ならずもの国家

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ならずもの国家(ならずものこっか、英語: rogue state)とは、「世界平和に対する脅威を画策する国家(あるいは体制)」という意味合いでしばしば用いられる表現である。

概要[編集]

ある種の基準、すなわち人権抑圧を常とする独裁的政治体制の維持、テロリズムに対する支援、あるいは大量破壊兵器の拡散などを行うとされる国家がこの「ならずもの国家」との形容を受ける。

アメリカの外交問題評論家ウィリアム・ブルムのように、「ならずもの国家」なるレッテルはアメリカ合衆国自身に対してこそふさわしい、とする論者もいる[1]

1990年代末において、米国政策担当者は北朝鮮イラクイランアフガニスタンおよびリビアを「ならずもの国家」と認識していた。2001年10月からのアフガニスタン紛争に伴い同国は「ならずもの国家リスト」から除外され、2003年3月からのアメリカを中心とした多国籍軍イラク戦争によって、イラクも同リストから外れた。一方、リビアは外交交渉および、その後のアラブの春におけるカダフィ政権の崩壊によって、現在では米国の「ならずもの」認定からは除外されたと考えられている。2017年9月にドナルド・トランプ米大統領国連総会でイランと北朝鮮とベネズエラを「ならずもの国家」と非難し[2]、同年12月に発表した国家安全保障戦略とそれに合わせた演説でもイランと北朝鮮を「ならずもの国家」と敵視した[3]

「ならず者」という訳語について[編集]

ならずもの国家 (rogue state) という概念が提唱された当初、日本ではこの概念を試訳として「ごろつき国家」としていた。しかし、「ごろつき」という語感が報道向きではない(卑語である・中立的でない)という意見もあり、「悪漢国家」や「悪党国家」という訳を経て「ならずもの国家」という比較的中立的な訳語に行き着いたという経緯がある。そのため、現在でも rogue state が必ずしも「ならずもの国家」と訳されないことがある。ちなみに、rogue は「集団に馴染まず暴力的な(人物)」を意味する言葉で、日本語の「順(まつ)ろわぬ民」に近い。なお産経新聞は無法国家、日本の外務省は違法国家、無責任国家と意訳している。

参考書籍[編集]

  • William Blum (2000). Rogue State: A Guide to the World's Only Superpower. Common Courage Press. ISBN 1567511945. 
  • Noam Chomsky (2000). Rogue States: The Rule of Force in World Affairs. South End Press. ISBN 0896086119. 

出典[編集]

  1. ^ Blum(2000)
  2. ^ トランプ氏、「ならず者国家」と非難 北朝鮮やイラン 国連演説で”. 日本経済新聞 (2017年9月20日). 2017年12月20日閲覧。
  3. ^ トランプ米大統領、北朝鮮問題で歴代政権批判=非核化へ「すべての措置」”. 時事通信 (2017年12月19日). 2017年12月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]