かくしごと

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かくしごと
ジャンル 少年漫画シチュエーション・コメディ
漫画
作者 久米田康治
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年マガジン
レーベル KCデラックス
発表号 2016年1月号 -
発表期間 2015年12月4日 -
巻数 既刊8巻(2019年4月17日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

かくしごと』は、久米田康治による日本漫画作品。『月刊少年マガジン』(講談社)にて、2016年1月号(2015年12月4日発売)から[1]連載中。

娘にマンガ家であることを隠し通そうとするマンガ家と、その娘の日常を、マンガ家あるあるネタを交えつつ描かれる久米田自身の体験談を思わせるハートフルコメディ[1][2]。タイトルは「隠し事」と「描く仕事」のダブル・ミーニングとなっている[3]

概要[編集]

「マンガ家漫画」を勧めたのは担当編集者であり、久米田自身は当初「マンガ家漫画」のジャンルはやり尽くされており、新鮮さも感じないと考えていたため、やる気は無かった[3]。しかし、久米田自身が「下ネタ漫画」を描いてきたことで周囲から蔑まれ職業を隠した経験もあり、「マンガ家であることを隠す」というアレンジを加えたスタンスを思いついた[3]

本作においては、これまでの久米田作品にあったように、宇宙人が登場したり、異世界や異次元に行くような話はやらない、人死にもなく、現実に即した中に留めることを久米田は決めている[3]。また、本作の各エピソードは、ほぼ実話に基づいていると久米田は語っている[3]

本作は『週刊かくしごと』という架空の雑誌の体を成しており、1話(1回の掲載分)に複数のショートストーリーが描かれている[3]。各ショートストーリーの最後には作中マンガ家の「あとがき」もある[3]。また、作中に架空の広告も掲載されているが、実在の漫画家藤田和日郎をモデルにしたキャラクターが登場した回には藤田の作品『黒博物館スプリンガルド』の宣伝が欄外に入っている[3]

コミックス1巻の発売に併せ、久米田にとっては日本国内で初めてとなる単独サイン会がアニメイト名古屋にて開催された[4]。また、シャフト製作によるアニメPVが公開されている[5]

連載に先立ってフルカラー4ページの予告漫画が掲載され、これは本編(第1話)の7年後の話となっている。コミックスには予告編に続く7年後の話が描き下しで追加される[3]。久米田お得意の自虐ネタ、下ネタに加え、感動あり、父の隠し事を知った数年後の姫のストーリーが挿入される構成といったストーリーテリングの巧みさも評価されている[6]

2017年8月26日から同年10月15日まで湯前まんが美術館熊本県球磨郡)において、「久米田康治のかくしごと展」(原画、ネーム展示)か開催された[7]

あらすじ[編集]

現代編(連載版)[編集]

かつて、『きんたましまし』というちょっと下品なマンガがヒットしたこともあるベテランマンガ家後藤可久士は一人娘の(9歳)にぞっこん。父親が下品なマンガの作者だと知られると周囲からいじめられると心配し、姫にはマンガ家であることを隠し、目黒区の自宅からスーツ姿で出勤し、途中でシャツと短パンという仕事着に着替えて渋谷区の仕事場へと向かうのだった[6]

姫の友達が「姫ちゃんのパパのお仕事はなにをしているのか?」と聞いてきたり、姫のいる自宅に可久士の描いたマンガ絵のプリントされたTシャツを着た編集部の担当者が訪問してきたりと、可久士の隠し事がバレそうになり、娘への愛が募って可久士は暴走してしまう[6]。よき父親であろうと周囲の女性たちに協力を仰ぎ、習い事を始めたりするが、その度に騒動を巻き起こしたり、気があると勘違いされ、既成事実が出来上がっていく。

そんなこんなで、バレそうでバレない「かくしごと」を抱えながらも、後藤可久士と姫のドタバタしながらも幸せな日々は続いていく。

未来編(単行本描きおろし)[編集]

18歳の誕生日。姫は海辺の観光地の丘の上に建つ、かつての中目黒の自宅に酷似した家を一人で訪れていた。そこにあった漫画原稿から、彼女は父の隠し事が「描く仕事」だったことを知る。

コメディだった現代編とは対照的にシリアスなストーリーであり、現代編の後に何があったのかが徐々に明かされると共に、連載では暗示的にしか語られなかった後藤家の家庭事情(姫の母親の行方や、祖父の正体)も明らかとなり、後藤可久士はある事情で断筆し「消えた漫画家」状態になったことが判明する。

登場人物[編集]

「声」は、アニメPVでの声優[5]

後藤家[編集]

後藤可久士(ごとう かくし)
声:神谷浩史
マンガ家。目黒区在住。『週刊マンガジン』に『風のタイツ』を連載中。名前の由来は「隠し事」。仕事では熱を入れた部分と世間の評価がしばしば食い違うことに不満気味。父親としては過保護で常に姫を最優先して行動するが、紛らわしい言動で周囲の女性たちにアプローチをかけていると思われている。
後藤姫(ごとう ひめ)
声:安済知佳
可久士の娘。名前の由来は「秘め事」。18歳になるまで父親がマンガ家であることを知らずに暮らしていた。
ダ・ヴィンチニュース』では「個人的な感想」と断った上で、これまで久米田作品に登場する女性キャラクターが絵柄は可愛いものの性格などに問題がありストレートに「可愛い」と言い難かったのに比べ、姫は変な言動があるものの「可愛い娘」として描かれていることを指摘している。
後藤ロク
後藤家のペットである子犬。名前の由来は「ご登録」。(多分)ゴールデンレトリバー。

アシスタントたち[編集]

可久士のG PRO(ゴトープロダクション)で働くアシスタントたち。
志治仰(しじ あおぐ)
チーフアシスタント。名前の由来は「指示を仰ぐ」[8]。一番の古株であり、指示待ち傾向はあるが、的確に指示された仕事をこなす。
芥子駆(けし かける)
新人。消しゴムかけ担当。余計な一言で、可久士を「けしかける」の意味もある[9]
筧亜美(かけい あみ)
仕上げと服飾担当。「カケアミ(斜線で濃淡を表現する漫画の技法)」が得意[9]。マリオの店をよく利用している。ホラー漫画家志望。
墨田羅砂(すみた らすな)
名前の由来は「墨(墨汁)を垂らすな」[8]。実際に原稿に墨を垂らしてよく怒られる。「代官山の職場でクリエイティブな仕事」につられてアシスタントになっているが、本人は漫画家になる気はまったくない。

『週刊少年マンガジン』編集部[編集]

十丸院五月(とまるいん さつき)
可久士の担当編集者。名前の由来は「停まる 印刷機」[8]。まだ、実際に印刷機を停めた経験はない。実家から仕送り継続中。褐色がタイプ。
大和力郎(だいわ りきろう)
『少年マンガジン』編集長。
内木理佐(うちき りさ)
『少年マンガジン』編集者。

後藤家の近所の女性[編集]

可久士に交際や結婚を申し込まれていると勘違いしている。
六條一子(ろくじょう いちこ)
姫の学校の担任。肌に61番のスクリーントーンが貼られており、名前の由来となっている[8]
千田奈留(せんだ なる)
アイドル志願の女子高生。アイドルグループのセンターになることが目標[9]。絵画コンクールで賞をとったことがあり、絵画教室の講師のバイトをしている。
汐越羊(しおこし よう)
クッキングアドバイザー[9]。講師をしていた料理教室で可久士と知り合う。ベリーショートの黒髪が特徴。
城路久美(じょうろ くみ)
生花店の店員。

その他の登場人物[編集]

不二多 勝日郎(ふじた かつひろ)
可久士の知り合いの漫画家。ダークファンタジーの巨匠。
マリオ
古着&セレクトショップ「マリオットランチマーケット」店主。可久士はいつもここで服を着替える。『かってに改蔵』の登場人物。可久士を「クラークケント」と呼ぶ。
東御ひな(とうみ ひな)
姫のクラスメイト。給食委員。
古武シルビア(こぶ シルビア)
姫のクラスメイト。めぐろ川探偵事務所所長。
橘地莉子(きっち りこ)
姫のクラスメイト。風紀委員長。
相賀加代(あいが かよ)
姫のクラスメイト。
阿藤勇馬(あとう ゆうま)
可久士の元アシスタント。優秀すぎてすぐにデビューした。
ナディラ
家事代行サービススタッフ。可久士を「クールジャパン」、姫を「姫サマ」と呼ぶ。
十丸院風留(とまるいん ふうる)
五月の妹。

書誌情報[編集]

アニメPV[編集]

シャフト製作によるアニメPVが公開されている[5]

PVのクオリティの高さから、アニメ化に期待を寄せる声も多い[6][10]

スタッフ

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b 久米田康治の新連載は“かくしごと”をしている父親と、その娘のコメディ”. コミックナタリー (2015年12月4日). 2016年6月20日閲覧。
  2. ^ 「久米田康治のかくしごと展」チラシ裏面”. 湯前まんが美術館 (2017年8月26日). 2017年11月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 【正直やる気なかった?】『さよなら絶望先生』の久米田康治、最新作裏話”. 講談社 (2016年4月15日). 2016年6月21日閲覧。
  4. ^ 久米田康治、名古屋で初の単独サイン会!「かくしごと」1巻発売で”. コミックナタリー (2016年5月25日). 2016年6月20日閲覧。
  5. ^ a b c 久米田康治×シャフトで「かくしごと」PV制作!神谷浩史&安済知佳が出演”. コミックナタリー (2016年6月17日). 2016年6月20日閲覧。
  6. ^ a b c d 「久しぶりに胸が高鳴った!」久米田康治『かくしごと』1巻発売&シャフト制作PV公開に大反響”. ダ・ヴィンチニュース (2016年7月7日). 2016年8月2日閲覧。
  7. ^ 「久米田康治のかくしごと展」が本日から熊本で、ネームや原画が約250点”. コミックナタリー (2017年8月26日). 2017年11月17日閲覧。
  8. ^ a b c d コミックス1巻 描き下しページより。
  9. ^ a b c d コミックス2巻 描き下しページより。
  10. ^ 木谷誠 (2016年7月15日). “シャフト制作PVに期待値MAX! 『さよなら絶望先生』久米田康治の最新作は姫がとにかく可愛い!”. ダ・ヴィンチニュース. 2016年8月2日閲覧。

関連項目[編集]