長身の女性体育教師、柔道は部の顧問になってから本格的に始めて初段だが乱取りで永遠にも勝つ強さを見せる。力任せだけではなく頭脳的な柔道を身につけており、それは指導にも現れている。部員の性格や能力、影の努力を見逃さない慧眼の持ち主で、インターハイ予選一回戦では的確なアドバイスで早苗を勝利に導いている。一方で部員の安全や負傷には非常に神経質で、自身の不在時は乱取りを禁止したり初心者の安奈の金鷲旗出場を見送るなど厳格な面も持ち合わせる。学生時代はバレーボールの選手。
権藤(ごんどう)
青葉西高校ラグビー部顧問。
禿げ頭の巨漢の体育教師。ラグビー部を全国大会に導いている実力者。体育の指導と学校の風紀維持に並々ならぬ情熱を燃やし、学校中どこにでも現れる。その指導が時として行き過ぎ威圧的になってしまい、生徒達を怖がらせてしまうこともあるが、同じ体育教師である夏目に実力行使で指摘された際には頭を冷やし、生徒に素直に謝罪をしていたり、口癖の「なっとらん!」は生徒だけでなく、自身に向けても発せられる。
佐野
青葉西高校剣道部所属。
安奈の一番の理解者で「ナグ」「佐野ちゃん」と呼び合う仲。安奈が柔道部に入部したのも彼女の後押しあってのもの。金鷲旗と同時期同会場で開催される剣道大会・玉竜旗でお互いの健闘&応援を誓い合っている。
志村
青葉西高校剣道部所属。
色黒巨漢の男子で剣道部主将。眉毛が太く安奈とは「太眉同盟」を結んでおり、安奈が柔道部に去ってからも太眉同盟は永久に不滅を宣言している。

霞ヶ丘高校[編集]

天音恵梨佳(あまね えりか)
霞ヶ丘高校柔道部のエース、2年生。河北中学校出身。ツインテール
階級は52kg級。河北中時代の永遠の1年先輩で、永遠とほぼ同じ体格。引っ込み思案な永遠を柔道部に誘い柔道を教え込んだ。部内で行われたレギュラー決定戦で成長した永遠に敗れ、中学の残りの部活を補欠に甘んじることになり、誤解も重なって両者に亀裂が生じる。プライドが高くやや高圧的な性格だが後輩の面倒見は非常によく特に妹尾からは慕われており、永遠が全国レベルの選手になれたのも彼女の指導あってのもの。永遠とほぼ袂を分かつように卒業を迎え霞ヶ丘高校に進学したが、インターハイ団体戦予選では永遠と対戦し、試合後は互いに健闘を讃えた上で過去の誤解を謝罪して和解した後は良き友人でありライバルとなる。
妹尾緑子(せのお みどりこ)
霞ヶ丘高校1年生、天然パーマをお団子にまとめた少女。
階級は48kg級。未知よりもさらに小柄な体格でそれを利した低い背負い投げや足技を得意とし、速攻重視の試合運びをする。1年先輩の天音を「天(あま)ねーさん」と呼び慕っている。周りが見えずやや突っ走りがちな性格で天音と白石によく窘められるが、柔道の実力は確か。初対面時自分がファミレスで注文したフルーツパフェを、間違って口にした未知を「パフェ泥棒」と呼び、目の敵にしていたが合同練習の際に真摯な態度で教えを請う未知に小柄な体格同士、背負い投げに入る手順を授ける。個人戦は48kg級3位入賞。
白石亜実(しらいし あみ)
霞ヶ丘高校3年生、南中出身。ショートカット。
階級は57kg級。霞ヶ丘柔道部キャプテン。温和な性格でやや尖った性格の後輩2人のまとめ役。体格は3人の中で一番大きいが緊張しやすい性質でインターハイ団体戦予選前は早苗と共に度々トイレに駆け込んでいる。元々霞ヶ丘柔道部は男子が強く、顧問も男子重視で指導していたが天音が入部してからは女子柔道部にも活気が出てきて自身も強くなれたことを天音に深く感謝していた。インターハイを最後に引退を決めていたが、団体戦大将戦で未知と対戦し、何よりも楽しそうに攻めてくる未知の柔道に魅了され、さらに天音が個人戦予選に優勝し全国大会出場を決めると引退を撤回。金鷲旗に出場し、インターハイ全国大会が終わる夏までは柔道を続けると決めた。派手さはないが霞ヶ丘顧問も認めるほど組手が上手く、返し技に長ける試合巧者。紬とは中学時代の同級生でLINEで連絡を取り合う仲。個人戦は57kg級ベスト8。
多聞
金鷲旗前からの新入部員、柔道経験者。金髪セミショートに眼鏡をかけている。中学時代に未知と対戦経験がある模様。
神野
金鷲旗前からの新入部員、柔道経験者。黒髪セミロング、背が高く切れ長な目が特徴。

その他の人物[編集]

園田家
父親は名前は不明、母親は登志子。高校柔道部始動の日、小学校から9年間自分で起きたことのない未知が自分で起き出したことに夫婦共に大いに驚く。未知は見た目もおしゃべりなところも母親に大変似ている。滝川家とは一家揃って顔見知り、自由な家風である模様。
ファイト
園田家の飼い猫、茶トラ・オス。未知の部屋で飼われている。未知が中学で柔道を一度やめて半年間、未知の柔道着はファイトの寝床になっていた。未知が高校で柔道復帰後は未知のベッドで共に寝ている。
滝川家
父親は法文、母親は名前は不明。両親共に眼鏡をかけている。父親は朝食と共に経済新聞を読む物静かな性格で、母親は早苗の成績に厳格でやや心配性。当初は母親と柔道は中学でやめる約束をしていたが、早苗の柔道にかける情熱に勉強も両立できると判断した父親が入部を認める。早苗も見た目は母親似。
氷浦家
父親は名前は進、未登場。母親は名前は不明。母親は茶髪で未知も驚くほど非常に若作り。私立の推薦を蹴ってまで青葉西高校に進んだ永遠を心配していたが、充実した高校生活を送っている永遠を見て安心している。体育祭では大声で永遠を応援するなどかなり弾けた性格。
南雲家
父親は一心、母親は名前は不明。一心は警察官で剣道の選手、自宅には数々の賞状やトロフィーが飾られている。娘の安奈を溺愛しており幼いころから剣道を教え込んだ。安奈が柔道部に転部を告げた際も引き止めはせず娘の成長を見守っている。安奈は見た目は母親似だが太い眉毛だけは父親似。

書誌情報[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “「ウチコミ!!」の村岡ユウが女子柔道を描く新連載「もういっぽん!」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年10月18日). https://natalie.mu/comic/news/304205 2018年11月5日閲覧。 
  2. ^ もういっぽん! 第1巻”. 秋田書店. 2019年2月8日閲覧。
  3. ^ もういっぽん! 第2巻”. 秋田書店. 2019年5月8日閲覧。
  4. ^ もういっぽん! 第3巻”. 秋田書店. 2019年7月8日閲覧。
  5. ^ もういっぽん! 第4巻”. 秋田書店. 2019年9月6日閲覧。