あめりか物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

あめりか物語』(あめりかものがたり)は、永井荷風の小説集。1908年8月9日、博文館刊行。

「船房夜話」、「野路の帰り」(のち「牧場の道」と改題)、「岡の上」、「酔美人」、「長髪」、「春と秋」、「雪のやどり」、「林間」、「悪友」、「旧恨」、「寝覚め」、「一月一日」、「暁」、「市俄古の二日」、「夏の海」、「夜半の酒場」、「落葉」、「夜の女」、「支那街の記」、「夜あるき」、「六月の夜の夢」のあわせて21篇の短編小説と、付録としてこれも短編の「船と車」、「ローマン河のほとり」、「秋の巷」のあわせて3篇をおさめる。

概要[編集]

作者の横浜正金銀行員としてアメリカ合衆国ニューヨークに在勤していた間に、執筆し、フランスにわたったのちに、リヨンの下宿でまとめ、日本に寄せたものである[1]自然主義がとなえられはじめさかんであったときに、外国での生活をえがいた本書は、題材的に清新にうつり[2]、当時のいわゆる平面描写ふうの作品に対して、若々しい詩情にあふれた、感覚的でリズミカルな香り高い文章は、ひとびとを魅了させずにはおかなかった。

谷崎潤一郎の『青春物語』によれば、彼が文壇に進出することができず悩んでいた時期に読んで、感銘を受けた本であり[3]、谷崎が荷風を私淑するきっかけとなった本とされる。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 永井荷風「書かでもの記」『荷風随筆集 下』野口冨士男岩波書店、1986年、84頁。
  2. ^ 竹盛天雄「永井荷風」『国史大辞典』小学館
  3. ^ 谷崎潤一郎『青春物語』中央公論社、1938年、29頁。

外部リンク[編集]

あめりか物語』 - 国立国会図書館デジタルコレクション