ざる法

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ざる法(ざるほう、笊法)とは、抜け穴が多い法律をさす俗語である。水がざるを通り抜ける様子から名付けられたものとされる。

ざる法の例[編集]

歴史的には1920年、アメリカ合衆国禁酒法がざる法の好例である。この法律ではについて売買や製造や密輸を禁止していたが、医師の処方箋をもらって薬用に飲む酒は認められたほか、カナダメキシコに酒を飲みに行くのも違法でなく、法の不遡及の観点から、禁酒法施行以前に所持した酒を飲むのも認められたため、法律が有名無実となり1933年に廃止された。

日本の例[編集]

政治資金規正法では、立法当初、政治家本人が直接金員を受けずに秘書や自己が実質的に支配する団体などを介した迂回献金としたり、記録が残らない現金の直接授受にすることなどによって法の規制を免れるという「抜け穴」が多数存在した(規制対象である政治家が自ら法律を作るという事情がこれを助長した)。

売春防止法では買春が一般的には犯罪とならないため売春の抑止とならないこと、また未成年者飲酒禁止法では未成年者が自動販売機などで容易に酒類を入手できることを、それぞれ「抜け穴」とみれば、ざる法という余地がある。

さらに、2009年から行われているエコカー補助金・減税制度に関しても「ざる法」だと指摘する声がある。自動車の重量別にJC08モードの燃費基準が定められる(重い車両の方が補助金の面で有利)ため、同じ車両に重くなる装備を加えるなど、わざと車両総重量を増した上で、補助金・減税対象となった事例が存在するからである[1]

学校教育法第11条は、校長及び教員による体罰を禁止しているとされるが、その条文は「体罰を加えることはできない」と書かれているのみで、強制力を伴ったものでもなければ、罰則も定められていない。1947年に同法が制定されてから70年以上が経過した現在も、日本の学校では公然と体罰が行われているが、これは同法第11条の条文が弱い表現で、罰則もないことが抜け穴となっている、いわばざる法だからである。

脚注[編集]

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関連項目[編集]