どろろ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

どろろ』は、手塚治虫による日本少年漫画作品である。またそれを原作としたTVアニメ実写映画小説やそれらに出てくる登場人物の名前のこと。

戦国時代の北陸や能登半島を舞台に妖怪から自分の身体を取り返す旅をする少年・百鬼丸と、泥棒の子供・どろろ。この2人の妖怪との戦いや、乱世の時代の人々との事件を描く。

概要[編集]

1967年8月27日号より『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が始まるが、暗く、陰惨な内容が読者に受け入れられず、単行本では『無常岬の巻』にあたる話の1968年7月21日号の回で打ち切りとなる。テレビアニメ化に伴い掲載誌を替えて1969年、『冒険王』(秋田書店)で昭和44年5月号から10月号まで連載。5月号とその別冊付録、6月号に設定を一新した新たな内容の序盤が掲載され、続いて新作が連載され10月号で一応の完結をみるが、こちらもストーリーとしては中途までとなり、きちんとした物語の完結には至らなかった。単行本は週刊少年サンデーの内容をもとに冒険王の話もまとめられ、加筆、細部の変更、修正、削除を加えられて発刊されたが、見開きや扉絵は収録されていない。単行本は、連載された話の順番を入れ替えた秋田書店サンデーコミックス版と、後に連載順の内容で編集され細かな修正がなされた講談社手塚治虫漫画全集版の2種類が存在しており、手塚治虫漫画全集の発売後に出版された文庫サイズの漫画は秋田書店、講談社どちらも手塚治虫漫画全集版と同じになっている。漫画以外のメディア展開は上記のテレビアニメの他、ゲームソフト実写映画も製作された。

時代劇で妖怪物というかなり特殊なジャンルとして発表されたが、手塚治虫が雑誌で語っているとおり、その暗さから明るいものばかりの漫画の中で当時の読者に受け入れられにくく不人気であった。内容は手塚得意のバラエティ豊かなドラマ、特に戦争に対する庶民の怒りが語られ、1つの村が隣国同士の争いに巻き込まれて『ばんもん』という壁に分断されてしまう『ばんもんの章』はベルリンの壁板門店に対する強烈な風刺で描かれている。ちなみに対峙した妖怪が何匹目なのか原作で何度か言及がなされているが、これらの数字は連載当時の様々な理由により全体的には必ずしも整合性は取れていない。

本作は漫画としては中途半端な形で終了したが、1969年のアニメ版では漫画で描かれなかった部分も補完され、全ての魔物を倒し完結している。アニメは放映開始初期は原作と同じ『どろろ』だったが、途中から百鬼丸の名もうたったタイトル『どろろと百鬼丸』に変更がなされて放映された。再放送については、全身に欠損を持つある種の障害者と盗賊の孤児が主人公ということで、障害者差別など微妙な問題が多くCS放送の時代劇チャンネルなどを除き地上波では殆どなされていない。モノクロ作品である点も再放送されにくかった理由である。

こうしてかなり不遇な境遇を歩まされた作品であったが、奪われた身体を取り戻すために妖怪と戦いながら冒険するという設定や、義手、義足の中に刀や爆薬等の武器を仕込んだ主人公というアイディアが一部に受け、カルト的なファンを生みもした。『新宿鮫』シリーズでしられる小説家の大沢在昌も「手塚作品の中で最も好きな作品」と語っており[1]、漫画家の小林よしのりも「ドロドロと情念が渦巻いていた感じが良かった」と述べている。魍魎戦記MADARAの主人公『摩陀羅』の生い立ちや設定も、百鬼丸をモチーフにしている[2][3]

『どろろ』というタイトルは手塚治虫の「友達の子供」が泥棒のことを片言で“どろろう”といったことをヒントにしたと手塚治虫は記している[4]。手塚治虫漫画全集のあとがきでは「友だちの子どもが」ではなく「ぼくの子どもが」となっているが[5]、これについて手塚プロダクション公式サイトのコラムで黒沢哲哉は説明が煩雑になるのを避けて簡略化したためだろうと解説している[6]。「ぼくの子どもが」と述べられている手塚の長男・手塚眞も「(どろろうと言っていたことを自分は)まったく覚えていません[7]」、「僕が言ったのなら父は「子どもが」とは書かず「息子が」と書くと思う。僕が小さい頃うちに泥棒が入ったことがあり、もしかしたらそのときに誰かが「どろろう」と言ったのかも知れないし、あるいはそう言っていなくても父にはそう聞こえたとか。ちゃんと確かめておけばよかったが、今となっては謎のままなのも、それはそれで面白いかなと思っている[8]」と見解を述べている。

単行本では、掲載された内容に書き直しが行われており、どろろを殺せば百鬼丸が元の身体に戻れるという冒険王の設定も無くなっている。2013年3月に国書刊行会から刊行された手塚治虫トレジャー・ボックスどろろでは、週刊少年サンデー版、冒険王版と5月号付録版、カラーの扉絵やイラスト、週刊少年サンデー1968年2・3号の企画『特別大画報どろろ百鬼』、『特別大画報どろろ妖怪屋敷』、『紅白ものまねまんが合戦』が、雑誌掲載オリジナルの内容で復刻されて収録された。ただし別冊少年サンデ4月号、6月号、8月号に掲載された4色や2色のカラーページは収録されていない。

どろろについて手塚は、「僕は人一倍負けん気が強く、他の作家がユニークなヒットを飛ばすと、俺だって俺なりにかけると同じジャンルのものに手を出す癖がある。水木しげるが描く一連の妖怪もののヒットと、それに続く妖怪ブームにあやかっり作り上げたキワモノ」と語っている[5]。この発言について手塚プロダクション公式サイトのコラムで黒沢哲哉は、妖怪マンガの大ブームが巻き起こる最中に後追いでどろろを発表したような印象を受けるが、本格的な妖怪ブームが始まったのは水木しげるのゲゲゲの鬼太郎が1968年1月にアニメ化したことで始まったのに対し、どろろの連載が始まったのは週刊少年サンデー1967年8月27日号で、連載開始が妖怪ブームよりも半年から1年も早かったことを指摘したうえで、ブームを他人よりもいち早くとらえていた手塚の流行アンテナが鋭すぎるゆえに、そのように語ったのではないかと書いている[8]

リメイク・続編作品の製作[編集]

原作は最後の魔物を倒すところまでいかない状態で終了しているが、このことが物語のその後や多数のリメイク制作を喚起する要因になっている。後述PlayStation 2版ではこの欠損に対して、百鬼丸が身体を全て取り戻すという補完が行われている。手塚作品の中でもリメイクが果敢に挑戦されている作品のうちのひとつで、映画版は、どろろが大幅に原作と違う設定で描かれていたり、架空の異世界が舞台になったりしている。ドロロンえん魔くんとコラボした作品どろろとえん魔くんは、成長したどろろが主人公で、妖怪退治をしていれば百鬼丸と再会できるかもしれないと偶然出会ったえん魔くんの力を借りて旅をする内容で、最終話では異形の存在になった百鬼丸も登場した。2005年12月9日に秋田書店から発売された、様々な漫画家がブラック・ジャックを描いたコミックス『ブラック・ジャックALIVE』2巻に掲載されている永井豪の『嵐の夜に』では、武器をもっと強力なものにして欲しいと百鬼丸がブラックジャックに依頼。左脚に仕込まれた火炎放射器で万代を、右足に仕込まれたミサイルで九尾の狐を、右腕に仕込まれたガトリング砲で何故か金小僧を倒し、どろろと共に立ち去る。ヤングチャンピオンでは『どろろ梵』が連載された。

これらリメイク作品にはPlayStation 2版に沙村広明や雨宮慶太なども関与しており、どろろという作品に対する支持の大きさを物語っている。

ちなみに、手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号の企画『紅白ものまねまんが合戦』では、4名の漫画家藤子不二雄つのだじろう、坂井れんたろう、赤塚不二夫が描いたどろろの漫画と、各作品への手塚治虫のコメントが掲載された。

あらすじ[編集]

室町時代の中ごろ、武士の醍醐景光は、ある寺のお堂で魔物に通じる48体の魔神像に天下取りを願い出て、その代償として魔神の要求する通り、間もなく生まれる自分の子を生贄として彼らに捧げることを誓う。その後誕生した赤ん坊は身体の48箇所を欠損した状態で生まれ、母親と引き離されて化け物としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。医者・寿海に拾われた赤ん坊は彼の手により義手や義足を与えられた。14年後、成長した赤ん坊は百鬼丸と名乗り、不思議な声に導かれるままに自分の身体を取り戻す旅に出る。旅の途中、百鬼丸は数人の大人から袋叩きにされていたどろろと出会う。百鬼丸はどろろを助けるがどろろは礼を言うどころか彼の左腕に仕込まれた刀に目を付け、しつこく百鬼丸を付け回すようになった。初めは邪険にしていた百鬼丸だが、自身の身体の秘密や生い立ちを話してもびくともせず、むしろ面白がってますます自分に興味を持ってくるどろろを何処か憎めなかった。そして幾多の危機を乗り越えていくうちにいつしか2人の間には相棒とも友人とも呼べる奇妙な絆が生まれる。また旅に出る前、あの声が教えてくれた通り、魔物を倒す度に、奪われた48箇所の身体は1つずつ復活していく。だが周囲の村人には2人とも忌み嫌われ絶えず追放される。そうして2人が更に旅を続けていくうち、遂に因果の糸車は再び回り始め、百鬼丸は残虐な征服戦争を行う景光と、己が父親と知らぬまま再会。母親と弟・多宝丸とも出会う。景光が多くの人を殺した国境『ばんもん』で百鬼丸は多宝丸と対決するが、突如妖怪から景光は父親で多宝丸が弟だと告げられながらも多宝丸を斬り、激しい動揺の中、百鬼丸は妖怪を倒す。果たして百鬼丸とどろろの苦難の旅の先に待つものは幸か、それとも不幸か。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

百鬼丸(ひゃっきまる)
主人公の一人。白い錨柄の貧相な着物を着た一本差しの少年。彼には幼い頃から死霊や妖怪がつきまとう。醍醐景光の実子であるが、生まれる前に48体の魔物への生贄として差し出される。その結果、彼は身体の48箇所が欠損したヒルコのような存在として生まれ落ち、父により川に流されてしまう。川下で医者の寿海に拾われ、まるでイモムシのような身体に欠損部分を義眼・義手・義足等で補ってもらい、義手は成長の後に肩の力のみで指先まで動かすことが可能な特別製を譲り受け、旅へ出る。彼は自分の身体の一部を持つ妖怪を退治する度にその部分を取り戻すことができ、それを目的とした旅を一人で行っていた。腕には仕込み刀、足には百鬼丸が原作『万代の巻』で掛けると皮が焦げ肉を腐らせる毒と言い、原作『どんぶりばらの巻』で熱湯、薬と言っている『焼水(やけみず)』 [注釈 1]と、腰の筋肉を収縮すると中の焼水が押されて飛び出す放射器、鼻は爆薬『雷玉(いかずちだま)』など、体中に武器が仕込まれている。目は見えずとも不思議な直感が働き、心の目で障害物を避けることができる。声帯を取り戻すまで、通常の会話は読心術と心の中に言いたいことを伝える霊能(テレパシー)で行なっており、同時に口も動かしていたから周りからは話しているように見えていた。妖怪から神経を取り戻す前は、人並みに暑さ寒さも感じぬまま突然熱気でうだって死に寒さに凍えるかもしれないと悩みを口にしたこともある。
厳しい現世を生き抜いているせいか若い割に飄々としており、滅多なことでは心を開かない。妖怪を退治しても彼自身が異質な存在であるため助けたはずの村人などからは憎まれたり追い出されることが多いのも関係している。基本的に妖怪相手が専門だが、必要とあらば相手が人間でも斬り殺すことは容赦しない。剣の腕は独学ながら達人の域に達しており、数十人が相手でも軽く倒してしまう。
原作では、どろろと初めて出会う『百鬼丸の巻』で百鬼丸は「生まれて14年」と口にした。『ミドロの巻』では「琵琶法師と別れてから1年も経つ」と口にしている。『発端の巻』の頃はまだ刀が両腕の義手に収まっていたので刀身の無い柄や鍔、鞘などの外身だけ腰に挿していた。『人面瘡の巻』では、今までヘソや髪の毛などを取り戻したが手足みたいな大きい部位が戻ったのは初めてと口にしている。『ばんもんの巻』では景光に「(身体は)まだ30箇所もあちこち足りない」と言っていた。最終話では、権力者と戦えと欲しがっていた刀をどろろに渡し、完全な身体にになったらまた会おうと言い去って行く。ちなみに冒険王の連載では、みおの寺で半年間、独学で剣の修行を行っており、焼け水も硫酸のことだと解説されている。
アニメでは、『百鬼丸の巻・その二』のナレーションで「それから15年、その赤ん坊は百鬼丸として」と解説。『ばんもんの巻』のナレーションで「20年昔、川に捨てた我が子(百鬼丸)」と解説。雨宿りをしていたお堂で魔物から「お前の体は人間から我々が買い取ったもの。お前が人間のように生きることは我々への裏切り。お前が並の人間のように生きたければ我々48の魔物を討ち倒すしかない」と告げられ、それをきっかけに旅に出る。妖怪から神経を取り戻す前は松明で手が焼けても気付かなかった。腰に下げている刀は育ての父・寿海から受け継いだ名刀。アニメ最終話では、どろろと別れ1年間、単独で妖怪退治の旅に出て47匹目まで倒し、最後の妖怪と判明した景光も倒したが、壮絶な体験から、もう誰とも会いたくないと何も告げず一人でひっそり旅立った。
手塚漫画スター・システムキャラクターとして後に、ブラック・ジャックにも2度出演した。
どろろ
もう一人の主人公。百鬼丸を「あにき」と呼ぶ幼い子供の泥棒。盗賊の火袋とお自夜の間に生まれるが、父親は身分の高い奥方を護衛する侍に討たれ、母親は雪の中で衰弱死してしまう。両親を喪いながら一人こそ泥として生活しているところを百鬼丸と出会い、彼の義手に仕込まれた刀に目をつけて後を付け回す。原作、アニメともども最終話では百鬼丸と別れ農民たちと生きていく道を歩む。
顔立ちは母・お自夜に似ている。性格は父の火袋に似て強情で生一本。幼いながら精神的にはかなり強く、勇敢でどんな困難があっても強くあり続けるが、危なげで無謀な行動が多く命の危険にさらされることも多いがゆえに百鬼丸や出会った人に助けられることも多い。一方、父の遺した埋蔵金を見つけて貧民と立ち上がることを躊躇する一面もある。刀などの武器は持たないが身体能力は高く、特に石の投擲の腕はかなりのもので百鬼丸の命を救ったことも多い。体は非常にタフで、大人数人にリンチされてもケロリとしている。また、まるで破壊音波のような大声の叫び声を出して相手を失神させる得意技を持つ。原作やアニメでは本来の性別が伏せられ、少年であるかのように描写されていたが、女の子であることが最終話ではっきりと明かされる。
原作では、風呂や水浴びをやたら拒み続けていたが、それは父親の遺した財宝の在り処が記された地図の刺青を背中に入れられているためで、本当に心から頼れる人以外には人にその背中を見せるなと言われた夢に従ったためだったと後に分かる。ちなみに『ばんもんの巻』では百鬼丸から何年風呂に入っていないのか聞かれ「4年」と答えており、手塚プロダクション公式サイトにも4年間体を洗っていなかったと記されている[9]。背中にある刺青の地図は、何か興奮したりカッと血が上ると蕁麻疹のようにボーッと背中に浮き出し、いつの間にか消える。イタチ率いる野盗たちが鮫の三郎丸に喰われそうになり悲観に打ちひしがれているとき、かつてどろろの両親を裏切り父・火袋が残した宝を狙い百鬼丸も傷つけた連中であるにも関わらず、励まし奮い立たせ陣頭指揮を執って一緒に三郎丸を倒し潮の流れから抜け出た。原作には、女の子であることを匂わせる場面が度々ある。『ばんもんの巻』で、刀が欲しいのはどうしてなのか百鬼丸から聞かれたときには「もうかれこれ30年も前から、おっと30年は長すぎらア、10年も前から世の中を渡るには刀と金がいるってわかってたんだ」と啖呵を切っている。
アニメでは、24話『四化入道』で5歳だと百鬼丸が口にした。
冒険王の連載だと、どろろは百鬼丸から奪った48カ所の身体を魔物がこね回して作られた存在が産まれてきた者で、百鬼丸が元の身体に戻りたければ、48体の魔物を一体づつ殺さずとも、どろろを殺せば全部の身体を一度に取り戻せるため、百鬼丸が苦悩した。
後に手塚漫画スター・システムのキャラクターとして、ドン・ドラキュラへの出演や、ブラック・ジャックでは『ミユキとベン』で百鬼丸扮する『ベン』の子分や『ある教師と生徒』の久男として出演したが、いずれも男として出演した。
醍醐 景光(だいご かげみつ)
室町時代の武士。ある夜に地獄堂へ出向き、運慶の子供『運賀』という彫り上げた仏師が狂い死にしたと言う曰く付きの48体の魔神像に天下取りを祈願。その代償として産まれて来る我が子の身体の各部位を差し出すことを約束する。その結果、身体の48箇所が欠損して生まれた子供を川に流す。そのときの魔物から契約の証として額に『×』印の傷跡がある。その後生まれた多宝丸を嫡男として育てる。生来の絵に描いたような冷血漢で、己が利の為ならどんな手段も選ばず、か弱い者すら無惨に殺す。一方で多宝丸のことは寵愛していた。富樫の家臣で富樫領と朝倉領の国境いにある一の砦を守っている。
原作では、魔神との契約を覗き見ていた地獄堂を管理する上人を斬り殺す。最終話では、屋敷で百鬼丸がぬえを倒す騒動のさなか、残忍な仕打ちで苦しめ続けられてきた村人から内側より門を開かれ砦を占領され、妻と出て行く。週刊少年サンデー連載当時は、イタチらを捕らえ財宝を得ようとした真久和忠兵衛に命令を下した張本人で、その頃には筆頭家老に出世していた。冒険王の連載では、富樫政近の一の砦を守る侍大将となっている。
アニメでは、48番目の魔物。最終話で、どろろに辛く当たることを妻の縫の方に咎められ、錯乱して妻や部下たちを斬りつけたあげく、百鬼丸が魔神の分身を倒したことは予想外だったが己の体をやるから再び力を与えてくれと寺の48匹の魔神像に願うも、景光の身体は既に魔神のもので魔神の道具として動いていた操り人形にすぎないと、景光自ら魔物となり果ててしまったことを魔神から告げられ、心を魔神に取られ魔物に変質してしまった姿をさらけ出す。顔は崩れ肌も変質した姿で狂ったように百鬼丸に斬りかかるが逆に刀で刺され絶命。寺と魔神像も焼け崩れた。
琵琶法師(びわほうし)
百鬼丸とどろろの前に度々現れる謎の法師。目が見えず杖を手に歩いているが身のこなしはしっかりしており、厳しい現世を生き抜いている。背負っている琵琶の先は仕込み刀になっており、我流ながらも剣の腕はたつ。己に迷う百鬼丸に常に問い、道を指し示す。演者は手塚漫画スター・システムの琵琶丸。これがデビュー作となった。
ノタ
アニメオリジナルキャラクター。百鬼丸やどろろと一緒に旅をする烏帽子をかぶった子犬。百鬼丸がみお達と一緒にいた時からの付き合い。烏帽子は、みおから貰ったもの。どろろと仲が良い。
冒険王の連載ではアニメ同様、元々みおに飼われていた犬として百鬼丸たちと旅を共にする。

その他の登場人物[編集]

寿海(じゅかい)
腕利きの医師で百鬼丸の育ての親。薬草を取りに行ったとき、タライに乗せられ川を流される赤ん坊を拾う。体中が欠損した不思議な力を持つ赤ん坊を不憫に思い、養育の上、何カ月もの間、夜もろくに寝ず欠損部分を木材と陶磁器で作製し、麻酔薬の薬草を飲ませ手術を行って人間らしい姿に補い育てるが、ある日を境に百鬼丸の超能力に惹かれたのか物の怪達が住居へ集う様になってしまう。百鬼丸の旅立ちにあたり、若いころ大将から拝領した銘の無い名刀などを仕込んだ最後の手術を行い送り出す。顔は『火の鳥』の猿田に似ている。
原作では、困り果てた医者が、おまえを受け入れてくれる場所を探せと、百鬼丸という名を与えて家から送り出す。送り出すにあたり、腹でものを言う腹話術の本も持たせている。
アニメでは、百鬼丸がお堂で魔物から聞かされた話を聞き、旅に出て後は自分のために戦えと送り出す。百鬼丸という名は旅立つ前から既に与えていた模様。
多宝丸(たほうまる)
百鬼丸の弟で醍醐景光の次男。百鬼丸が捨てられた後に生まれた。右目を盲いている。腕は立つが、それ以上に奸計や残忍さは父譲りのものがある。父から聞いた百鬼丸の腕を試すため部下に襲わせ、それを返り討ちにした百鬼丸を砦にある景光の屋敷へ連れ帰る。ばんもんの巻で百鬼丸と対決して斬られ息絶えた。
火袋(ひぶくろ)
どろろの父。盗賊だが貧しい村人たちの為に宝を貯えていた義賊である。元は農民だったが侍に家族や家を追われたために侍を憎んでおり、侍と金持ちだけを狙う。後に代官と組んだイタチ一派に裏切られて、どろろを誘拐され役人に突き出され、夫婦で取り戻しに行ったところを捕まり配下になるよう拷問を受ける羽目になる。その後は処刑寸前の際に代官屋敷を倒壊させて脱獄するも、待ち受けていたイタチの部下から射掛けられた矢を両足に受け、盗賊家業を続けられなくなる。後にどろろとお自夜と共に放浪している最中、飢饉の最中どろろに饅頭を与えようとした貴族に反感を抱き部下と乱闘を引き起こした末、一人の侍が突き出した長槍をまともに受けて亡くなった。演者は手塚漫画のスター・システムでの丸首ブーン。
お自夜(おじや)
どろろの母。彼女も元は農民であり、夫と同じく侍を激しく憎んでいる。イタチら部下に裏切られ夫や子と何年も [注釈 2]放浪しながら野盗を始めるが一人ではうまくいかず稼ぎにならなかった。夫・火袋が死に、炊き出しのかゆを飢えたどろろに与えるため、器が無いので自らの両手を器の変わりとして熱さで手がただれる。幼いどろろを抱いたまま雪山に迷い込み、どろろを抱いたまま凍死してしまう。
原作では、死亡する3日前に大雪の中、火袋の残した宝の在り処を知られないように文珠堂の軒下で刀と己の血を使った刺青で、どろろの背に地図を描き記した。
縫の方(ぬいのかた)
醍醐景光の妻で百鬼丸・多宝丸の母。お縫と表記されることもある。景光の命令で泣く泣く赤ん坊の百鬼丸をタライに入れ川に流して捨てた。しかし16年経っても百鬼丸への愛情を失くしておらず「坊や」と呼ぶ。百鬼丸からは「おばさん」と呼ばれたが、口にこそ出さぬものの百鬼丸も最後には母と認めていた。
未央(みお)
百鬼丸の初恋の少女。百鬼丸には見えていなかったが、心優しい美少女。戦で焼け出された子供たちを荒れた御堂で世話していた。兵士たちのところへ食べ物を乞いに行くのが日課で、その度に酷く玩ばれていたため「あたしはいやらしい女よ」と、自らを卑下していた。
しかし御堂を明け渡せと命令された事には納得が出来ず、これを拒んだため、兵士たちに子供たちもろとも殺されてしまう。
仁木 田之介(にき たのすけ)
妖刀『似蛭』に取り憑かれた浪人の男。以前は心優しい武士だったが、かつて仕えた冷酷な城の主に、敵に情報を漏らすかも知れないと砦や櫓を作った罪も無き大工たちの処刑を強いられ執行したことで精神が崩壊。『似蛭』は、その際に拝領した褒美で大工たちを殺害した刀である。
百鬼丸をして「出来る、相当なやろうだ」と言わしめ、先述の冷酷な城の主も「(処刑が)見事な腕前」と賞している。
戦でも似蛭で敵を何人も斬ったが、戦が終わっても妖刀が血を欲するため刀の奴隷となり三月に一度辻斬りをして刃に血を吸わせていた。半年前に村の近くに戻ってきていたが5年ぶりに親や妹と再会。百鬼丸に敗れて深手を負い、最期の餌とばかりに似蛭を己へ突き立てて自刃する。
お須志(おすし)
田之介の妹。兄思いの少女で百鬼丸に兄を殺さないでほしいと懇願するが、田之介が死んだ為に百鬼丸を逆恨みする。
原作では、百鬼丸たちが去る際、どろろに「体に気をつけて」と声をかけて見送った。
アニメでは、もう刀なんか欲しがらないという誓いをどろろがお須志に叫び、それを黙って見送った。
鯖目(さばめ)
三本杉の郷士。一見、紳士的な人格者だが、「死んだ魚のような目」と評されている。実は妖怪マイマイオンバだった女性を妻にしている。精神的に病んでいたとはいえマイマイオンバとは相思相愛だった。
原作では、妻の正体を暴かれ逆上して百鬼丸に斬りかかるが敗北。お茶に盛った毒で動けなくなった百鬼丸にも斬りかかったが、どろろに阻止される。最終的には正気を取り戻し、頭を丸めて出家し焼けた寺の再建を決意。
アニメでは、妻に言われて百鬼丸に斬りかかる。蔵の中でも妻に操られ斬りかかるが敗北。蛾の妖怪マイマイオンバになって飛び去る妻を求めて沼を訪れ、戻ってきてくれとへたり込み、それが結果的に百鬼丸をマイマイオンバの居場所へ案内してしまうことになった。
助六(すけろく)
ばんもんの巻に登場した浮浪児。キツネの使う妖術に気が付いており、袋叩きにされたどろろを助けてくれた。両親は健在だが国境の壁『ばんもん』に阻まれて会えないでいた。どろろの協力を得て国境いを超えるが戦で家は燃かれてしまい両親も死んでおり、無断で国境いを越えようとした咎で兵士に捕縛され、多宝丸の手により処刑されてしまう。
賽の目の三郎太(さいのめのさぶろうた)
妖怪が取り憑いた馬『ミドロ号』に操られていた無頼の槍遣い。ミドロ号を倒された後、醍醐景光に仕官するために再度百鬼丸と対決したが、百鬼丸をかばい飛び出したお米を斬殺してしまう。『唯我独尊』と字の入った着物を着ている。
イタチの斎吾(イタチのさいご)
火袋の手下だった男だが、貪欲な気性の為に火袋からは信用されていなかった。後に権力の側と手を組み出世しようと提言したのを拒まれ火袋を裏切り、妻子を人質にとったうえ火袋を野盗として再起不能にする。
原作では、どろろの背中にある入れ墨の秘密を知っており、後に白骨岬にて部下を引き連れ宝目当てでどろろに接近する。部下を次々に失い、自身も危機に陥るが幾度と無くどろろや百鬼丸に危機を救われて改心する。最後はどろろを守るために、野党を逮捕するという建前を口実に実は火袋の残した宝を狙って来た代官・真久和忠兵衛(まくわちゅうべえ)率いる侍たちと戦い、命を落とす。命を落とす前に宝の在処をどろろに見せてもらったが、宝はイタチが狙うことを警戒して別の場所へ移したという火袋の手紙が入っていただけだった。作中では珍しく短筒を使っている。イタチはこの短筒を冒険王連載当時には、元の大群が攻めてきたとき浜に打ち上げられた『雷火筒(らいかとう)』と説明していた。また、どろろが少女であることに気づいた人物の一人でもある。
演者は手塚作品スター・システムのハム・エッグ。
しらぬい
原作に登場。白骨岬に棲んでいる若者。幼少の頃から飼っていて小さな鮫だったときから育ててきた二郎丸と三郎丸という2匹の鮫を操る。よちよち歩きだった子供の頃に両親を戦で殺され、母が血を流し干からびてミイラになるまでを見て、人間の体なんて鮫のカッコよさに比べればお粗末なつまらないものという考えに至り、鮫になりたい、なれないならせめてこの鮫に一生をかけたいという願望を抱いている。「(百鬼丸のような体になって生きるくらいなら)鮫の餌になったほうがマシ。そのほうが鮫にとって餌になるだけ得」という考えも持っている。
鮫が大きくなるにつれ馬などの生き物に留まらず人間も喰わせるようになり、落ち武者を見つけるたびに海へ引きずり込んで喰わせ、それでも追いつかなくなると、そこいらいにいる人間を手当たりしだい殺しては喰わせていた。イタチたちを鮫の餌にしようと船頭として近づきイタチの手下を喰わせたが、二郎丸と三郎丸を百鬼丸やどろろに倒され、その仇討ちとして二郎丸の右目に刺さっていた刀を抜いて百鬼丸に挑戦するが逆に腕の刀で胸を突かれて敗北。今際の際、百鬼丸に「二郎丸と共に自分を海に沈めてほしい」と願いを託したのち、絶命した。百鬼丸はその願い通り、彼を二郎丸に括り付け海に沈めた。
どんぶり長者
どんぶりばらに取り憑かれた長者。その為に常に腹が空いているようになってしまった。妖怪が腹の中にいる状態で、百鬼丸が化け物を封じ込める薬を塗った絆創膏をヘソに貼り、剥がしたとたん妖怪がたまらず飛び出して助かる。
原作では、年貢米をくすねてこっそり隠れて食い飢えをしのいでいたが、年貢を納めるよう求める景光には村人が提出を拒んでいるから年貢が集まらないと嘘をついていた。
アニメでは、子供たちにも草の根と木の皮とワラ屑で作った饅頭を出すほどケチで、美味いものを独り占めするため、仮面を被り村の食べ物蔵に取り憑く化物『どんぶりばら』に変装していたが、どろろに正体を暴かれた。この行いのせいで村の子供たちは畑のスイカしか食べることができず水っ腹で腹をすかせていたが、その一方で、実は鼠や虫の死骸でできている化け物の毒気がかかった食べ物を食べようとした子供を必死に止めようとする良心も持っている。
お米(およね)
原作に登場。どんぶり長者の一人娘。美しい娘だが、少し知恵遅れ。秘密を持つどんぶり長者の命を受け、変装して妖怪の振りをして家の肥溜めの側に人を近付けないようにしていた。自分を馬鹿にしなかっ百鬼丸に好意を持つが、景光の命を受けた三郎太から百鬼丸をかばい斬殺される。
木曽路(きそじ)/時野 景行(ときの かげゆき)
原作では、景光と敵対する武士・木曽路、アニメでは、時野景行という名で登場。いくさ馬『ミドロ』の優秀な働きで成り上がり慢心している武士。馬に親子の情など無用と子馬を売り飛ばすよう配下に命じ、ミドロ号に殺される。
原作では、出世はミドロ号がいたからでミドロ号が名馬で無ければあそこまで出世していなかったという小間使いの陰口を耳にして逆上。プライドの高さゆえ、それからは子馬を引き離すなどミドロ号に酷い扱いをし続け、ミドロ号から戦場で踏み殺された。
アニメでは、侍大将に手が届きそうなほど出世して、武功の半分は愛馬ミドロのおかげと思っているが、ミドロの動きが鈍くなっているのは子馬が付いて回るせいだとして配下の新助に子馬を引き離すよう命じ、脱走して暴虐を尽くすミドロ号を部下を引き連れ討とうとしたが、首筋を噛み潰され返り討ちにあい絶命。
新助(しんすけ)
アニメオリジナルキャラクター。景行の配下。ミドロを育てた白髪の武士。景行の命令で、ミドロの子を有無を言わさず庄屋の作左衛門に金10で売りつけた。脱走したミドロを連れ戻そうとするが反抗され、刀で斬ろうとしたところに馬の妖怪が宿った空飛ぶ4つの蹄鉄が現れ体を貫かれ絶命した。
俵 五呂兵衛(たわら ごろべえ)
アニメオリジナルキャラクター。巨漢の侍。飄々としているが暴れ牛の突進を止め牛を軽々と頭上に持ち上げて投げ飛ばす怪力の持ち主。どろろを暴れ牛から救い3人で無人の村を訪れ、悪霊やマタタビの木の妖怪に百鬼丸たちと力を合わせ戦った。
百鬼丸たちに寄ってきた死霊や妖怪を目の当たりにするまでは、死霊も妖怪も信じない男だった。
ぐう太郎(ぐうたろう)
アニメオリジナルキャラクター。なまけ者でなにもせずに世の中の役に立てないかとお坊様に相談したところ、化け物を封じ込める経文を尻に書かれ、一番最初に声をかけてきた者を尻にしくよう言われる。侍に化けて声をかけてきた妖怪土坊主を尻の下の地中に封印した。それからというもの10年間も同じ場所に座ったまま動かずにいた。百鬼丸のためにどかそうするどろろから眠り薬で動かされて経文ごと体を洗われる。その後も妖怪土坊主から執拗に狙われ、百鬼丸から土坊主を誘いだす釣り餌として縄で木に吊るされた。

妖怪・魔物・動物[編集]

死霊
自分では形が無いため様々なものに次から次へと取り憑き、執拗に百鬼丸たちへ襲い掛かる。斬ったりバラバラにすると一旦は引っ込む。川に浮かぶゴミの塊に取り憑き人間を溶かす怪物になったが百鬼丸が木造の橋桁を斬って崩壊させ下敷きになる。猿の死骸にも取り憑くがが百鬼丸に斬り捨てられた。原作では他にも草履、野犬、野原の草などにも取り憑いて襲い掛かり、アニメでは大量の猫や大量のカラスにも取り憑いて襲い掛かった。百鬼丸は原作では死に神、アニメでは魔物どもの手先という呼び方もしていた。
アニメではカラーパイロットフィルム版にも登場した。
女の妖怪
女の姿をした死霊。いずれ真実を知った百鬼丸が己らを滅ぼそうとする邪魔な恐ろしい敵になる前に寿海もろとも殺そうとした。伸びる髪で寿海を絞め殺そうとしたが、幼い頃の百鬼丸に斧で切られ火を点けられて倒された。単行本では戸口から中を覗き込む大きな目が闇夜に浮かび上がる姿も見せたが、週刊少年サンデー連載当時は巨大な全身像も描かれた。
金小僧(かねこぞう)
万代に奪われ、隠匿された金の精。早く地上に出るために、百鬼丸の枕元で「やろうかぁ」と告げ、万代に取られた村の金が埋められている自らの居場所を教えた。
万代(ばんだい)/人面瘡
ある村で百鬼丸とどろろが出会った美しい女性。貧しい村人たちに金や物を恵んだり、村道を拓いたりと表向きは慈悲深い性格だが、実は村で密かに殺戮と強奪を働き村人を生かさず殺さずの状態で奴隷にしていた。
その正体は人面瘡で、人間の女の体に憑依して完全に吸収し、彼女の腰のあたりからサンショウウオに似た怪物の姿として生えている妖怪。緑色の血を流す。百鬼丸曰く「あんな醜い妖怪は見たことねえ」「ガマクジラ」、小説版ではどろろから「世界一美しい万代から世界一醜い魔物が生えている」「ガマナメクジ」などと言われていた。サンショウウオのような形態では、髪のような触手の吸盤で百鬼丸を捕まえ、念力で矢のように竹を降らせ、舌で舐めた人間を笑い死にさせることができる。人間の姿のときはサンショウウオのような妖怪になる醜い尾を隠すためいつも寝ており、邸内では村人たちが交替で住み込んだり通ったりして身の回りの世話や近侍をしたりしていたものの、誰一人として尾があることや、時おり村の襲撃のため不在にしていた事実には気づかなかったが、忍び込んだどろろに正体を見られる。どろろを人質に取りつつ『女夜叉(にょやしゃ)』という般若のような鬼女に変化して百鬼丸を始末するために戦いを挑み、振り回した髪で屋敷を崩すが、寺の大鐘楼に上ったところを鐘で突かれ倒され、焼水をかけられて人面瘡が死ぬと人間の顔に戻り安らかな顔で天へと旅立っていった。
原作では、16番目の魔物。女夜叉の姿では、百鬼丸に落雷も落とした。女夜叉が「千歳のいにしえよりこの如月谷に年ふりたる」と口にしたため百鬼丸は、村ができるずっと前からこの谷に住みついていた妖怪が、どこかの女の体に取り憑いたと説明している。冒険王の連載では、サンショウウオのような形態は『ごろんぼう』と呼ばれていた。
アニメでは、この村の娘に妖怪が取り憑いたと百鬼丸が説明している。カラーパイロットフィルム版では、屋敷に踏み込んだどろろと百鬼丸に正体を見られて戦いに発展したが、女夜叉には変身せず、人面瘡も登場しなかった。
倒すと、原作とカラーパイロットフィルム版では百鬼丸に右手が、アニメ版では左脚が戻った。
ちなみに額に高眉を描き、御簾に囲まれている寝所の中で寝ているなど、上流公家の女性を装っているが、この時代には戦乱を逃れて都落ちした公家は少なくはない。
人面瘡
原作に登場。百鬼丸が以前出会った妖怪。万代の人面瘡とは別個体。ある娘の膝小僧にできた大きなできものが潰れて人の顔の顔のようになり喋ったり食ったりする。妖怪が取り憑いているため切っても切っても後から後から生えてくる。百鬼丸の焼水で殺された。後に出会った万代の人面瘡のことを百鬼丸は、この人面瘡と同じ仲間で、もっとあくどい奴なんだろうと予想した。
似蛭(にひる)
手にした人間の思考を乗っ取り殺人鬼に変える妖刀。主に田之介を操っていたが、一時はどろろを操り田之介の父親を斬りつけさせた。その際、一緒にいた妹のお須志も斬られる筈であったが、お須志が持っていた護符の効力により出来なかった。
田之介が死んだ後に百鬼丸に叩き折られ、ボロボロに風化して消滅した。
倒すと百鬼丸に左目が戻った。
九尾の狐
中盤までは狐火の渦の中心に顔だけ浮かび上がらせた姿で2度に渡り百鬼丸に襲い掛かる。その正体は、体が狐火に包まれており九本の尾を持つ、野ギツネの悪霊の総大将。
不気味な幻術を使い百鬼丸たちを惑わせ、川の中から浮かび上がった無数の頭蓋骨が炎に包まれ飛び回る。醍醐景光が魔神に身体を売り渡した父親で戦っている多宝丸も弟だと、百鬼丸を苦しめるため真実を教える。この妖怪の死体の重量が最後の『ばんもん』を崩壊させる原因となった。
原作では、激昂した百鬼丸に爆薬『雷玉』が仕込まれた鼻を口の中に投げ込まれ爆死して、その死体は戦場の境界線『ばんもん』に晒された。
アニメでは、百鬼丸の刀で斬られ苦しみもだえて『ばんもん』にしがみつき絶命した。
原作では、倒すと百鬼丸に鼻が戻った。
野ギツネ
朝倉領と冨樫領の境界付近に生息していた妖狐の悪霊達。死んだ兵隊の肉を喰らい急に増えた。
人間の思考を弱らせて好きなように操る妖術を戦が終わりそうになると町の人々にかけ、食料の死体を大量生産させるためにわざと戦争を長引かせていた。夜に群れで行動し、妖術を使う。体は狐火に包まれていることが多く兵隊の骨(死体)を餌としているため、口からが燃えている。水中でも追いかけてくる。夜が明けると消え去るが、大量に斬ったにも関わらず百鬼丸がゾーッとするほど1匹も死骸が残らなかった。
白面不動(はくめんふどう)
行者が水ごりを行う『みしらずの滝』の正面に鎮座している不動明王像の妖怪。己の顔を持たないため、滝ごりをする人間の顔を奪い己の顔としていた。すぐに次々と新しい顔を欲しがり、顔が手に入らないと酷く狂いだす。顔を取られてのっぺらぼうになった死骸は、谷底にあるほら穴の中に氷漬けにして並べている。手下の女を使ってどろろの顔を手に入れようと目論んだが、親子の情が移った彼女がどろろと逃げ激昂。
滝の水を操ることで、頭上から激しく水を降り注ぎ、鉄砂の混じった目つぶしの水を浴びせかける。崩れた顔で、手にした剣を振り下ろして襲い掛かった。百鬼丸により首を刎ね飛ばされて絶命。その正体は、精気が潜り込んだカビが岩にびっしり貼り付き不動明王の形を成していた妖怪だった。
原作では、19番目の魔物。水ごりをする人間は滝に打たれているうち気を失い、その人間の顔が不動に移ってしまう。どろろを逃がした手下の女を元の死霊に戻した。谷に大水を起こして、どろろの行く手を阻み、手に持った紐をマムシの群に変え襲わせたが、マムシの群は百鬼丸に斬り殺された。
アニメでは、「顔がほしい、顔がほしい」とひらすら繰り返す。落雷で行者たちの水ごりの館を壊し、山犬の魔物の群を操って手下の女を始末させたが、山犬の悪霊たちはどろろに噛み付く寸前に百鬼丸と琵琶法師に斬り倒された。
原作では、倒すと百鬼丸に右耳が戻った。
白面不動の手下
百鬼丸に別れを告げられ悲しむどろろの前に母親の顔となって姿を現した女。その人間が心に描いているどんな顔にも変身できる。その正体は、白面不動から仮初の命を貰った死人。代償として、白面不動の言いつけで人間を谷に連れてきて滝ごりをさせていた。顔を取られ凍った死骸が並ぶほら穴の存在がバレそうになると、ほら穴を塞ぐ。
どろろも滝のそばにある行者たちの水ごりの館に誘い出すことに成功して、滝ごりを激しく嫌がるどろろを命令に従い一度は白面不動の前に無理矢理連れて行くも、おっかちゃんと呼んで慕い、魂の無い操り人形だった自分に再び人間らしい心をもたらしてくれたどろろに情を抱き、一緒に逃げる。
原作では、白面不動のために、のっぺらぼうと化した行者の死体を滝壺に落とす。命令に背いたことを怒る白面不動から滝の水を浴びせかけられ、命を奪われ元の顔に戻り崩れ去った。
アニメでは、白面不動に仕える巫女の死人。山犬の魔物の群をけしかけて生きている行者を滝壺へ落とし、ノタに助けられた行者も始末させ、ほら穴の中にある凍った死骸を褒美として山犬の魔物たちに与える。どろろを逃がしたことで白面不動に追われ、どろろとほら穴に逃げ込んだところを山犬の魔物たちに追われ川に突き落とされ死亡。
ミドロ号
原作では木曽路、アニメでは景行が飼っていた牝の名馬。主人から大切な子馬を引き離され脱走。瀕死になったミドロ号は妖馬の精神体に、憎い人間に復讐するための力を貸すと怨みの心を付け入られて憑依され、燃え盛る炎のような毛並みを持った妖怪の馬になった。妖怪になっても母親としての愛情が残っている模様で、自分の子馬を見るやいなや動転して逃げ出したりもしている。
原作では、小間使いの陰口を聞き逆上した木曽路から酷い扱いを受け子馬とも引き離され、戦場で木曽路を踏み殺す。矢傷を受け死にかけていたところに妖馬の憑依を受け入れて妖怪になる。賽の目の三郎太を妖気で操り蹄鉄を作らせ、恨みのままに人々を踏み殺して暴れていたが、百鬼丸により全ての脚を切断され、焼水をかけられて本来のミドロ号諸共消滅した。百鬼丸は48体の魔物の1匹だろうと踏んでいた。
アニメでは、戦で死んだ馬たちの呪いを晴らすことを目的にしている妖馬の精神体が宿る空飛ぶ4つの蹄鉄が、新助を殺害してミドロ号に憑依。踏み殺す、刃物で斬り殺す、松明をくわえ火を点け街を焼くなどして人々を無差別に殺害。ミドロ号を討とうとした景行噛み殺し返り討ちにした。百鬼丸が両腕の刀で胸を刺し、飛び出た妖馬は首を刺し焼水を浴びせ消滅させたが、ミドロ号の死体はその場に残った。
PS2版では、元は景光の愛馬という設定だった。
ミドロ号の子馬
性別は不明だが親離れはしていない。妖怪と化したミドロ号からは拒絶されてしまう。
原作では、木曽路から「(子馬が)目障りだからどこか百姓家へ払い下げろ」と命じられた2人の家来を騙してどろろが奪い取る。
アニメでは、ミドロ号の子馬を新助に無理矢理売りつけられた庄屋・作左衛門から百鬼丸が買い取る。百鬼丸は己が殺した母馬の死体に寄り添う子馬の姿を見て初めて涙を流し、子馬を置いていかざるを得ない状況を悲しんだ。
マイマイオンバ
蛾の妖怪で鯖目の妻。普段は人間の女性を装っており、マイマイオンバの一族と一緒になった男は徐々に命を吸い取られ、だんだん魂は死んでいき鯖目のように死んだ魚のような目になる。蛾の妖怪になると、毒の鱗粉をまき散らしながら飛ぶ。最後は歌舞伎の鬼の演者の様な出で立ちの姿となって復活し百鬼丸に挑むも、闇の中では火[注釈 3]に集まるという蛾の特性を突かれ絶命。
原作では、赤ん坊の連れ子があり、その子もネバ糸を出す芋虫の妖怪で、屋敷内で百鬼丸を襲わせたが百鬼丸から返り討ちにされそうになりマイマイオンバが助け出した。屋敷にいる召し使いの女性たちもマイマイオンバの一族で蛾の妖怪。目的は村の若い男と夫婦になり、もっともっと一族を増やすこと。マイマイオンバ自ら「遠い世界からやってきた」と語っており、後に裏山で見つかったUFOのような巣の形状から、宇宙から来た可能性を匂わせている。子供が何度も脱皮する秘密を付近の寺に住む慈照尼(じしょうに)が知った為に口封じのため寺に油を撒き火を点けて養われていた孤児ごと皆殺しにする。土蔵に忍び込み我が子の抜け殻の山を見つけたどろろを召し使いの女たちと共に殺そうとするも抵抗され、逆にどろろから土蔵に置いてあった油壷に火を点けられ、焼き殺されかける。その後、鯖目に毒薬を渡して百鬼丸を毒殺するよう仕向け、自らは一族と共に尼僧に扮してどろろを再度殺そうと目論むも、その際に居合わせた寺の孤児の霊達に阻まれた上、逆に村人達の攻撃にも逢って村の近くの底無し沼に追い詰められ、一族揃って沼の中に沈む。我が子も殺され、裏山にあった卵も百鬼丸に見つかり処分された。火に集まる特性でおびきだされ歌舞伎の鬼の演者の様な姿となって現れ百鬼丸に挑むも、どろろがかざした松明の灯りにに引き付けられた所を斬り刻まれた上に松明で焼き払われて絶命。週刊少年サンデー連載当時は自らを「昔、伊吹山中に千年の齢を重ねたる毒虫の精にして世の人に仇なす者」と説明しており、マイマイオンバの子供も脱皮するごとに姿が変わる能力を持っており、それを使ってどろろに化け百鬼丸を襲うが返り討ちにあい、毛むくじゃらの芋虫のごとき死体を鯖目に晒した。
アニメでは、道端で見かけた百鬼丸を殺せと鯖目を焚きつけ、鯖目が失敗すると屋敷の中で蛾の妖怪になり襲い掛かる。どろろから屋敷の蔵の地下にあった大量の繭に火を点けられ沼の中に逃げ、歌舞伎の鬼の演者の様な姿になり百鬼丸に挑むが、松明に引き寄せられ、どろろから投げつけられた松明で体に火を点けられて百鬼丸から斬られ絶命した。
倒すと百鬼丸に右脚が戻った。
小僧妖怪
原作に登場。「子供はいらぬか。子供を買うてくだされ」と頭を丸めた姿をした尼・慈照尼の幽霊に連れられた図体の大きな子供の妖怪。胎児にも似た姿をしており赤ん坊のように甘えてくる。突如消えた慈照尼の幽霊から、百鬼丸が押し付けられた。その正体はマイマイオンバに焼き殺された寺の孤児たちの霊で、優しくしてくれたどろろをピンチから救い、マイマイオンバにしがみついて動きを封じた。
二郎丸(じろうまる)
原作に登場。普段は海の底に魚の姿になって隠れているが人間が海に出ると襲って喰ってしまう物の怪が昔から取り憑いていると言われている『白骨岬』で、しらぬいが飼っている人喰い鮫の妖怪。体の中に魔物が巣くい妖怪特有の三白眼を持っている。
まだ小さな鮫だった頃から三郎丸共々、しらぬいに幼い頃から飼われている。小さい頃は小鳥を与えられていたが、大きくなるにつれ肉をもっと喰いたがり、殺した犬や、こっそり殺した隣の家の馬では追いつかなくなり、ある日しらぬいの家の前で死んだ落ち武者を裸にしたものを与えられたことをきっかけに人間の味を覚え、次々に人間を喰っていた。
三郎丸と一緒にイタチの部下たちを喰い殺す。三郎丸の死に激怒したしらぬいと共に、敵を討つためにどろろ達を襲うも、百鬼丸に腹ビレと右目を潰されて逃走する。その後、宝の島に向かった野盗達を襲い殺するが、目に刺さった刀を引き抜こうと奮闘するどろろに陸上へ引きずり上げられてしまう。陸上へ上がっても、食べたものを腹の中で発酵させて出す妖気を含んだ強いアルコールガスを吹き付け百鬼丸を泥酔状態にして苦しめるが、どろろのアドバイスにより弱点を突かれ、横倒しにされて腹を切り裂かれ絶命。
倒すと百鬼丸に声帯が戻った。
三郎丸(さぶろうまる)
原作に登場。しらぬいが二郎丸と一緒に飼っていた人喰い鮫。二郎丸と一緒にイタチの部下たちが乗った船を転覆させて喰い殺す。姿形は二郎丸にそっくりで、性格も獰猛。囮になったどろろを追い掛け水上に出た隙を突かれ、イタチ一派によってありったけの刀を腹に突き刺されて絶命。妖怪なのか普通の生物なのかはっきりとするシーンは最後まで無いが、誰かから妖怪だと指摘されるような場面は無く、三郎丸の死亡直後に百鬼丸の身体が戻ったような様子も描かれていない。
どんぶりばら
アニメではこの名前。原作での正式名称は不明。象ほどの巨体で牙が生えた大亀の妖怪。沼に潜んでいた。
沼のものを腹いっぱ食べて動けないほど体が大きくなりすぎたがために、奇妙な姿をした僧侶のような精気を外に泳がせて村のどんぶり長者の臍から体内に侵入し、養分を吸収していた。精気は長者に無理やり飯を食わすことができる鐘を鳴らす。
実体でないため精気には刀も焼水も効かない。飛び去る精気を追って本体にたどり着いた百鬼丸を始末するために、甲羅から剛毛を生やし百鬼丸を絞め沈もうとするも、どろろと村人達により沼から引きずり出される。その後、百鬼丸により体内に焼水を流し込まれ、内臓を焼き尽くされて絶命した。
アニメでは、28番目の魔物。アニメのオープニングにも登場する。アニメでは、精気は、焼水を浴びせられたとき叫びながら飛び去っており、本体の大亀は引きずり出されたとき腹が大きくあまり動けないため妖力で雷雨を発生させて勝負してきた。
倒すと百鬼丸に右目が戻った。
四化入道(しけにゅうどう)
十年ほど前は村人だけでなく鼠からイタチにまで慕われる慈悲深い人格者として知られた山寺の住職だったが、寺を壊して3方が見渡せるこの場所に砦を造ろうとする景光[注釈 4]の計画に『三か村』が戦場になることを危惧して反対し、生き埋めにされて死亡。しかし住職は、虫魚禽獣の精気を借りてまでも山を守り山を侵す者に仇をなさんと、地下でモグラと蛙とカワウソと野鼠の精気と交じり合い妖怪へと変じて蘇る。
モグラ、蛙、カワウソ、野鼠の大群を手足のように操り、寺を壊そうとする侍たちに飛び掛からせたり、どろろを連れ去ったりした。妖怪になっても、空き寺となり荒れ果てた元の寺に棲み付いていた。生臭い息を吐き怯んだところを狙ったり、モグラのように土中を進んで襲い掛かったが、最期は住処の穴の中に煙を送り込まれ、いぶり出されて地上に出てきたところを百鬼丸から眉間に刀を突き立てられて絶命。死後は4種類の動物の骨になった。
アニメでは、原作よりも人間らしい姿で現れ、正体を見破られて原作と同じ姿に姿を変えた。妖怪を封じ込める力がある独鈷型という形の木で動きを封じれて絶命。
外見は鉄鼠に似ており、泳いだり地に潜ったりと4種類の動物の特徴を備えている。手塚の長男である手塚眞によると、この妖怪は自作の妖怪図鑑『ババー百鬼』に出てくる、モグラをモチーフに眞が6歳の頃に考えた『死毛』という一匹を、鳥山石燕画図百鬼夜行に描かれている鉄鼠のイメージも参考にしつつ手塚治虫がアレンジして作ったものだという[8][10]
アニメでは、倒すと百鬼丸に神経が戻った。
ぬえ
口から火を吹き、尻尾の大蛇が絡みつき襲い掛かる巨大な妖怪。
原作では、最終話に登場。最終話では百鬼丸が母にあと30匹分取られた部分が足りないと語っていて、倒されていないそれらの妖怪が束になりくっついた集合体の妖怪。屋敷の影から百鬼丸たちの様子を窺っていたが百鬼丸から額に刀を投げつけられ現れ、腕の刀で斬られ焼水をかけられ倒された。倒されたときに何体もの妖怪が分離して飛んで行ったが、百鬼丸は集まった中の少なくとも5、6匹は倒したと言っている。
アニメでは、26話『最後の妖怪』に登場する47番目の魔物。アニメのオープニングにも登場する。どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸と戦う。百鬼丸の刀で腹を縦に裂かれて絶命。
アニメでは、倒すと百鬼丸に右手が戻った。
三河島婆(みかわしまばばあ)/大川村婆(おおかわむらばばあ)
原作では最終話で、酷い仕打ちの強制労働から集団脱走を図った村人たちへの報復として、大川村[注釈 5]を景光の軍が焼き払ったときに病の床で逃げることもできず亡くなった老婆の亡霊で、「景光には48の魔物が取り憑いているので罪も無い者達を平気で殺せる呪われた運命(さだめ)の人間」と百鬼丸に恨み言を語り去って行った。
アニメでは最後の妖怪を探す百鬼丸の前に現れ、景光が48匹目の妖怪だと告げて消える。
手塚治虫マンガ大全や手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号のイラスト『特別大画報どろろ妖怪屋敷』にも描かれている。
天邪鬼
アニメオリジナルキャラクター。人の反対ばかりやる、ひねくれ者の妖怪。額に角の生えた『ドキ』、尻尾の生えた『ダキ』、羽の生えた『ブキ』の3体。木像の姿で山門の仁王像に踏みつけられていたが、額に角の生えた天邪鬼がどろろを騙し挑発して仁王像を退かさせることに成功。この天邪鬼が残り2匹を仁王像から開放して3匹で村中にいたずらをしまくった。
一口齧りを、ひょんなんことから封印から開放してしまい、成り行き上どろろたちと協力して退治に力を貸す。その後は、百鬼丸からそれぞれ角、尻尾、羽を斬られ、仁王像に踏みつけられる木像の姿に戻った。
一口かじり(ひとくちかじり)
アニメオリジナルキャラクター。アニメのオープニングにも登場する。通称かじりんこん。寺の初代住職『法華聖人』が書き残した記録によると、300年前、いつも小作人から年貢を搾取して、もっともっと金を搾り取ろうと死ぬほどの苦しみを与え、生きながら我が身を金の畜生道に落とした血も涙も無い強欲な名主がおり、その姿は歳とともに悪鬼の顔になって小作人を死ぬまで苦しめ続け、死んだときその墓から現れた、名主の執念の塊から生まれし妖怪。
夜な夜な現れては貧しい人の家を襲い身包み剥ぎ取り、人の皮を舐め取り肉を喰いちぎり骨までしゃぶり尽くし、生き物を片っ端から喰ってしまうため、法華聖人の法力で寺の敷地にある石の下に封じられていたが、村人たちから追いかけられたどろろと天邪鬼たちがその石を退かせてしまったために、その下にあった穴から復活。「一口かじって皮の味、二口かじって塩の味、三口かじって骨の味」と言いながら現れ、目は光り、伸びる舌で百鬼丸に襲い掛かる。舌を塔の先端に串刺しにされ、目を斬られ、火を点けられた五重の塔の下敷きになって倒された。
倒すと百鬼丸に声帯が戻った。
骨猫(ほねねこ)
アニメオリジナルキャラクター。アニメのオープニングにも登場する。巨大な猫の骸骨に、動くマタタビの木が一体化した魔物で、自在に動く枝で絡みつき襲い来る。百鬼丸たちが寝床にしていた家を潰し、避難していた家の天井に穴を開け襲い掛かる。百鬼丸が目に突き刺した刀に絡み付けておいた夜光塗料を塗った糸をたどられ、反撃するが百鬼丸に斬り落とされた頭を五呂兵衛から杖で砕かれ絶命。
倒すと百鬼丸に両耳が戻った。
海獣ビラビラ(かいじゅうビラビラ)
アニメオリジナルキャラクター。ビラビラをいつの間にか封印したことから地元の人々が『神様の銛』と呼ぶ銛を、どろろが地面から引き抜いたせいで復活した、体のいたるところが白骨化したエイの妖怪。かなり大きな妖怪で低いうなり声をあげる。海中だけでなく地中も移動する。妖力でワカメを操り人々を締め付けたりもする。村人により生贄として船で流された村の娘『さよ』とどろろの2人を喰おうと口を開けたところを、百鬼丸から木の杭を打ち込まれ、神様の銛で目を突かれ絶命。
倒すと百鬼丸に歯が戻った。
雷火犬(らいかけん)
アニメオリジナルキャラクター。狛犬のような姿に変化する犬の妖怪。落雷を操り暴風で無数の石つぶてを飛ばす。元は犬同士を戦わせる闘犬が盛んな村で、犬を強くするため戦いで憎しみを発揮するよう村人から常に残酷な手で虐められた犬。情と心の繋がりを求めてノタと仲良しになる。牙と落雷で村人を襲うが百鬼丸に両腕の刀で刺され倒される。死の間際に元の姿へ戻り、心配したノタに顔を舐められながら絶命。
ちなみに、手塚治虫マンガ大全や手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号のイラスト『特別大画報どろろ妖怪屋敷』にも同名の妖怪が描かれているが、姿形はかなり異なっている。
おんぶら鬼(おんぶらおに)
アニメオリジナルキャラクター。けして背中から降りず、背中から生やした4本の腕で絞め殺すと脅して、子守唄を歌わせたり、他の村へ歩かせたりして、おもりをしないと田畑を荒らしたり祟る『おんぶ地蔵』。その正体は小さくなって地蔵の中にいた巨大な蜘蛛の妖怪で、子守りで疲れ眠ったところを襲う。巣だけでも獲物を取れるようになっている巨大な蜘蛛の巣も妖力で張っている。百鬼丸からメッタ斬りにされて絶命。
倒すと百鬼丸に背骨が戻った。
妖怪もんもん
アニメオリジナルキャラクター。誰もいない寂れた村で『おチイ』という名の女の子に化けていた。その正体は、毛むくじゃらで大きな口をした妖怪モモンガ。黄金のように見える光る石で旅人を山に誘い込み、飼っている大ナメクジの餌にしている。高い木から滑空で飛び掛かったり、尖った木の枝を投げて攻撃し、木の枝で変わり身の術を使い攻撃をかわす。どろろが投げた刀で胸を刺され百鬼丸に斬られた。絶命する寸前に「もういいよ」と返事をして大ナメクジをけしかけた。
大ナメクジ(おおナメクジ)
アニメオリジナルキャラクター。妖怪もんもんが飼っていた。妖怪もんもんが誘い出した者を喰らう。山にある岩の穴に隠れており低い声で「もういいかい」と声をかけてくる。「もういいよ」の返事で穴から大量に出現する。喰われたら骨も残らない。一見、金に見える光る石は大ナメクジの粘々が石にこびり付いたもの。刀は効かないため、百鬼丸が斬り倒した木々に点けた火で焼き殺された。
人食い大木(ひとくいたいぼく)
アニメオリジナルキャラクター。砦を作るのに邪魔だと切り倒されることになった、死霊が憑り付いている樹齢2000年を越えた祟りの木と呼ばれる大木。括り付けられたしめ縄を調子に乗ったどろろが剥がすと幹に顔と無数の腕が出現。刀を突き立てた葉っぱにも顔が浮かぶ。大木の中に人間を飲み込み、口の中に投げ込まれた松明の火を逆に利用して口から火を吹く。切り倒されたり幹が割れても支障なく活動できる。額に炎のような本体があり、そこを百鬼丸から槍で刺されて絶命。
土坊主(つちぼうず)
アニメオリジナルキャラクター。街に悪さをしようと侍に化けて他国から来た泥の妖怪。10年間同じ場所に座ったまま動かない乞食『ぐう太郎』の尻に書かれた経文の力により地面の下に封じられていた。ぐう太郎が、どろろに退かされ経文を消されたことで再び地上へ出られた。
泥でできているため刀で刺されても再生する。大量の泥で周りを囲み地中に引きずり込む。目がくらむつむじ風を起こすこともできる。おびき出されて網をかけられ川に落とされ百鬼丸から斬り刻まれて現した煙のような本体を、刀でメッタ斬りにされて絶命。
倒すと百鬼丸に皮膚が戻った。
巨大わらじ
アニメオリジナルキャラクター。26話『最後の妖怪』に登場。巨大な草鞋の妖怪。わらの縄で首を絞めつけてくる。どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸の腕の刀で斬られ絶命。
巨大化け貝
アニメオリジナルキャラクター。26話『最後の妖怪』に登場。巨大な貝の妖怪。どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸に、水中戦で体内から刀で殻を割られて倒された。
巨大アリジゴク
アニメオリジナルキャラクター。26話『最後の妖怪』に登場。巨大なアリジゴクの妖怪。砂地に巨大なすり鉢のようなくぼみを作り、どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸をその底に引きずり込もうとしたが腕の刀で牙を斬られ倒された。
名称不明
アニメオリジナルキャラクター。26話『最後の妖怪』に登場。どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸と戦う。23話『人食い大木』の回を使いまわしているため、人食い大木と同じ顔をしているが顔のあたりだけ映り全身は映らなかった。人食い大木とは違い、百鬼丸から刀で顔を真横に斬られたあとに額を刺され絶命。

未登場の妖怪[編集]

手塚治虫が描いたイラストには原作やアニメには登場していない妖怪がおり、手塚治虫マンガ大全や手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号掲載のイラスト『特別大画報どろろ妖怪屋敷』には寿海と幼少の百鬼丸を取り囲む22体の妖怪『長壁(おさかべ)』、『ふぐなめ』、『獅子小僧』、『おとろし』、『がごぜ』、『塗仏』、『ひんそう』、『天井くだり[注釈 6]』、『なめ婆(なめばば)』、『そでびき』、『青行燈』、『ケラケラ女』、『ヘラたたき』、『骨女』、『おおかぶろ』、『手の目』、『のっぺらぼう』、『見越し』、『きつつき』、『ひょうすべ』、『青ぼうず』、『ぬらりひょん』が紹介されているが、この妖怪は鳥山石燕の画図百鬼夜行に描かれている妖怪である。

手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストには4体[注釈 7]、手塚治虫マンガ大全や手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号掲載の「これからもどろろに、ぞくぞく登場する妖怪は、これだ!!」と銘打たれたイラスト『特別大画報どろろ百鬼』には13体が描かれている。

以下に、『特別大画報どろろ百鬼』で紹介されている妖怪13体と、手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストの妖怪2体を記載する。

ごりん童子
4つの輪が絡まった大きな輪を握って宙に浮かび背後に2つの炎が燃え盛る、頭頂部に髪が無い、ふんどしを締めた人型の妖怪。手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストでも百鬼丸の右下に描かれている。
水かけ女
右手には先端が曲がった杖を持ち、着物を着た女の姿をした妖怪で、左手に持った大きな柄杓で水をかける。
伊勢の大腕
尖った爪が生えた、突風のごとく現れる巨大な右腕の妖怪。
まっしろ怪獣
全身が黒々とした毛に覆われ、丸々とし胴体の中心に人間のような鼻と赤々とした目がある、猿のような8本の腕が生えた妖怪。
山がくれ妖怪
大きな角材を両腕と片足で抱え込み、上半身の衣服がはだけている、山男のような大きな妖怪。
バンモン
四角い大きな岩に、うっすらと目のような模様がある妖怪。
水牛怪獣
水牛の体に、頭頂部の無い髪と口髭をたくわえた鬼のような頭部をした妖怪。
半魚人妖怪
手のひらに魚の水かきがある人間のような腕が生えている魚の妖怪。
火ごたつ妖怪
上部に目があり、背面に葉っぱのような形状のものが2本生え、前方の空洞から炎を吐き出す、オーブントースターのような形をした炬燵の妖怪。
きちきち女
和服の袖で顔を隠し、木陰で身を屈めている女2人の姿をした妖怪。
からかさ小僧
花柄の着物を纏い片手で白い杖をつき、きのこの傘のような頭部から市女笠の周囲に垂れ下がっている『虫の垂れ衣』を垂らした妖怪。この手塚治虫版からかさ小僧は、他のからかさ小僧とは異なった容姿になっている。
ビックリ妖怪
目が笑みを浮かべた人間のような形状をしている、アリクイのような姿の妖怪。
かんこ鳥妖怪
口から火を吐き、後頭部に髪が生え、首の下に長い毛を生やし、人間のような目と眉毛を持つ鳥の妖怪。
名称不明
蛇のような長い胴体に、毛が無く目の部分が深い闇のように暗い人間のような頭部がある妖怪。手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストで、百鬼丸の右上に描かれている。
名称不明
頭髪がある龍のような妖怪。手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストで、百鬼丸の左下に描かれている。

単行本[編集]

  • 『どろろ』 秋田書店サンデーコミックス〉、全4巻
    • 1971年8月 - 1972年5月発売
  • 『どろろ』 秋田書店〈秋田漫画文庫〉、全4巻
    • 1976年8月発売
  • どろろ ばんもんの巻 新書館〈ペーパームーンコミックス〉[注釈 8]
    • 1980年3月発売
  • 手塚治虫漫画全集『どろろ』 講談社、全4巻
    • 1981年3月 - 1981年6月発売
  • 手塚治虫傑作選集『どろろ』 秋田書店、全3巻
    • 1990年8月 - 10月発売
  • 秋田文庫『どろろ』 秋田書店、全3巻
    • 1994年3月発売
  • 手塚治虫文庫全集『どろろ』 講談社、全2巻
    • 2009年11月発売
  • 手塚治虫トレジャー・ボックス『どろろ』 国書刊行会
    • 2013年3月発売
  • 『どろろ』カラー版 電子書籍、全4巻[注釈 9]
    • 2014年11月発売

アニメ[編集]

パイロットフィルム[編集]

1968年1月12日、『どろろ』のタイトルで、虫プロダクションによりカラーのパイロットフィルムが製作された。絵のタッチが原作に近い。

声の出演[編集]

スタッフ[編集]

テレビアニメ[編集]

1969年4月6日から9月28日までフジテレビ系列にて毎週日曜日19時30分から20時に放送された。タイトルは、放映当初は原作と同じ『どろろ』であったが、14話以降『どろろと百鬼丸』に改題された。モノクロ作品。すでに大半のテレビアニメがカラーで制作されていた時代にモノクロとなったのは、カラーのパイロットフィルムを見たスポンサーから「血が生々しすぎる」というクレームがついたためである[11]

提供スポンサーはカルピス一社。のちの『世界名作劇場』へと続く『カルピスまんが劇場』枠の最初の作品である。あくまでも本作は『カルピスまんが劇場』の1作であり、『世界名作劇場』シリーズには含まれていない。

なお『どろろと百鬼丸』時代の後期のタイトルクレジットシーンには、水中に出された『カルピスまんが劇場』というタイトルが反転して、『どろろと百鬼丸』というタイトルになるという演出が有ったが、それ以前に『カルピスまんが劇場』というタイトルが出たかは不明。

声の出演[編集]

スタッフ(テレビアニメ)[編集]

  • 総監督 - 杉井ギサブロー
  • 設定 - 勝井千賀雄、鈴木良武
  • 作画監督 - 北野英明、上口照人
  • 作画 - 進藤満尾
  • 美術監督 - 槻間八郎
  • 背景 - 明石貞一
  • トレス - 北岡光代
  • 彩色 - 高橋富子
  • 撮影監督 - 熊谷幌史
  • 撮影 - 森昭彦
  • 音響 - 田代敦巳
  • 録音 - 東京スタジオセンター(渡辺進)
  • 効果 - 柏原満
  • 現像 - 育英社
  • 編集 - 松浦典良
  • 音楽 - 冨田勲
  • 演奏 - フールサンズセレナーダス(中村英夫)
  • 製作 - 柴山達雄
  • 製作助手 - 金沢秀一
  • フジテレビ担当 - 八百板勉
  • 制作 - 虫プロダクション、フジテレビ

主題歌[編集]

  • 初期オープニング
『M-6』
作曲 - 冨田勲
  • 通常版オープニング・エンディング
『どろろのうた』
作詞 - 鈴木良武 / 作曲 - 冨田勲 / 歌 - 藤田淑子

オープニング映像は、農民一揆の絵が有名な『一揆』版と、どろろが屋根瓦をリズミカルに走る『コミカル』版が2種類の3種類、テロップの表記や、メインタイトル部分の変化も含めると全部で6種類あり、映像は途中から変更され時期によって違うものが流された。『一揆』版と比べて『コミカル』版は、どろろと百鬼丸が前期より多く登場する内容となっている。

本放送時、最初期のオープニングでは『どろろのうた』は使用されず、本編や次回予告でも使用されている男性コーラスのBGMが使用されていた。このコーラス版オープニング映像はフィルムとしては現存しておらず、DVD-BOX発売時に現存する音声テープと『一揆』版の通常オープニング映像を合成して再現され、特典映像として収録された[12]。再放送や映像ソフトでのオープニングは、全て『どろろのうた』が流されている。

アニメで流れる『どろろのうた』は1番と3番を繋いだ2コーラス構成になっている。アニメのテロップでは『どろろの歌』や『どろろの唄』と表記されており、朝日ソノラマの社名も表記されていた。ちなみに『どろろのうた』の3番まであるフルコーラスのステレオ音源に関してはテイチクエンタテインメントが所有しており、アニメとは歌い方も異なっている。この3番まであるステレオ音源が収録されたものはいずれもテイチクから発売されており、EP盤が1969年6月5日に『KT-28 テレビ・マンガどろろ』として百鬼丸の歌 [注釈 10]も収録されて発売されており、CDでも1998年9月23日に発売された『復刻 手塚治虫作品傑作集/鉄腕アトム』や2001年12月19日に発売された『TVアニメ・グレイテスト・ヒッツ』などが発売されている。

各話リスト[編集]

話数 放送日 サブタイトル 脚本 演出
1 1969年
4月6日
百鬼丸の巻 その一 出崎統
2 4月13日 百鬼丸の巻 その二 遠藤政治
3 4月20日 万代(ばんだい)の巻 その一 富野喜幸
4 4月27日 万代の巻 その二
5 5月4日 無残帖(むざんちょう)の巻 その一 高橋良輔
6 5月11日 無残帖の巻 その二 出崎統
7 5月18日 妖刀似蛭(にひる)の巻 その一 勝井千賀雄
8 5月25日 妖刀似蛭の巻 その二
9 6月1日 ばんもんの巻 その一 西牧秀夫
10 6月8日 ばんもんの巻 その二 南川博
11 6月15日 ばんもんの巻 その三 出崎統
12 6月22日 白面(はくめん)不動の巻 その一 彦根範夫
13 6月29日 白面不動の巻 その二 高橋良輔
14 7月6日 妖怪かじりんこん 鈴木良武 奥田誠治
15 7月13日 いないいない村 高橋良輔
勝井千賀雄
16 7月20日 妖馬みどろ さわきとおる 富野喜幸
17 7月27日 妖怪どんぶりばら 鈴木良武 高橋良輔
18 8月3日 海獣ビラビラ さわきとおる 北野英明
19 8月10日 雷火犬(らいかけん) 鈴木良武 石黒昇
20 8月17日 おんぶら鬼 高橋良輔
21 8月24日 まいまいおんば 虫プロ文芸部 南川博
22 8月31日 妖怪もんもん 鈴木良武 岡崎邦彦
高橋良輔
23 9月7日 人食い大木 平見修二 奥田誠治
24 9月14日 四化(しけ)入道 杉山卓
25 9月21日 妖怪土坊主 鈴木良武 杉山卓
26 9月28日 最後の妖怪 北野英明

映像ソフト化[編集]

  • ライリー商会から1970年代に家庭用8mmホームムービーで、2分半の内容へ編集した無音のカラーパイロットフィルム版と、1話を各10分程の内容へ編集したうえ家庭用サイレント映写機への救済措置として音声カセットテープを付属した『おんぶ地蔵』と『最後の妖怪』が発売。
  • にっかつビデオフィルムズから1980年代にVHS全2巻が発売。1巻には第19話・第21話・パイロットフィルムを、2巻には第23話・第25話を収録。
  • 1998年1月25日に全話とパイロットフィルムを収録したLD-BOXが発売。
  • 2000年6月21日に東映ビデオから全話を収録したVHS『どろろ』全3巻、『どろろと百鬼丸』全3巻が発売。
  • 2002年11月21日に日本コロンビアから、LD-BOXの内容に加え、絵コンテ集、新たに発見された次回予告フィルム、映像特典に、前期版ノンテロップ・オープニング、前述のコーラス版・再現オープニング、静止画の映像設定資料集、解説書に、原作とアニメの関係、モチーフの原形、どろろ回想録、8人のスタッフへのインタビューが収録されたDVD-BOXが発売。2005年9月21日には手塚治虫生誕80周年を記念してDVD-BOXの安価版『どろろ Complete BOX』が発売された。ただし、このComplete BOXは絵コンテ集は無く、インナージャケット、チャプターカード等は省略されている。
  • DVDは単品としてはレンタル用のみで発売されていない。

アニメと原作との結末の違い[編集]

原作
百鬼丸は魔物をすべて倒す前に、どろろと別れいずこかへ去ってしまう。その後、百鬼丸の行方は誰も知らず、さらに50年後に、48体の魔物像が奉ってあった地獄堂が戦火で消失したことがナレーションで語られ終幕する。
アニメ
どろろを村へ残し、百鬼丸は独りで魔物を倒す旅へ出る。戦い続けた百鬼丸は47体目の魔物を仕留め、失っていた片腕を取り戻す。後一体倒せば人並みの身体へ戻ることができると勇む百鬼丸であったが、最後の魔物の一体とは醍醐景光であると知る。百鬼丸は仕官を装い景光に近づくが、企みを看破され責めを受ける。しかし、その様に耐えられず縫の方が百鬼丸を庇い、逆に今までの景光の行いを責める。妻から責められた景光は激憤し、縫の方や部下を殺害して地獄堂へと向かう。景光は再度力を求めて自らの体を差し出そうとするが、既にその体は人で無くなっていると魔物に嘲笑われ発狂する景光。そこへ後を追ってきた百鬼丸と対峙、実の親を斬るのかといきり立つが、魔物に心を奪われたあんたは親でないと斬り捨てられ、景光は地獄堂と共に焼け落ちる。最後の魔物を倒した百鬼丸は失われた身体の部位をすべて取り戻すが、もう誰とも会いたくないとどろろとも再会する事もなく姿を消す。どろろが景光の圧政から解放された村人達とともに新たな人生に走り出すところで終幕。
少なくともアニメにおいては、48匹の魔物の妖怪はあくまでも48体の魔神の分身でしかないことが最終話で明示されている。

小説[編集]

1969年10月3日に朝日ソノラマから児童向け小説がハードカバーで出版された。作者はアニメどろろの脚本も手掛けた辻真先で、挿絵は北野英明が担当している。ジャンルは『戦乱妖怪ヤング』。1978年9月には表紙の絵が異なる文庫本で発売。長らく絶版になっていたが、2007年の映画公開に際し同社からハードカバー版の表紙の四六判として復刻された。原作の『無情岬の巻』までをノベライズしているが、肉体を取り戻す順序は大きく異なり、最終的に百鬼丸は両腕を奪還している。細かい差異を上げていくと『ばんもんの巻』にて多宝丸が死なない、みおが『妖刀の巻』の登場人物になっている、妖刀の名称が『蛭川』になっている、しらぬいが登場しない、オリジナルの『やろか水』『山爺』という魔神が登場する、など。また、地の文にてどろろが男性であると断言されている。

2001年には、学研M文庫で伝記Mシリーズとして発売。作者は、かつて虫プロダクション文芸部に在籍していた鳥海尽三、表紙の切り絵は渡辺文昭[13]。7月13日に一巻『百鬼丸誕生』、9月14日に二巻『妖刀乱舞』、11月16日に三巻『崩壊大魔城』が発売された。寿海が京都・鞍馬に住まう明国帰りの医術師、寿海が薬草を採集中に物の怪に襲われたとき川を流れる赤子の百鬼丸を拾い磐座大明神の加護で難を逃れる、寿海が恩師『瑶陀』が教えた念動力で百鬼丸に医術を施す、百鬼丸の幼名が鬼若、百鬼丸が修行で念導力を習得、百鬼丸に出生の秘密を告げるのは夢に現れた魔像、琵琶法師の名が『法一』、百鬼丸が琵琶法師から北辰秘鷹剣の技を習うなど、原作の設定を大まかに踏まえつつも原作などとは異なる内容になっている。

2006年12月7日には、実写映画化に先立ち朝日文庫からNAKA雅MURA作の映画版ノベライズが上巻・下巻同時出版された。映画では割愛された内容が盛り込まれており、映画とはシーンやキャラクターが全く違う部分もある。

ゲーム[編集]

PC-8801mkIISR以降[編集]

1989年1月10日にクエーザーソフトより発売のアドベンチャーゲーム。未完に終わった漫画版の続編かつ完結編になっており、手塚治虫の絵柄に極力似せて作られている。『ふしぎなメルモ』のキャンディが登場し、それを食べたどろろが年頃の女性になるというファンサービスもある。

PlayStation 2[編集]

2004年9月9日にセガ [注釈 11]よりCEROレーティング15歳以上対象として発売。ジャンルはアクションアドベンチャーゲーム。制作はセガ。企画・シナリオ・設定はレッド・エンタテインメント。原作をなぞりつつも、原作やアニメでの48体の魔物は48体の『魔神』となっている。原作やアニメに登場しないゲームオリジナル魔神も含めて48体の魔神全てと戦えるようになっているが、原作とは名前や設定が違っている魔神も少なくなく、鮫の魔物・二郎丸とアニメオリジナルの魔物は登場しない。48体の魔神は、姿形がほとんど同じで色違いな外見の魔神が何体もいる。多宝丸や景光らの人生も原作などとは異なる。どろろの設定も冒険王版の設定に近いものとなっているほか、どろろに潜み一体化している魔神が最後の魔神となっており、ゲームオリジナルの結末を迎える。年齢制限にかかる重い設定は極力排除し、現代的にリメイクしている。特に百鬼丸の身体のギミックは大幅に変更され、マシンガンや大砲が義手・義足に仕込まれ、原作にあった足の『焼水』や鼻の爆弾『雷玉』などはなくなっている。48箇所の部位を取り戻すという原作の設定を上手くゲームデザインに取り込んでおり、目が戻り視界が白黒からカラーになる、触感が戻りコントローラが震えるようになる、腕が戻り二刀流になる、足が戻りダッシュが可能になるなど、魔神を倒すたび百鬼丸に様々な変化が起こり、プレイヤーを飽きさせることはない。キャラクターデザインは漫画家の沙村広明、魔神・妖怪のデザインはアニメーターの前田真宏、タイトル題字・美術設定をデザイナーの雨宮慶太が担当している。予約特典として冒険王版から抜粋した全56ページのB6版漫画小冊子が付属。メーカー直販のセガダイレクトでは予約特典として金小僧のストラップや、魔神、どろろ、百鬼丸などのイラストが印刷された、どろろトランプが貰えた。

声の出演[編集]

映画[編集]

舞台[編集]

『新浄瑠璃 百鬼丸』劇団扉座(2004年6月16日 - 23日)紀伊國屋ホール

『新浄瑠璃 百鬼丸』劇団扉座(2009年7月8日 - 12日)紀伊國屋サザンシアター

参考文献[編集]

  • 『手塚治虫アニメ選集1どろろ』 少年画報社、1978年4月
  • 武村知子 『どろろ草紙縁起絵巻』 フィルムアート社、1996年、ISBN 484599657X

関連項目[編集]

  • 魍魎戦記MADARA
  • ベルリンの壁 - 作中の『ばんもんの章』は、これによる悲劇が下敷きになっている。
  • 板門店- 作中の『ばんもんの章』は、『板門』の音読みから取られている。
  • ドロロンえん魔くん -永井豪&ダイナミックプロのマンガ作品。若者に成長したどろろがえん魔くんと妖怪退治の旅をするコラボ漫画『どろろとえん魔くん』が永井豪の手により、2012年11月16日号に読み切りで[14]、2013年2月22日号からから2014年3月7日号に連載で週刊漫画ゴラクに掲載された。

注釈[編集]

  1. ^ 原作では当初『しょうすい』という振り仮名。
  2. ^ アニメでは4年間。
  3. ^ 正確には火が発する光。
  4. ^ アニメでは侍の大将。
  5. ^ サンデーコミックス版が掲載されている本や冒険王連載当時は三河島になっている。
  6. ^ 手塚治虫文庫全集どろろ2巻の表紙などに使われている手塚治虫が描いたイラストでも百鬼丸の左上に描かれている。
  7. ^ 他との重複を除けば2体。
  8. ^ アニメの画像に文字を加えたフィルムコミック
  9. ^ 手塚治虫漫画全集のどろろを、全てのコマへデジタル技術で新たに着色したもの。
  10. ^ 作詞・鈴木良武、作曲・冨田勲、唄・葵公彦
  11. ^ 後のセガゲームス
  12. ^ 原作・アニメにおけるお須志。

出典[編集]

  1. ^ 「解説 大沢在昌」『ブッダ』2巻 潮出版社〈潮漫画文庫〉。
  2. ^ 大塚英志 「第2講 とりあえず「盗作」してみよう」『物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン』 朝日新聞社〈朝日文庫〉、2003年4月、51-62頁。
  3. ^ 大塚英志 『キャラクター小説の作り方』 角川書店〈角川文庫〉、2006年6月、42, 320頁。
  4. ^ 「カバー見返しコメント」『どろろ』1巻 秋田書店〈サンデーコミックス〉、1974年。
  5. ^ a b 「あとがき」手塚治虫漫画全集『どろろ』4巻 講談社、1981年。
  6. ^ 虫ん坊 手塚マンガあの日あの時 第19回:手塚流作品タイトルの付け方(後編)」 TezukaOsamu.net、2011年11月。
  7. ^ 手塚眞 『父・手塚治虫の素顔』 新潮社〈新潮文庫〉、2012年、98頁。
  8. ^ a b c 虫ん坊 手塚マンガあの日あの時 第27回:妖怪ブームの荒波に挑んだ『どろろ』の挑戦!!」 TezukaOsamu.net、2013年3月。
  9. ^ キャラクター名鑑 どろろ」 TezukaOsamu.net。
  10. ^ 『父・手塚治虫の素顔』 新潮社〈新潮文庫〉、2012年、97-99頁。
  11. ^ 杉井ギサブロー 『アニメと声明と放浪と』 ワニブックス〈ワニブックスPLUS新書〉、2012年、98頁。
  12. ^ リスト制作委員会通信 「特別版「信念」おめでとう企画 「どろろはどこに!? 復元オープニングのできるまで」 」 WEBアニメスタイル。
  13. ^ 主幹、鳥海尽三の「小説 どろろ」三部作が学研M文庫から発売中」 鳳工房。
  14. ^ 永井豪×手塚治虫「どろろとえん魔くん」ゴラクで連載化」 コミックナタリー、2013年2月8日。

外部リンク[編集]

フジテレビ 日曜19:30枠(本作よりカルピスまんが劇場
前番組 番組名 次番組
東京ぼん太ショー
※19:00 - 19:56
【30分に短縮して継続】
ミニ番組
※19:56 - 20:00

日曜映画劇場(第2期)
つなぎ番組
※19:30 - 20:56
どろろ

どろろと百鬼丸
ムーミン
(第1作・1969年版)