「TGR5」の版間の差分

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英語版G protein-coupled bile acid receptorの2018年9月24日18時00分の版を翻訳。……ああ、これもアップを忘れていたのか……。せっかくなので、恐らく2018年末頃に翻訳した文書を、少し補足した上でアップした。この程度は補足しないと、生理学を学んだ事がなければ、何の意味が有るのか判り難いと思う。まぁ、専門家は「何をクドクドと書いているのだ」と言うだろうけれど、専門家ならば、そんな場所を読み飛ばす事など雑作もないのであって、初学者にfriendlyな文書にした方が良いでしょう。
(相違点なし)

2021年8月18日 (水) 22:34時点における版

TGR5とは、ヒトの消化管内に発現している胆汁酸受容体である。Gタンパク質共役受容体に分類される受容体であり、そのリガンドは胆汁酸であるため、GPBAR1(英語:G protein-coupled bile acid receptor 1)とも呼ばれる。さらに、Gタンパク質共役受容体の19番目の受容体という意味で、GPCR19(英語:G-protein coupled receptor 19)とも呼ばれる。また、細胞膜の表面に存在する胆汁酸受容体という意味で、M-BAR(英語:membrane-type receptor for bile acids)という言い方も存在する。本稿では、これ以降、この受容体をTGR5という表記に統一する。

遺伝子

TGR5はタンパク質であり、そのアミノ酸配列はDNAに暗号化して記録されている[1]。 なお、ヒトの第2染色体に、TGR5の遺伝子が存在する [2] 。 これに対して、マウスの場合は第1染色体に遺伝子が存在する [3]

機能

TGR5は数多く存在するGタンパク質共役受容体の中の1つであり、ヒトの腸管に存在するL細胞英語版に発現している。TGR5は、細胞表面で胆汁酸を検知すると、細胞内のcAMPの濃度を上昇させる。すなわちTGR5は、作動するとアデニル酸サイクラーゼを活性化させるGs受容体の1つである。

TGR5が作動すると、付近にいるマクロファージの機能を抑制する方向に作用すると同時に、生体のエネルギー消費を調整する [4] 。 TGR5が作動した際に生体内で行われる事の1つとして、甲状腺ホルモンのサイロキシン(T4)からヨウ素を1つ取り外して、より生理活性作用の強いトリヨードサイロニン(T3)への変換が挙げられる。この変換によって、生体の甲状腺ホルモン受容体への作用が強まり、生体の基礎代謝量が増加する [5] [6] [注釈 1] 。 なお、細胞内のMAPキナーゼを介した情報伝達経路によって、TGR5の活性化は沈静化される。

脚注

注釈

  1. ^ 甲状腺ホルモンのT4もT3も、基本的に生体の基礎代謝を亢進させる機能が有名である。これに加えて、甲状腺ホルモンには、胆汁酸の原料であるコレステロールの代謝も亢進させる作用が存在する。なお、TGR5は腸管内のL細胞で発現していて、腸管内を胆汁酸が流れているかどうかを検知している。胆汁酸が流れているのは、胃での消化が終わり、十二指腸に食物が流れ込んできて、胆汁酸が十二指腸に分泌された事を意味する。つまり、腸管内で胆汁酸を検知したという事は、消化の最終段階に入った事を意味する。この時に、TGR5は甲状腺ホルモンの作用を強めて、いるのである。

出典

  1. ^ “A G protein-coupled receptor responsive to bile acids”. J. Biol. Chem. 278 (11): 9435–9440. (2003). doi:10.1074/jbc.M209706200. PMID 12524422. 
  2. ^ GRCh38 : Ensembl release89:ENSG00000179921 - Ensembl、May 2017
  3. ^ GRCm38 : Ensembl release89:ENSMUSG00000064272 - Ensembl、May 2017
  4. ^ Entrez Gene: GPBAR1 G protein-coupled bile acid receptor 1 (NIH)
  5. ^ “Bile acids induce energy expenditure by promoting intracellular thyroid hormone activation”. Nature 439 (7075): 484–489. (2006). doi:10.1038/nature04330. PMID 16400329. 
  6. ^ “Metabolism: bile acids heat things up”. Nature 439 (7075): 402–403. (2006). doi:10.1038/439402a. PMID 16437098. 

参考文献

外部リンク

  • Bile Acid Receptor”. IUPHAR Database of Receptors and Ion Channels. International Union of Basic and Clinical Pharmacology. 2018年閲覧。accessdateの記入に不備があります。
  • GPBAR1+protein,+human (US National Library of Medicine Medical Subject Headings) (MeSH)