はたらく一家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

はたらく一家』(はたらくいっか)は、1938年に発表された徳永直の小説及び1939年の映画化作品である。

概要[編集]

1941年版の表紙

初出は、雑誌『自由』の1937年8月号。その後短編集『はたらく一家』(吉田貫三郎装幀、三和書房、1938年11月)に収録される。映画化の後、収録作品をいくつか入れ替え、桜井書店版(柳瀬正夢装幀、1941年4月)が刊行されている。この桜井書店版は、1946年に再版された。1948年には収録作品をいくつか差し替えて、新潮文庫として刊行されている。

評価[編集]

中島健蔵は、1937年7月の『報知新聞』の文芸時評でこの作品をとりあげ、「どうにもならない生活苦に対する少年の反抗と、その反抗が容易に通らない経緯が、例の通り極めて着実な書き方でびしびしと盛られている。私は、この小説を今月第一の作として推す」と評した。

坂口安吾は、桜井書店版の再版を読んで、1947年発表の「通俗と変貌と」と題するエッセイで、「これも、やつぱり、読物だ」「読まれることは当然なのだがそれを文学だと思つてはいけない。」と評した[1]

映画[編集]

はたらく一家
監督 成瀬巳喜男
脚本 成瀬巳喜男
原作 徳永直
出演者 徳川夢声
本間敦子
生方明
伊東薫
音楽 太田忠
撮影 鈴木博
編集 岩下広一
製作会社 東宝映画
配給 東宝映画
公開 日本の旗 1939年3月11日
上映時間 65分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1939年3月11日日本劇場で公開された日本映画。製作は東宝映画モノクロ。上映時間は65分。

スタッフ[編集]

 

キャスト[編集]

映画の一場面

出典[編集]

  1. ^ 『書評』(第2巻第1号、1947年1月1日)

外部リンク[編集]