だんご3兄弟

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だんご3兄弟
速水けんたろう茂森あゆみシングル
初出アルバム『NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう大全集40+カラオケ10』
B面 だんご3兄弟(オリジナルカラオケ)
リリース
ジャンル 童謡
時間
レーベル ポニーキャニオン
作詞・作曲 佐藤雅彦、内野真澄、堀江由朗
プロデュース 佐藤雅彦
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間1位(3週・オリコン
  • 1999年3月度月間1位(オリコン)
  • 1999年度年間1位(オリコン)
  • 1位(4週・プラネット
  • 1位(4週・CDTV
  • オリコン歴代シングルランキング5位
速水けんたろう茂森あゆみ シングル 年表
- だんご3兄弟
(1999年)
速水けんたろう 年表
マッハ・ゴー・ゴー・ゴー1997
1997年
だんご3兄弟
(1999年)
燃えろ×4 ロボコン!!
(1999年)
茂森あゆみ 年表
- だんご3兄弟
(1999年)
-
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だんご3兄弟」(だんごさんきょうだい)は、NHK教育テレビの『おかあさんといっしょ』のオリジナルナンバー(1999年1月の「今月の歌」)として発表された、タンゴ系の童謡であり、また同曲の主人公である三兄弟の串だんごのキャラクターである。

作詞・プロデュースは当時CMプランナーだった佐藤雅彦、作曲・アニメを手がけたのは内野真澄。作曲・編曲を担当したのは堀江由朗。アニメーション製作は秋穂範子。「だんご」と「タンゴ」をかけている。また、佐藤・内野コンビは『ピタゴラスイッチ』でも多くの歌を作詞・作曲している。

来歴[編集]

佐藤雅彦が1997年頃に、「串だんごが兄弟だったら一番上と一番下どちらが長男になるのか」という疑問を『クリック』という短編集に収めた。同書をたまたま『おかあさんといっしょ』のディレクターが手にしたことから、歌を制作することになり、「だんご3兄弟」が完成した。

当時のうたのおにいさんうたのおねえさんだった速水けんたろう茂森あゆみが歌って特に子供たちの間で人気となり、CD発売を待望された。『おかあさんといっしょ』オリジナル曲では史上初[1]となるCDシングル(ポニーキャニオン PCDG-00107)としてポニーキャニオンから1999年3月3日に発売されるや初回出荷80万枚があっという間に完売し、発売当日の追加注文が20万枚[2]、発売日3日目(1999年3月5日)で出荷枚数250万枚[3]を突破する大ヒットとなった。

1999年オリコン年間シングルチャート1位、日本音楽著作権協会発表の著作権使用料の分配額では『Automatic』、『Time will tell』(ともに宇多田ヒカル)に次ぐ国内作品3位。第41回日本レコード大賞特別賞、ゴールデン・アロー賞日本ゴールドディスク大賞(ソング・オブ・ザ・イヤー)など数々の賞を受賞。

累計売上はオリコン集計で291.8万枚、KARAO.COM集計で約324万枚。出荷枚数は380万枚[4][5][6][7](一部報道では350万枚[8])。当時のオリコン歴代シングルチャート3位を記録(その後サザンオールスターズの『TSUNAMI』、SMAPの『世界に一つだけの花』に抜かれて5位になる[9])。一時期は「およげ!たいやきくん」のシングル売上記録を超えるのではとの声もあったが、そこまでのヒットにはならなかった[4]

1990年代(集計期間:1989年12月 - 1999年11月)オリコンシングル売り上げランキング第1位。

通常、童謡曲は買い取り契約だが「だんご3兄弟」の場合は、速水・茂森の2人については2パーセントの印税契約だった[10]。バックコーラスを務めた「だんご合唱団」のメンバーの一人によれば、自分には印税は支払われないという[11]

速水けんたろう、茂森あゆみは『第50回NHK紅白歌合戦』にも出場し「だんご3兄弟」を歌った[12]。バックには当時単独出演だったスプー・『ドレミファ・どーなっつ!』・『にこにこぷん』のキャラクターが登場した。また、アコーディオニストのcobaによるソロが追加された。

速水けんたろう・茂森あゆみ時代ラストのおかあさんといっしょ最新ベストヒットの中にオリジナルが収録されている。また、1999年1 - 2月の間、九州と幕張であったイベントでも歌っており、こちらもVHSで観ることが可能である。

カバー[編集]

など多くの歌手・演奏家にカバーされている。童謡集などでは、コロンズ(山野さと子橋本潮瀧本瞳)、「中右貴久、大澤希佳、小村知帆、白井安莉紗、森の木児童合唱団」、DANGO★キッズ、渡辺かおり、大和田りつこらも歌っている。2009年には、アニメ「ハヤテのごとく!!」の劇中で、桂ヒナギク(伊藤静)がカヴァーしているが、音源化はされていない。

1999年5月28日に音頭に編曲された「音頭・だんご3兄弟」(歌:菅原美寿々、岡崎裕美、ひまわりキッズ)がシングルで発売されている。

キャラクター[編集]

だんご3兄弟は、串に刺さった状態で上から順に長男「串団子 一郎」、次男「串団子 次郎」、三男「串団子 三郎」である。醤油だんご。彼らの理想はこしあんの餡だんご。また、三男のみ鼻の形が違っている(長男・次男が⊂に対して、三男は∩)。

憧れの女性は桜餅の「さくら もちよ」。もちよさんの想い人は柏餅の「かしわ もち彦」。実際には相思相愛だが、すれ違いが続いている。友達静岡県出身の「湯のみ3兄弟」。名前は長男から順に「茶の吉」、「茶のすけ」、「茶三郎」。ライバルは、2段アイスの「バニラ&モカ」。

「だんご3兄弟あっという間劇場」のアニメに登場するバックダンサーは「あっという間合唱団」。3人の苗字はそれぞれ、「山田さん(54歳)」、「斎藤さん(52歳)」、「杉下さん(63歳)」である。3人の下の名前は不明。3人とも本業はだんご屋さん。2002年4月1日放送分から登場した「こどもダンサーズ」3人は、幼稚園児から小学生の一般人オーディションによって選ばれた(声は同曲のコーラスを担当しているひまわりキッズ)。

「だんご3兄弟 あっという間劇場」スタッフ[編集]

ブーム期の現象[編集]

一時期は社会現象になるほど爆発的な人気を誇り、上記のシングルのほか、アルバム『NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう大全集40+ カラオケ10』(ポニーキャニオン PCCG-481。発売2日で10万枚を出荷[2]、オリコン週間アルバムチャート最高7位)やビデオ『NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト うたのメリーゴーランド16』(NHKソフトウェア PCVK-10191。1999年4月5日時点で出荷本数42.5万本[13]、オリコン週間セルビデオチャート最高1位)、その他楽譜や絵本などの関連書籍や各種キャラクター商品が爆発的に売れた。その一例としてバンダイが発売した「だんご3兄弟ぬいぐるみ」は1999年4月24 - 25日のわずか2日間で10万個を売り上げた[14]。楽譜は1999年3月21日までにケイ・エム・ピー発行のものだけで36万冊以上(同社の楽譜の通常の売れ行きは1万冊前後)、7社の累計では50万冊以上が出荷された[15]

そのほか、だんご屋が繁盛する[3][16]、『残業3兄弟』『談合3兄弟』『海老名3兄弟』『ダチョウ3兄弟』などの替え歌が流行する、1999年の通常国会で国会対策委員長を務めた二階俊博古賀誠草川昭三の3人は、当時「(永田町の)だんご3兄弟」と呼ばれていた、便乗商品が多数発売されるといった社会的な影響があった。しかし週刊誌ワイドショーといったマスコミの煽りによる面があるとされ[4]、2 - 3ヶ月ほどでブームは沈静化した。

なお、当時NHKでは、あまりにも異常な人気に戸惑っていたという[7]。作詞者の佐藤雅彦も当時、「『だんご3兄弟』はブームになるよりも長く歌い継がれる曲になってほしい」という趣旨を述べており、ブームを歓迎していなかった[17]

だんご3兄弟のブームに伴い、それまで串に4つ刺していただんごを3つに変えるだんご屋も現れた。高木屋老舗では、それまでだんごを串に4つ刺していたが、だんご3兄弟のブームに火がつき始めた1999年2月末に、串に3つ刺しただんご「兄弟だんご」を発売し人気商品となる。しかしブーム沈静化とともに売上が落ち込み、同年7月で製造を打ち切った[4]

一方で、だんごの串が4つなのは歴史的な経緯に基づくものであり、ブームに乗って勝手に3つに変えるのは許しがたいと主張するだんご屋のチェーン店によるプロデュースで「元祖だんご4兄弟」(作詞:レッド・ケイ、作曲:西崎進、歌:シャレッターズ)が製作され、1999年5月5日日本クラウンから発売された。同曲では、だんご3兄弟には生き別れの妹がいるという設定になっている。

また、当時テレビ朝日系の『スーパーJチャンネル』で、全国の3兄弟を募集して紹介していた。

大阪有線(現在のUSEN)の有線ラジオ放送「USEN440」では、「K-25」チャンネルにて24時間「だんご3兄弟」だけをエンドレスで流していたが[18]12月をもって終了した[19]

200〜300種のキャラクター商品が発売された[4]。関連商品の売上高は100億円を記録したが[20]、NHKのライセンス料収入は2億円にとどまった[20]。利益の多くは、NHKとは資本関係のない企業のものになってしまった[20]

ブームの後[編集]

熱狂的なブームから10年以上経過して沈静化した現在においても、幼児・小学校低学年の一部には根強い人気を保っており、NHKによると「同番組(『おかあさんといっしょ』)から生まれた『アイアイ』『おもちゃのチャチャチャ』のように歌い継がれていく歌の仲間入りをした」[7]という。

1999年度に、速水・茂森の後任の杉田あきひろつのだりょうこの時には、録り直しされ、歌の振り付けが変更され(現在のものと同じ)、オンエア時には右下にオリジナルのアニメの映像が小さく表示され、メインが杉田とつのだと子供たちの振り付けによるダンスという形で放送された。

1999年10月から2004年3月に『おかあさんといっしょ』内で『だんご3兄弟あっという間劇場』というショートアニメが放映された。かつてのブームほどではなかったが、本来の年齢層である幼児を中心に人気を集めた。初期の作品のほとんどが同題にてDVD化されている。特典として、オリジナル放映時のアニメーションが観られるが、歌は、発売当時のうたのおにいさん・おねえさんである杉田あきひろとつのだりょうこによるものである(なお、杉田・つのだは2003年3月に番組を卒業したが、2003年4月以降も杉田・つのだの声で1年間継続し2004年3月で終了した)。コーナー最後の挨拶「それではさよならまた明日」という歌詞が、土曜日、金曜日(土曜日がファミリーコンサートの場合)、木曜日の『BSおかあさんといっしょ』放送の場合は「それではさよならまた来週」になる。

また2000年7月に『おかあさんといっしょ』から、2匹目のドジョウを狙ったかのような「たこやきなんぼマンボ」(作詞:もりちよこ、作曲:パラダイス山元、歌:杉田あきひろ・つのだりょうこ)という曲がシングルCDで発売され、2週間で8万枚を売り上げた[5]。 その後、だんご3兄弟はおにいさん・おねえさんの交代などもあり長らく放送されない時期が続いたが、2013年に杉田・つのだ卒業以来10年ぶりに通常放送内で歌パートの録り直し版が放送された。(歌ったのは、2013年度当時のうたのおにいさん・おねえさんの横山だいすけ三谷たくみである。)その後、2016年2月22日から2月26日まで横山・三谷版が今週の歌として放送された。

またブームは去ったとはいえ、「○○3兄弟」という言葉自体はその後も残った。一例としては、2004年に起きた政治家の年金未納問題では当時の菅直人民主党代表が閣僚たちを「未納3兄弟!」と揶揄した[21]第一勧業アセットマネジメントでも、DKAトリニティオープンの愛称をだんご3兄弟にかけて「ファンド3兄弟」とした[22]

2013年春、中国から大気汚染物質PM2.5が飛来、ちょうど季節柄黄砂とスギ花粉が重なったことから、この3つを「飛散3兄弟」と呼ぶ者もいた[23]

連続テレビ小説あまちゃん』の劇中で、薬師丸ひろ子が演じる鈴鹿ひろ美東日本大震災チャリティーリサイタルのセットリストにだんご3兄弟を入れていた。リサイタル前に北三陸駅構内で子供に歌った(演出上は無音)が、あまりにも音痴で子供が泣き出した(第152話)。

関連曲[編集]

「だんご3兄弟」発売時に話題になった曲、「だんご3兄弟」の影響を受けて作られた曲目の一覧(一般発売されたものに限定)。

  • お父さんのタンゴ(吉幾三。発売は1985年。『だんご3兄弟』とメロディが似ていると当時、一部で騒がれた[24]
  • バザール3兄弟音頭(財津一郎。発売は1994年だが、『だんご3兄弟』ヒット時に同じ佐藤雅彦プロデュース作品ということで再発売された)
  • 元祖だんご4兄弟(シャレッターズ)
  • おどる三世代(五月みどり
  • だんごのチャチャチャ(きびのだんご
  • タンゴおでん三姉妹(3 Beauties:大和田りつこ、岡崎裕美、篠崎仁美。『それいけ!アンパンマン』挿入歌。2006年5月31日発売のアルバム『まんぷくトランス』で西尾季隆がカバーした)
  • だんご大家族茶太。ゲーム『CLANNAD』のテレビアニメ版エンディングテーマ)

収録曲[編集]

  1. だんご3兄弟(フルバージョン)
  2. だんご3兄弟(オリジナルカラオケ)

関連書籍[編集]

  • 『クリック -佐藤雅彦 超・短編集』(講談社、1998年3月、ISBN 4062089602)『だんご3兄弟』を制作するきっかけとなった文章が収められている。
  • 『だんご3兄弟の楽譜』(日本放送出版協会)
  • 『だんご3兄弟のえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、日本放送出版協会)
  • 『だんご3兄弟えはがきブック』(日本放送出版協会)
  • 『だんご3兄弟ぱたぱたえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、日本放送出版協会)
  • 『だんご3兄弟シールえほん』(佐藤雅彦・内野真澄、講談社)
  • 『だんご3兄弟3時のけっとう』(佐藤雅彦・内野真澄、メディアファクトリー)
  • 『だんご3兄弟くしの休日』(佐藤雅彦・内野真澄、メディアファクトリー)

脚注[編集]

  1. ^ 番組オリジナル曲でなければこれ以前にも、1992年12月21日に『おかあさんといっしょ』から、ゼッキーノ・ドーロ入賞曲の「おまじないのタンゴ」(歌:坂田おさむ神崎ゆう子)がCDシングルで発売された例がある。
  2. ^ a b 驚き「だんご3兄弟」!“ダブル・ミリオン”達成、SANSPO.COM、1999年3月5日。
  3. ^ a b だんご3兄弟がNHK動かす、SANSPO.COM、1999年3月6日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  4. ^ a b c d e 産経新聞』1999年12月20日付東京朝刊。
  5. ^ a b だんごに続け!たこやきソングヒット中、SANSPO.COM、2000年8月3日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  6. ^ 「おさかな天国」売り切れ店続出 初日だけで25万枚、ZAKZAK、2002年3月23日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  7. ^ a b c 「あすは何の日 『だんご3兄弟』CD発売」『朝日新聞』2009年3月2日付夕刊、朝日新聞東京本社、14頁。
  8. ^ 「おしりかじり虫」紅白出場見えた!?早くも名乗り、ZAKZAK、2007年10月3日
  9. ^ 【オリコン】SMAP「世界に一つだけの花」シングル歴代4位に 累積293.2万枚、ORICON STYLE、2016年11月15日 4:00。
  10. ^ だんご関係者をNHKが表彰、ZAKZAK、1999年3月11日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  11. ^ 今日のくっしー(3月3日)(だんご合唱団の一人によるウェブ日記)(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  12. ^ 1999年の大晦日だが、同年3月で『おかあさんといっしょ』を降板しているため、すでに速水・茂森の2人は「うたのおにいさん・おねえさん」ではなかった。
  13. ^ 「ヒットの裏側・ポニーキャニオンのアニメ曲『だんご3兄弟』――マーケティング勝利」『日経産業新聞』1999年4月6日付、3面。
  14. ^ 「びゅうPOINT 「だんご3兄弟」ブーム終息――幼児向け生活用品は残る」『日経流通新聞』1999年5月27日付、27面。
  15. ^ 産経新聞』1999年3月22日付東京夕刊
  16. ^ プロボクサー輪島功一が経営する店などがワイドショーで頻繁に取り上げられた。
  17. ^ 「ブーム断固反対」『毎月新聞』佐藤雅彦、毎日新聞社、2003年、16-17頁。ISBN 4620316180(初出は『毎日新聞』1999年3月17日付夕刊)
  18. ^ Usen440 Program K(インターネット・アーカイブのキャッシュ、1999年9月時点)
  19. ^ 2005年頃からは雨天時におけるエスカレーター乗降時の注意コメントを流している(2016年現在)。
  20. ^ a b c 「NHK 公共放送のゆくえ・16 「だんご3兄弟」の教訓」『朝日新聞』2008年6月23日付夕刊、朝日新聞東京本社、2頁。
  21. ^ 政治家の年金未納問題#事件の経過参照。
  22. ^ フドウさん、ファンド3兄弟…ユニークな愛称の投信増加読売新聞2007年4月30日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  23. ^ Wire Action Inc. (2013年3月19日 6:45~8:00). “[おはよう朝日です]の番組概要ページ”. TVトピック検索(goo テレビ番組). 2013年5月8日21:58時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月8日閲覧。
  24. ^ 「“盗作説”まで出た『だんご3兄弟』『そっくり』の指摘に吉幾三が困惑」『週刊朝日』1999年3月19日号、150頁。

外部リンク[編集]