ほくろ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ほくろ
1D-I-k ouC8.jpg
ほくろ
英語 Nevus
器官 感覚器

ほくろ黒子、英語:mole)は、メラニン色素を含む細胞、即ちメラノサイトが、皮膚の一部に周囲より高い密度で集まってできた母斑の一種。

メラノサイトが一層に並んでいるものを、狭義の黒子(こくし、lentigo)と言い、メラノサイトが重層し、しばしば持ち上げられた表皮が盛り上がって見えるものを色素性母斑(pigmented nevus)あるいは母斑細胞性母斑(nevus cell nevus/nevocellular nevus)と言う。また、この場合、母斑を形成するメラノサイトを特に母斑細胞(nevus cell/nevocyte)と呼ぶ。

体表からは、黒く見えるのが一般的であるが、皮膚の深い部分でのメラノサイトの増殖の場合、青く見えることもある(青色母斑という)。一般には過誤腫的なものと考えられているが、WHO分類では色素性母斑に限っては良性腫瘍として扱い、組織型のICD-Oコード付けが成されている(8720/0など)。

語源[編集]

日本語では古く「ははくそ(母糞)」と言った。文字通り「母胎内でついた母親の」の意であったが、鎌倉時代初期に色名の「くろ(黒)」と混同をきたして「ははくろ(母黒)」という語が生じ、ハワクロ→ハウクロ→ホークロという転訛を経て室町時代末期にホクロになったというのが通説である。また、眼の下にあると泣き黒子(ぼくろ)と呼ばれ、萌え要素の一である。

診断[編集]

体の上でのほくろの位置が年月とともにゆっくり移動することがあり、複数のほくろの位置関係が変化することもあるが心配ない。

もし成人の手の平、指、足底、足指、目のあたり、鼻、上唇周辺などの“ほくろ”が急に大きく(長径6mm以上に)なったり、その境界がぼやけていたりいびつな形だったり、出血、膿、あるいは崩れがあるなら、いじらずにすぐ皮膚科形成外科に行って、良性かどうか診てもらうのが良い。数年で盛り上がった“ほくろ”でも、真珠状の光沢や青黒さがあったり、斑(まだら)状のもの、あるいは中央部が潰瘍で落ち込み周囲が黒く盛り上がっている場合も同様である。

治療[編集]

以前はメスを使用した切除法が多かったが、近年では、レーザー治療などを使ってほくろを除去する人も増えている。切除法のみ保険適用であり、レーザーによる除去は自由診療となっている。

レーザーによる除去は患部が大きい場合は除去した患部の凹みが大きくなり、周りの皮膚との色も異なってしまう。切除法は傷跡が一本の線であり目立たない。以上の特徴から、レーザーによる除去は比較的小さい患部に適している。

2016年(平成28年)9月29日に、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの自家培養表皮「ジェイス」が、先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした製造販売承認事項一部変更(適応拡大)について、 厚生労働省より承認された。

関連項目[編集]

  • 雀卵斑(そばかす) 局所的に、メラニン産生能の亢進したメラノサイトが存在するもので、そのメラノサイトの密度自体は周囲と差がない。紫外線の曝露があると目立ちやすくなる。
  • 悪性黒色腫 メラノサイトが悪性腫瘍化したもの。初期は良性のほくろと鑑別しにくい。
  • 脂漏性角化症 皮疹の形態がほくろに似るものがあるが、上皮細胞の増殖性疾患。
  • 基底細胞癌 皮疹の形態がほくろに似るものがあるが、上皮細胞の悪性腫瘍。
  • いぼ