じゃじゃ馬グルーミン★UP!

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じゃじゃ馬グルーミン★UP!
ジャンル 競馬ラブコメディ少年漫画
漫画
作者 ゆうきまさみ
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 少年サンデーコミックス (SSC)
小学館文庫 (SB)
発表期間 1994年44号 - 2000年42号
巻数 SSC:全26巻
SB:全14巻
話数 全281話 + 番外編2話
漫画:Sire Line -父の血筋-
作者 ゆうきまさみ
出版社 小学館
掲載誌 『週刊少年サンデー』1994年43号
その他 『じゃじゃ馬』 2巻収録
漫画:Sire Line 2
作者 ゆうきまさみ
出版社 小学館
掲載誌 『週刊少年サンデー』1995年4月増刊号
その他 『じゃじゃ馬』 8巻収録
テンプレート - ノート

じゃじゃ馬グルーミン★UP!』(じゃじゃうまグルーミンアップ)はゆうきまさみによる競走馬の育成を題材とした漫画作品。

概要[編集]

小学館発行の『週刊少年サンデー (WS) 』誌上において、1994年(平成6年)44号から2000年(平成12年)42号まで連載。『機動警察パトレイバー』の次作にあたり、『WS』誌上において3作目となる長期連載作品[注 1]。単行本は少年サンデーコミックスより全26巻が刊行されており、同一表題の作品としてはゆうき最長の作品となっている[注 2]2004年(平成16年)から2005年(平成17年)にかけては文庫版が全14巻で発売された。

北海道静内郡静内町(現:新ひだか町)の牧場を舞台に、ふとしたきっかけから競走馬の育成に携わるようになった主人公の成長を描いた作品。

馬産を取り扱った作品の性質上から登場する馬の血統は細かく設定されており[注 3]、この血統の設定に苦心したことをゆうきが述べている[1]

時代設定[編集]

本作は1995年(平成7年)の3月から始まり、1999年(平成11年)6月までの4年強が描かれている[注 4]。6年の連載で4年間を描いているため現実より遅いスピードで作中の時間は進行していたが、連載開始時の1年未来からはじまり連載終了時の1年過去で終了しているために現実との時間差は小さく、登場人物達も現実に近いスピードで年を重ねて行った。まだ携帯電話がさほど普及していない時代を舞台としているため「携帯電話を借りていく[2]」といった当時の世相を反映した描写も見られる。

作中のルール等も当時の物を反映しており、今日とは異なる点がある。クラシックには外国産馬がまだ一切出場できず[3]馬齢については数え年が使われているため2001年以降の表記方法に比べて1歳多い表記となっている。

Sire Line[編集]

『じゃじゃ馬』の番外編となる短編で、本連載開始直前の『週刊少年サンデー』1994年(平成6年)43号に掲載された「Sire Line -父の血筋- (SL1) 」(サイアーライン ちちのちすじ) と、1995年(平成7年)4月増刊号に掲載された「Sire Line 2 (SL2) 」の2編があり、それぞれ本編の時系列に近い単行本の2巻と8巻に収録されている。

本編と同一の世界設定ながらも、騎手の竹岡一家にスポットライトを当てており、渡会牧場の面々は登場しない。「SL1」は本編内の1995年のダービーを、「SL2」は1996年オークスを中心としている。

あらすじ[編集]

東京都内の有名進学校に通う久世駿平は、春休み北海道旅行へとバイクで出かけたものの、ガス欠で遭難しかけたところを渡会ひびきに助けられる。美人だがそそっかしい長女のあぶみ、仕事は出来るが愛想のない次女のひびき、母親似のしっかり者で勉強の出来る三女のたづな、都会志向でマセた小学生の四女ひづめという美人四姉妹とお人好しの社長健吾、美人だがしっかり者でなにかと厳しい千草の暮らす渡会家で保護された駿平は財布をなくして無一文という事情と一宿一飯の恩義により渡会牧場でアルバイトをすることになる。競馬界の事情をなにも知らない駿平だったが、渡会牧場の生産場ストライクイーグルスプリングステークスで優勝。歓喜に沸き返る渡会家と従業員たちに駿平は得も言われぬ感動を味わう。そして、ひびきに恋をしてしまう。その後、ひびき目当てで渡会家に出入りしている大牧場醍醐ファームの御曹司で獣医学部の学生・醍醐悟が偶然にも駿平の財布を発見。馬が臆病な生き物と知らない駿平は馬の近くでバイクを走らせたことでひびきにひっぱたかれ、失意のうちに埼玉の実家に帰省する。

春休みの終わった東京では勉強漬けの毎日が待っていた。痴漢に間違えられる不運がもとでBクラスに転落した駿平は競馬に詳しい蓼沼と友達になる。皐月賞の予想をする蓼沼からストライクイーグルが故障で回避したことを教えられた駿平は競走馬がとても臆病で繊細な生き物であることを知る。謝罪の電話をかけるべきか悩むうちにゴールデンウィークに突入し、駿平は思いきって北海道に向かう。無事ひびきと和解した駿平だったが、競走馬の繁殖期を迎えた牧場は大忙し。そんな中、牧場一の優秀な牝馬ながら不受胎を繰り返していたヒルデガード(ヒルダ)が双子を妊娠してしまう。受精卵を潰すという獣医師の言葉に駿平は残酷なことだと反対。健吾は思い悩んだ末にそのまま産ませることを決める。そのことがやがて駿平の人生を左右する重大な転機となる。

東京に戻った駿平は渡会牧場での日々を忘れられずにいた。蓼沼から日本ダービーに渡会牧場の生産馬が出場すると聞いた駿平は府中競馬場に応援に行く。そこには、大本命アルデバランの関係者である悟は勿論のこと、健吾と千草。そして、ひびきがいた。レースは一番人気のアルデバランが2着に負ける結果となった。後日、駿平は悟に誘われて馬事公苑を訪れ、乗馬に使われる馬たちが元は競走馬だったことを知る。

すっかり馬の虜となってしまった駿平は学業が疎かになり成績を落とす。共働きですれ違いの両親を良いことに夏休みに駿平は再び渡会牧場に向かう。風邪で倒れたあぶみにかわって家事で男を見せる駿平はひびきとも仲良くなっていく。そんなとき、競馬学校に在籍する渡会家の長男・祐騎が帰省する。祐騎とひびきは双子の姉弟だった。辛辣な祐騎は牧場の現状をけなす。その態度に怒った駿平は「ここでダービー馬を作る」と宣言。正式にアルバイトとして渡会牧場で働くことになった駿平だったが、父・稔彦が連れ戻しに来る。高校を卒業したら渡会牧場で働きたいという駿平に、稔彦は競馬界が駿平の考えているほど甘い世界ではないと突き放す。初めての親子喧嘩となるが健吾が仲裁。その後、体調の崩れたヒルダを介抱する駿平の姿を見た稔彦は黙って牧場を後にする。

そこでとふれあう中でその魅力に惹かれ、日本一の競走馬の育成を目標とするようになる。親との葛藤、恋愛結婚といった人生の様々な出来事を体験し、思春期の少年は一人の大人へと育っていく。

登場人物[編集]

久世 駿平(くぜ しゅんぺい)
主人公。高校在学中の北海道旅行をきっかけに渡会牧場の人々と交流を持ち、ダービー馬を育てることを目標として渡会牧場に就職する。
渡会 ひびき(わたらい ひびき)
ヒロイン。渡会牧場社長の次女で駿平と同年齢。

登場馬[編集]

ストライクイーグル(イーグル)
渡会牧場産の競走馬。第1話のスプリングステークスを皮切りに、物語はイーグルのレースを追う様にして進んで行く。
ヒルデガード(ヒルダ)
渡会牧場の繁殖牝馬。駿平によく懐く。双子を受胎してしまう。
ヒコ(アダタラヨイチ)
ヒルダの双子の一頭。駿平が育成を担当。ダービーに出走する
ヒメ(ドルチェヴィータ)
ヒルダの双子の一頭。

他作品との繋がり[編集]

ゆうき作品[編集]

ゆうきの作品では他作のキャラクターがしばしばモブとして登場するが、本作においても様々なキャラクターが登場している。

ゆうきまさみ
作者自身が作品取材や見学の漫画家として時々出演[4]
鉄腕バーディー
『バーディー』がOVA化された1996年(平成8年)に、バーディーとゴメスの戦いがテレビに映し出されている[5]
究極超人あ〜る
R・田中一郎[6]と鳥坂の2人は度々登場。特に鳥坂はモデルの関係から作者と共に作品取材の同行役としても登場するため[7]出演頻度が高い(cf.究極超人あ〜る#作品概要)。成原博士が下記の後藤の張り込み時の容疑者として登場している[8]
機動警察パトレイバー
泉野明が酒屋の娘として登場[9]。後藤喜一は競馬場の観客としても登場している[10]他、刑事として競馬新聞を読みながら張り込みをしている姿が何度か見られる[11]。また、渡会牧場近隣の住民として斯波繁男が登場している[12]

その他の漫画作品[編集]

折々にパロディオマージュ描写が見られる他、モブとしても描かれている。

めぞん一刻高橋留美子
「PIYO PIYOエプロン」[13]および「PIYO PIYO」のマタニティのワンピース[14]が作中に登場。また猪口(父)は笑い方を「『めぞん一刻』で三鷹の親父の声をやってた神谷明みたいな声」で笑う[15]と表現されている。
オバケのQ太郎藤子不二雄
駿平の部屋に『サンデー』があり、表紙には「新オバケのQ太郎FX」が描かれている[16]。また競馬場でのモブとしてQ太郎が描かれている[17]
赤塚不二夫作品
競馬場でのモブとしてイヤミ(おそ松くん)が登場[17]。またシェー[18]やレレレのおじさん(天才バカボン)のパロディ描写[19][20]が見られる。
かってに改蔵久米田康治
ひびきが『サンデー』で読んでいる[21]
神聖モテモテ王国ながいけん
梅ちゃんの台詞中に題名が含まれ、背景にファーザーが描かれている[22]
楳図かずお作品
パロディ描写が見られる[23]
月下の棋士能條純一
将棋を指す場面でパロディ描写が見られる[24]
ど根性ガエル吉沢やすみ
梅ちゃんとひびきのかけあいが、同作の梅さんとヒロシのようになっている描写がある[25]
いがらしみきお作品
呆けた醍醐悟がいがらしのキャラクターむん坊になっている[26]
競馬場での観客
様々なキャラクターが競馬場の観客として描かれている。
Q太郎・イヤミ(上述)・鉄人28号(『鉄人28号』)・バルタン星人(『ウルトラシリーズ』)・ウルトラセブン(『ウルトラセブン』)[17]
アクシデンツ -事故調クジラの事件簿-』(山田貴敏)・『アホアホ学園』(久喜青葉)・『うしおととら』(藤田和日郎)・『エンヤ KODOMO忍法帖森下裕美・『GS美神 極楽大作戦!!』(椎名高志)・『"LOVe"』(石渡治)・『め組の大吾』(曽田正人)・『名探偵コナン』(青山剛昌)・『"LOVe"』(石渡治[27]

書誌情報[編集]

全て著者はゆうきまさみ、発行は小学館

脚注[編集]

  1. ^ 短期連載も含めると4作目、増刊号の物も含めると5作目にあたる。
  2. ^ 2013年5月現在。鉄腕バーディ(リメイク)と鉄腕バーディEVOLUTIONを同一の作品とみなすと、合計33巻となるので、鉄腕バーディが最長の作品であるとも言える。
  3. ^ 一部の馬には血統表が用意されており、祖父母の代までには実在の馬が設定されている(「じゃじゃ馬クーリング★DOWN!」『1巻』185 - 186頁など)。
  4. ^ 「作中の現代」が何年であるかは直接示されていないが、作中2年目から13年前に行なわれた東京優駿(「STEP133 醍醐家の謎[その3]」『6巻』127頁)が1983年開催である事(「STEP79 マジニナル」『8巻』85頁)から。また作中で折々に示されるカレンダーがこの期間の現実の物と一致している(「STEP13 黄金の午後」『2巻』41頁、他多数)。

出典[編集]

『じゃじゃ馬グルーミン★UP! 』〈少年サンデーコミックス〉については『○巻』の形で記述。

  1. ^ 「ノーザンテーストの芦毛って聞いたことあります? 」『ゆうきまさみのはてしない物語』角川書店〈ニュータイプ100%コミック〉1997年2月24日初版発行、ISBN 4048527622、84 - 85頁
  2. ^ 「STEP245 夢よ、もういちど[その1]」『23巻』127頁
  3. ^ 「STEP75 この仔うります! 」『8巻』7頁
  4. ^ 「STEP43 空手形」『5巻』22頁、他多数
  5. ^ 「STEP98 未来予想図」『10巻』60 - 61頁
  6. ^ 「STEP31 風と共に去りぬ」『4巻』12頁
  7. ^ 「STEP83 ゴールデン・キャデラック」『8巻』148頁、他
  8. ^ 「STEP156 クリスマスまで待てない[その4]」『15巻』103頁
  9. ^ 「STEP22 夏は来ぬ」『3巻』43頁
  10. ^ 「Sire Line」『2巻』177頁
  11. ^ 「STEP43 空手形」『5巻』、22頁、他
  12. ^ 「STEP223 それぞれの秋[その16]」『21巻』129頁
  13. ^ 「STEP63 男はつらいよ[その2]」『6巻』63頁
  14. ^ 「STEP278 夢の道草[その6]」『26巻』127頁
  15. ^ 「STEP80 恐るべき女たち」『8巻』92頁
  16. ^ 「STEP42 上の空」『5巻』、20頁
  17. ^ a b c 「STEP45 夢の中へ[その1]」『5巻』66頁
  18. ^ 「STEP133 醍醐家の謎[その3]」『6巻』126頁
  19. ^ 「STEP57 星屑のステージ」『6巻』78頁
  20. ^ 「STEP234 冬花火[その2]」『22巻』149頁
  21. ^ 「STEP242 三度、冬花火[その4]」『23巻』77頁
  22. ^ 「STEP80 恐るべき女たち」『8巻』101頁
  23. ^ 「STEP61 男はつらいよ[その2]」『6巻』162頁
  24. ^ 「STEP234 冬花火[その1]」『22巻』120頁
  25. ^ 「STEP61 男はつらいよ[その2]」『6巻』176頁
  26. ^ 「STEP20 サラブレッド[その1]」『3巻』、8頁
  27. ^ 「STEP60 男はつらいよ[その1]」『6巻』、150 - 151頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]