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「ガエタノ・レイナ」の版間の差分

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==プロフィール==
==プロフィール==
シチリア島コルレオーネ生まれ。1904年に渡米し、[[マンハッタン]]の[[イースト・ハーレム]]のコルレオーネ移民のコミュニティに定住した。アンジェロ・ガリアーノの洗濯屋で働き、[[モレロ一家]]の仲間になった。1915年バーネット・バフ殺害容疑で当時モレロ一家にいた[[ジャック・ドラグナ]]と共に逮捕されたが無罪となった<ref>[http://www.geocities.ws/organizedcrimesyndicates/bronx.html Gaetano "Tom" Reina]</ref><ref>[http://www.lacndb.com/php/Info.php?name=Gaetano%20Reina Gaetano Reina] La Coasa Nostra Database</ref>。1910年代半ばモレロ一家がカモッラと抗争を始める([[マフィア-カモッラ戦争]])と、巻き添えを避けて袂を分かち、1920年代にかけて独自の一家を形成した<ref>[http://www.fivefamiliesnyc.com/p/lucchese.html Five Families of New York City ― Lucchese]</ref>。部下に[[トミー・ガリアーノ]]、スティーヴ・ラサール、ラオ兄弟、ジオヴァンニ・ディカルロ、[[トーマス・ルッケーゼ]]などがいた。ブロンクスを拠点に、イタリア式富くじやナンバーズ賭博、氷配給業などを運営した(氷は冷蔵庫のない時代の家庭必需品)。1920年代を通じてモレロ一家の[[チロ・テラノヴァ]]とは平和な関係を保ち、また[[ジョー・マッセリア]]と同盟を結んでいたが、マッセリアに氷供給業のシェアの割譲を求められると、これと対立していた[[サルヴァトー・マランツァーノ]]と駆け引きしようとした。1929年レイナ配下のガンマンがチロ・テラノヴァ主催の腐敗判事とのパーティーを襲撃したことでマッセリアに裏切りを気づかれ、命を狙われた<ref>[http://www.onewal.com/w-reina.html Gaetano Reina]</ref>。1930年2月26日、情婦の家を出たところを2人組(1人説もある)に急襲され、ショットガンで胸に10発の兆弾を浴び、間もなく病院で死亡した。40歳若さだった。死がカステラマレゼ戦争引き金った。マッセリアはレイナの後釜に腹心のジョー・ピンゾロを据えたが、レイナ派幹部の[[トミー・ガリアーノ]]や[[トーマス・ルッケーゼ]]はマランツァーノに寝返った。長女が1932年[[ジョゼフ・ヴァラ]]と結婚した。
シチリア島コルレオーネ生まれ。1904年に渡米し、[[マンハッタン]]の[[イースト・ハーレム]]のコルレオーネ移民のコミュニティに定住した。アンジェロ・ガリアーノの洗濯屋で働き、[[モレロ一家]]の仲間になった。1915年バーネット・バフ殺害容疑で当時モレロ一家にいた[[ジャック・ドラグナ]]と共に逮捕されたが無罪となった<ref>[http://www.geocities.ws/organizedcrimesyndicates/bronx.html Gaetano "Tom" Reina]</ref><ref>[http://www.lacndb.com/php/Info.php?name=Gaetano%20Reina Gaetano Reina] La Coasa Nostra Database</ref>。1910年代半ばモレロ一家がカモッラと抗争を始める([[マフィア-カモッラ戦争]])と、巻き添えを避けて袂を分かち、1920年代にかけて独自の一家を形成した<ref>[http://www.fivefamiliesnyc.com/p/lucchese.html Five Families of New York City ― Lucchese]</ref>。部下に[[トミー・ガリアーノ]]、スティーヴ・ラサール、ラオ兄弟、ジオヴァンニ・ディカルロ、[[トーマス・ルッケーゼ]]などがいた。ブロンクスを拠点に、イタリア式富くじやナンバーズ賭博、氷配給業などを運営した(氷は冷蔵庫のない時代の家庭必需品)。
1920年代を通じてモレロ一家の[[チロ・テラノヴァ]]とは平和な関係を保ち、また[[ジョー・マッセリア]]と同盟を結んでいたが、マッセリアに氷供給業のシェアの割譲を求められると、これと対立していたカステラマと駆け引きしようとした。1929年レイナ配下のガンマンがチロ・テラノヴァ主催の腐敗判事とのパーティーを襲撃したことでマッセリアに裏切りを気づかれ、命を狙われた<ref>[http://www.onewal.com/w-reina.html Gaetano Reina]</ref>。
1930年2月26日夕方ブロンクスの情婦の家を出て駐車場に歩いて向かっていたところを2人組(1人説もある)に急襲され、ショットガンで胸に10発の兆弾を浴び、間もなく病院で死亡した。レイナは氷供給で当時ライバルと熾烈な縄張り争いの渦中にあり、用心していた。ポケットに装填済32口径リボルバ、車隠し棚ライフルと予備弾倉が見つかった<ref>[http://bklyn.newspapers.com/image/59911549 Wealthy Ice Dealer Shot Down] Broolklyn Daily Eagle 1930.2.27付</ref>。40歳の若さだった。
マッセリアはレイナの後釜に腹心のジョー・ピンゾロを据えたが、レイナ派幹部の[[トミー・ガリアーノ]]や[[トーマス・ルッケーゼ]]はッセリアと対立するカステマレ派の[[サルヴァトーレ・マンツァーノ]]と同盟、マッセリアと戦った。

妹が1913年[[ヴィンセント・テラノヴァ]]と結婚した<ref>The Origin of Organized Crime in America: The New York City Mafia, 1891–1931, David Critchley, P. 52</ref>。長女は1932年[[ジョゼフ・ヴァラキ]]と結婚した<ref>[https://books.google.co.jp/books?id=oJ6eBAAAQBAJ&pg=PT117&lpg=PT117 Nigel Cawthorne, The Mammoth Book of the Mafia, P.117]</ref>。

==アイス利権==
レイナは氷の卸売りの縄張りを巡ってライバルと熾烈な割引合戦を展開していた。1928年、ブロンクスのユダヤ系アイスディーラー、ジェイコブ・ストッフェンバーグが殺された。1930年には4人の著名なアイスディーラーが殺され、レイナがその先頭を飾った。3月にブルックリンの氷業者ジョン・リッジョ、更に半年後にその兄弟が相次いで殺され、その2週間後にレイナ仲間のアイスディーラー、ナターレ・ドゥルソが殺された。当時ガリアーノ派に所属したヴァラキによれば、レイナ殺害を首謀したのはマッセリアだとガリアーノ派は認識していたという(ガリアーノがマッセリアと全力で戦うのはレイナの仇を取るためとガリアーノ派から聞かされた)<ref>Bonanno, Man of Honor, P. 106、Valachi, The Real Thing, P339-340</ref>。マッセリアとのトラブルとアイスディーラー絡みの利権争いが裏でつながっているのかまたは互いに関係ない偶然なのかについては有力な説が提示されていない<ref>[http://mafiamembershipcharts.blogspot.jp/2014/03/the-castellammarese-war.html The Hidden War, Mafia Membership chart, 2014]</ref>。


==脚注==
==脚注==

2016年12月3日 (土) 03:30時点における版

ガエタノ・レイナ(Gaetano "Tommy" Reina 1889年9月 - 1930年2月26日)は、ニューヨークのマフィアボス。通り名はトム・レイナ、トミー・レイナ。ニューヨーク五大ファミリーの1つ、ルッケーゼ一家の源流とされる。

プロフィール

シチリア島コルレオーネ生まれ。1904年に渡米し、マンハッタンイースト・ハーレムのコルレオーネ移民のコミュニティに定住した。アンジェロ・ガリアーノの洗濯屋で働き、モレロ一家の仲間になった。1915年バーネット・バフ殺害容疑で当時モレロ一家にいたジャック・ドラグナと共に逮捕されたが無罪となった[1][2]。1910年代半ばモレロ一家がカモッラと抗争を始める(マフィア-カモッラ戦争)と、巻き添えを避けて袂を分かち、1920年代にかけて独自の一家を形成した[3]。部下にトミー・ガリアーノ、スティーヴ・ラサール、ラオ兄弟、ジオヴァンニ・ディカルロ、トーマス・ルッケーゼなどがいた。ブロンクスを拠点に、イタリア式富くじやナンバーズ賭博、氷配給業などを運営した(氷は冷蔵庫のない時代の家庭必需品)。

1920年代を通じてモレロ一家のチロ・テラノヴァとは平和な関係を保ち、またジョー・マッセリアと同盟を結んでいたが、マッセリアに氷供給業のシェアの割譲を求められると、これと対立していたカステラマレ派と駆け引きしようとした。1929年レイナ配下のガンマンがチロ・テラノヴァ主催の腐敗判事とのパーティーを襲撃したことでマッセリアに裏切りを気づかれ、命を狙われた[4]

1930年2月26日夕方、ブロンクスの情婦の家を出て駐車場に歩いて向かっていたところを2人組(1人説もある)に急襲され、ショットガンで胸に10発の兆弾を浴び、間もなく病院で死亡した。レイナは氷の供給で当時ライバルと熾烈な縄張り争いの渦中にあり、用心していた。ポケットに装填済の32口径リボルバー、車の隠し棚にライフルと予備弾倉が見つかった[5]。40歳の若さだった。

マッセリアはレイナの後釜に腹心のジョー・ピンゾロを据えたが、レイナ派幹部のトミー・ガリアーノトーマス・ルッケーゼは、マッセリアと対立するカステラマレ派のサルヴァトーレ・マランツァーノと同盟し、マッセリアと戦った。

妹が1913年ヴィンセント・テラノヴァと結婚した[6]。長女は1932年ジョゼフ・ヴァラキと結婚した[7]

アイス利権

レイナは氷の卸売りの縄張りを巡ってライバルと熾烈な割引合戦を展開していた。1928年、ブロンクスのユダヤ系アイスディーラー、ジェイコブ・ストッフェンバーグが殺された。1930年には4人の著名なアイスディーラーが殺され、レイナがその先頭を飾った。3月にブルックリンの氷業者ジョン・リッジョ、更に半年後にその兄弟が相次いで殺され、その2週間後にレイナ仲間のアイスディーラー、ナターレ・ドゥルソが殺された。当時ガリアーノ派に所属したヴァラキによれば、レイナ殺害を首謀したのはマッセリアだとガリアーノ派は認識していたという(ガリアーノがマッセリアと全力で戦うのはレイナの仇を取るためとガリアーノ派から聞かされた)[8]。マッセリアとのトラブルとアイスディーラー絡みの利権争いが裏でつながっているのかまたは互いに関係ない偶然なのかについては有力な説が提示されていない[9]

脚注

  1. ^ Gaetano "Tom" Reina
  2. ^ Gaetano Reina La Coasa Nostra Database
  3. ^ Five Families of New York City ― Lucchese
  4. ^ Gaetano Reina
  5. ^ Wealthy Ice Dealer Shot Down Broolklyn Daily Eagle 1930.2.27付
  6. ^ The Origin of Organized Crime in America: The New York City Mafia, 1891–1931, David Critchley, P. 52
  7. ^ Nigel Cawthorne, The Mammoth Book of the Mafia, P.117
  8. ^ Bonanno, Man of Honor, P. 106、Valachi, The Real Thing, P339-340
  9. ^ The Hidden War, Mafia Membership chart, 2014

外部リンク