それぞれの断崖

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それぞれの断崖
著者 小杉健治
発行日 2001年4月19日
発行元 集英社文庫
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 文庫本
ページ数 416
公式サイト それぞれの断崖||集英社文庫
コード ISBN 978-4-08-747310-0
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それぞれの断崖』(それぞれのだんがい)は、小杉健治による日本小説。同作品を原作として2000年テレビ東京系列でテレビドラマ化された。

この作品では少年法が扱われているが、1998年に単行本が発売された際はまだ旧少年法で、刑事罰の対象年齢は16歳以上であった。しかし少年法は2000年11月に改正され、刑事罰の対象年齢は16歳以上から14歳以上に引き下げられている。[1]

あらすじ[編集]

マルコーコンピューターに勤める志方恭一郎は、長い間の付き合いだった得意先の丹野部長を裏切ってしまったというやりきれない思いに耐え切れず、部下からの誘いにのった。しかし、いつのまにか連れて行かれていた怪しげな店から家に帰ると、待っていたのは息子の訃報だった。不登校から家庭内暴力まではたらくようになっていた14歳の息子が、神社の境内で刺殺されたというのだ。警察やマスコミに当時のアリバイを調べられ、息子が死んだ時間によからぬ場所に出入りしていたと責められ疑われる恭一郎であったが、事件は思わぬ展開をみせる。息子と同じクラスの14歳の少年・八巻満が捕まったのだ。

登場人物[編集]

志方家[編集]

志方 恭一郎(しかた きょういちろう)
昭和20年代半ば生まれ、現在47歳。高卒でコンピューターの専門学校を経て、マルコーコンピューター(道路交通情報システムのソフトウェア部門を任されている会社)に入社。最初の3年間は名古屋の営業所勤務、東京に戻り、営業部で2年。そして現在システム開発二部の部長。生まれる前に父親を癌で亡くし、母親も中学の時に亡くなったため、叔父が父親代わりだった。
志方 雪子(しかた ゆきこ)
妻。旧姓:岩佐。高卒でマルコーコンピューターに入社し、開発部で一緒だった恭一郎と結婚する。元来は明るい性格。
志方 真弓(しかた まゆみ)
長女、19歳。八王子にある短大の女子寮に入っていて、月1で実家に帰ってくる。小作りな顔で、雪子に似て額が広く目鼻だちははっきり。勝気そうな口元をしている。
志方 真紀(しかた まき)
次女。おっとりした性格。私立の女子高に通っている。
志方 恭介(しかた きょうすけ)
中2から不登校になり、次第に家庭内暴力をふるうようになる。現在14歳。駅裏の神社の境内にある銀杏の樹の下で、胸を刺されて殺されているのが発見された。

会社関係者[編集]

深瀬(ふかせ)
マルコーコンピューターのシステム開発二部の課長で恭一郎の部下。高校生になる娘がいる。常に上司の顔色を窺い、さらには部下にも必要以上に気を使う、典型的会社人間。酒好き。
戸田(とだ)
専務。恭一郎の直属の上司であり、まだ営業課長だった時代から恭一郎を可愛がってくれていた。いつも穏やかな表情をしているが、実は短気。細面なため、繊細で神経質そうな感じがする。二部から4人を出して一部にまわせ(=葵電機を犠牲にしろ)と恭一郎に命令する。
中林(なかばやし)
マルコーコンピューターシステム開発一部の部長。父親が元通産大臣。深瀬と同い年。二部から人をまわさなければならなくなった原因のミスを犯した張本人。
丹野(たんの)
マルコーコンピューターのシステム開発二部の取引先である葵電機の部長。47歳。色黒の引き締まった顔つきをしている。両親が大学教授という家庭に育ち、自身も有名進学高校から東大をトップに近い形で卒業した。妻は有名音楽大出身でピアノ教室の講師。秀才なだけでなく、スポーツも万能。人間味あふれる人柄で、長男の家庭内暴力で修羅場を経験するが立ち直らせた経験ももっているため、仕事上だけではなく公私ともに恭一郎は頼りにしている。

その他[編集]

角田(かくた)
警部補。肩幅の広い無骨な感じで頭がうっすら白いが、50代前後のよう。恭介が殺された事件を担当する。
村木 丈一(むらき じょういち)
以前真弓につきまとっていた男。長身の目の細い陰気な顔をしている。
浅井 淳也(あさい じゅんや)
田川中学校で恭介と同じクラス。小学校の頃は仲がよかった。背が高い。
八巻 満(やまき みつる)
恭介と同じクラス。14歳。普段はおとなしいが、キレると怖い。眉が濃く、目つきが鋭い。母子家庭に育つ。
八巻 はつみ(やまき はつみ)
満の母親。クラブ『マリー』のホステス。20歳で結婚し、すぐに満を産んだが、満が1歳の時に離婚した。
若菜 秀一(わかな しゅういち)
西東京弁護士会所属の人権派の弁護士。40歳。少年事件を専門に扱っている。以前、高城殺しで八巻満に疑いがかかった際にも動いている。学生時代に学園紛争で逮捕された経験から刑事弁護士になろうと決めた熱血漢。
高城 秀子(たかしろ ひでこ)
グリーンマンション302号室在住。28歳。船橋にあるクラブの元ホステス。恭介の事件の少し前に、頭を鈍器で殴られ、首を絞められて殺された。犯人は捕まっていない。

書籍情報[編集]

テレビドラマ[編集]

テレビ東京系列で2000年4月19日から6月21日まで放送された。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

サブタイトル[編集]

各話 放送日 サブタイトル 監督 視聴率
第一話 2000年4月19日 家庭内暴力、少年犯罪…崩壊する一家族の悲劇 松原信吾 4.5%
第二話 2000年4月26日 息子にホステス殺人容疑!黙秘する少年 3.3%
第三話 2000年5月3日 母号泣…息子を殺したのは誰!犯行時刻に父の疑惑 山田高道 5.3%
第四話 2000年5月10日 息子を殺した犯人逮捕!今、始まった新たな闘い 4.8%
第五話 2000年5月17日 我が子は14才少年に殺された!復讐を誓う父に母は… 根本実樹 5.5%
第六話 2000年5月24日 殺害動機語らぬ少年…息子を信じたい母の衝撃 5.2%
第七話 2000年5月31日 少年再逮捕!接見拒否の息子へ…死んで罪を償って! 松原信吾 5.6%
第八話 2000年6月7日 息子を殺された父、加害者母と許されぬ底なし沼へ… 山田高道 5.0%
第九話 2000年6月14日 私を殺して!驚愕の事実を知った少年の母は風吹く断崖で… 根本実樹
最終話 2000年6月21日 息子を殺された家族の運命は、そして加害少年の母は…遂に激動の最終章! 松原信吾 5.8%
平均視聴率.%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

放映ネット局[編集]

テレビ東京 水曜20時台
前番組 番組名 次番組
それぞれの断崖

出典[編集]

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  1. ^ 文庫版『それぞれの断崖』401頁。
  2. ^ “三浦友和は石田えりと過激シーン”. Sponichi Annex. (2000年5月22日). オリジナル2001年5月9日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20010509194603/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/kiji/2000/05/22/07.html 2013年11月7日閲覧。 

関連項目[編集]