かしわコミュニティバス

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かしわ乗合ジャンボタクシーの車両
高柳・金山コース(2011年2月6日)

かしわコミュニティバスは、千葉県柏市2007年平成19年)11月23日から[1]2013年(平成25年)3月31日まで[2]運行していたコミュニティバスである[2]東武バスイースト沼南営業所が運行を受託していた[1]

この項目では、かしわコミュニティバスと同日に運行開始した乗合タクシーかしわ乗合ジャンボタクシー」についても記述する。また、かしわコミュニティバス廃止代替として運行開始した「予約型相乗りタクシー カシワニクル」についても述べる。

概要[編集]

柏市が運行する公共交通は3種類が存在したため(現在は2種類)、それぞれについて記述する。

かしわコミュニティバス

通常の形態のコミュニティバス(路線バス)である[2]。東武バスイーストの路線廃止に伴い、旧沼南町地域で運行されていた(詳細は#沿革を参照)。車両は東武バスイーストの小型バス車両(日野・リエッセ)を使用していた[2](詳細は#車両を参照)。

かしわ乗合ジャンボタクシー

名称こそ「タクシー」であるが、ワンボックスカートヨタ・ハイエース)を使用した路線バスである[3]。経路と時刻表、バス停留所が定められており、停留所以外での乗降はできない[3][4]

予約制相乗りタクシー カシワニクル

カシワニクルは、東京大学が開発したオンデマンド交通システム「コンビニクル」のシステムを採用した予約制乗合タクシーである[5][6]。かしわコミュニティバスの廃止に伴い、旧沼南町地域で運行開始された[4]

専用車はセダンタイプのタクシー車両を使用し[4]、「カシワニクル」の文字と予約センターの電話番号、柏市のキャラクター「カシワニ」[7]のイラストが描かれたパートラッピングが施されている[4][5][6]。また専用車には「区域乗合」と記載されている[4][5][6]

東京大学が開発したシステム「コンビニクル」は、GPSを活用したクラウドコンピューティングにより予約から配車までを完全自動化し[6]、かつ従来のデマンド交通では導入費用に1,000万円から2,000万円かかっていたところを[6]、導入費用を50万円に低減している[6]。運行エリア内にある「タク停」で乗降でき、電話予約時に利用区間を指定する[4][6]。同じ方面に行く乗客がいる場合には「タク停」で拾いながら運行するが[4][5][8]、運行ルートはコンピュータシステムが自動生成する[6]

市内に所在する東大柏キャンパスでの「コンビニクル」実証運行に柏市が参加したことで導入が検討され[6]、大学と市とタクシー事業者が共同で学習会を開くなどして柏市での導入に至った[6]。一日あたり50人の利用を目標とし、将来的には柏市の運営からタクシー会社による自主事業への移行を目指すとしている[6]。愛称は「カシワニ」と「コンビニクル」をつなげて「カシワニクル」とし「柏に来る」と掛けている。

カシワニクルは、旧沼南町地区に設置された約400箇所の「タク停」、東武野田線逆井駅、高齢者施設「ケアハウス沼南の里」で乗降できる[9][10]。利用には事前登録が必要で、柏市役所交通政策課に電話して氏名・住所・電話番号・生年(月日は不要)を伝える[4][9]。年齢を問わず利用できるが、未就学児のみの乗車は不可[9]。市外在住でも利用できるかは不明である(市の公式サイトに記載なし)。

沿革[編集]

千葉県東葛飾郡沼南町は、2005年(平成17年)3月28日に柏市へ編入合併された。

同2005年9月2日より、旧来の柏市内に属する地域において、バスが運行できない狭隘道路の交通をカバーする目的で、ジャンボタクシーの路線の運行が開始されている。

沼南町の町域では、主に東武バスイーストによって路線バスが運行されていたが、2007年度にバス路線が廃止された[5]柏駅東口 - 岩井 - 手賀間と、柏駅東口/沼南庁舎北口 - 風早中学校 - 高柳駅間の路線廃止に伴い、一部地区に公共交通空白地区が発生した。

そのため廃止路線の代替と、路線バスの運行がなかった地区の住民の足を確保する目的で、市は2007年11月23日より、東武バスイーストに運行委託して「かしわコミュニティバス」[1]、染谷交通に運行委託して「かしわ乗合ジャンボタクシー」の運行を開始した[1]。有限会社染谷交通は、柏市北柏2丁目11-9に本社を置くタクシー事業者である[11]

2007年11月23日の運行開始時に開業した路線は以下のとおり[1]。運賃はともに200円均一とされた[1]

  • かしわコミュニティバス(2路線)[1]
    • 沼南社会福祉センター - 手賀の丘公園[1]
    • 沼南社会福祉センター - 布瀬[1]
  • かしわジャンボタクシー(1路線)[1]
    • 沼南庁舎 - 風早南部小学校[1]

しかしコミュニティバスは1便あたりの利用者が平均2人と利用が低迷したため[6]、その後の路線の見直しなどに伴い、かしわコミュニティバスの全路線は2013年3月31日をもって運行終了した[2]。赤字などを理由に廃止されるコミュニティバスは少なくないが、開業から5年半も経たずに廃止されたのは極めて短命と言える

沿革[編集]

運行内容[編集]

運行委託事業者[編集]

  • かしわコミュニティバス - 東武バスイースト沼南営業所[1]
  • かしわ乗合ジャンボタクシー - 染谷交通[1]
  • カシワニクル - 沼南タクシー・千代田観光・北柏交通・合同タクシーのいずれか

運賃[編集]

「かしわコミュニティバス」「かしわ乗合ジャンボタクシー」は全コース均一運賃。

  • 中学生以上は200円。小学生、障害者は100円 (同乗する介護者も1人まで100円) 。
  • 回数券が発売されており、700円分の券を500円で購入できる。

「カシワニクル」の運賃は以下のとおり。

  • 旧沼南町のうち、大津ヶ丘などの西部を対象とした「A区域」、手賀や布瀬などの東部を対象とした「B区域」があり、区域内であれば300円。それ以外は500円。

路線[編集]

現行路線 (かしわ乗合ジャンボタクシー)[編集]

かしわ乗合ジャンボタクシーは、高柳・金山、南増尾、逆井の3コースで運行されている。また、高柳・金山の各コースは沼南庁舎バス乗継場にて東武バスの各路線と乗り継ぎが可能である。

高柳・金山コースが1日6便、1時間30分 - 2時間間隔で運行されている。南増尾、逆井コースは共に10便で、1時間間隔の運行となっている。年末年始(12月29日 - 1月3日)には全便が運休となる。

ジャンボタクシーの車両は定員が9名と少なく、満員の場合は次の便まで待たされることもあるので注意が必要である。

高柳・金山コース
  • 沼南庁舎バス乗継場 - 沼南社会福祉センター - 南部老人福祉センター - 高柳駅 - 藤ケ谷 - 金山 - 沼南体育館 - 高柳駅 - 南部老人福祉センター - 沼南社会福祉センター - 沼南庁舎バス乗継場
南増尾コース
  • 南部老人福祉センター - 逆井駅前 - リフレッシュプラザ柏 - 南増尾6丁目 - 逆井南郵便局 - リフレッシュプラザ柏 - 逆井駅前 - 南部老人福祉センター
逆井コース
  • 南部老人福祉センター - 逆井駅前 - 南部クリーンセンター - 柏陵高校入口 - 逆井南郵便局 - リフレッシュプラザ柏 - 逆井駅前 - 南部老人福祉センター

廃止路線 (かしわコミュニティバス)[編集]

かしわコミュニティバスは、岩井コース、若白毛コースの2路線が存在した。いずれも沼南庁舎バス乗継場にて東武バスの各路線と乗り継ぎが可能であった。

ダイヤは、岩井コースは1日3.5往復 (始発・最終便は沼南庁舎バス乗継場 - 手賀の丘公園片山間のみ運行)、30分 - 3時間間隔。若白毛コースが1日4往復、30分 - 4時間間隔。毎日運行されていた。

岩井コース
  • 逆井駅東口 - 沼南社会福祉センター - 風早中学校 - 沼南庁舎バス乗継場 - 五條谷 - 岩井 - 泉入口 - 手賀の丘公園片山ー千葉ニュータウンー印西牧の原
運行開始時の路線は、沼南社会福祉センター - 手賀の丘公園であった。
若白毛コース
  • 逆井駅東口 - 沼南社会福祉センター - 風早中学校 - 沼南庁舎バス乗継場 - 若白毛 - 泉入口 - 手賀 - 布瀬
運行開始時の路線は、沼南社会福祉センター - 布瀬であった。

かしわコミュニティバスの利用実績[編集]

かしわコミュニティバスの利用実績については、柏市公式サイトの以下のページを参照(廃止直前の2年間のみ)。

なお、運行開始直後の2007年度(11月 - 3月)は、かしわコミュニティバス両コース(岩井コース・若白毛コース)の1往復あたりの利用者数は1.35人であった。

車両[編集]

かしわコミュニティバスの車両[編集]

2007年の開業にあたり専用車両が2台導入された。CNG改造車(9914号車、柏200か33)[13][14]、通常のディーゼル車(9912号車、柏200か32)[12][13]が1台ずつ使用されており、常時運行は1台で予備車が1台であった[15][16]

東武バスカラーの上から「バスで行こう!人と環境にやさしい交通システム」という文字と、緑の柏の葉と人々が描かれた水色のラッピングが施されていた[2][13][14]。ラッピングデザイン・施工は、埼玉県さいたま市北区大成町4-140に本社を置く株式会社デサン[13][14]。同社は東武バスイースト西柏営業事務所の一般路線バスでも環境PRラッピングを手掛けている[13][14]

2013年のかしわコミュニティバス廃止後、CNG車の9914号車は除籍されている。

参考文献[編集]

  • 「柏市でコミュニティバスが運行開始」『バスラマ・インターナショナル No.105』2008年1月号 Vol.10 No.1、ぽると出版、2007年12月25日、92頁。ISBN 978-4-89980-105-4
  • バスジャパン ハンドブックシリーズ S89 東武バス・東野交通』BJエディターズ / 星雲社、2015年9月1日。ISBN 978-4-434-20266-7

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「柏市でコミュニティバスが運行開始」『バスラマ・インターナショナル No.105』2008年1月号 Vol.10 No.1、ぽると出版、2007年12月25日、92頁。ISBN 978-4-89980-105-4
  2. ^ a b c d e f g h かしわコミュニティバス”. 柏市役所 (2017年8月18日). 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月16日閲覧。
  3. ^ a b かしわ乗合ジャンボタクシー”. 柏市役所. 2020年9月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 予約型相乗りタクシー「カシワニクル」~沼南地域の移動にご利用ください~”. 柏市役所. 2020年9月16日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g デマンド交通サービスによる地域住民の移動手段確保(柏市「カシワニクル」)”. 平成27年版 情報通信白書. 総務省. 2020年9月16日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 買い物難民を救う? 乗り合い型交通システム「コンビニクル」” (日本語). GAZOO.com. トヨタ自動車 (2017年2月13日). 2020年9月16日閲覧。
  7. ^ 「おいでよ!カシワニ」その誕生とは…?”. 柏市役所 (2013年10月28日). 2020年9月16日閲覧。
  8. ^ かしわジャンボタクシー路線図・カシワニクル運行区域図”. 柏市役所 (2020年7月6日). 2020年9月17日閲覧。
  9. ^ a b c 予約制相乗りタクシー「カシワニクル」パンフレット(表)”. 柏市役所 (2020年6月9日). 2020年9月17日閲覧。
  10. ^ 予約制相乗りタクシー「カシワニクル」パンフレット(裏)”. 柏市役所 (2020年6月9日). 2020年9月17日閲覧。
  11. ^ 会員事業者 支部一覧>1: 東葛支部 野田市、柏市、流山市、松戸市、我孫子市”. 一般社団法人 千葉県タクシー協会. 2020年9月16日閲覧。
  12. ^ a b c d バスジャパン ハンドブックシリーズ S89 東武バス・東野交通』BJエディターズ / 星雲社、2015年9月1日。ISBN 978-4-434-20266-7
  13. ^ a b c d e f 平成19年度 柏市・流山市地域におけるESTモデル事業推進のための普及啓発委託業務報告書【ダイジェスト版】 環境省公式サイト、2019年6月1日閲覧。
  14. ^ a b c d e 最新トピックス|千葉県柏市 コミュニティバス運行開始(ラッピングバス)”. 株式会社デサン. 2020年9月16日閲覧。
  15. ^ かしわコミュニティバス運行計画変更(案)の概要 柏市公式サイト、2017年2月24日、2019年6月1日閲覧。
  16. ^ 「かしわ乗合ジャンボタクシー」、「かしわコミュニティバスの運行計画変更(案)へご意見を」 柏市公式サイト、2017年2月24日、2019年6月1日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]