あばれはっちゃく
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『あばれはっちゃく』は、児童文学者・山中恒の小説。読売新聞社(現:読売新聞東京本社)発行の子供版読売新聞で1970年から1971年にかけて連載され、1979年 - 1985年にはテレビ朝日系列で毎週土曜日にテレビドラマが放送された。
主人公 [編集]
桜間長太郎(さくらま ちょうたろう、通称・あばれはっちゃく)という「ガキ大将」が主人公。
美玉市立第1小学校5年生。父親は昔風の大工、母親は人情派。姉のてるほは小学校2年生までは出べそだったが、中学1年の現在はつんつんしている。沢田公一という親友がいる。
正義派のガキ大将で、悪い大人を挫き、弱い大人を助ける、任侠の精神の持ち主である。勉強は出来ないが、ひらめきは最高。大人をやっつける戦術も、ひらめきで得る。
長太郎のイメージは原作では「ずんぐりむっくり」とあるが、『俺はあばれはっちゃく』では痩せ型で長足の吉田友紀を登用している。
書誌情報[編集]
- 山中恒児童よみもの選集
- あばれはっちゃく上(1977年)
- あばれはっちゃく下(1977年)
- 山中恒よみもの文庫
- あばれはっちゃく(1996年)
テレビドラマ [編集]
シリーズ作品[編集]
- 『俺はあばれはっちゃく』(1979年2月3日 - 1980年3月8日、全56話)
- 『男!あばれはっちゃく』(1980年3月22日 - 1982年3月27日、全102話)
- 『熱血あばれはっちゃく』(1982年4月10日 - 1983年3月26日、全49話)
- 『痛快あばれはっちゃく』(1983年4月2日 - 1985年2月23日、全93話)
- 『逆転あばれはっちゃく』(1985年3月2日 - 9月21日、全27話)
スペシャル[編集]
- 『俺は男だ!あばれはっちゃく』(1982年1月2日)
- 『男三人!あばれはっちゃく』(1982年4月3日)
放送時間[編集]
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- テレビ朝日:土曜 19:30 - 20:00
- 青森放送:土曜 17:00 - 17:30(放送当時は日本テレビ系とのクロスネット)
- 山形テレビ:日曜 6:00 - 6:30(1982年7月の時点では『男!あばれはっちゃく』を放送)[2]。
- 福島中央テレビ:木曜 17:00 - 17:30(放送当時は日本テレビ系とのクロスネット。1979年5月から放送されたが、1980年10月(『男!あばれはっちゃく』の途中)で終了した。その後、テレビ朝日系列の福島放送が1981年10月に開局。福島放送では、サービス放送中の1981年9月から同時ネットで放送された[3]。)
- 石川テレビ:月曜 19:00 - 19:30[4]
- 福井テレビ:水曜 17:25 - 17:55[5]
- 静岡けんみんテレビ(現:静岡朝日テレビ):木曜 18:00 - 18:30→土曜 19:30 - 20:00(日本テレビ系とのクロスネットだった1979年6月までは土曜19時台後半は日本テレビの同時ネット枠[6]だったため、遅れネットで放送されていた。
- 朝日放送(ABCテレビ):土曜 18:00 - 18:30(後期は17:55 - 18:25)(先行スポンサードネット。本来の放送時間に『部長刑事』を放送していた関係による)。
- 広島ホームテレビ:原則土曜 19:30 - 20:00(プロ野球広島東洋カープ主催ゲームの中継をこの時間に放送した際、平日の夕方枠などでの遅れネットとなっていた。)
- 山口放送:日曜 10時台[7](放送当時は日本テレビ系とのクロスネット)
- 南海放送:月曜 17:30 - 18:00
- 長崎放送:木曜 16:50 - 17:20→水曜 17:20 - 17:50[8]
- テレビ大分:日曜 18:00 - 18:30[9](放送当時はフジテレビ系列をメインとする3系列クロスネット局)
- テレビ宮崎:木曜 19:00 - 19:30(フジテレビ系列をメインとする3系列クロスネット局)
日本テレビ系列をメインネットとするクロスネット局(青森放送、福島中央テレビ、静岡けんみんテレビ、山口放送)の場合、この時間帯は日本テレビ系列の同時スポンサードネット枠(後楽園球場からのプロ野球中継等)だったため、いずれも遅れネットで放送していた。
概要[編集]
16ミリフィルム実写によるテレビドラマで、様々な家庭・学校問題を描いた。
番組の最初に40秒ほどのショートストーリードラマがあり(これが本編の枕になることも)、それをバックに「俺は桜間長太郎」で始まる毎回定型の自己紹介があり、ここで「あばれはっちゃく」の言葉の意味も説明されていた。このドラマは長太郎本人のみで演じられており、最後にドジを踏む形でオチがつく。これに続けて、オープニング曲「タンゴ!むりすんな」が流れる(第5シリーズを除く)。
サブタイトルの後ろに"マル秘作戦"(タイトル表示は㋪作戦。新聞の番組表ではこの表記のものもあれば㊙のものもあった)を付けるのが本作の定番でもあり、家族構成は長太郎を中心に、父・母・兄(もしくは姉)に犬を加えたものであった。
ほぼ毎回のように、東野英心演じる父親が「このぉバッキッヤロー!」と言いながら息子を張り飛ばした後、「てめぇの馬鹿さ加減にはなぁ、父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁ」と言うシーンが特徴(第5シリーズを除く)。
母親は長太郎の一番の良き理解者であるが、本当に怒った時は「あんたの馬鹿さ加減には、母ちゃん情けなくて涙も出てこないわ」と言う。また、第1シリーズでは専業主婦、第2シリーズ以降は理容室や洋裁店、クリーニング店などの自営業である。
兄はガリ勉で大人しかったりと、長太郎とは対照的なキャラクターで、姉はクールだが長太郎と対抗できる活発的な優等生タイプで両親からひいきされている。
問題に出くわすと、長太郎は倒立やブリッジや座禅など代によって異なるアクションをとりながら、「ひらめけーひらめけー」「はっちゃけーはっちゃけー」など代によって異なるフレーズを口にしつつ考え、ひらめきを得る。特に4代目、5代目では「ひらめいた!」「はっちゃけた!」と言った際に、画面の上部端に、電球が光っているアニメーションが合成された。このスタイルを始めた頃は、倒立して思案中何も言わず、最後に「ひらめいた!」と発するだけであった。
シリーズが進むと、初代長太郎役(吉田友紀)や姉のてるほ役(島田歌穂)といった主役・準主役級だった人物が別名で出演することがあった。兄のライバル役、てるほの場合は歌手役、さらには初代長太郎が「レスリングを教えてくれる近所のお兄さん」といった役回りであった。
外で喧嘩をしていたら、そこに必ず山内賢演ずる長太郎のクラスの担任が通りがかって仲裁に入る。いかなるトラブルも最後には丸く解決する。
漫画家Moo.念平は「あまいぞ!男吾」について、あばれはっちゃくをモデルに描いたと述べている。
5代目長太郎・酒井一圭では、相当数のスタッフを入れ替えると共に、「父ちゃん」の呼称を「父さん」に変え、初代以来のオープニングソングを改めるなどさらなるイメージチェンジに踏みこんだが、放送期間は半年ほどとなり、第1作の放送開始から6年8カ月をもって本シリーズも終了となった。
出演者[編集]
歴代の桜間長太郎[編集]
桜間長太郎の親族[編集]
- 父親・長治(父ちゃん):東野英心
- 母親・和子(母ちゃん):久里千春
- 姉・てるほ:島田歌穂(第1シリーズのみ)
- 兄・信一郎:須田庄治(第2シリーズのみ)
- 兄・修一郎:中嶋洋行(第3シリーズのみ)
- 兄・賢一郎:竹花誠(第4シリーズのみ)
- 姉・カオル:今井りえ(第5シリーズのみ)
歴代ヒロイン[編集]
- 宮村ひとみ:早瀬優香子(第1シリーズのみ)
- 大島みゆき:鈴木輝江(第2シリーズのみ)
- 松山あけみ:浜村砂里(第3シリーズのみ)
- 春日まゆみ:水沢真子(第4シリーズのみ)
- 花村あかね:浅見奈生(第5シリーズのみ)
桜間長太郎の友人[編集]
- 沢田公一:妹尾潤(第1シリーズのみ)
- 松岡恵子:岡田ゆり(第1シリーズのみ)
- 秋山小百合:大平佳奈子(第1シリーズのみ)
- 小川明子:小宮山京子(第1シリーズのみ)
- 古川洋一:大場利明(第2シリーズ・34話まで)
- 立花弘子:戸川絵夢(第2シリーズ・52話まで)
- 秋山和美:伊藤月子(第2シリーズ・52話まで)
- 加納章:阿部行雄(第2シリーズ・35話以降)
- 小川マリ子:吉田未保(第2シリーズ・53話以降)
- 木村悦子:平川優子(第2シリーズ・53話以降)
- 水島実:山住高広(第3シリーズのみ)
- 坂口みどり: 浅井星光(浅井星美)(第3シリーズのみ)
- 三好清:斉藤芳之(第4シリーズのみ)
- 山下トオル:安西まこと(第5シリーズのみ)
桜間長太郎のライバル[編集]
- 吉井正彦:草間光行(第1シリーズのみ)
- 吉川茂:葺本光秀(第1シリーズ・5話のみ)
- 佐藤邦彦:長野昇一(第2シリーズ・52話まで)
- 江藤克彦:織田真早彦(第2シリーズ・53話以降)
- 井上輝彦:小池満敏(第3シリーズのみ)
- 飯田信彦:草間忠宏(第4シリーズのみ)
- 高田秀彦:阪田智彦(第5シリーズのみ)
桜間長太郎の担任[編集]
全て山内賢が演じている。
- 佐々木信二郎[10](第1シリーズ)
- 寺山健一郎(第2シリーズ)
- 堀内圭介(第3シリーズ)
- 広田(第4シリーズ)
- 山西(第5シリーズ)
桜間長太郎が飼っている犬[編集]
- 初代ドン平:ラブラドール・レトリバー[11](第1・第2・第3シリーズ)
- 2代目ドン平:ラブラドール・レトリバー(第4シリーズ)
- ドン次郎:柴犬(第5シリーズ)
桜間長太郎の周囲の人々[編集]
- 吉井正雄:頭師孝雄(第1シリーズのみ)
- 正彦の伯母:新村礼子(第1シリーズのみ)
- 山本巡査:佐藤輝(第1シリーズのみ。「佐藤輝昭」名義)
- 公一の母:青木和代(第1シリーズのみ)
- ひとみの母:木村有里(第1シリーズのみ)
- 島津隼人:吉田友紀(第2・第4シリーズ、スペシャル)
- 大島医師:安田伸(第2シリーズのみ)
- 大島れい子:藤江リカ(第2シリーズのみ)
- かよ子:塩沢いずみ(第2シリーズのみ)
- 江藤洋子:浅川薫(第2シリーズのみ)
- 克彦の祖母:新村礼子(第2シリーズのみ)
- カヲル:島田歌穂(第2シリーズ・97話のみ)
- 滝竜二:栗又厚(第3・第4シリーズ)
- 小野愛子:村岡千賀子(第3シリーズのみ)
- 実の父:冷泉公裕(第3シリーズのみ)
- 実の母:大井小町(第3シリーズのみ)
- 松山朝子:木村有里(第3シリーズのみ)
- 井上輝雄:工藤堅太郎(第3シリーズのみ)
- 三好清一:辻三太郎(第4シリーズのみ)
- 清の母:十勝花子(第4シリーズのみ)
- 信彦の母:一谷伸江(第4シリーズのみ)
- 森田マリ子:浦島ゆら子(第4シリーズのみ)
- 春日教頭先生:犬塚弘(第4シリーズのみ)
スタッフ[編集]
- プロデューサー:落合兼武、宇都宮恭三(テレビ朝日)・鍛冶昇(国際放映)
- 脚本:山根優一朗、三宅直子、田口成光、市川靖、安藤豊弘
- 音楽:渡辺岳夫
- 監督:山際永三、新津左兵、川島啓志、松生秀二
- 製作:テレビ朝日、国際放映
テーマソング[編集]
- 「タンゴむりすんな!」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:小谷充
- 「そうだよおいらは」(山野さと子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:高田弘
- 5代目オープニング曲。
- 「はっちゃく音頭」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:小谷充
- 1代目ではエンディングに使用されたが、2代目以降は冒頭のBGMでのみ使用されるようになった。なお、エンディング曲はシリーズごとに異なる。
- 「あばれはっちゃくまっしぐら」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:小谷充
- 1代目の後半から、2代目にかけて使用された挿入歌。長太郎の天衣無縫な振る舞いの場面に掛けられた。
- 「はっちゃくひとりうた」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:小谷充
- 2代目の挿入歌で哀愁漂う曲だった。
- 「おれは男だ」(山内賢) 作詞:松生秀二/作曲:山内賢
- 2代目の70話で挿入された他、スペシャル「俺は男だ!」のエンディングで使用された(クレジットなし)。最終話(102話)では劇中で栗又らが歌っている。
- 「そいつぁだれだ」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:小谷充
- 2代目のエンディング曲。(テレビでは「そいつぁ!」と表記されている)
- 「バンバンビンビンはっちゃめちゃ」(堀江美都子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:久石譲
- 3代目のエンディング曲。
- 「ほんとにあいつはにくいやつ」(松下丸子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:久石譲
- 4代目のエンディング曲。
- 「あのこといっしょに」(山野さと子) 作詞:山中恒/作曲:渡辺岳夫/編曲:高田弘
- 5代目のエンディング曲。
DVD化[編集]
2005年秋、1作目のDVD化。その後、2012年6月〜9月に「男!あばれはっちゃく」(全102話/4BOX)、同年10、11月に「熱血あばれはっちゃく」(全49話/2BOX)、同年12月〜2013年2月に「痛快あばれはっちゃく」(全93話/3BOX)のDVD-BOXが相次いで発売。そして2013年3月の「逆転あばれはっちゃく」(全27話/1BOX)の発売をもって全シリーズのソフト化が完結。
コミカライズ[編集]
ドラマの放送に合わせて、くまのよしゆきの作画でテレビランドに連載。テレビランド・コミックス28として1979年に単行本化されている。
脚注[編集]
- ^ a b 20:00の『吉宗評判記 暴れん坊将軍』は、いずれも休止。
- ^ 『河北新報』1982年7月4日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1979年5月31日、1980年10月24日、1981年9月19日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1983年4月11日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1981年1月7日付朝刊、テレビ欄。
- ^ RABやKRY、NKT、TOSと同じく巨人戦中継や『新・エースをねらえ!』(1979年3月まで。1979年4月以降は『土曜スペシャル』)の同時ネット
- ^ 『丸久サンデー劇場』として地元資本のスーパーマーケット、丸久の提供で放送していた。
- ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1983年10月号、徳間書店、 99頁。
- ^ 同枠のフジテレビ系アニメは大分放送(TBS系)へ放映権を移譲したが、後継のスポーツ情報番組『サントリー スポーツ天国』→『スポーツ特Q』は生放送という性格上未ネットとなった。また、日本テレビ系で同時間帯に放送の『NNN日曜夕刊』もテレビ大分では夕方枠ニュースをFNNとしていた関係上未ネットだった。
- ^ 33話以降は「賢一郎」
- ^ 同一の犬が出演
関連項目[編集]
- ダイエー向ヶ丘店 - 「俺はあばれはっちゃく」のロケで頻繁に登場した。
- 花王石鹸『ザブ』 - 1980年-1982年に放送されたテレビCMで和子役の久里千春と長太郎役の吉田友紀が出演。また、花王石鹸は本放送時のスポンサーでもあった。
テレビ朝日系 土曜19時台後半枠 | ||
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