あの頃の誰か

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

あの頃の誰か』(あのころのだれか)は、日本推理作家東野圭吾の短編小説集。2011年1月12日発行。

本書は当初から文庫版で発売された。また、『ダイイング・アイ』と2冊同時刊行され、2冊同時刊行プレゼントが行われている。収録作品はバブル時に書いたもので、単行本未収録であった。著者は、わけありだと語っている。

収録の短編のうち「レイコと玲子」「シャレードがいっぱい」「二十年目の約束」「再生魔術の女」は、2012年にテレビドラマ『東野圭吾ミステリーズ』の一篇として映像化された。

キャッチコピー[編集]

お元気ですか? 20年前浮かれていた、みなさん! まさかの「いきなり文庫」

あらすじ・登場人物[編集]

シャレードがいっぱい[編集]

弥生の彼氏、孝典が自宅で死んだ。死体があったカーペットには血で、Aの様な文字が書かれていた…。

登場人物

  • 津田弥生(つだやよい):死んだ孝典の彼女。英語とフランス語の通訳をしている。
  • 北沢孝典(きたざわたかのり):自宅で殺された。スポーツクラブのゴルフクリニックで働いていた。
  • 中瀬公次郎(なかせこうじろう):中瀬興産社長。欧米との取引のため、弥生を通訳として招いている。
  • 中瀬雅之(なかせまさゆき):公次郎の長男。中瀬興産の専務。
  • 中瀬弘恵(なかせひろえ):公次郎の長女。
  • 亀田(かめだ):幸次郎の秘書。
  • 尾藤茂久(びどうしげひさ):孝典の大学時代の友人。孝典の死について調べている。
  • 畠山清美(はたけやまきよみ):社長の隠し子だと名乗る女。
  • 畠山芳江(はたけやまよしえ):公次郎と浮気していた家政婦。清美の母。
  • 森本(もりもと):孝典の自宅に来た刑事。

玲子とレイコ[編集]

再生魔術の女[編集]

さよなら『お父さん』[編集]

名探偵退場[編集]

虎も女も 

虎か女か?という処刑法にちなんだ『虎か女か?それとも・・・』という処刑法が実行された。それには、扉が三つあり、虎と、女と、そして何が入っているか分からない扉の三つだった。

登場人物

  • 真之介(しんのすけ):お猟に手を出し、『虎か女か?それとも・・・』という処刑法をされる罪人。
  • お猟(おりょう):独身と嘘をつき、真之介を処刑のみにさせた女。
  • 番人(ばんにん):牢屋の番人。『虎か女か?それとも…』を楽しみにしている。

眠りたい死にたくない[編集]

二十年目の約束[編集]

『さよなら「お父さん」』と『秘密』[編集]

『さよなら「お父さん」』は、長編小説『秘密』の原型で、著者はあとがきで、短編として気に入らなかったから、長編として書き直した。と述べている。長編版ではバスで死んだことになっているが、短編版では飛行機事故となっている。