おかみさん 新米内儀相撲部屋奮闘記

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おかみさん 新米内儀相撲部屋奮闘記』(おかみさん しんまいおかみすもうべやふんせんき)は、小学館刊行の青年漫画雑誌「ビッグコミックオリジナル」に1990年から1999年まで連載された、相撲部屋を舞台にした漫画作品。作者は一丸。単行本全17巻。1992年度第38回小学館漫画賞青年一般部門受賞作品。

連載終了から約12年後、登場人物などを一新した続編『おかみさん平成場所 新米内儀わかばの相撲部屋奮闘記』が「ビッグコミックオリジナル」2011年11月5日号から2013年9月20日号まで連載された。第1話では本作の主人公はつ子も、同門部屋の先輩おかみとして登場している。

概要[編集]

相撲界の常識も知らずに新興の春日部屋の内儀(おかみ)となったはつ子。料理も下手、家事もぎこちなく、相撲の知識もほとんどない新米内儀ではあるが、持ち前の明るさとひたむきさで、若い力士たちと時にはケンカし、時には励まし合いながらともに部屋をもり立てていく。相撲部屋と角界を舞台にした人情マンガであり、相撲に関する知識などもちりばめられている。

主な登場人物[編集]

春日部屋[編集]

山咲 はつ子
春日部屋内儀。旧姓は田中。
物語の主人公。父・勇蔵は大学教授(工学博士)、母・みのりは専業主婦。相撲とは全く縁のない生活をしていたが、お見合いで春日親方と結婚、部屋創設後は新米内儀として、一筋縄ではいかない若い弟子たちの世話を見る。尚、連載初期は、相撲を全く知らないような描写があったが、連載中盤の父親の話で幼い頃は相撲が好きである筋の世界の息子でもあるガキ大将をコテンパンに投げ飛ばした上に、泣かせてしまい、父親がその子供の周囲にいた黒ずくめの男に殴られ、メガネを破損するというエピソードが描かれている。
性格はかなりおっちょこちょいだが、前向きで楽天家。また喜怒哀楽の感情起伏が激しい。春日部屋のアイドルでもあり、若いながら力士たちの母親代わりでもある。真面目に思い込みすぎる傾向があり、春日部屋の緩い雰囲気について批判されたり、後述の金森が期待に見合った出世をできずに停滞したりした際は、自身が内儀として力不足であるとして、力士たちにスパルタ教育を試みたり、倉品部屋(後述)の内儀に「弟子入り」を申し込んだりしたこともある。
料理(チャンコ)の腕は殺人的に下手で、連載初期には鍋にアボカドを入れるなど奇抜なメニューを作り、弟子たちにも恐れられ、春日部屋を訪れた友人たちにも酷評された。その一方、カレーライスは唯一の得意料理としているが、これは婚前に親方との出会いの場となったバイト先の喫茶店でレシピを教わった。
容姿が幼いため、春日親方と並んだ際に夫婦ではなく父娘に間違われる描写が多かった。
連載開始時は20歳。物語終盤で長男・力(ちから)を出産。
春日親方(かすがおやかた)
春日部屋師匠。本名は山咲一雄。
大分県出身。現役時代の四股名は山風、最高位は関脇で倉品部屋所属。はつ子と交際していた時期に幕内優勝を遂げ、まもなく結婚。大関横綱もねらえる器と評されたが、腰の痛みが原因で引退し、年寄・春日を襲名、それから間もなく独立し部屋を興す。厳格で口数が少なく、相撲道に対しては真剣そのもの。時折含蓄に富んだコメントを発する。連載開始時は30歳、年齢に見合わず頭髪が薄いことにコンプレックスを抱いているような描写も多々ある。普段は泰然自若と構えているが、花嵐が優勝争いに絡んだ際や、はつ子の出産の際には、慌てる姿が見られた。また、咸臨丸及び逆波(いずれも後述)が十両昇進を目前にプレッシャー過剰に陥った際は両者を笑顔で激励したり、上述のようにはつ子が金森の出世について気に病み思い詰めた際は豪快に笑いつつも理路整然とした説明ではつ子を安心させたりする温かい側面もある。その他、元兄弟子が経営するちゃんこ料理店を訪れた際は、同僚と折り合いが悪く孤立している従業員の青年を目の当たりにし、その青年に店外で声をかけ自身の経験を交えて激励したり、床丸(後述)の孫・薫が床山志望を撤回して床丸を憤慨させた際は、薫を自室に呼び出して本心を語るように諭すなど、困っている人物に歩み寄ることを厭わない性格である。
春日部屋の力士及びはつ子を含めた大半の人物には「親方」と呼ばれているが、三重親方(後述)などの親しい人物には「山ちゃん」と、はつ子の父には「一雄君」と、はつ子の母には「一雄さん」と、それぞれ呼ばれている。
外見のモデルは元プロレスラーの山崎一夫
夏木(なつき) → 花嵐(はなあらし)
春日部屋所属力士(連載開始時:幕下13枚目→最高位:関脇→連載終了時:前頭)。
部屋頭。大分県出身。春日親方の倉品部屋時代からの弟弟子。新興春日部屋では最初の関取(十両)となる。本名は夏木(十両昇進前は四股名も夏木)。十両昇進を機に、はつ子に四股名の命名を依頼する。親方の姓「山咲」からの「花」の連想と現役時代の四股名「山風」を組み合わせて「花嵐」となる(実在の元大相撲力士とは無関係)。
部屋頭であると同時に、部屋一番のイケメン(ただし若干髪が後退しているため、モト夏樹と呼ばれている)で、派手好き女好き。女性にモテる性質がある一方、嫉妬深さも持ち合わせ、初音が入院した際に入院先の病院の看護師との親密なやり取りに嫉妬する一面もあった。幸子(後述)とは中学時代から交際して、後に結婚。連載終盤では、女児に恵まれ親バカな面も見せた。そっぷ型体型の技巧派力士で、必殺技は花嵐ローリングスペシャル(要は居反り)。新弟子時代の回想シーンの妻との会話によると入門前はケンカが強かったらしい。床丸の作中における証言によると、17歳入門した当初は著しく軽量で下痢体質だったため、兄弟子に「ヒョロピー」と呼ばれていたという。
高田(たかだ) → 逆波(さかなみ)
春日部屋所属力士(連載開始時:幕下43枚目→連載終了時:大関)。
青森県出身。本名は高田信夫(十両昇進前は四股名も高田)。身長176㎝。春日親方の倉品部屋時代からの弟弟子。同期生の夏木が花嵐の四股名をつけてもらったのを見て同様にはつ子に命名を依頼する。口数が少なく(初期には多弁な一面も見受けられた)、無愛想な性格。そのため倉品部屋時代は兄弟子達にいじめられ、春日部屋移籍後も自身が関取になる以前には、先に関取に昇進した花嵐に痛めつけられていた。後輩イジメとプロレスが趣味。そのため角界内外からは評判が悪く、他の部屋の力士達からは陰口をさんざん叩かれている上にファンも少ない。特に向上心がいまいち感じられない桜丸に厳しく当たるが、他の弟子たちが桜丸の書いたファンレターの返事(逆波の悪口が書いてある)を勝手に読んでいたのを「失礼だろう」と嗜めたり、幕下優勝寸前まで来た咸臨丸のために、他の優勝候補力士に勝利することで援護射撃を試みるなど、男らしい義侠心の持ち主でもある。幼少時から祖父に育てられたため、お年寄りに対しては尋常ならざる気遣いを見せる。あんこ型で押し相撲一本の、不器用な力士ではあるが、集中力は人一倍あり、相撲以外のことを考えられなくなることすらある。最終話で大関に昇進、親方の現役時代の地位を越え、部屋の出世頭となる。宿命のライバル・喜屋武の妹、安奈とは清すぎる交際を続けていたが、最終巻の中で一夜を共にしたのではないかと暗示させる場面が描かれている。
咸臨丸(かんりんまる)
春日部屋所属力士(連載開始時:幕下23枚目→最高位:幕内→連載終了時:十両)。
イタリア出身。本名のファースト・ネームはアントニオ。元サッカー選手の伯父が経営する東京のレストランに遊びに来ていたところを春日部屋の後援会長にスカウトされる。公害のように大きな笑い声の持ち主という設定だがその描写は連載初期と終盤に数回見受けられるのみである。逆波と同時に十両に昇進し、のちに幕内にも在位。膝を負傷して酷く落胆した際には引退も考えたが、上述の伯父が咸臨丸の気の迷いを見抜き励ました結果、再起に至った。作中ではつ子が作ったちゃんこを喜んで食べる数少ない人物。引退後は年寄として協会に残るのではなく、故郷のソレントへ戻ることを考えている。ちなみに実際の大相撲では現在までイタリア出身の力士はいない。
床丸(とこまる)
春日部屋所属の床山
本名は丸山(ファーストネームは不明)。特徴は小さな体と禿頭、牛乳瓶底のような眼鏡。定年(65歳)をゆうに越えていると見られる要望ながら、現役で春日部屋所属力士の髪を結う活発な老人。はつ子や若い力士たちに対して、時折人生訓・相撲道に対するアドバイスを行う。孫の薫を床山にして自分の跡を継がせ、自身は退職する方向に話が進んだこともあるが、直後に薫が行司を志望(作中で薫は当初力士志願だったものの、身長が新弟子検査の合格基準に届かず断念。別の形で土俵に上がりたいという主張をした。)している旨を知った際には憤慨したものの、最終的には薫の主張を認め、以降も現役で髷を結い続ける。 家族について、作中には薫以外登場しないが、はつ子及び逆波のセリフ(連載初期)によると「曾孫までいる」とのこと。
道灌山(どうかんやま)
春日部屋所属力士(三段目23枚目→最高位十両→廃業)。
東京都文京区出身。本名は作中で明かされていない。四股名は住んでいた地名から。第一話では地方出身を伺わせるような描写がある。部屋で一番大柄のあんこ型力士。花嵐・咸臨丸・逆波に続く実力を持っていたが、肝心な時期に怪我に泣かされる不運が重なり、初音(後述)に先を越される。都会っ子らしくドライな性格で、幕下上位で十両が見え始めた頃、あっさり引退を決めるが、はつ子の説得により撤回、直後に相撲に強みを増し十両昇進を決定させる。しかしその時点で既に負傷や加齢を理由に心が折れ、十両下位で膝に致命傷を負い、2勝13敗の大敗を喫し幕下陥落が確定した直後に引退した。 幕内にも昇進できず、十両にも長くは在位できなかったが弟弟子(特に、後述の西村)には慕われた。引退後はチャンコ料理屋に就職。
高崎山(たかさきやま)
春日部屋所属力士(三段目→廃業)、マネージャー。
大分県出身。本名は臼木慶二郎。四股名の由来は大分県大分市別府市の境界ある同名の山と見られる。サルのような風貌(自身も自覚している)で、明るい性格で弟子同士の宥め役を務めたり、しゃべり・歌のうまさを活かし部屋の宴会部長を務めたりする。しかし早い段階で自分の実力の限界を悟り、20代半ばで引退を決意。はつ子や近所の幼稚園の子供たちに励まされて一度は続投の意思を示したものの、26歳で引退。最高位は三段目7枚目。引退後は春日親方の要望により、部屋付きのマネージャーに就任、事務・来客対応・スカウトなどの仕事に励み、第二の人生を歩む。近所の幼稚園で知り合ったシングルマザーの女性と結婚。
力士として出世はしなかったがそれなりに腕っ節は強く、引退後、後述の谷をスカウトに大分まで赴いた際、谷が刃物を持ったチーマー5人を相手に喧嘩をしようとした所を止めに入り、直後に襲い掛かってきたチーマー全員を一人で叩きのめしてしまい、駆けつけた警官を困惑させた。更には、スカウト中に立ち寄ったパチンコ店フリーランス悪党を称する青年と意気投合した際には、その後同伴した居酒屋腕相撲勝負を申し込み、見事に勝利して青年を唖然とさせた。
真弓(まゆみ)
春日部屋所属力士(序二段→廃業)。
本名は真弓孝一。入門前からの親友・堂堂力と並ぶ春日部屋のいたずら者だったが、実父がで他界した直後、実家の酒屋を継ぐために角界を去り、春日部屋最初の引退力士となった。通常は力士が引退する際は断髪式が執り行われるが、真弓は春日部屋への未練を断ち切るべく断髪式の段取りがなされる前に無断で理髪店に赴き髷を切って、はつ子や堂堂力を狼狽させた。引退後も堂堂力の成績を常に気にかけており、時折部屋を訪れ様子を見に来る。実父の葬儀を終え引退の挨拶を兼ねて部屋に戻った際には、部屋の力士に怪獣のフィギュアを「自慢のコレクション」としてプレゼントしているが、他にもキャラクター物のフィギアを集めていた模様。また、引退の直前には、深夜の国技館に侵入し、前掛けを化粧まわしに、桜丸を太刀持ちに、堂堂力を露払いに、それぞれ見立てて横綱土俵入りの真似事をした。その時に撮影した写真を記念品として受け取り、帰郷の電車内で涙を流した。
堂堂力(どうどうりき)
春日部屋所属力士(三段目→幕下→廃業)。
本名は高橋(ファーストネームは不明)。いたずら好きで部屋のムードメーカー的存在。しかし肝心の相撲は、三段目上位~幕下下位まで昇進した時点で満足してしまい、向上心が伺えず、稽古も身に入っていなかった。この点を真弓や春日親方に指摘される描写も多々見られ、耳の痛い指摘に逆ギレすることも多かった。新弟子からも兄貴分として慕われていたが、結局幕下下位を乗り越えられず、連載終盤で引退。臼木の下でマネージャー業の研修に励む。
初音(はつね)
春日部屋所属力士(序二段→十両)。
和歌山県出身。本名は鈴木浩(弘)。ギョロ目と公家のような眉が特徴。関取になるまで帰郷しないと決心し、ずっと両親と会わずにいた。幼い頃から憧れていたベテラン力士・藤ノ川(実在の同名力士とは無関係)に勝ち、部屋で4人目の十両昇進を果たす(藤ノ川はこの相撲の後引退)し、作内で唯一、兄弟子達の地位を追い越し関取になった力士。昇進後、兄弟子・同期の幕下力士から距離を置かれ(角界では十両以上と幕下以下では天と地ほど待遇が違う)疎外感を味わうが、臼木に励まされる。怪我をして入院した際に看護師と親密になり、以降交際を継続。連載初期、名古屋場所の宿舎の寺院を舞台に部屋の一同で肝試しをする回では「オカルトマニア」と言う一面もあった。
桜丸(さくらまる)
春日部屋所属力士(三段目→幕下(連載中に繰り返す))。
大阪府出身。本名は桜田(ファーストネームは不明)。明るいお調子者だが泣き虫で、些細なことでも大騒ぎするなど、感情表現が何事も大げさでいじられやすいキャラクター(からかわれるとすぐ泣く)。もち肌で柔軟な体の持ち主で、逆波からしょっちゅうプロレス技をかけられ泣かされているが、桜丸自身は逆波を慕っている。当初は天性の体の柔軟性を生かせず、逆波の押し相撲の真似をしようとして伸び悩んだ。上述の通り泣き虫であることに加え、出世願望が低い消極的な性格ゆえに、逆波のみならず他の部屋の力士からもいじめの標的とされたり、春日親方や床丸に叱責されたりしている。独自の四つ相撲に転向してからは、大竹(後述)との同部屋決戦を制して三段目全勝優勝も経験。酒に酔うと人格が変わる。
佐藤(さとう)
春日部屋所属力士(序の口→幕下)。
本名は佐藤敏雄。連載開始時には入門して間もない新弟子で、髷がなかったが、大竹(後述)の入門直前に初めて髷を結った。少年時代から劣等感が強く、内気で消極的な性格が災いし、稽古でもカマボコ(稽古に加わらず壁に張り付いている弟子)になっていることが多く、桜丸同様にいじめの標的にされている。兄は一流企業の課長を勤める東大卒のエリートで、弟に相撲界入りを勧めた張本人だが、その後弟の内向的な性格では出世できないと判断し、海外赴任を前に引退させようと親方に交渉。しかし佐藤本人のやる気により現役を続行する。 その劣等感ゆえに、床丸の女友達の前で自殺をほのめかす発言をしたこともあり、その際にはその女性に強く叱責され、涙ながらに思い直した。
大竹(おおたけ) → 鯉昇(こいのぼり)
春日部屋所属力士(序の口→幕下)。
高知県出身。本名は大竹美男。愛称は「タケ」。ごつい顔にニキビ面なので「ジャガイモ」と呼ばれることも。単行本2巻で初登場時は中学生。全国中学選手権3位の実力だが、部屋見学で自分より格下と思っていた佐藤との稽古でプロの厳しさを実感。卒業後、春日部屋に入門。負けず嫌いな性格で闘争心は人一倍。三段目で全勝し、桜丸と同部屋決戦を行ったこともある。連載終盤、近所の保育園鯉のぼり設置作業を手伝った際に、鯉が滝に昇って龍となる中国の故事を聞き、それに基づいて四股名「鯉昇」を名乗る。父親が事業で成功して以降は裕福な家庭環境で過ごしていたが、それ以前の本人が幼い頃は生活費にも事欠くほど貧しい家庭環境だったとされる。 本人は、幼い頃に貧しさに立ち向かい工事現場などで我武者羅に働く父親の姿を尊敬していた一方、事業に成功して以降、裕福さを主張しつつ自身に構おうとする父親に強い嫌悪を示していた。入門後間もない頃に両親が部屋を訪れた際には、父親のその行状に激怒したことを春日親方に咎められたものの、春日親方もはつ子も大竹の心境を理解していたため、最終的に父親からも理解を得られ和解に至った。初めてマゲを結った際には、部屋の兄弟子たちから「コンパチ(デコピン)」を受け祝儀を貰い、更には床丸のアドバイスで部屋周辺の商店街を回り同様の儀式を受け、その祝儀を母校の相撲部に寄付した。上記の事情もあり、兄弟子の中でも佐藤には特に頭が上がらない描写がある。
安室(あむろ)
春日部屋所属力士(序の口→幕下)。
東京都出身。本名は安室翔。単行本6巻で初登場時は中学生。部屋見学でボンナカ(新弟子にわざと負けて調子に乗らせること)を行われ、自尊心を傷つけられるが、自分も弟弟子に同じ屈辱を味わわせるのだと言って入門。実家は焼肉屋。普段はお調子者で目立ちたがり屋な性格だが、案外繊細なところもあり、重要な局面では緊張してすぐ下痢気味になる。幕下上位まで早く達したが、十両への道は遠い。
谷(たに)
春日部屋所属力士(序の口→幕下)。
大分県出身。本名は谷恵一。単行本7巻で初登場時は中学生でマネージャーに転身した臼木(元高崎山)にとっては中学の後輩に当たり、親方、夏木にとっても同郷の後輩に当たる。子供の頃から体が大きかったが性格は内気だった。小学校高学年の時期には、地元の不良に体格のことでからかわれ、それに抗するうちに次第に素行が悪くなったと言い、初登場時はヒゲを生やした厳つい風貌で、喧嘩に明け暮れる日々を過ごし、地元では有名な不良だった。臼木とはつ子のスカウトにより入門。入門後はむしろ控えめな性格となり、お調子者の安室をたしなめる場面が多い。ただしたまに激情家・寂しがりの側面が出ることもあり、「実母に会いたくなった」ことを理由に「探さないでください」という置手紙をして部屋を脱走し、東京駅ではつ子に発見された後も、頭を総髪からモヒカンにしたり窃盗行為に及んだりして、はつ子の手を煩わせた。この時ははつ子に本音を打ち明けたところ、はつ子は谷を信用して帰省を認めたが、本人の意思により即日に帰参。部屋に戻った際にはスキンヘッドになっていた。取組もケンカ戦法の延長であまり頭を使わないため、地位は伸び悩んでいる。因みに、髪は癖があるようでマゲが結えるようになる前には一時期、「マッシュルームカット(安室曰く)」になっていた時期もあった。
西川(にしかわ)
春日部屋の入門者
春日部屋初の大学相撲部出身者。「部員が3人しかいない」相撲部出身で実績も幕下付出の基準を満たしていなかったため、安室や谷と同期で前相撲から出発する必要があった。年齢制限寸前で周囲の反対を押し切って入門した。細身の体形で体重が合格基準に足りなかったため、春日部屋滞在中に大量の飲食を試みたり、検査直前まで水を飲んだりして増量に励んだが、結局新弟子検査を合格できず部屋を去る。
金森(かなもり)
春日部屋所属力士(序の口→三段目→廃業)。
東京都出身。本名は金森勝也。単行本10巻で初登場時は高校生。母子家庭で育ち、全国中学選手権優勝、高校1年で全国大会制覇、2年で国体優勝の逸材(優勝時高校生であり、またその年に入門していないため幕下付出資格はない)。倉品部屋への入門が半ば決まっていたが、はつ子のドジな仕事姿に魅力を見出したとして、急遽春日部屋に入門先を変更。鈍感でふてぶてしい性格から兄弟子に対しても物怖じしないが、逆に後輩からも物怖じされていない。将来を嘱望された部屋期待の星だったが、椎間板ヘルニアを発症して自身の取り口が発揮できないのは本末転倒として、自ら引退を決断。引退後間もなく、母の紹介により一般企業に就職。直後の正月に春日部屋を訪れ、高校の後輩たちを指導する描写もあった。
佐伯(さえき)
春日部屋所属力士(序の口→三段目)。
本名は佐伯望。単行本11巻で初登場時は中学生。身長195㎝の長身。逆波のファンと公言し、自ら付け人を志願した変わり者。人を小馬鹿にしたようなにやけた笑い顔が特徴。逆波にしこたま殴られても、へこたれず言い返す図太い神経の持ち主で、作中でもほとんど感情を表に出さず無表情に近い容姿に描かれている事が多い。幼少時に両親が離婚し父親に引き取られ、母親は別の男性と再婚したが、その母親を思う一面もあり、体験入門の際は実父の再婚に反発すべく家出をする形で春日部屋に押し掛けた。新弟子時代にも、再会した母親から貰ったとするお守りを大竹及び安室に隠されて、怒りを露わにする場面が描かれている。
平山(ひらやま)。
春日部屋所属力士(序の口→序二段)
本名は平山洋一。単行本12巻で初登場時は中学生。あだ名は「ヒラメ」。自分が負けた際、同期の佐伯・西村も負けたのを喜んでいたところをはつ子に注意される。
幼少の頃は少食で、学校の給食の時間が苦痛だったと述懐している。
西村(にしむら)。
春日部屋所属力士(序の口→序二段)
本名は西村透。単行本12巻で初登場時は中学生。太い眉毛とドングリ眼が特徴で、あだ名も「ドングリ」。引退間際の道灌山の付け人となり、一番一番命を賭けた相撲のすごみを教えられ、前相撲で一番も勝てずに落ち込み、スカシを試みる程だったたが、道灌山の説得と激励により続行に意欲を見せる。
玉置(たまおき)
春日部屋所属力士(序の口→序二段)。
本名は玉置洋。単行本13巻で初登場時は中学生。愛称は「タマ」。
思考力・動作が鈍く、おっとりした風貌・性格で、春日部屋に体験入門をした際には他の入門志望者4人にその鈍さを咎め立てられたことで一悶着が起き、その4人が前途多難を感じ入門を取り止めて春日部屋を去る事態に陥ったが、唯一春日部屋に残留し、正式に入門したように、相撲好き・稽古好きという点に関しては部屋でも一二を争う。また、おかみさんであるはつ子のことが大好きであり、告白しようとして安室及び谷に咎められたこともある。 春日親方は玉置の潜在能力を高く評価し、上述の体験入門者同士の悶着が起きた際に、部屋を去った4人については切り捨てる発言をした一方で、玉置が残留したことについては非常に喜んでいた。
柳(やなぎ)
春日部屋所属力士(序の口→最高位:幕下→三段目)。
本名は柳貴政。単行本14巻で初登場時は高校生。身長170㎝・体重80㎏前後。
高校時代は相撲部がないため柔道部に所属し、かなりの成績を上げていた。身長・体重ともに部屋では最も小兵であるが部屋きっての理論派で、栄養学・相撲の技術・トレーニング法・過去の取組の知識などにかけては誰にも引けを取らない相撲マニアで、入門前から殆どの相撲中継をビデオに録画し保存し、それらを入門の際にも部屋に持参した。兄弟子であろうと無愛想で小馬鹿にした口調を取るため生意気に思われがちで、人の短所も科学的に指摘することは他の力士たちからはあまり良く思われていない。特に佐伯とは犬猿の仲で、自腹で購入したプロテインの粉末を隠されたり、身体の小ささを嘲られる発言をされたりして取っ組み合いになったこともある。 春日部屋の力士たちには煙たがられる一方、同じく小兵の関取である前の海に気に入られ、自宅に招かれて技術的なアドバイスを受けたこともある。

倉品部屋[編集]

三重親方(みえおやかた)
倉品部屋の親方。現役時代は元横綱・龍王。春日親方とは同期入門。
本名は友永晃。妻・由利香は先代親方の娘。いわゆる不良中年(ちょい悪オヤジ)で酒・ゴルフなど趣味は多彩。春日親方とは現役時代から地位を越えた友情がある。また、はつ子の面白い性格を気に入り、しょっちゅうオモチャにしている。一方、協会理事(審判部長)として咸臨丸と逆波の十両昇進を伝え、逆波には電話越しに直接昇進を伝え、激励の言葉を掛けている。
友永 由利香(ともなが ゆりか)
倉品部屋の内儀。三重親方の妻。先代の娘。
国立大卒で水泳で国体出場経験を持つ文武両道の才媛。茶道華道料理の腕も一品で、相撲にも精通した美人内儀。何事にも完璧主義で表向きにははつ子とも良好な関係を保つが、破天荒なはつ子に奇妙なライバル意識を持ち、助言にかこつけた嫌みを言うときも。かつては山風(春日親方)に恋心を抱いていたらしい。
喜屋武 猛(きゃん たける)
倉品部屋所属力士(初登場時幕下→前頭)
沖縄県出身。倉品部屋期待のホープ。ソップ型のイケメンで酷薄な性格。出稽古に来た春日部屋の力士を何人も怪我させた壊し屋。病気の妹・安奈の手術代のためにがむしゃらに強くなろうとしていた。逆波との対戦後徐々に人間味を取り戻す。相撲の実力も相当なもので、由利香からは将来横綱になると太鼓判を押されている。合理主義の一方で安奈の利得に結びつく依頼は一切拒否をせず、佐伯の依頼に応じて安奈に大関昇進がかかった逆波の相撲を観戦させたこともある。また、シスコンと見られる発言も多く、が入ったときは特に顕著になる。

その他[編集]

幸子(さちこ)
花嵐の妻・旧姓は今井。
大分県出身。夏木(花嵐)の幼なじみで、夏木が中学生のころから交際を続け、倉品部屋に入門した際には一緒に上京。夏木との交際を中断してヒモ体質の男性に貢いでいた時期もあったが最終的に結婚し、後に女児を出産。婚前は美容師として働いていた。
喜屋武 安奈(きゃん あんな)
喜屋武 猛の妹。
白肌の美少女。病弱なため東京で入院していた。逆波との対戦をきっかけに兄の性格が明るくなったことから、逆波に興味を抱く。その後、逆波と幾度かのデートを重ねるが清い交際のまま進展しない。兄・猛の証言によると、高校1年次には学業成績が優良だったにもかかわらず、病欠の多さ故に留年を余儀なくされたという。
清水(しみず)
春日部屋の近所に独居する高齢者で、毎日熱心に朝稽古を見学していた。しかし末期ガンに侵されており、逆波の相撲を何よりの生き甲斐として気力を保っている状態だった。自宅アパートで倒れた際は安否を気遣い訪れた春日部屋の力士に発見され一命をとりとめた。しかしその数日後に、十両で優勝争いのトップに位置していた逆波の相撲を国技館で観戦した際に再び倒れ、以降危篤状態になった。清水が余命幾何もないことを認識した逆波は、清水の期待に報いるべくその後も連勝を続け、最終的に十両で全勝優勝。その千秋楽・喜屋武戦の勝利を見届けた直後に逝去した。

相撲部屋内での暴力描写[編集]

2007年9月に実在の日本相撲協会時津風部屋力士暴行死事件が明るみになり、マスコミで相撲部屋内での暴行・いじめが大きく取り上げられる前の作品であり、作中においても稽古・指導の範疇を超えた暴力行為や、それらを肯定する登場人物の発言が散見される(特に、連載初期)。具体的な描写には、次のようなものがある。

  • 花嵐が十両に昇進した直後、幕下に留まっていた逆波に対する過剰な雑用強要・対応が遅いことに対し物を投げつけるなどの制裁を与える行為。
  • 逆波が桜丸の娯楽用具(ウォークマン)を故意に踏みつぶす行為。
  • 新弟子検査の身長測定で不正を試みようとした柳に対し、花嵐・大竹・安室らがそれを咎め立てる建前の下、頭部を鉄拳で繰り返し殴る行為。(実際の意図は、頭部に瘤を作ることで身長を高くすることにあった。)