お絵かき掲示板

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お絵かき掲示板(おえかきけいじばん)は、電子掲示板の機能にペイントツールとしての機能を追加した電子掲示板である。別称、PBBSお絵かきBBS(お絵かきBBS.comと重複する可能性あり)、絵板オエビなど。

ペイントツールには、Javaアプレットを採用しているものがほとんどである。そのことにより、Java仮想マシンウェブブラウザをインストールしているパーソナルコンピュータならば、OSのプラットフォームの違いに関係なく、ほぼ同一の環境で利用することができるのが特長である。

機能[編集]

フォトショップペインターと同じビットマップ画像形式であるが、画像処理ソフトウェアと違い、ペンタブレットやマウスで直接絵を描くことを目的としている。 ほとんどがフリーウェアとして利用でき、ぼかしやレイヤー機能などを備え多機能である。機能の振り分け方やボタン配置などが優れており、利用者の中にはソフトウェアのペイントツールよりも描きやすいと評価する者もいるが、ショートカットなど、キーボードを駆使して描くことに慣れた者には少々難しいところもある。

特徴的な機能として、描画中の工程を逐一保存し、それを公開する機能などがある。これを利用することで簡単なアニメーションのように見せることもできる。

作画中に誤ってウェブブラウザを閉じてしまった場合は、その画像は一時的にセーブされており、パソコンをシャットダウンしていなければ引き続き描画が可能である(ただし一部のウェブブラウザは未対応)。また、画像の途中保存にも対応しているものもある。

保存形式はJPEGPNGなどから自動で選択される(一部の掲示板では選択が可能)。

Microsoft Paintなど外部のグラフィックソフトウェアで描いた画像を共有できるよう、画像掲示板のようにオフライン環境で保存した画像をアップロードできるようになっているものもある。

掲示板という特長を生かして、ブログのように日記として用いるものもいる。

種類[編集]

OekakiBBS
黎明期から活躍しているお絵かき掲示板。配布元のお絵かきBBS.com(旧poo site)と共に爆発的に普及した。2001年には、グラフィックソフトのようなインターフェイスと描画機能を持つVer.2が公開された。しぃペインターに対して、こちらはフォトショップよりな機能であると言われている。アプレットと掲示板CGIの配布は行われておらず、レンタルのみの提供となっている。
PaintBBS
シンプルなインターフェイス、軽快な動作が特長のお絵かきアプレット。水彩や暈し機能を搭載し、細密な描画も可能である。製作者の名前から「しぃ」とも呼ばれる。
PaintBBS NEO
インターフェイスと描画機能がPaintBBSと同じになるようにHTML5で再現。既存のお絵かき掲示板に組み込むことができる。[1]
しぃペインター
PaintBBSの後継バージョン。レイヤーが最大255枚まで使えるようになり、乗算/反転レイヤーモードなどの機能が追加された。機能を簡略化したシンプル版も用意されている。
PictureBBS
透明色の保護、レイヤー、画像から続きを描く機能などを備え、多機能お絵かきアプレットのはしりとなった。現在は開発を終了している。
BBSPainter
画像添付機能を持つテキスト掲示板へ組み込むことを前提としたアプレット。
イラストブック
FLASHで作られたお絵かきツール。HTML5版も存在。
お絵カキコ
ニコニコ大百科に付属するイラスト描画機能。ニコニコ大百科の記事内に画像を埋め込む際、これを引用することができる。
ソラマド
2010年4月のソフトウェア大型アップデートに伴いイラスト描画機能である『ソラキャンバス』を実装。ウェザーニューズの番組投稿に用いる。

問題点[編集]

Java仮想マシンウェブブラウザのバージョンアップが進むにつれて、過去に開発されたペイントツールや、開発終了したペイントツールが正常に動作しないという事態が起こりうる。 例えば、自動バージョンアップによって、JAVA仮想マシンまたはウェブブラウザのどちらかがアップデートされた後に、ペイントツールの挙動や反応速度が変わってしまうことがある。

また、リアルタイムで画像が公開されてしまうため、わいせつ画像などをアップロードされた場合の管理が大変である。

お絵かき掲示板における交流[編集]

お絵かき掲示板には、イラストを公開することよりも、それを肴にして親睦を深めるようなユーザー間での交流を重視する利用者が多い。

同じテーマの絵が連続して投稿された際には「祭り」と称して、そこに通う掲示板利用者全員が同じ対象を描くといった現象も頻繁に見受けられる。時にはリレー小説を模した「リレー漫画」などの画像と説明文を記述した連作投稿なども行われる。途中保存した絵を、別の利用者が改変できるようにパスワードを公開する「合作」や塗り絵などもよく行われる。もちろん、純粋に描画を楽しむ者も大勢いる。彼らの中には1日以上かけて絵を描く利用者もおり、単に「お絵かき」と呼ばれる水準を超えた力作も投稿される。

近年では画像のアップロード機能が搭載された事によって、お絵かき掲示板以外のペイントツールで描かれたCGが投稿されることも増えている。だが、全員が同じ環境下(描画機能)の元にどれだけ優秀な絵を描けるかと言う一点にお絵かき掲示板の価値を見るような者の中には、このような状況を好まない者も多い。

お絵かきBBS.comなどの大型サイトでは、投票制のランキング(イラストコンテスト)を設けてユーザーの切磋琢磨を促すケースも見受けられる。

特殊な利用方法としては、動画再生機能を使って自作のアニメを作る事がある。あらかじめ描いた絵を、コピーペーストを利用して動かせば、動画を再生する際にGIFアニメのような動きを見せる事も可能である。また保存した画像を書き直す機能を使って、投稿された絵を全く別物に変えて閲覧者を驚かせたりと、遊び心に富んだ使い方が利用者の間で日々発見されている。

一般的にホームページ用素材デコレーションメール・待ち受け画像などの携帯電話向け画像の投稿は、あまり歓迎されない掲示板が多い。一方でモバピクのように、QRコードや携帯電話向け画像への変換機能を持ち、モバイル向けの画像に特化したお絵かき掲示板もある。

「マウスだから下手」「短時間で仕上げたから雑」などのような自己弁護ともとれる発言を一部のサイトではマナー違反として厳しく注意している。その一方、ローカルルールの遵守を必要以上に求め過ぎる利用者のために、その掲示板全体の空気が険悪化する事が問題視される場合もある。また、特定の親しい常連同士が互いの事だけを褒め合い、身内にしか通じないオフの話題で盛り上がるといったような、排他的・閉鎖的な「馴れ合い」ムードが強まることもある。

普通の掲示板と同じく荒れる要因は様々にあるため、利用者個人がそのお絵かき掲示板のルールを守って節度ある投稿を心がける必要がある。

お絵かき掲示板は、「お絵かきーず」「お絵かきBBS.com」「お絵かきすと」「Oebit」「@PAINT」「モバピク」などのサイトからレンタル掲示板が多数提供されており設置も比較的容易な事から、パソコン初心者にも広く愛用されている。配布元では自分が管理する掲示板の宣伝スペースなども設けられ、ユーザー同士の交流を助けるのに一役買っている。

イラスト投稿コミュニティのSNStwitterに台等されるようなミニブログとそれに付随したイラスト描画サービスが登場し、そちらに流れていった利用者もいる中、現在も特定テーマの掲示板が盛況している。

脚注[編集]

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  1. ^ GitHub - funige/neo: PaintBBS NEO” (日本語). GitHub. 2018年5月25日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『ネットランナー』 2001年12月号 ソフトバンク・パブリッシング 2001年12月1日 「ポスト2ちゃんねるを探せ!」内 p.50