とうろう流しと大花火大会

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とうろう流しと大花火大会
Floating Lanterns and Fireworks Show
2011年(第62回とうろう流しと大花火大会)
2011年(第62回とうろう流しと大花火大会)
概要
通称、略称 敦賀花火大会
開催時期 8月16日
初回開催 1950年
会場・場所 市営松原海水浴場気比松原
(福井県敦賀市松島町)
打ち上げ数 約13,000発
主催 敦賀市
人出 約19万人(2017年)
最寄駅 敦賀駅JR西日本
直通バス 敦賀駅付近と敦賀市立看護大学からシャトルバスを運行(2022年)[1]
外部リンク 敦賀観光案内サイト
備考
荒天及びその可能性がある場合は中止(延期なし)
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とうろう流しと大花火大会(とうろうながしとだいはなびたいかい)は、福井県敦賀市市営松原海水浴場気比松原にある海水浴場)で毎年8月16日に行われる花火大会であり[新聞 1]敦賀花火大会(つるがはなびたいかい)と呼ばれることもある[新聞 2]。なお、この花火大会では毎年1万発前後の花火が打ち上げられる。

概要[編集]

戦没者を慰霊するため、1950年昭和25年)から毎年1回開催されている[新聞 3]とうろう流し送り火の一種)の後、花火大会が開催される(※進行を参照)。

この花火大会は、県内外あわせて約10万人[新聞 1](多い時で約20万人[新聞 2])が来場し、周辺が非常に混雑するため、警備の体制が強化される。自動車の乗り入れ規制はもちろんのこと、松林を縦断して浜辺に行く道路が狭いためバイクや自転車で通行することも危険なため、会場へは徒歩以外で入場することができない。

近年はこの大会の知名度が上がり、敦賀市周辺に限らず近隣の各地域・地方からも観光客が来場するようになったため、浜辺はレジャーシートで埋め尽くされる状況にある。なお、打ち上げ花火は(敦賀の扇状地地形を活かすことで)金ヶ崎緑地天筒山などから見物することもできる。

進行[編集]

このイベントの流れは下記の通り。時間は目安となるため、進行状況によっては多少前後する可能性がある。

  • 18時30分[1] - とうろう流し
    • 複数人の僧侶による読経が行われ、とうろう[新聞 4]を流して戦没者や先祖を供養する。この時に敦賀市長と実行委員会からの挨拶がある。なお、とうろうは事前に販売が行われる(有料)[1][新聞 4]
  • 19時30分[1] - 大花火大会
    • 打ち上げ花火(20号玉(二尺玉)の特大花火もある)、スターマイン、水上花火(海上自爆)に限らず、「メッセージ花火」(後述)、「個人花火」、「動物花火」(※キャラクターに似せた技巧を凝らした花火)、「芸術花火」という題目で多数ある。
備考
  • 花火大会は、司会の掛け声を元にカウントダウンで始まる。近年ではレーザー光線や音響を駆使した大規模な舞台装置も設置されている。
  • 打ち上げ場所は1ヵ所または2ヵ所に集中していたが、現在では7ヵ所と増えて幅広となった。この花火大会で打ち上げる花火は1万発前後で、約1時間から1時間半掛けて打ち上げが行われる。
  • メッセージ花火は「誰かに伝えたいメッセージ」を募集し、それをアナウンスと共に打ち上げる花火であるが、参加費が別途必要となる(※募集枠に制限があるため、申込者多数の場合は抽選)[2]

テーマ年表[編集]

第50回(1999年)以降の各年度の花火大会のテーマと内容は以下の通りである[3]。なお、「#おうちで敦賀花火」と題した回に関する解説は後述する。

打上げ数 とうろう数 テーマ 内容・備考
1999 50 7,000 5,000 サーチライトを織り交ぜ水と音と光のファンタジックな花火
2000 51 10,000 5,000 水中花火、スターマイン、水と音と光のファンタジー
2001 52 12,000 5,000 2001年宇宙への旅 「メッセージ花火」を開始(※花火とともにメッセージ(お祝い、記念日など)を読み上げる企画)
2002 53 12,000 6,000 水と音と光のファンタジー  
2003 54 水と音と光のファンタジー  
2004 55 12,000 6,000 音と光のファンタジー 〜敦賀名花劇場〜 五輪花火、欧州の新作花火、大玉花火の連続打上げ
2005 56 12,000 6,000 敦賀・夜空の花博 〜天井のないパビリオン〜 カウントダウン花火、音楽に合わせた花火、スターマイン
2006 57 12,000 6,000 敦賀・千一夜物語 〜今宵敦賀で夢気分〜 カウントダウン花火、芸術花火、JR直流化記念花火(滝仕掛花火、車輪花火)
2007 58 12,000 6,000 敦賀・花火レビュー 〜華麗なる夢の世界〜 市制70周年記念、7種7段花火、クロスウェーブ、オーロラ花火、20号玉5発同時打ち
2008 59 13,000 6,000 TSURUGA★STAR LIGHT ADVENTURE 〜ひと夏の大冒険〜 仕掛け花火「火車」「海上じゅうたん」、7方向打ち上げ、20号玉6連発
2009 60 13,000 6,000 敦賀大航海時代 〜幻の黄金郷を探せ〜 敦賀港開港110周年記念、虹色スターマイン、ミュージック花火、ハナビ・ボルケーノ、20号玉3ヶ所同時打ち
2010 61 13,000 6,000 〜和〜 芸術花火、音楽花火、地割れ花火、4台船同時打ち、10方向打ち
2011 62 13,000 6,000 絆 〜敦賀から光を〜 お市の方江たち三姉妹」のイメージ花火、東北花火職人の花火
2012 63 13,000 6,000 敦賀・大いなる旅路 〜それは想像を超える感動体験〜 鉄道と港フェスティバル記念、ドラゴンコースター、地割れ花火、20号玉打上げ
2013 64 COLOR 〜敦賀を色彩で歩こう〜 花換まつり100年記念、をイメージした花火、「光のファイヤーアート」
2014 65 13,000 〜13,000発+本気〜  
2015 66 ツルガハナビ 〜港まち浪漫〜 赤レンガ倉庫リニューアルオープン記念、こども夢花火、2尺玉3ヶ所同時打上げ、尺玉斜め打ち、地割り花火
2016 67 敦賀のキズナ 〜ココロで感じる感動体験〜 大谷吉継がテーマ、スターマイン、大玉100発連続打上げ
2017 68 13,000 アクアファンタジア 市制80周年記念、花火業者4社の20号玉競演、長さ1 kmのスターマイン[4]
2018 69 13,000 敦賀MODE 〜はぴりゅうと発信!敦賀の魅力〜 福井国体障スポ開催記念、スターマイン、ヨーロッパの花火、2尺玉
2019 70 中止 光の航路 〜みなとつくる未来〜 (※台風10号の影響により中止)
2020 71 中止 2,000 新型コロナウイルス感染拡大防止ため、花火は中止(とうろう流しのみ実施[5]
(※「#おうちで敦賀花火」というCG花火動画をネット配信[6][7]
2021 72 中止 2,000
2022 73 中止[注 1] わたる 〜未来を望む鉄道と港のまち〜[新聞 5] (※規模を縮小して開催する予定だったが、急な天候の変化によって落雷の危険性が高くなったため中止[新聞 6]
2023 74 中止 6,000[新聞 7] 〜敦賀ひかりの華暦はなごよみ[2] (※台風7号の影響により花火は中止[8][新聞 8]。とうろう流しのみ開催[8][新聞 9]

ギャラリー[編集]

アクセス[編集]

備考
  • 通行規制(先述)によって車両(自転車などの二輪を含む)の乗り入れがすべて規制されるため、付近の臨時駐車場を利用しなければならない[1]
  • 開催当日は会場付近への無料シャトルバスが運行される[1]

おうちで敦賀花火[編集]

新型コロナウイルスへの感染拡大を防ぐため、2020年と2021年は花火大会を中止し、「#おうちで敦賀花火」と題したCG花火のミニ動画(約15分の動画で、5,000発の花火が打ち上がる)がネット配信された[6][7]。8月16日の19時30分(※花火大会の開催日と同じ日の同時刻)からライブ配信が行われた後、アーカイブ配信が行われている。なお、「#おうちで敦賀花火」と題して開催された年とその花火大会のテーマは下記のとおり。

  • 2020年 - 「鉄道と港のまちつるが〜未来につながるRailroad」[6]
  • 2021年 - 「敦賀港だからこそ伝えられる“命”と“平和”」[7]

その他[編集]

  • 第59回(2008年)では、開催当日に敦賀FM放送(ハーバーステーション)の番組が会場で流された。これは、観客の花火待ち時間のストレスを解消する目的を兼ねるものだった[要出典]
  • 第72回(2021年)は大会自体は中止となったが、敦賀市民を元気づけるために約1,500発のサプライズ花火が打ち上げられた[新聞 6]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ とうろうを3,000個流した後、花火を8,000発打ち上げる予定だった(※花火の打ち上げ時間は約40分に短縮)。

出典[編集]

本文[編集]

  1. ^ a b c d e f 第73回とうろう流しと大花火大会”. 敦賀市 (2022年8月12日). 2022年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月30日閲覧。
  2. ^ a b 広報つるが 令和5年8月号” (PDF). 敦賀市. p. 7. 2023年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月13日閲覧。
  3. ^ 広報つるが バックナンバー”. 敦賀市. 2023年8月13日閲覧。
  4. ^ 第68回とうろう流しと大花火大会”. 敦賀市 (2017年8月18日). 2022年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月19日閲覧。
  5. ^ 家族や戦没者思い、とうろう流し 敦賀”. 福井県「若狭湾観光連盟」 (2020年8月17日). 2022年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月21日閲覧。
  6. ^ a b c 中止の敦賀花火、CGで5千発配信 二尺玉や水中花火、鉄道や港イメージ”. 福井県「若狭湾観光連盟」 (2020年8月12日). 2022年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月21日閲覧。
  7. ^ a b c 敦賀花火の迫力CGで 16日、観光協が動画 命、平和テーマ5000発”. 福井県「若狭湾観光連盟」 (2021年8月12日). 2022年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月21日閲覧。
  8. ^ a b 花火大会中止のお知らせ”. (中止)第74回とうろう流しと大花火大会. 敦賀市 (2023年8月13日). 2023年8月13日閲覧。

新聞[編集]

  1. ^ a b 栗田啓右「敦賀 気比の松原 海水浴場、大花火復活へ」『中日新聞』、2022年6月1日。2023年2月24日閲覧。オリジナルの2022年7月21日時点におけるアーカイブ。
  2. ^ a b 敦賀花火大会2022、8月16日に開催決定 4年ぶり、規模縮小し8千発打ち上げ」『福井新聞 ONLINE』、2022年5月31日。2023年2月24日閲覧。オリジナルの2022年7月21日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 福井新聞: “福井県 とうろう流しと大花火大会 - 北陸・信越観光ナビ”. 北陸・信越観光ナビ. 2022年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月18日閲覧。
  4. ^ a b 林侑太郎「敦賀で16日「とうろう流し」 先祖供養3000個準備へ」『中日新聞』、2022年8月11日。2022年2月24日閲覧。オリジナルの2022年8月18日時点におけるアーカイブ。
  5. ^ 鉄道の軌跡 新幹線開業 8000発の花火で表現 敦賀「とうろう流しと大花火大会」 きょう4年ぶりに開催」『中日新聞』、2022年8月16日。2023年2月24日閲覧。オリジナルの2022年8月18日時点におけるアーカイブ。
  6. ^ a b 敦賀花火大会2022は中止 8月16日、敦賀観光協会」『福井新聞 ONLINE』、2022年8月16日。2023年2月24日閲覧。オリジナルの2022年8月28日時点におけるアーカイブ。
  7. ^ 飯村健太「とうろう流し 6000個準備 敦賀で16日、コロナ禍前並み」『中日新聞』、2023年8月13日。2023年8月13日閲覧。
  8. ^ 敦賀花火大会、台風7号影響で中止決定 2023年8月16日、5年ぶり開催予定も断念」『福井新聞 ONLINE』、2023年8月13日。2023年8月13日閲覧。オリジナルの2023年8月14日時点におけるアーカイブ。
  9. ^ 故人に思いはせて 気比の松原で「とうろう流し」」『中日新聞』、2023年8月17日。2023年8月18日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]