はくちょう座X-1

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はくちょう座X-1
HDE226868 A
はくちょう座。はくちょう座X-1はη星の近くにある。
はくちょう座。はくちょう座X-1はη星の近くにある。
星座 はくちょう座
視等級 (V) 8.95等[1]
変光星型 回転楕円体 (ELL)
分類 青色超巨星ブラックホール?による連星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 19h 58m 21.7s[1]
赤緯 (Dec, δ) +35°12′05.8″[1]
視線速度 (Rv) -13 km/秒[1]
固有運動 (μ) 赤経:-3.82 × 10-3 秒/年[1]
赤緯: -7.62 × 10-3 秒/年[1]
年周視差 (π) (0.58 ± 1.01) × 10-3[2]
距離 約6,100 光年 (約2,000 パーセク)
物理的性質
半径 R
質量 M
自転周期
スペクトル分類 O9.7Iab
光度 L
表面温度 K
色指数 (B-V) -0.30[3]
色指数 (U-B) +0.81[3]
年齢 × 107
別名称
別名称
はくちょう座V1357 (V1357 Cyg),
BD +34°3815, HD(E) 226868,
HIP 98298, SAO 69181[1]
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はくちょう座X-1の想像図

はくちょう座X-1(-ざエックスワン、Cyg X-1)は太陽系から約6,000光年の距離にある、強力なX線源である。連星系を形成しており、その伴星は現在ブラックホールの最有力候補と考えられている。太陽系と同様に天の川銀河オリオン腕に存在する。

連星系をなす恒星の一方の質量が巨大だと、もう一方の恒星のガス成分を吸い込み、自身の周りを高速で回転し円盤を形成するようになる。これを降着円盤という。この高速で回転するガスから強いX線が放射されることになる。このX線を観測することが、ブラックホールを探る上での重要な指標となる。X線は、X線天文衛星によって観測する。

HDE226868星系[4]主星O型青色超巨星であり、そのガス成分が周囲に流出し、近くの何ものかに吸い込まれていた。その際に極めて強いX線が観測されたため、はくちょう座X-1はブラックホールの最有力候補となったものである。発見されているブラックホールの中では地球から2番目に近い。はくちょう座X-1は、9(±5)×1029Wと、太陽の2400倍ものエネルギーをジェットとして放出している。

なお、はくちょう座X-1は回転楕円体でもあり、はくちょう座V1357星(V1357 Cyg)という変光星としての名前も持っている。変光星としてのV1357星は、HDE226868の主星の青色超巨星が伴星のブラックホールとの潮汐力によってひしゃげて楕円様になっているため、見かけの明るさに揺らぎが生ずるものである。

注釈・出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g Staff (2003年3月3日). “V* V1357 Cyg—High Mass X-ray Binary”. Centre de Données astronomiques de Strasbourg. 2008年3月3日閲覧。
  2. ^ Perryman, M.A.C. et al (1997). “The Hipparcos Catalogue”. Astronomy & Astrophysics 323: L49-L52. http://cdsads.u-strasbg.fr/cgi-bin/nph-bib_query?1997A%26A...323L..49P 2008年3月3日閲覧。. 
  3. ^ a b Bregman, J.; Butler, D.; Kemper, E.; Koski, A.; Kraft, R. P.; Stone, R. P. S. (1973). “Colors, magnitudes, spectral types and distances for stars in the field of the X-ray source Cyg X-1”. Lick Observatory Bulletin 647. http://cdsads.u-strasbg.fr/cgi-bin/nph-bib_query?1973LicOB..24....1B 2008年3月3日閲覧。. 
  4. ^ この星系のHD番号は HD226868 とも HDE226868 ともいう。これは、当該星が Henry Draper Catalogue の本表ではなくその補遺編 Henry Draper Catalogue Extension に収録されているためである。

関連項目[編集]