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「涼宮ハルヒの消失 (映画)」の版間の差分

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|上映時間 = 162分
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|興行収入 = 8.4億円{{R|av.watch389281}}
|興行収入 = 8億円<ref>[http://ir.kadokawa.co.jp/ir/houkoku/564/04.php#04 2010年3月期概要 第4四半期] - 角川グループホールディングス KADOKAWA通信 2010年夏号</ref>
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『'''涼宮ハルヒの消失'''』(すずみやハルヒのしょうしつ、英題:The Disappearance of Haruhi Suzumiya)は、[[谷川流]]の[[ライトノベル]]及びそれを原作とする2010年2月6日公開の[[アニメーション映画]]。本項では後者について記述する。
『'''涼宮ハルヒの消失'''』(すずみやハルヒのしょうしつ、英題:The Disappearance of Haruhi Suzumiya)は、[[谷川流]]の[[ライトノベル]]作品『[[涼宮ハルヒの消失]]』を原作とする2010年2月6日公開の[[アニメーション映画]]。「涼宮ハルヒ」シリーズ初の劇場版アニメーション作品あり{{R|animeanime50649}}、制作[[京都アニメーション]]、総監督は[[石原立也]]、監督は[[武本康弘]]がそれぞれ[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|テレビシリーズ]]から引き続いて担当する。


物語はテレビアニメ版最終回から続く形となっており、アニメ版ハルヒの集大成的な位置付けとなっている<ref>{{Cite news |url=https://www.cinematoday.jp/news/N0022291 |title=超人気アニメ「涼宮ハルヒ」劇場版が満員立ち見での初日!平野綾4年間の集大成に感無量 |work=シネマトゥディ |date=2010-02-06 |accessdate=2022-01-20}}</ref>{{R|av.watch416152}}。公開当時では珍しい深夜アニメ発の劇場版作品としてヒットした<ref>{{Cite news |url=https://animeanime.jp/article/2018/01/12/36476.html |title=「涼宮ハルヒ」2018年に“古キョン”がTwitterトレンド1位獲得! 大きなおねえさん達、大騒ぎ |work=アニメ!アニメ! |date=2018-01-12 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。本作の上映時間は162分であり、全編新作の劇場版作品としては異例の長さとなっている<ref>{{Cite news |url=https://realsound.jp/movie/2020/09/post-623205_2.html |title=9年ぶりの新刊発売も大きな話題に 『涼宮ハルヒの憂鬱』の社会現象を振り返る |work=Real Sound |date=2020-09-22 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。キャッチコピーは、'''「なぜなら俺は、SOS団の団員その一だからだ」'''、'''「わたしはあなたに会ったことがある」'''。<!-- 主人公のキョンが自らの意志でハルヒたちのいる日常を取り戻すために奔走する物語を描く。-->
== 概要 ==
シリーズ初の劇場版アニメーション作品で、[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|テレビアニメ版]]に引き続き、[[京都アニメーション]]が制作を担当した。物語はテレビアニメ版最終回から続く形となっており、アニメ版ハルヒの集大成的な位置付けとなっている。


2011年5月12日には『涼宮ハルヒの消失』の後日談を描いたゲーム作品『[[涼宮ハルヒの追想]]』([[PlayStation 3|プレイステーション3]] / [[PlayStation Portable|PSP]])が発売された<ref>{{Cite news |url=https://www.gamer.ne.jp/news/201103090002/ |title=PS3/PSP「涼宮ハルヒの追想」発売日が5月12日に変更 |work=Gamer |date=2011-03-09 |accessdate=2022-01-20}}</ref><ref name="4gamer.net20110602024">{{Cite news |url=https://www.4gamer.net/games/115/G011590/20110602024/ |title=SOS団に驚愕の新団員が登場! 「放課後ライトノベル」第44回はお待ちかねの『涼宮ハルヒの驚愕』で冒険でしょでしょ? |work=4Gamer.net |date=2011-06-04 |accessdate=2022-01-20}}</ref>。
当初は全国24館での上映に留まったが、上映館は順次拡大され、6月25日までの時点で上映館数は103館に上った。海外においても、米国で5月21日から[[サンフランシスコ]]、6月24日に[[ロサンゼルス]]、6月にホノルルの映画イベントでも上映。10月には[[ニューヨーク]]<ref>[https://web.archive.org/web/20101207030011/http://lantis.jp/news/all.php?subaction=showfull&id=1279172993&archive=&start_from=&ucat=2& 茅原実里 NYAF主賓(Guest of Honor)に決定](2010年12月7日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref> で、10月22日から[[台湾]]<ref>[http://www.prowaremovie.com/suzumiya/index.html 台湾映画公式サイト 普威爾國際股?有限公司]</ref>、11月11日から[[韓国]]<ref>[http://haruhi2010.kr 韓国公式サイト]{{リンク切れ|date=2013年2月}}</ref><ref>[http://www.sos-dan.kr SOS団韓国支部]</ref> で上映。[[スコットランド]]のアニメフェア「[[スコットランド・ラブズ・アニメーション|スコットランド・ラブズ・アニメ]]」の10月17日にてユーロプレミア上映。11/13or14シンガポール ANIME FESTIVAL ASIAにて上映。11月から12月にかけて[[ロシア]]各都市(1日だけの上映が多い)と[[ウクライナ]](キエフ、11月5日)<ref>[http://reanimedia.ru/news_03_11_2010.html Reanimedia社公式サイト告知](ロシア語版発売元)</ref>、12月2日から香港での上映が決定している。また、2019年7月に生じた[[京都アニメーション放火殺人事件]]を受け、[[MOVIX京都]]における「京都アニメーション映画作品特集上映」の一環として同年12月13日~19日に上映されることとなった。


== あらすじ ==
キャッチコピーは、'''「なぜなら俺は、SOS団の団員その一だからだ」'''、'''「わたしはあなたに会ったことがある」'''
[[涼宮ハルヒシリーズ#県立北高校|県立北高校]]1年生の'''キョン'''は、同級生である'''涼宮ハルヒ'''が率いるSOS団に無理やり引きずり込まれ、実は[[涼宮ハルヒシリーズ#超能力者|超能力者]]・[[涼宮ハルヒシリーズ#未来人|未来人]]・[[涼宮ハルヒシリーズ#対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース|宇宙人]]という正体をもつメンバーたちとともに、ハルヒが自覚なく巻き起こす騒動に振り回されていた。クリスマスシーズンを迎え、ハルヒは団でパーティーを開催すると盛り上がっていた{{Sfn|公式ガイドブック|pp=17-20}}。


12月18日、教室に入ったキョンは、ハルヒの席であるはずのキョンの後ろの席に、SOS団のメンバーで「宇宙人」である'''長門有希'''と以前に対決して消滅したはずのクラスメイトである'''朝倉涼子'''が現れて座ろうとしたことに驚く{{Sfn|公式ガイドブック|pp=15,27}}。しかもクラスメートの誰もハルヒという人物など知らないという{{Sfn|公式ガイドブック|p=28}}。驚いたキョンは、SOS団のメンバーの一人である'''古泉一樹'''の在籍する1年9組へと向かうが、古泉はおろか9組そのものが存在していない{{Sfn|公式ガイドブック|p=28}}。同じくメンバーの'''朝比奈みくる'''は'''鶴屋さん'''と一緒にいたが、2人とも、SOS団のこともキョンのことも全く覚えていない{{Sfn|公式ガイドブック|p=29}}。最後にSOS団が占拠していた文芸部室に向かったキョンは、そこで長門と出会う{{Sfn|公式ガイドブック|p=30}}。しかし彼女はメガネを掛けおどおどと戸惑う「普通の少女」であった{{Sfn|公式ガイドブック|pp=30-32}}。長門の話を聞くとこの世界のキョンと長門は知り合いで、キョンが長門に図書館で図書館カードを作ってあげたことがあると教えられる{{Sfn|公式ガイドブック|p=40}}。何らかの理由で世界が改変されてしまった状況をキョンは受け入れ、自分がハルヒに会いたいと強く願っていることを自覚する{{Sfn|公式ガイドブック|p=42}}。
なお、この『消失』の終盤から後日の設定を使った『[[涼宮ハルヒの追想]]』が、[[PlayStation 3|プレイステーション3]]と[[PlayStation Portable|PSP]]でゲームとして発売されている。


12月20日、学校にてクラスメイト・'''谷口'''との会話から、ハルヒと古泉がこの世界の別の高校([[涼宮ハルヒシリーズ#光陽園学院|光陽園学院]])に進学している事を知ったキョンは二人との対面を果たし、自分が置かれた状況を説明する{{Sfn|公式ガイドブック|pp=43,47}}。戸惑いながらも興味を持った二人は、みくるも無理矢理に引っ張って北高文芸部室に乗り込む{{Sfn|公式ガイドブック|pp=48-49}}。すると部室にあったパソコンが勝手に起動し、メッセージが表示される{{Sfn|公式ガイドブック|p=50}}。それは元の世界の長門有希が用意した「脱出プログラム」であった{{Sfn|公式ガイドブック|p=51}}。
=== 経緯 ===
2006年4月クールのテレビアニメ『[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]]』では、原作3巻まで(『憂鬱』『溜息』『退屈』)のほとんどと5巻『暴走』の一部がアニメ化され、2007年6月には『消失』のシナリオ会議が開始されていた。なお、当時はテレビシリーズを想定していた<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』p.85・87より。</ref>。


脱出プログラムを起動させたキョンは、次の瞬間、一人で夜の文芸部室にいることに気づく{{Sfn|公式ガイドブック|p=54}}。そこは「[[涼宮ハルヒシリーズ#3年前の七夕|3年前の7月7日]]」であった{{Sfn|公式ガイドブック|p=55}}。彼は以前みくるによってこの時点に連れてこられたことがあり、中学生時代のハルヒに出会って彼女の手伝いをさせられる羽目になったのだった。そこには「大人バージョンのみくる」がいて、12月18日早朝に大規模の時空改変が起こったこと、その修復に手を貸して欲しいことをキョンに話す{{Sfn|公式ガイドブック|pp=56-57}}。協力を仰ぐために二人は長門有希のマンションに向かう{{Sfn|公式ガイドブック|p=59}}。有希は再修正プログラムを塗布した短針銃をその場で作ってキョンに託す{{Sfn|公式ガイドブック|pp=60-61}}。
そして2007年12月18日、テレビアニメ公式ホームページが更新され「新アニメーション」の制作が発表された。『消失』をモチーフにしたさまざまな演出もなされており(日付も作中で重要な日付である)、新シリーズの内容には触れられていないものの『消失』を含むと思わせる内容であった。


時空を改変したのはエラーデータの蓄積によって誤動作した3年後の長門有希であった{{Sfn|公式ガイドブック|pp=64-66}}。みくるの支援によって3年後の12月18日早朝に戻ったキョンは、改変を成し遂げた直後の長門有希に短針銃を撃とうとする{{Sfn|公式ガイドブック|p=69}}。ところが、そこに朝倉涼子が現れキョンの体にナイフを突き立てる{{Sfn|公式ガイドブック|pp=69-70}}。薄れ行く意識の中で、大小二人のみくるが必死に自分に呼びかけており、その背後から別の何者かが話しかけてくるのに気づくが、そのまま気を失う{{Sfn|公式ガイドブック|p=72}}。
しかし2009年4月クールの新シリーズでは、『消失』への[[伏線]]となる「笹の葉ラプソディ」等の新エピソードが放送されたものの、基本的には旧シリーズのエピソードを中心とした構成となっており、最終的に『消失』の放送はなかった。


意識を回復したキョンは自分がベッドの上に寝かされていることに気づく{{Sfn|公式ガイドブック|p=74}}。傍らで北高の制服を着た古泉がりんごを剥いている{{Sfn|公式ガイドブック|p=74}}。古泉によれば、キョンは12月18日昼に部室棟の階段から転落して意識不明の重体に陥っていたのだという{{Sfn|公式ガイドブック|p=75}}。古泉が指差したベッドの反対側を見ると、寝袋にくるまって床で寝ているハルヒの姿があった{{Sfn|公式ガイドブック|p=75}}。
そして2009年(平成21年)10月、新シリーズの最終回放送終了直後、特報にて『消失』の劇場公開が発表された<ref>{{Cite news|author=立山夏行|date=2009-10-09|url=http://mainichi.jp/enta/mantan/archive/news/2009/10/09/20091008mog00m200045000c.html|title=涼宮ハルヒ:「消失」を劇場版アニメ化 10年公開へ|publisher=[[毎日新聞社]]|accessdate=2009-11-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091201232219/http://mainichi.jp/enta/mantan/archive/news/2009/10/09/20091008mog00m200045000c.html|archivedate=2009-12-01}}</ref>。


その夜、病院の屋上で物思いに耽っていたキョンの前に長門有希が現れる{{Sfn|公式ガイドブック|p=77}}。暴走した自分の処分を情報統合思念体が検討していると聞いたキョンは、彼女の存在を守る意志があることを伝える{{Sfn|公式ガイドブック|pp=78-80}}。
2010年1月26日に試写が行われ、2月6日に公開された。


世界は元通りになっていたが、キョンは、みくると共にもう一度「12月18日早朝」に行かなければこの修復作業が完結しないことを理解していた{{Sfn|公式ガイドブック|pp=82-83}}。彼は、ただハルヒに振り回されるだけの立場から脱却し、この世界を積極的に守る側に回ることを決意しながら、文芸部室で開催されるクリスマスパーティーに臨む{{Sfn|公式ガイドブック|pp=82-83}}。
公開日の2月6日には、[[新宿三丁目イーストビル|新宿バルト9]]と[[シネマサンシャイン|シネマサンシャイン池袋]]にて、ハルヒ役の[[平野綾]]、キョン役の[[杉田智和]]をはじめとするメインキャストらによる舞台挨拶が、2月20日には、[[京都シネマ]]にて谷口役の白石稔とプロデューサーの伊藤敦 、そして京都アニメーションスタッフ<ref group="注">参加したのはキャラクターデザインと超総作画監督の池田晶子と総作画監督の西屋太志の2名。</ref> による舞台挨拶が行なわれた。3月6日には千葉市の京成ローザ10で長門役の茅原実里、みくる役の後藤邑子らメインキャスト4人による大ヒット御礼の舞台挨拶が行なわれた<ref>[http://www.news2u.net/releases/65360 「ハルヒ」決戦日は2月27日(土)!劇場版「涼宮ハルヒの消失」リピーターキャンペーン&舞台挨拶情報] News2u.net 2010年2月25日</ref>。


=== 興行成績 ===
=== エピローグ ===
長門は図書館にいると小さな男の子が女の子に図書館カードを作ってあげていた。その光景を見た長門は口を本で隠した{{Sfn|公式ガイドブック|pp=84,90}}。
シネマサンシャイン池袋では、初日早朝から約500人が並んで終日満員となり、各館でも初日満席の回が続出した<ref>[https://web.archive.org/web/20100208195758/http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20100206mog00m200002000c.html 涼宮ハルヒの消失:話題の劇場版アニメが公開 東京・池袋では500人が列] 毎日jp 2010年2月6日(2010年2月8日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。全国24館のみという小規模公開ながら、公開1週目時点で興行収入2億円、動員数14万人を記録した<ref>[http://www.news2u.net/releases/64684 全国劇場に「ハルヒ」旋風吹き荒れる!!劇場版「涼宮ハルヒの消失」、驚異的ヒットでロードショー中!] News2u.net 2010年(平成22年)2月12日</ref>。その後7月末時点で興行収入は8億4000万円に達している<ref>{{Cite web|url=http://www.klockworx.com/movies/movie_232.html|title=涼宮ハルヒの消失|publisher=KLOCKWORX|accessdate=2014-03-15}}</ref>。後に同制作会社の『[[映画けいおん!]]』(2011年公開/興行収入約19.0億円)が公開されるまでは、深夜アニメ発の映画としては歴代最高の興行収入を記録した。


== ストーリー ==
== 主な登場人物 ==
{{Main|涼宮ハルヒシリーズの登場人物}}
=== 本編 ===
=== SOS団メンバー ===
北高1年生のキョンは、同級生である[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#涼宮ハルヒ|涼宮ハルヒ]]が率いるSOS団なるグループに無理やり引きずり込まれ、実は超能力者/未来人/宇宙人という正体をもつメンバーたちとともに、ハルヒが自覚なく巻き起こす騒動に振り回されていた。クリスマスシーズンを迎え、ハルヒは団でパーティーを開催すると盛り上がっていた。
; 涼宮ハルヒ(すずみや ハルヒ)
: 声 - [[平野綾]]{{R|animatetimes781}}
: 本作のヒロインで<ref>{{Cite web |url=https://natalie.mu/eiga/film/153102 |title=涼宮ハルヒの消失 |work=映画ナタリー |accessdate=2022-01-30}}</ref>、SOS団では団長を務める{{Sfn|公式ガイドブック|p=10}}。ハルヒ自身は自覚してないものの実は「世界を変える力」を持っており、ハルヒが機嫌を損ねるだけで世界が大変なことになってしまうため、SOS団メンバーはそれを阻止すべく日夜動いている{{Sfn|公式ガイドブック|p=10}}。
; キョン
: 声 - [[杉田智和]]<ref name="animatetimes781">{{Cite web |url=https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=781#link2 |title=『涼宮ハルヒの消失』作品情報 |work=animate Times |accessdate=2022-01-20}}</ref>
: 本作の主人公兼語り手<ref name="famitsu23248392">{{Cite news |url=https://www.famitsu.com/news/202201/23248392.html |title=『涼宮ハルヒの消失』シリーズ最高傑作の呼び声も高い劇場作品。ハルヒたちのいる日常を取り戻すべくキョンが立ち上がる!【アマゾンプライムビデオおすすめ】 |work=ファミ通.COM |date=2022-01-22 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。SOS団で唯一の普通の高校生でハルヒの最大の被害者でもある{{R|famitsu23248392}}。
; {{読み仮名|長門有希|ながと ゆき}}
: 声 - [[茅原実里]]{{R|animatetimes781}}
: 本作のヒロイン兼キーパーソン<ref name="anibu6692">{{Cite news |url=https://anibu.jp/suzumiya-haruhi-no-syoshitsu-6692.html |title=『涼宮ハルヒの消失』上質なSF劇場アニメ作品 |work=あにぶ |date=2014-08-29 |accessdate=2022-01-30}}</ref><ref name="natalie38677">{{Cite news |url=https://natalie.mu/music/gallery/news/26945/38677 |title=「涼宮ハルヒの消失」主題歌公開&舞台挨拶に主要キャスト |work=音楽ナタリー |date=2010-01-28 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。その正体は涼宮ハルヒを観察することを目的として情報統合思念体によって造られた宇宙人である{{Sfn|公式ガイドブック|p=12}}。
; {{読み仮名|朝比奈みくる|あさひな みくる}}
: 声 - [[後藤邑子]]{{R|animatetimes781}}
: ハルヒに無理やり入団させられた癒し系の先輩{{R|famitsu23248392}}。その正体は涼宮ハルヒを監視するために未来からやってきた未来人である{{Sfn|公式ガイドブック|p=13}}。
; {{読み仮名|小泉一樹|こいずみ いつき}}
: 声 - [[小野大輔]]{{R|animatetimes781}}
: 県立北高校に突然現れた転校生で、SOS団では副団長を務める{{Sfn|公式ガイドブック|p=14}}。その正体は涼宮ハルヒが機嫌を損ねることによって生まれる「閉鎖空間」に現れる「神人」と戦う超能力者{{Sfn|公式ガイドブック|p=14}}。


=== SOS団メンバーの同級生・家族 ===
12月18日、教室に入ったキョンは、ハルヒの席であるはずのキョンの後ろの席に、SOS団のメンバーで「宇宙人」であるところの[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#長門有希|長門有希]]と以前に対決して消滅したはずのクラスメイトである[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#朝倉涼子|朝倉涼子]]が現れて座ろうとしたことに驚く。しかもクラスメートの誰もハルヒという人物など知らないという。驚いたキョンは、SOS団のメンバーの一人である[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#古泉一樹|古泉一樹]]に相談に乗ってもらおうと彼の在籍する1年9組へと向かうが、古泉はおろか9組そのものが存在していない。同じくメンバーの[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#朝比奈みくる|朝比奈みくる]]は[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#鶴屋さん|鶴屋さん]]と一緒にいたが、2人とも、SOS団のこともキョンのことも全く覚えていない。最後にSOS団が占拠していた文芸部室に向かったキョンは、そこで[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物#長門有希|長門有希]]と出会う。しかし彼女はメガネを掛けおどおどと戸惑う「普通の少女」であった。長門の話を聞くとこの世界のキョンと長門は知り合いで、キョンが長門に図書館で図書館カードを作ってあげたことがあると教えられる。何らかの理由で世界が改変されてしまった状況をキョンは受け入れ、自分がハルヒに会いたいと強く願っていることを自覚する。
; {{読み仮名|朝倉涼子|あさくら りょうこ}}
: 声 - [[桑谷夏子]]{{R|animatetimes781}}
: キョンとハルヒのクラスメイトで委員長を務める{{Sfn|公式ガイドブック|p=15}}。その正体は長門と同様に涼宮ハルヒの観察をする宇宙人であり、朝倉は長門のバックアップである{{Sfn|公式ガイドブック|p=15}}。
; {{読み仮名|鶴屋|つるや}}さん
: 声 - [[松岡由貴]]{{R|animatetimes781}}
: みくるのクラスメイトで{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}、親友でもある{{R|anibu6692}}。実は「鶴屋家」の令嬢であり、超能力者と接点があるなど噂が絶えず、素性は謎に包まれている{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。
; {{読み仮名|谷口|たにぐち}}
: 声 - [[白石稔]]{{R|animatetimes781}}
: 校内の美少女を勝手にランク付けしているキョンのクラスメイト{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。ハルヒとは同じ中学出身でクラスも3年間一緒だった{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。
; {{読み仮名|国木田|くにきだ}}
: 声 - [[松元恵]]{{R|animatetimes781}}
: 成績優秀で性格も真面目なキョンのクラスメイト{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。キョンと同じ中学出身で、彼の過去を知っている{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。
; キョンの妹
: 声 - [[あおきさやか]]{{R|animatetimes781}}
: 小学5年生になる文字通りキョンの妹で、兄のことを「キョンくん」、ハルヒのことを「ハルにゃん」と呼ぶ{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。飼い猫のシャミセンとよく遊んでいる{{Sfn|公式ガイドブック|p=16}}。


== 聖地 ==
『ある出来事』<ref>「笹の葉ラプソディ」原作第3巻</ref>についての会話から、ハルヒと古泉がこの世界の別の高校(光陽園学院)に進学している事を知ったキョンは二人との対面を果たし、自分が置かれた状況を説明する。戸惑いながらも興味を持った二人は、みくるも無理矢理に引っ張って北高文芸部室に乗り込む。すると部室にあったパソコンが勝手に起動し、メッセージが表示される。それは元の世界の長門有希が用意した「脱出プログラム」であった。
本項では『涼宮ハルヒの消失』に関連する聖地のみを記載している。『涼宮ハルヒ』シリーズ全体に関連する聖地については[[涼宮ハルヒシリーズ#作品舞台]]を参照されたし。


; [[夙川学院高等学校]]
脱出プログラムを起動させたキョンは、次の瞬間、一人で夜の文芸部室にいることに気づく。そこは「3年前の7月7日」であった。彼は以前みくるによってこの時点に連れてこられたことがあり、中学生時代のハルヒに出会って彼女の手伝いをさせられる羽目になったのだった。そこには「大人バージョンのみくる」がいて、12月18日早朝に大規模の時空改変が起こったこと、その修復に手を貸して欲しいことをキョンに話す。協力を仰ぐために二人は長門有希のマンションに向かう。有希は再修正プログラムを塗布した短針銃をその場で作ってキョンに託す。
: 作中の改変後の世界においてハルヒと小泉が通っている「光陽園学院」のモデルとなった高等学校<ref>{{Cite news |url=https://ure.pia.co.jp/articles/-/65078 |title=「涼宮ハルヒの消失」の聖地が消失…モデルとなった「夙川高校」校舎が取り壊しへ |work=コミックナタリー |date=2016-10-21 |accessdate=2022-03-02}}</ref>。
; サイゼリヤ北夙川店
: 作中においてキョンやハルヒたちが会合する場所のモデルとなったサイゼリヤ店<ref name="nlab1402">{{Cite news |url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1402/24/news122.html |title=「涼宮ハルヒの消失」聖地・サイゼリヤ北夙川店が閉店 ファンから惜しむ声 |work=ねとらぼ調査隊 |date=2014-02-24 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。「涼宮ハルヒ」シリーズに登場する舞台の中で聖地巡礼の人気スポットとなっていたという{{R|nlab1402}}。
; [[甲南病院]]
: 作中の終盤で改変後の世界から戻ってきたキョンが入院していた病院のモデルとなった市立総合病院{{Sfn|公式ガイドブック|p=143}}。


== キャスト ==
時空を改変したのはエラーデータの蓄積によって誤動作した3年後の長門有希であった。みくるの支援によって3年後の12月18日早朝に戻ったキョンは、改変を成し遂げた直後の長門有希に短針銃を撃とうとする。ところが、そこに朝倉涼子が現れキョンの体にナイフを突き立てる。薄れ行く意識の中で、大小二人のみくるが必死に自分に呼びかけており、その背後から別の何者かが話しかけてくるのに気づくが、そのまま気を失う。
<!-- 『OFFICIAL FANBOOK 涼宮ハルヒの観測』に収録されている作者と担当編集の座談会によれば、テレビ版にシャミセン役で出演した[[緒方賢一]]は、今作にも同様に出演している。ただし、台詞がシャミセンの鳴き声のみ<ref>『OFFICIAL FANBOOK 涼宮ハルヒの観測』p.166より</ref> であるため、エンドロールやパンフレットなどには名前がクレジットされていないとされている。 -->


{| class="wikitable"
意識を回復したキョンは自分がベッドの上に寝かされていることに気づく。傍らで北高の制服を着た古泉がりんごを剥いている。古泉によれば、キョンは12月18日昼に部室棟の階段から転落して意識不明の重体に陥っていたのだという。古泉が指差したベッドの反対側を見ると、寝袋にくるまって床で寝ているハルヒの姿があった。
|+ キャスト一覧{{Sfn|公式ガイドブック|p=175}}
!登場人物
!担当声優
|-
|涼宮ハルヒ
|[[平野綾]]
|-
|キョン
|[[杉田智和]]
|-
|長門有希
|[[茅原実里]]
|-
|朝比奈みくる
|[[後藤邑子]]
|-
|古泉一樹
|[[小野大輔]]
|-
|朝倉涼子
|[[桑谷夏子]]
|-
|鶴屋さん
|[[松岡由貴]]
|-
|谷口
|[[白石稔]]
|-
|国木田
|[[松元恵]]
|-
|キョンの妹
|[[あおきさやか]]
|-
|岡部先生
|[[柳沢栄治]]
|-
|荒川剣之介
|[[樋口智透]]
|-
|植松雅樹
|[[箭内仁]]
|-
|大野木菜々夏
|[[足立友]]
|-
|剣持琴音
|[[原田ひとみ]]
|-
|佐伯瑞穂
|[[永田依子]]
|-
|榊大地
|[[高橋研二]]
|-
|阪中佳実
|[[相沢舞]]
|-
|豊原昇
|[[浅利遼太]]
|-
|葉山玲子
|[[小幡記子]]
|-
|日向咲葉
|[[杉浦奈保子]]
|-
|由良奏絵
|[[タルタエリ]]
|-
|男の子
|[[吉永拓斗]]
|-
|女の子
|[[飯野茉優]]
|}


== 沿革 ==
その夜、病院の屋上で物思いに耽っていたキョンの前に長門有希が現れる。暴走した自分の処分を情報統合思念体が検討していると聞いたキョンは、彼女の存在を守る意志があることを伝える。
2007年7月7日 - [[朝日新聞]]にて[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|テレビアニメ]]第2期が発表される{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。


2007年12月18日 - 公式HPにて2期の中止と新作アニメーションの同時発表が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。
世界は元通りになっていたが、キョンは、みくると共にもう一度「12月18日早朝」に行かなければこの修復作業が完結しないことを理解していた。彼は、ただハルヒに振り回されるだけの立場から脱却し、この世界を積極的に守る側に回ることを決意しながら、文芸部室で開催されるクリスマスパーティーに臨む。
=== エピローグ ===
長門は図書館にいると小さな男の子が女の子に図書館カードを作ってあげていた。その光景を見た長門は口を本で隠した。


2009年4月から10月 - 新作アニメーションが放送される{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。第1期のエピソードに「笹の葉ラプソディ」等の新エピソードが加えられるという構成となっており、最終的に「消失」が放送されることはなかった<ref>{{Cite news |url=https://subculwalker.com/archives/79118/#toc-6 |title=【涼宮ハルヒの憂鬱】アニメの見る順番まとめ!時系列と作品概要 |work=サブカルウォーカー |date=2022-02-26 |accessdate=2022-02-28}}</ref>。
== キャスト ==
テレビアニメ版と同様のキャストである。キャラクターについては[[涼宮ハルヒシリーズの登場人物]]を参照。
{{col|
* キョン - [[杉田智和]]
* 涼宮ハルヒ - [[平野綾]]
* 長門有希 - [[茅原実里]]
* 朝比奈みくる - [[後藤邑子]]
* 古泉一樹 - [[小野大輔]]
* 朝倉涼子 - [[桑谷夏子]]
* 鶴屋さん - [[松岡由貴]]
* 谷口 - [[白石稔]]
* 国木田 - [[松元恵]]
* キョンの妹 - [[あおきさやか]]
* 岡部先生 - [[柳沢栄治]]
* 荒川剣之介 - [[樋口智透]]
|
* 植松雅樹 - [[箭内仁]]
* 大野木菜々夏 - [[足立友]]
* 剣持琴音 - [[原田ひとみ]]
* 佐伯瑞穂 - [[永田依子]]
* 榊大地 - [[高橋研二]]
* 阪中佳実 - [[相沢舞]]
* 豊原昇 - [[浅利遼太]]
* 葉山玲子 - [[小幡記子]]
* 日向咲葉 - [[杉浦奈保子]]
* 由良奏絵 - [[タルタエリ]]
* 男の子 - [[吉永拓斗]]
* 女の子 - [[飯野茉優]]
* 光陽園学院の警備員 - 不明
}}


2009年10月9日 - 新作アニメーション最終回直後に『涼宮ハルヒの消失』の劇場版が2010年春に公開予定であることが発表される<ref>{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1255020766 |title=『涼宮ハルヒの消失』が映画化決定!TV放送後に告知 |work=animate Times |date=2009-10-09 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
== スタッフ ==

* 企画 - [[安田猛 (角川書店)|安田猛]]、嵐智史、八田陽子、酒匂暢彦、[[井上俊次]]
2009年11月10日 - 『涼宮ハルヒの消失』が2010年2月6日に公開予定であることが発表される<ref>{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1257843897 |title=『涼宮ハルヒの消失』公開日は2010年2月6日!公開館も発表! |work=animate Times |date=2009-11-10 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
* 原作・脚本協力 - [[谷川流]]

* 原作イラスト・キャラクター原案 - [[いとうのいぢ]]
2009年12月18日 - 公式HPにて『涼宮ハルヒの消失』のPVが公開される<ref>{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2009-12-17/haruhi-suzumiya-film-promo-video-streamed |title=Haruhi Suzumiya Film's New Promo Video Streamed |work=AnimeNersNetwork |date=2009-12-17 |accessdate=2022-03-02}}</ref>。
* 総監督 - [[石原立也]]

* 監督 - [[武本康弘]]
2010年1月26日 - 『涼宮ハルヒの消失』の初号試写会が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。
* 脚本 - [[志茂文彦]]

* 絵コンテ - 石原立也、武本康弘、[[高雄統子]]
2010年2月6日 - 『涼宮ハルヒの消失』の劇場版公開が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。また、[[新宿バルト9]]と[[池袋シネマサンシャイン]]にてハルヒ役の[[平野綾]]、キョン役の[[杉田智和]]をはじめとするメインキャストら、監督の[[武本康弘]]、総監督の[[石原立也]]による初日舞台挨拶が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}{{R|animatetimes1265480043}}。
* 演出 - 北之原孝将、米田光良、坂本一也、高雄統子、[[山田尚子]]、内海紘子

* レイアウト監修 - [[木上益治]]
2010年2月20日 - [[京都シネマ]]にて谷口役の[[白石稔]]、キャラクターデザイン兼超総作画監督の[[池田晶子]]、総作画監督の[[西屋太志]]、プロデューサーの伊藤敦による舞台挨拶が行われる<ref name="kyotoanimation_haruhi_movie">{{Cite web |url=https://www.kyotoanimation.co.jp/haruhi/movie/news.html?printstate=true |title=涼宮ハルヒの消失・京アニサイト【お知らせ】 |website=京都アニメーション公式サイト |accessdate=2022-03-02}}</ref>。
* キャラクターデザイン・超総作画監督 - [[池田晶子 (アニメーター)|池田晶子]]

* 総作画監督 - [[西屋太志]]
2010年3月6日 - 京成ローザ10にて長門役の[[茅原実里]]、みくる役の[[後藤邑子]]らメインキャスト4人による大ヒット御礼の舞台挨拶が行なわれる{{R|kyotoanimation_haruhi_movie}}。
* 作画監督 - 植野千世子、秋竹斉一、[[池田和美]]、高橋真梨子、[[門脇未来]]、[[堀口悠紀子]]、高橋博行

* 美術監督 - [[田村せいき]]
== 製作 ==
* 撮影監督 - 中上竜太
{| class="wikitable" style="float:right; font-size:80%;"
* 設定 - 高橋博行
|+ スタッフ一覧{{R|animatetimes781|okmusic6290}}{{Sfn|公式ガイドブック|p=175}}
* 色彩設計 - [[石田奈央美]]
!原作・脚本協力
* 編集 - 重村建吾([[スタジオごんぐ]])
|[[谷川流]]
* 音響監督 - [[鶴岡陽太]]([[楽音舎]])
|-
* 音響効果 - 森川永子(ちゅらサウンド)
!原作イラスト・キャラクター原案
* 録音 - 矢野さとし
|[[いとうのいぢ]]
* 音響制作担当 - 杉山好美(楽音舎)
|-
* 音響制作 - 楽音舎
![[総監督]]
* 音楽 - [[神前暁]]、[[高田龍一]]、[[帆足圭吾]]、[[石濱翔]]、[[エリック・サティ]]
|[[石原立也]]
* 音楽プロデューサー - [[斎藤滋]]([[ランティス]])
|-
* 音楽制作 - ランティス
![[監督]]
* 制作プロデューサー - 大橋永晴
|[[武本康弘]]
* プロデューサー - 伊藤敦、八田英明
|-
* アシスタントプロデューサー - 山口真由美
!企画
* アニメーション制作 - [[京都アニメーション]]
|[[安田猛 (ブシロード)|安田猛]]、嵐智史、八田陽子、<br />酒匂暢彦、[[井上俊次]]
* 配給・宣伝 - [[角川書店]]
|-
* 製作 - SOS団(角川書店、角川映画、京都アニメーション、クロックワークス、ランティス)
![[脚本]]
|[[志茂文彦]]
|-
![[絵コンテ]]
|石原立也、武本康弘、[[高雄統子]]
|-
![[演出]]
|北之原孝将、米田光良、坂本一也、<br />高雄統子、山田尚子、内海紘子
|-
!レイアウト監修
|[[木上益治]]
|-
![[キャラクターデザイン]]兼<br />超総作画監督
|[[池田晶子 (アニメーター)|池田晶子]]
|-
![[総作画監督]]
|[[西屋太志]]
|-
![[作画監督]]
|植野千世子、秋竹斉一、[[池田和美]]、<br />高橋真梨子、[[門脇未来]]、[[堀口悠紀子]]、<br />高橋博行
|-
![[美術監督]]
|[[田村せいき]]
|-
![[撮影監督]]
|中上竜太
|-
!設定
|高橋博行
|-
!色彩設計
|[[石田奈央美]]
|-
!編集
|重村建吾
|-
![[音響監督]]
|[[鶴岡陽太]]
|-
![[音響効果]]
|森川永子
|-
!録音
|矢野さとし
|-
!録音助手
|砂庭舞
|-
!音響制作担当
|杉山好美
|-
!録音スタジオ
|Studio2010:
|-
!音響制作
|楽音舎
|-
!音楽
|[[神前暁]]、[[高田龍一]]、[[帆足圭吾]]、<br />[[石濱翔]]、[[エリック・サティ]]
|-
!音楽制作協力
|monaca
|-
![[音楽プロデューサー]]
|[[斎藤滋]]
|-
!音楽制作
|[[ランティス]]
|-
!制作プロデューサー
|大橋永晴
|-
!アシスタントプロデューサー
|山口真由美
|-
![[プロデューサー]]
|[[伊藤敦 (プロデューサー)|伊藤敦]]、八田英明
|-
![[アニメーション制作]]
|[[京都アニメーション]]
|-
![[配給]]・[[宣伝]]
|[[角川書店]]
|-
![[製作]]
|SOS団{{Efn2|角川書店、[[角川映画]]、[[京都アニメーション]]、[[クロックワークス]]、[[ランティス]]}}
|}
<!--
=== ストーリーガイド ===
* 総監督の[[石原立也]]はテレビシリーズでは「終始キョンの主観視点で描く」という構想もあったものの結局採用されなかったが、本作では[[3DCG]]で周囲を描写することで、キョンの主観視点を表現したと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=5}}。
* アニメでは16日から物語が始まっているが、原作では17日から始まっており、これは1日増やすことによって序盤にSOS団の日常を描く演出であるとされている{{Sfn|公式ガイドブック|p=5}}。
* 「通学風景」の背景描写については製作スタッフがモデルとなった高校周辺の取材を重ねて資料写真を作成し、それを基に美術スタッフが緻密な背景を描いたことによって出来上がっている{{Sfn|公式ガイドブック|p=6}}。
* 冒頭でキョンがSOS団部室に入るシーンでは「[[フルアニメーション]]{{Efn2|本作では1コマ打ち(秒間24枚動画)が用いられる{{Sfn|公式ガイドブック|p=6}}。}}でややスロー気味」との指示がなされており、印象的に描かれている{{Sfn|公式ガイドブック|p=6}}。
* 冒頭でハルヒがみくるに対し「夜更け過ぎに雨が雪へと変わる瞬間を(中略)」と[[山下達郎]]による楽曲『[[クリスマスイブ]]』を思わせるものであると公式ガイドブックで言及されている{{Sfn|公式ガイドブック|p=17}}。
*
-->
=== 劇場版公開までの経緯 ===
本作の制作会議は[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|テレビアニメ]]第1期終了後の翌年である2007年6月から開始されており、元々はテレビシリーズでの放送が予定されていた{{Sfn|公式ガイドブック|p=87}}。2009年4月から放送された新作アニメーションの構成をする段階で本作を劇場版で公開するという話が出されており、2009年2月に配信された『[[涼宮ハルヒちゃんの憂鬱]]』の制作前には本作のシナリオが出来上がっている{{Sfn|公式ガイドブック|pp=100-101}}。2009年8月には本作のキャラクターデザイン作業とロケハンが開始する{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。同年10月に本作の絵コンテが完成し、同年12月に本作のアフレコと劇伴音楽の収録が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。2010年1月に本作の初号試写会が行われ、同年2月に本作が公開されることとなる{{Sfn|公式ガイドブック|p=85}}。

総監督の[[石原立也]]は原作小説ではあちこちに「消失」を含むその後の展開への伏線があったため、テレビアニメシリーズ『[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]]』の制作では原作にある伏線を必ず取り入れることを心がけていたと語る{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=総監督 石原立也 インタビュー}}。その中でも原作者の[[谷川流]]自身が脚本を担当した『サムデイ・イン・ザ・レイン』は本作をかなり強く意識して作られたエピソードであるとのこと{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=総監督 石原立也 インタビュー}}。

=== コンセプト ===
監督の[[武本康弘]]は本作の制作前に主要スタッフを集めて作品の方向性を話し、そこで本作のコンセプトとして「'''キョンの決心と回帰の物語'''」を提案した{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}。コンセプトについて武本は以下のように語る。
{{Quotation|「決心」とは、物語の中でキョンが一人で放り出された時に、今まで見て見ぬふりをしてきた現実と向き合うということ。「回帰」とは、SOS団に帰るという望みや願い、その思いに到達するまでのキョンの心の動きですね。|武本康弘{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}} }}
また、武本はコンセプト提案後に本作についてもっと簡単な言葉で言えることに気づいたといい、それは「'''キョンの再認識の物語'''」であるという{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}。

石原は本作コンセプトは「'''ラブストーリー'''」{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}であるとした上で以下のように語る。
{{Quotation|TVシリーズの時から、キョンとハルヒの微妙なツンデレ関係はちらほら出ているんですが、今回は甘々の恋愛ものに徹してみようと思いました。|石原立也{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=総監督 石原立也 インタビュー}} }}
石原のコンセプトに対して武本は自身の考える『涼宮ハルヒの消失』にはラブストーリーの要素が薄いのかもしれないと振り返っている{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}。

=== 脚本・構成 ===
脚本は[[志茂文彦]]が担当する{{R|animatetimes781}}。本作はテレビシリーズのシナリオを1話ずつ書くような形でパートごとに分けて脚本が書かれている{{Sfn|公式ガイドブック|p=87}}。そのため、全体の尺(上映時間)はその時点では決まっておらず、必要なシーンを十分な分量で書くという方向で進められた{{Sfn|公式ガイドブック|p=87}}。全体の尺についてはシナリオからコンテがあがったタイミングで把握することができており、制作過程で何度も短くしようという話が出たものの、最終的には162分(テレビシリーズ換算だと8回分)という長さになった{{Sfn|公式ガイドブック|p=85,87}}。これについて石原は原作をアニメ化する際は好きなエピソードを削るため辛い作業ではあるが、本作では多くのエピソードを盛り込むことができて良かったと語る一方で、加えたいシーンがあったことからもう少し尺を伸ばしたかったとも語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=87}}。

志茂は原作が緻密に構成されており、シーンを組み替えるだけで全くの別物になってしまうことや、登場人物の魅力を最大限引き出すために彼らが活躍するシーンをピックアップしないといけないことからかなり気を遣って脚本に取り組んだと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=88}}。

本作のクライマックスは原作小説とは異なる{{Sfn|公式ガイドブック|p=88}}。まず、原作小説では長門有希がキョンのいる病院にやってくるが、本作ではキョンが病院の屋上で外を見ている際に長門が現れる{{Sfn|公式ガイドブック|p=77}}。これは志茂の提案によるものであり、提案した理由は「雪が降る中に長門を立たせたかった」からだと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。また、石原もクライマックスが病院というのは息苦しいと語っている{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。なお、雪が降る展開も本作のオリジナル展開であるという{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。次に、エピローグの長門の思い出の図書館のシーンが本作で新たに追加されたが、これは谷川のアイデアによるものである{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。谷川は、改変世界の長門の(架空の)「図書館での思い出」をエピローグとするアイデアを出していたが、回想の多用を避ける意図から、現在の長門の後日談となった{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。

=== 演出 ===
石原は本作の映像を作るうえでは、劇場で流れることは意識しつつもあくまで『涼宮ハルヒシリーズ』の一環として考えていたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}。

演出を担当する[[高雄統子]]は原作小説を読んだ際に、映像のイメージがはっきり感じられ、演出を具体的にイメージすることができたことから、自ら絵コンテに立候補した{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}{{Efn2|高雄はテレビシリーズでも絵コンテと演出を担当しており、もっと自分なりにキャラクターを描いてみたいという心残りを抱いていたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}。}}。武本は他にも信頼できる演出家はいたものの、本作においては高雄向きであるとし、石原も本作では女性の意見がとても活かせるのではないかと感じたという{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}。高雄は空気感で映像を見せるためにカメラをなるべく引き気味にし、空気感全体でキョンの心情に迫ることを意識したと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}。改変後の世界に取り残されたキョンや他のキャラクターは孤独であると考え、それぞれのスタンスで感じる「さみしさ」を描くためにカメラを引き気味にする作業は必要であった{{Sfn|公式ガイドブック|p=102}}。

本作では大人バージョンの朝比奈みくるの描写が重要であり、彼女は全てを知った状態で物語を俯瞰している存在であることを武本は大事にしていた{{Sfn|公式ガイドブック|p=106}}。涼宮ハルヒについては本作では出番が少ないことから彼女が登場した際の「キラキラ感」を印象づけるようにされている{{Sfn|公式ガイドブック|p=106}}。

本作では学校内のシーンにおけるモブキャラクターたちに動きがつけられている{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=監督 武本康弘 インタビュー}}。本来であれば主要キャラクターを注目させるなどの理由でモブキャラクターの動きは止められるが、本作においては予算や制作時間に余裕があったため、出来る範囲で動かしてみようと思ったと武本は語る{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=監督 武本康弘 インタビュー}}。

=== 作画 ===
キャラクターデザイン兼超総作画監督には[[池田晶子 (アニメーター)|池田晶子]]が、総作画監督には[[西屋太志]]がそれぞれ担当する<ref>{{Cite news |url=https://web.archive.org/web/20100909124311/https://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20100905-OYT8T00024.htm |title=映画 「涼宮ハルヒの消失」 作画監督 池田晶子さん、西屋太志さん |work=読売新聞 |date=2010-09-05 |accessdate=2022-03-14}}</ref>。作業の流れとしては、6つのパートそれぞれの作画監督と監督のチェックを経て、西尾の元に全カットが届き、それを最終的に池田がチェックするというものである{{Sfn|公式ガイドブック|p=110}}。

西尾はキャラクターのポージングや仕草、とりわけ表情について特に注意した一方で、池田は西尾の後の作業となることからキャラ表に合わせることに集中できたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=110}}。池田は制作当初に作監を集め、キャラクターの説明を改めて行っており、そこで注意点や方向性が話し合われる{{Sfn|公式ガイドブック|p=110}}。具体的には心情芝居がメインとなることから表情や全身の表現を柔軟に取り入れるために、キャラクターがリアルになるのを避けることを注意された。また、方向性としては場面ごとのキャラクターの心情に、その時々に応じた良い表情を作っていくというものであった{{Sfn|公式ガイドブック|p=110}}。レイアウト段階で意識した点について池田は、劇場版ということもあり画面が広くなることから、アップにし過ぎないことを挙げる{{Sfn|公式ガイドブック|p=112}}。

作監作業で苦労したキャラクターとして、池田は改変後の長門を、西尾はキョンをそれぞれ挙げる{{Sfn|公式ガイドブック|p=112}}。キョンについて西尾は、物語のほぼ全てに登場することから単純な作業量が多く、劇中では様々な出来事を経験するために感情の振れ幅を余すことなく描かなければならなかったと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=112}}。改変後の長門について西尾は儚げな仕草を出すことを意識し、とりわけキョンを引き留める際に感情を出すシーンでは注意して取り組んだ{{Sfn|公式ガイドブック|p=112}}。

=== 音楽 ===
音楽は[[神前暁]]、[[高田龍一]]、[[帆足圭吾]]、[[石濱翔]]が担当しており、それに加えて本作で使用された楽曲『[[ジムノペディ]]』『[[グノシエンヌ]]』の作曲者・[[エリック・サティ]]の名前が担当者としてクレジットされている{{Sfn|公式ガイドブック|p=175}}。劇伴のコンセプトについては「切なさを出すためと、画面で観客に見せていくため、音楽はあまり目立たないように」と武本は語る{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=監督 武本康弘 インタビュー}}。

本作の劇伴はフルオーケストラによってレコードされている{{Sfn|公式ガイドブック|p=114}}。ポップスやソフトロック・テイストな曲が多かったテレビシリーズに対し、本作は劇場版ということもあり、制作サイドから「壮大なイメージで、弦の美しい響きが欲しい」との要望があり、[[角川書店]]がフルオーケストラを提案したことから採用に至った{{Sfn|公式ガイドブック|pp=114-115}}。

神前は、基本的に監督がイメージする音楽をいかにして忠実に再現するかについて注力したと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=115}}。また、神前は本作は長門が鍵となる作品ではあるもののあくまで「ハルヒとSOS団にまつわる作品」だとし、物語全般に渡って「キョンの心はハルヒにある」ことを音楽で暗示させている{{Sfn|公式ガイドブック|p=115}}。

神前らによって作曲された楽曲は[[イマジン (音楽プロダクション)|イマジン]]へと渡り編曲が行われる{{Sfn|公式ガイドブック|pp=115-116}}。イマジンの[[松尾早人]]は作曲された段階でアレンジはかなり出来ていたことから、これを壊さないように注力したとし、イマジンの[[多田彰文]]はスケッチやモチーフのみの状態の楽曲に関しては、疑問点について神前や高田と意思疎通を図りながら編曲に励んだと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=116}}。

本作ではサティが作曲した『ジムノペディ』『グノシエンヌ』が劇伴で使用されている{{Sfn|公式ガイドブック|p=116}}。プロデューサーの[[伊藤敦 (プロデューサー)|伊藤敦]]が本作にはサティの楽曲が相応しいのではと考えたことから起用に至った{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=監督 武本康弘 インタビュー}}。『ジムノペディ』は長門を、『グノシエンヌ』はキョンをそれぞれ描写している{{Sfn|公式ガイドブック|p=116}}。
<!--
=== ロケハン ===
-->
=== 演技・役作り ===
涼宮ハルヒ役の[[平野綾]]は、本作がSOS団の日常が殆ど描かれず、ハルヒの出番も少なかったことから、わずかな日常シーンでいつもよりさらに印象づけることを意識したと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=128}}。改変後のハルヒを演じるうえでは、「テレビシリーズ第1話の中で起こったハルヒの感情の移り変わりのスピードが早くなり、人間関係の形成はまだされていない」という感じを出したと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=128}}。

長門有希役の[[茅原実里]]は、改変後の長門を演じるうえでテレビシリーズでの抑揚がなく淡々と喋る長門の雰囲気は壊さず、感情を普通の度合いに持っていったと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=123}}。

朝比奈みくる役の[[後藤邑子]]は、改変前のみくると改変後のみくるが本質的には殆ど変化がないと解釈していることから、テレビシリーズと変わらずに演じることを心掛けたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=130}}。

朝倉涼子役の[[桑谷夏子]]は、みくるを演じた後藤と同様にテレビシリーズと変わらずに演じることを心掛けたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=134}}。その中で意識した点として「普通だけど何か怖い。裏がありそう」という感じを出そうと思って演じたことを挙げている{{Sfn|公式ガイドブック|p=134}}。

=== その他・エピソード ===
クライマックスにおける屋上のシーンの中に長門が雪を手ですくうシーンが存在するが、これは後のエピソードである「編集長★一直線!」(『涼宮ハルヒの憤慨』に収録)で使用された挿絵がモチーフとなっている{{Sfn|公式ガイドブック|p=90}}。また、屋上でのキョンと長門の対話におけるキョンの「ユキ…」という台詞は、シナリオにはカタカナで「ユキ」と表記されていただけであり、キョン役の杉田は「雪」とも「有希」とも聞こえる[[イントネーション]]でアフレコしたとのこと{{Sfn|公式ガイドブック|p=77}}。実際にキョンがどちらを指して言ったのかは不明であり、原作ではそもそも台詞自体がない。本作の英語版では、この台詞を「''Yuki... means snow, doesn't it?''」と訳している。

当初、監督としては『[[時をかける少女]]』や『[[サマーウォーズ]]』を手掛けた[[細田守]]がオファーされており、本人も乗り気であったものの、結局は断られている<ref>{{Cite news |url=https://animeanime.jp/article/2009/11/21/5650.html |title=細田守@シンガポール 劇場版ハルヒ監督の話もあった |work=アニメ!アニメ! |date=2009-11-21 |accessdate=2022-03-05}}</ref>。

テレビシリーズでは石原の役職名が団長代理、武本の役職名が団長補佐となっていたが、本作では総監督と監督に変更されている{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}。この理由について石原は、本作ではハルヒが「消失」しており、団長と超監督がいないからであると語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=101}}。

音響監督の[[鶴岡陽太]]は通常の劇場版作品では物語の展開とは異なる順序で収録を行うのが一般的かつ効率的だが、本作ではキョンの感情変化を大事にするために、物語の展開に沿って順録りを行ったと語る{{Sfn|公式ガイドブック|p=138}}。

総監督と監督では役職名の違いはあるものの実際の立場は同じであった{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=総監督 石原立也 インタビュー}}。両者が行う作業も基本的には同じものであったが、全2000カットのレイアウトチェック(石原担当)とクライマックスの細かな演出(武本担当)については分担して行われた{{Sfn|劇場版パンフレット|loc=総監督 石原立也 インタビュー}}。

== 主題歌 ==
; 「[[冒険でしょでしょ?|冒険でしょでしょ?]]」<ref>{{Cite news |url=https://otakei.otakuma.net/archives/2018012203.html |title=今年もやります!アニメライターが独断で選ぶ『2017年のアニメ映画ベスト10』 |work=おたくま経済新聞 |date=2018-01-22 |accessdate=2022-01-28}}</ref>
: [[平野綾]]によるオープニングテーマ{{Sfn|公式ガイドブック|p=9}}。作詞は[[畑亜貴]]、作曲は冨田暁子、編曲は[[藤田淳平]]がそれぞれ担当する{{Sfn|公式ガイドブック|p=9}}。
: テレビアニメ『[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]]』のオープニングテーマだった本楽曲が『涼宮ハルヒの消失』でも使用される形となっているが<ref>{{Cite news |url=https://natalie.mu/music/news/24721 |title=劇場版「涼宮ハルヒの消失」テーマソングは長門有希 |work=音楽ナタリー |date=2009-12-04 |accessdate=2022-03-06}}</ref>{{Sfn|公式ガイドブック|pp=8-9}}、オープニング映像は完全新作である{{Sfn|公式ガイドブック|pp=8-9}}。
; 「[[優しい忘却]]」<ref name="akiba-souken8408">{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/8408/ |title=茅原実里「優しい忘却」(「涼宮ハルヒの消失」主題歌)とENOZミニアルバムが同時発売! |work=アキバ総研 |date=2010-02-23 |accessdate=2022-01-28}}</ref>
: [[茅原実里]]による主題歌{{R|akiba-souken8408}}。歌詞原案は谷川流、作詞は[[畑亜貴]]、作曲は[[伊藤真澄]]、編曲は[[松田彬人|虹音]]がそれぞれ担当する<ref>{{Cite news |url=https://www.lantis.jp/release-item/LASM-4049.html |title=優しい忘却 - 劇場版『涼宮ハルヒの消失』 - 茅原実里 |work=ランティス公式サイト |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
: 「ハルヒ」シリーズでは初めて茅原がソロで担当する楽曲となっている<ref name="animatetimes1265480043">{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1265480043 |title=茅原実里さんが歌う『涼宮ハルヒの消失』主題歌「優しい忘却」のWジャケットが到着!YouTubeとニコニコ動画でのプロモ映像公開も! |work=animate Times |date=2010-02-01 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
: 歌詞原案を担当した谷川は長門が書きそうな「電波ポエム」を書いたと語る{{Sfn|公式ガイドブック|pp=90-91}}。また、本作ではアカペラバージョンが採用されているが、これはプロデューサー・伊藤敦の指示によるものである{{Sfn|公式ガイドブック|p=91}}。

== 封切り / 興行収入 ==
=== 国内 ===
2010年2月6日より[[シネマサンシャイン|シネマサンシャイン池袋]]ほかにて公開された。シネマサンシャイン池袋では初日早朝から約500人が並んで終日満員となり、各館でも初日満席の回が続出した<ref>[https://web.archive.org/web/20100208195758/http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20100206mog00m200002000c.html 涼宮ハルヒの消失:話題の劇場版アニメが公開 東京・池袋では500人が列] 毎日jp 2010年2月6日(2010年2月8日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。全国24館のみという小規模公開ながら、公開1週目時点で興行収入2億円、観客動員数14万人を記録した<ref>[http://www.news2u.net/releases/64684 全国劇場に「ハルヒ」旋風吹き荒れる!!劇場版「涼宮ハルヒの消失」、驚異的ヒットでロードショー中!] News2u.net 2010年2月12日</ref>。同年7月末時点で興行収入は8億4000万円に達し{{R|av.watch389281}}、最終的な観客動員数も60万人以上を記録している{{R|akiba-souken27244}}。2010年度アニメ映画興行収入ランキング(アニメアニメビズ調べ)では13位を記録した<ref>{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2010-10-20/honolulu-theatre-to-screen-haruhi-film-on-october-29 |title=Honolulu Theatre to Screen Haruhi Film on October 29 |work=AnimeNewsNetwork |date=2010-10-20 |accessdate=2022-03-14}}</ref>。後に同制作会社の『[[映画けいおん!|映画けいおん!]]』(2011年公開 / 興行収入約19億円)が公開されるまでは、深夜アニメ発の映画としては歴代最高の興行収入を記録していた<ref name="mynavi20131028">{{Cite news |url=https://news.mynavi.jp/article/20131028-a209/ |title=『劇場版 あの花』興収10億円突破! 深夜アニメでは『けいおん!』に次ぐ2位 |work=マイナビニュース |date=2013-10-28 |accessdate=2022-01-22}}</ref>。また、2019年7月に生じた[[京都アニメーション放火殺人事件]]を受け、[[MOVIX京都]]における「京都アニメーション映画作品特集上映」の一環として同年12月13日~19日に上映されることとなった<ref>{{Cite news |url=https://natalie.mu/comic/news/344302 |title=京アニ劇場作品の特集上映が8月23日から、京都では「涼宮ハルヒの消失」も |work=コミックナタリー |date=2019-08-20 |accessdate=2022-03-15}}</ref>。

=== 国外 ===
海外においても、米国で5月21日から[[サンフランシスコ]]<ref name="animenewsnetwork_screen">{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2010-06-01/disappearance-of-haruhi-to-screen-in-la-june-24 |title=Disappearance of Haruhi to Screen in LA June 24 |work=AnimeNewsNetwork |date=2010-06-01 |accessdate=2022-03-14}}</ref>、6月24日に[[ロサンゼルス]]{{R|animenewsnetwork_screen}}、10月にホノルルや[[ニューヨーク]]で上映された<ref>{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2010-12-24/top-anime-movies-at-japanese-box-office/2010 |title=Top Anime Movies at Japanese Box Office: 2010 |work=AnimeNewsNetwork |date=2010-12-24 |accessdate=2022-03-14}}</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20101207030011/http://lantis.jp/news/all.php?subaction=showfull&id=1279172993&archive=&start_from=&ucat=2& 茅原実里 NYAF主賓(Guest of Honor)に決定](2010年12月7日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。10月22日から[[台湾]]<ref>[http://www.prowaremovie.com/suzumiya/index.html 台湾映画公式サイト 普威爾國際股?有限公司]</ref>、11月11日から[[韓国]]<ref>[http://haruhi2010.kr 韓国公式サイト]{{リンク切れ|date=2013年2月}}</ref><ref>[http://www.sos-dan.kr SOS団韓国支部]</ref> で上映された。[[スコットランド]]のアニメフェア「[[スコットランド・ラブズ・アニメーション|スコットランド・ラブズ・アニメ]]」の10月17日にてユーロプレミア上映。11/13or14シンガポール ANIME FESTIVAL ASIAにて上映。11月から12月にかけて[[ロシア]]各都市(1日だけの上映が多い)と[[ウクライナ]](キエフ、11月5日)<ref>[http://reanimedia.ru/news_03_11_2010.html Reanimedia社公式サイト告知](ロシア語版発売元)</ref>、12月2日から香港での上映が決定している。


== 評価 ==
== 評価 ==
=== 売上 ===
[[ぴあ]]初日満足度ランキング(ぴあ独自調査)では、『[[インビクタス/負けざる者たち]]』に続き初登場第2位となった。
本作のBlu-ray限定版の初週売上は77,000枚を記録し、週間Blu-rayランキング([[ORICON]]調べ)で「涼宮ハルヒ」シリーズ初の1位を獲得した<ref name="mantan-web20101222">{{Cite news |url=https://mantan-web.jp/article/20101221dog00m200047000c.html |title=涼宮ハルヒ:「消失」BD限定版が初の総合首位 オリコンBDランキング |work=MANTANWEB |date=2010-12-22 |accessdate=2022-01-22}}</ref>{{Efn2|それまでの最高位は「涼宮ハルヒの憂鬱ブルーレイコンプリートBOX【初回限定生産】」の2位{{R|mantan-web20101222}}。}}。2011年12月時点でBlu-ray限定版の売上は101,704枚となり、2011年の年間Blu-rayランキング(同調べ)では7位を獲得した<ref name="animenewsnetwork20111221">{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2011-12-21/top-selling-blu-ray-discs-in-japan/2011 |title=Top-Selling Blu-ray Discs in Japan: 2011 |work=Anime News Network |date=2011-12-21 |accessdate=2022-01-22}}</ref>{{Efn2|年間Blu-rayランキング(2011年)の集計期間は2010年12月13日 - 2011年12月11日{{R|animenewsnetwork20111221}}。}}。本作のDVD限定版の初週売上は19,667枚を記録し、週間DVD・アニメランキング(同調べ)では『[[劇場版 銀魂 新訳紅桜篇]]』(完全生産限定版)に次ぐ2位を獲得した<ref>{{Cite news |url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2010-12-21/japan-animation-dvd-ranking-december-13-19 |title=Japan's Animation DVD Ranking, December 13-19 (Part 1) |work=Anime News Network |date=2010-12-21 |accessdate=2022-01-22}}</ref>。


情報サイト「AV Watch」が行った年末特別企画「Amazon注文数ランキング(2010年)」ではBlu-ray限定版(Amazon.co.jp限定スチールブック付き / 完全生産限定版)が年間4位を獲得しており、同サイト編集部の山崎健太郎から「10,500円と高価ながらランクインした」とコメントされている<ref>{{Cite news |url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/nenmatu/417643.html |title=【年末特別企画】Amazon注文数ランキング ~2010年~ - AV Watch |work=AV Watch |date=2010-12-27 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。

アニメイト秋葉原店の12月DVDランキングではDVD限定版(アニメイト限定版)が[[水樹奈々]]によるLiveDVD「[[NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY|NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY −RED−]]」(2位)、「[[NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY|NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY −BLUE−]]」(3位)を上回る1位を獲得した<ref>{{Cite news |url=https://mantan-web.jp/article/20110127dog00m200037000c.html |title=アニメイトDVDランキング:12月1位は「涼宮ハルヒの消失」秋葉原店調べ |work=MANTANWEB |date=2011-01-27 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。

=== 他者評価 ===
情報サイト「AV Watch」編集部の山崎健太郎は本作について「困難があるたびにキョンをサポートしてきた長門とキョンの物語」だとし、いつもは巻き込まれ役だったキョンが自らの意思で行動する点が特徴であると評している<ref name="av.watch416152">{{Cite news |url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/buy/416152.html |title=アニメシリーズの集大成的な劇場版 やっぱりハルヒは凄かった!? |work=AV Watch |date=2010-12-21 |accessdate=2022-03-06}}</ref>。特筆すべき点として「キョンの描写」を挙げており、普段温厚なキョンが徐々に追い詰められる描写を細かな動きで表現しており、サスペンス的な緊張感が漂っていたと評している{{R|av.watch416152}}。テレビシリーズではなく劇場版として映像化したことについて本作は「一気に視聴するに向いた疾走感のあるストーリーになっている」ことから、劇場版を選択したのは正解だったと製作陣の英断を称賛している{{R|av.watch416152}}。

「[[イード (企業)|アニメ!アニメ!]]」編集部・umiは本作について、涼宮ハルヒが無自覚に巻き起こす「非日常」を描いた『[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]]』とは反対の限りなく「日常」を描いた作品だと語る <ref name="animeanime50649">{{Cite news |url=https://s.animeanime.jp/article/2019/12/28/50649.html |title=これ観ないで何観るの?「AbemaTV」で年末年始に観るべきアニメ―「インサイド」&「アニメ!アニメ!」レコメンドタイトル |work=アニメ!アニメ! |date=2021-04-15 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。また同氏は「日常と言っても、ハルヒが「消失」しているのだからキョンたちにとっては日常ではないのだが、160分を超える本編のなかで、登校や休み時間などの日常シーンひとつひとつがとにかく丁寧に描写されているのが印象的だった」と称賛している{{R|animeanime50649}}。「あにぶ」編集部・壱の人は「テレビシリーズを超える凄まじいレベルの作画で構成されている」と称賛している<ref name="anibu31854">{{Cite news |url=https://anibu.jp/11jun2016-kyotoani-31854.html |title=京都アニメーションの作画力はチートレベル?そんな 京都アニメーションの豆知識 |work=あにぶ |date=2016-06-11 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。

「[[おたくま経済新聞]]」のライター・コートクは本作の象徴的なシーンとして「決断を迫られたキョンの思考を表わしたイメージ映像」を挙げている<ref name="otakei2010022301">{{Cite news |url=https://otakei.otakuma.net/archives/2010022301.html |title=【新作アニメ捜査網】第五回 映画「涼宮ハルヒの消失」 |work=おたくま経済新聞 |date=2010-02-23 |accessdate=2022-03-05}}</ref>。決断というのは「平凡な少女と一緒に部活動をする世界('''現実''')と、宇宙人・未来人・超能力者が騒動を巻き起こす世界('''理想''')のどちらを望むか、という二者択一」であり、コートクは同コラム内で本作に同様に二者択一を迫られる映画として『[[クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲|クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲]]』を紹介している{{R|otakei2010022301}}。両作品とも現実と理想のどちらかを選ばなければならなかったが、結果的に両者の選択は真反対となった{{R|otakei2010022301}}。コートクは「現実と理想のどちらを優先するか、という問いは、映画を観に来た観客にも投げかけられていたのではないだろうか」と締めくくっている{{R|otakei2010022301}}。また、コートクは同サイト内企画「第30回 2010年アニメ!勝手にアカデミー賞」最優秀音楽賞に本作を挙げた上で以下にコメントを残している<ref name="otakei4104840">{{Cite news |url=https://otakei.otakuma.net/archives/4104840.html |title=【新作アニメ捜査網】第30回 2010年アニメ!勝手にアカデミー賞 |work=おたくま経済新聞 |date=2011-02-14 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。
{{Quotation|序盤、テレビシリーズで姿を消したばずの朝倉涼子が教室に現れる場面の重苦しい劇伴「朝倉涼子という女性」、物語が急展開を見せつつキョンの意志を感じさせる中盤の劇伴「涼宮ハルヒの手がかり」、そして事件が収束してラストの平穏な日常へと至る劇伴「いつもの風景で終わる物語」と、ストーリーの最初から最後まで劇伴の果たした役割は大きかった。|コートク{{R|otakei4104840}}}}

アニメ評論家の[[藤津亮太]]は自著『ぼくらがアニメを見る理由 2010年代アニメ時評』の中で本作について以下のように述べている。
{{Quotation|本作はTVでは描かれなかったハルヒの作り出す「無縁の場」の外が主題となった内容であった。簡単に言えば、ハルヒの「無縁の場」の"外"に出てしまったキョンが自らの意志ででハルヒの作り出す「無縁の場」を選択し、帰還するということである。<br />この映画の重要な点はキョンがハルヒの望んだ世界=「無縁の場」の外に出たというだけでなく、彼が元の世界を選んだということだ。これによってキョンは「無縁の場の中の語り部」ではなく、ハルヒにとっての外部そのものになったと言える。|藤津亮太{{Sfn|藤津2019|p=323}}}}

映画ライターの皆川ちかは本作におけるパラレル・ワールドやタイムスリップの用い方については『[[ドラえもん のび太の大魔境]]』と『[[ドラえもん のび太の魔界大冒険]]』から、設定については『[[うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー]]』からそれぞれ影響を受けていると推察している<ref>{{Cite news |url=https://moviewalker.jp/news/article/12540/ |title=シリーズ最高傑作、「涼宮ハルヒの消失」はここが面白い! |work=MOVIEWALKER |date=2010-02-06 |accessdate=2022-03-15}}</ref>。

=== 受賞・ノミネート等 ===
2010年度(第14回)[[文化庁メディア芸術祭]]審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・[[OVA]])に選ばれている<ref>[https://web.archive.org/web/20101211103324/http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/recommend/animation.php 文化庁メディア芸術祭] 2010年12月8日閲覧(2010年12月11日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
2010年度(第14回)[[文化庁メディア芸術祭]]審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・[[OVA]])に選ばれている<ref>[https://web.archive.org/web/20101211103324/http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/recommend/animation.php 文化庁メディア芸術祭] 2010年12月8日閲覧(2010年12月11日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。


2010年11月28日に[[神戸国際交流会館#施設|神戸国際会議場メインホール]]にて行われた[[アニメーション神戸|第15回アニメーション神戸賞]]において作品賞・劇場部門を受賞した <ref>{{Cite news |url=https://animeanime.jp/article/2010/11/29/7256.html |title=第15回アニメーション神戸 「けいおん!」の山田監督も |work=アニメ!アニメ! |date=2010-11-29 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。
== アニメーションにおける改変 ==
ストーリーのほとんどは原作小説に忠実であるが、演出上でシチュエーションや台詞についていくつかの改変が行われた。
* アニメでは16日から物語が始まっているが、原作では12月17日に始まり、16日のことはキョンの回想として語られる。16日のシーンは大幅に増やされており(原作にあるのは登校とオープニング後の部分のみ)、これは1日増やすことによって序盤にSOS団の日常を描く演出であるとされている<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「ストーリーガイド001 12月16日」p.5より</ref>。
* キョンが携帯電話のアドレス帳でハルヒを探すシーンが追加された。またアドレス帳が[[五十音順]]であることから、原作第9巻『分裂』に登場する「佐々木」の名前が登場した<ref group="注">この時、6巻『動揺』内のエピソード『ヒトメボレLOVER』において、キョンが通っていた中学校の同窓会幹事を行っているとされる「須藤」の名前も登場している(メモリには「須藤 自宅」と書かれている)</ref>。これについては原作者の谷川が許可しているが、谷川は冗談まじりに「同じ名前の別人かもしれない」と語っている<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「原作者・総監督・脚本座談会」p.89より</ref>。
* 改変後の長門の部屋には改変前にはなかったテレビなどがあるが、原作では改変前と同じで[[こたつ]]だけしかない。美術監督の田村せいきは、とりあえず揃えたインテリアに温かみを与えることでキョンの違和感を増す演出としている<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「美術設定」p.162より</ref>。
* ハルヒが「ジョン・スミスには2回会った」と説明するシーンが、原作では喫茶店に向かう途中であるが、喫茶店の中に変更されている<ref>キョンとハルヒと古泉が校門前から喫茶店まで移動するシーンが省略されているため</ref>。
* 最も大きな変更点として、病院でのキョンと長門の対話の場所が、「キョンの病室」から「病院の屋上」に変更された。屋外に変わったことにより、雪を使った演出がなされている。なお、このシーンでは原作小説第8巻『涼宮ハルヒの憤慨』収録の短編「編集長★一直線!」に使われたイメージカット(挿絵)が起用されている(アニメ版のOPにも使用されていた)。なお、発案者は脚本担当の志茂文彦である<ref name="ReferenceA">『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「原作者・総監督・脚本座談会」p.90より</ref>。
* [[クレジットタイトル|エンドロール]]後の[[エピローグ]]として、図書館で本を読む長門のシーンが追加された(映像では明確ではないが『消失』の後の場面である)。原作者の谷川は、改変世界の長門の(架空の)「図書館での思い出」をエピローグとするアイデアを出していたが、回想の多用を避ける意図から、現在の長門の後日談となった<ref name="ReferenceA"/>。


2011年3月5日に[[秋葉原#施設|秋葉原UDXシアター]]にて行われた「[[声優アワード|第5回声優アワード]]」において本作で長門有希役・主題歌を担当した[[茅原実里]]が歌唱賞を受賞した<ref>{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/11010/ |title=第5回声優アワード受賞者決定!! 豊崎愛生が主演女優賞とパーソナリティ賞の2冠 |work=アキバ総研 |date=2010-03-05 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
== 登場する実在物 ==
原作には固有名詞も特定できるような描写もない。


=== その他 ===
* 通学路に[[ファミリーマート]]がしばしば登場する。入店音は一部店舗で使われている[[パナソニック電工]](旧・松下電工)EC5227WPのチャイム「[[ファミリーマート#センサーチャイム|大盛況]]」に似せたオリジナルメロディで、[[着メロ]]配信された。3年前のシーンでの店内BGMは[[飛蘭]]の「All I can do is singing for you」で、2009年発売の「[[I sing by my soul]]」のカップリングである。
NECビッグローブが2011年5月に発表した「アニメファンの選ぶ劇場版アニメランキング」では『[[サマーウォーズ]]』に次ぐ2位を獲得した<ref>{{Cite news |url=https://mantan-web.jp/article/20110523dog00m200064000c.html |title=注目リリース:NECビッグローブ、「アニメファンの選ぶ劇場版アニメランキング」を発表 |work=MANTANWEB |date=2011-05-24 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。
* 作中で長門が読んでいる本として筒井康隆『[[虚航船団]]』(16日)、村上春樹『[[世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド]]』(18日)、ティプトリー『[[たったひとつの冴えたやりかた]]』(ラストシーン、2008年の改訳版)が映っている。また、キョンが手に取ったのはテレビアニメにも登場したシモンズ『[[ハイペリオン (小説)|ハイペリオン]]』、机に積まれていたのは早川書房『[[世界SF全集]]』である<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「長門有希の本棚」p.139(以上全て)。本棚に並んでいるタイトルも掲載されている。</ref>。
* 改変後の文芸部室のパソコンはNECの[[PC-9821シリーズ|PC-9821]]の[[VALUESTAR#低コストMATE VALUE STARとハイエンドMATE R|MATE VALUESTAR]](PC-9821V系、PC-9821V166もしくはPC-9821V200)である。制作資料のためにNECより特別に貸し出された。ファン音や起動音はすべてこのパソコンを録音して使われた。資料を取り終えた後は即返却を求められたという。画像と音のタイミングについては実機と違っており、実機ではWindowsの旗の部分ではロード中のため、劇中のように起動音は鳴らない。
* 古泉が喫茶店で使っているペンは[[シャーボX]]である。
* キョンの入院した病院は神戸市[[東灘区]]に実在する[[甲南医療センター|甲南病院]]と設定され、内外装ともに忠実に再現されている。Blu-ray & DVDには、病院内でロケハンを行なう様子が特典映像として収録されている。なお、作品内に主に登場した病棟(旧本館)は、老朽化のため2019年9月末に使用を終了し、2020年夏までに解体された。
* [[阪急甲陽線]]を走行する[[阪急6000系電車]]が度々登場する。


== その他 ==
== Blu-ray / DVD ==
=== リリース情報 ===
* 英題は2つあり、映画公開前にWeb上で公開された予告編やサウンドトラックCDでは ''The Vanishment of Haruhi Suzumiya'' だったが、映画公開後は ''The Disappearance of Haruhi Suzumiya'' になっている。
2010年12月18日に角川書店(販売元は角川映画)から発売された<ref name="av.watch389281">{{Cite web |url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/389281.html |title=映画「涼宮ハルヒの消失」が12月18日にBlu-ray/DVD化 |website=AV Watch |date=2010-08-26 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。Blu-ray&DVDは各限定版・通常版を合わせた計4形態での発売となり、各限定版にはロケハン映像・レコーディング風景・舞台挨拶など約150分の特典映像を収めたディスクが付属されている(詳細は[[#特典ディスク収録内容|下記]]を参照)ほか、ポストカード付解説シート、透明スリーブ付スライドトレイ、劇場用パンフレット縮刷版などが同梱されている<ref>{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/9669/ |title=「涼宮ハルヒの消失」BD/DVDリリース決定! 秋葉原でも予約受付スタート |work=アキバ総研 |date=2010-08-26 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。また、Blu-ray限定版のみ「涼宮ハルヒの消失 脚本集{{Efn2|脚本担当・[[志茂文彦]]による決定稿をハードカバー仕立ての本にしたものであり、公式は「映画本編では泣く泣くカットされたシーンも収録された、『消失』のすべてを読み解くファン必携のアイテム」であると説明している<ref>{{Cite news|url=https://www.kadokawa-pictures.jp/official/haruhi_movie/11207.shtml|title=2010年の大ヒット劇場アニメーション『涼宮ハルヒの消失』12月18日(土)Blu-ray & DVD発売決定!|work=KADOKAWA |date=2010-08-26|accessdate=2022-01-30}}</ref>。}}」が同梱されている <ref>{{Cite news |url=https://www.oricon.co.jp/news/79484/full/ |title=「涼宮ハルヒの消失」が12/18にBlu-ray&DVDで発売決定 |work=ORIOCN NEWS |date=2010-08-29 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。
* エンドロールでは監督に武本康弘、総監督に石原立也とクレジットされているが、実際は両者の担当した場面カットが異なっているだけでそれほど立場に違いはなく、実質的には共同監督であったと解説されている<ref>劇場パンフレット 総監督石原立也インタビュー</ref>。

* TVシリーズにあった「涼宮ハルヒ」のクレジット(キャスト以外)が本作では'''消失'''している。監督の石原立也によれば、「ハルヒには女優に徹してもらった」<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「演出家座談会」p.101</ref> とのこと。
==== 詳細情報 ====
* 当初、監督として[[細田守]]がオファーされており、本人も乗り気であったものの、結局は断られた<ref>{{Cite web|url=http://www.ustream.tv/recorded/10609700?lang=ja_JP|title=細田守監督×浜野保樹氏対談「日本アニメーションの新たな可能性」~メディア芸術祭巡回展札幌展|website=Ustream|accessdate=2021-11-09}}</ref>。
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
* 限定前売券として、特製マフラータオルセット&携帯Flash待ち受け時計付きや、特定店限定など数種類の前売券が発売。また劇場来場者キャンペーンとして、先着で特製メモパッドがプレゼントされている。劇場来場者キャンペーンとして、チケット半券2枚(ただし少なくとも1枚は2010年2月27日以降の日付のみ有効)でフィルムブックマークがプレゼントされ、さらに劇場来場者キャンペーン第二弾として3月27日より特製ポストカードセットがプレゼントされた。
! 形態 !!発売日 !!収録 / 同梱内容
* ラストの病院でのキョンと長門の対話におけるキョンの「ユキ…」という台詞は、シナリオにはカタカナで「ユキ」と表記されていただけであり、キョン役の杉田は「雪」とも「有希」とも聞こえる[[イントネーション]]でアフレコしたとのこと<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「ストーリーガイド008 12月21日」p.77</ref>。実際にキョンがどちらを指して言ったのかは不明(原作では台詞自体がない)。本作の英語版では、この台詞を「''Yuki... means snow, doesn't it?'' 」と訳している。
! 規格品番
* 『OFFICIAL FANBOOK 涼宮ハルヒの観測』に収録されている作者と担当編集の座談会によれば、テレビ版にシャミセン役で出演した[[緒方賢一]]は、今作にも同様に出演している。ただし、台詞がシャミセンの鳴き声のみ<ref>『OFFICIAL FANBOOK 涼宮ハルヒの観測』p.166より</ref> であるため、エンドロールやパンフレットなどには名前がクレジットされていないとされている。
! 価格
|-
! BD限定版<ref name="syoshitsu_dvdbd">{{Cite web |url= http://haruhi.tv/fanclub/syoshitsu_dvdbd_syoshitsu.html |title=グッズ (DVD) |website=『涼宮ハルヒの消失』公式サイト |accessdate=2022-03-06}}</ref>
| rowspan="4" | 2010年12月18日 || 本編BD(約164分)<br />特典BD(約150分)<br />劇場用パンフレット縮刷版<br />ポストカード付解説シート<br />特製スライドトレイ(紙スリーブ付)<br />涼宮ハルヒの消失 脚本集
| KAXA-2101
| 9,450円
|-
! BD通常版{{R|syoshitsu_dvdbd}}
| 本編BD(約164分)<br />劇場用パンフレットの縮刷版<br />解説シート<br />アマレイBDケース
| KAXA-2102
| 8,400円
|-
! DVD限定版{{R|syoshitsu_dvdbd}}
| 本編DVD(約164分)<br />特典DVD(約150分)<br />劇場用パンフレット縮刷版<br />ポストカード付解説シート<br />特製スライドトレイ(紙スリーブ付)
| KABA-8101
| 7,980円
|-
! DVD通常版{{R|syoshitsu_dvdbd}}
| 本編DVD(約164分)<br />劇場用パンフレットの縮刷版<br />解説シート<br />トールケース(透明)
| KABA-8102
| 6,930円
|}

==== 特典ディスク収録内容 ====
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|-
! !!収録内容{{R|syoshitsu_dvdbd|av.watch389281}}
|-
!1
|ロケハン映像(「甲南病院」編)
|-
!2
|BGMレコーディング風景(ビクタースタジオ、オーストラリアにて)
|-
!3
|舞台挨拶1(東京 / 池袋シネマサンシャイン&新宿バルト9にて)
|-
!4
|舞台挨拶2(京都 / 京都シネマにて)
|-
!5
|ダビング、ビデオ編集作業風景
|-
!6
|テーマ曲「優しい忘却」PVメイキング映像
|-
!7
|特報、劇場予告、TVスポット、商品CM
|}

=== 評価 ===
4形態(BD限定版 / BD通常版 / DVD限定版 / DVD通常版)の価格はそれぞれ9,450円 / 8,400円 / 7,980円 / 6,930円となっているが、これについて[[アキバ総研]]は「'''超強気'''な価格設定をしている」と評している<ref>{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/10489/ |title=BD/DVD「涼宮ハルヒの消失」発売! ハルヒ初の劇場版、秋葉原では展示イベントも |work=アキバ総研 |date=2010-12-17 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。

「AV Watch」編集部の山崎健太郎は本作のBD版を同サイト内で取り上げており、各項目について以下のように評している
* 映像 - 目立ったノイズや破綻は無く、グレインも控えめでクリアな絵作りとなっている{{R|av.watch416152}}。画質に関しては家の壁や天井、夜間のライトの周囲などに時折バンディングが見える程度で大きな問題点はない{{R|av.watch416152}}。
* 音声 - フォーマットはリニアPCM 5.1chが採用されている{{R|av.watch416152}}。サブウーファが揺れるような派手な低音は少なく、音場を広くとり、細かな環境音を入れ込み、臨場感をアップさせるサウンドデザインであるが、レンジが広いためテレビシリーズの気持ちで再生すると音が小さく感じる{{R|av.watch416152}}。
* 特典 - 限定版(DVD / BD共通)にはロケハン映像やテーマ曲のPVメイキングなどが付属されており、聖地巡礼気分が味わえる特典となっている{{R|av.watch416152}}。また、BD限定版にのみ付属されている「涼宮ハルヒの消失 脚本集」を読むと、改めてキョンの台詞の多さに驚かされる{{R|av.watch416152}}。


=== その他・エピソード ===
== 劇中音楽 ==
発売日当日である2010年12月18日限定でアニメイト秋葉原店・三宮店・日本橋店にて「'''よかったら・・持っていって'''」キャンペーン{{Efn2|県立北高校制服を着た店員が登場し、本作に登場した「入部届け」風アンケートが配布され、そのアンケートに答えると「長門有希のカード」が1枚プレゼントされる{{R|animatetimes1291364601}}。}}が行われた<ref name="animatetimes1291364601">{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1291364601 |title=Blu-ray&DVD『涼宮ハルヒの消失』発売記念「よかったら・・持っていって」キャンペーン開催 |work=animate Times |date=2010-12-03 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
=== オープニングテーマ ===
; 「[[冒険でしょでしょ?]]」
: 作詞 - [[畑亜貴]] / 作曲 - 冨田暁子 / 編曲 - [[藤田淳平]] / 歌 - [[平野綾]]
:* 2006年4月26日発売
:* テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』より。テレビアニメ版とテイクは同じだが5.1chにリミックスされてセンターの重低音が強調された。映像はテレビ版を思わせる演出があるものの完全新作である。


テレビシリーズ『[[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]]』におけるエピソード「エンドレスエイト」の打撃もあり、秋葉原のショップではテレビシリーズのDVDよりも「涼宮ハルヒの消失」にかける意気込みの方が強まっていた<ref name="akiba-souken8072">{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/8072/ |title=大ヒット?ファン反発?の「ソラノヲト」など 2010年冬アニメに対する秋葉原の声 |work=アキバ総研 |date=2010-01-08 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。店舗スタッフによれば「売れるのは間違いないから、どれだけ売るかが勝負」であるといい、既に発売決定となっていた主題歌やサウンドトラックも含めて「いかに多くの売上げを出すか」が焦点となっていたという{{R|akiba-souken8072}}。
=== エンディングテーマ(主題歌) ===
; 「[[優しい忘却]]」
: 歌詞原案 - 谷川流 / 作詞 - 畑亜貴 / 作曲 - [[伊藤真澄]] / 編曲 - [[松田彬人|虹音]] / 歌 - [[茅原実里]]
:* 2010年2月24日発売。実際に映画で使われたのは2トラック目の[[アカペラ]]バージョン「優しい忘却 -sonority-」である。
:* 歌詞原案は原作者の谷川流。長門が書きそうな「[[電波系|電波]]ポエム」と評している<ref>『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』「原作者・総監督・脚本座談会」p.91</ref>。


=== サウンドトラック ===
== サウンドトラック ==
{{Infobox Album <!-- プロジェクト:アルバム をご覧ください -->
{{Infobox Album <!-- プロジェクト:アルバム をご覧ください -->
| Name = 涼宮ハルヒの消失<br/>オリジナルサウンドトラック
| Name = 涼宮ハルヒの消失<br/>オリジナルサウンドトラック
| Type = [[サウンドトラック]]
| Type = [[サウンドトラック]]
| Artist = 涼宮ハルヒの消失
| Artist = 涼宮ハルヒの消失
| Released = 2010年1月27日
| Released = 2010年1月27日
| Recorded = 2010年<br/>{{JPN}}
| Recorded = 2010年<br/>{{JPN}}
| Genre = サウンドトラック
| Genre = サウンドトラック
| Length = 60分11秒
| Length = 60分11秒
| Label = [[ランティス|Lantis]](LACA-9178〜9)
| Label = [[ランティス|Lantis]](LACA-9178〜9)
| Producer = [[斎藤滋]]
| Producer = [[斎藤滋]]
| Reviews =
| Reviews =
| Chart position= * 67位<small>([[オリコンチャート|オリコン]])</small>
| Chart position= * 67位<small>([[オリコンチャート|オリコン]])</small>
| Certification =
| Certification =
| Last album =
| Last album =
| This album = '''涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック'''<br/>(2010年)
| This album = '''涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック'''<br/>(2010年)
| Next album = -
| Next album = -
}}
}}
劇場版アニメ『涼宮ハルヒの消失』のオリジナルサウンドトラック<ref name="okmusic6290">{{Cite news |url=https://okmusic.jp/news/6290 |title=神前暁がメインで音楽を担当! 劇場版『涼宮ハルヒの消失』サントラ! |work=OKMusic |date=2021-04-15 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。2010年1月27日に[[ランティス|Lantis]]から発売された<ref>{{Cite web |url=https://www.lantis.jp/release-item/LACA-9178.html |title=劇場版『涼宮ハルヒの消失』オリジナルサウンドトラック |website=ランティス公式サイト |accessdate=2022-01-30}}</ref>{{R|okmusic6290}}。CDジャケットには、長門有希がキョンの袖を引っ張っている様子が描かれている{{R|natalie38677}}。


音楽は[[神前暁]]がメインで手掛けている{{R|okmusic6290}}。Disc-1には、劇中で使用された[[背景音楽|BGM]]が、Disc-2には、[[ジムノペディ]]第2番の[[オーケストラ]]版を含む[[エリック・サティ|サティ]]のピアノ曲が収録されている。
; 概要
劇場版アニメ『涼宮ハルヒの消失』のサウンドトラック。2010年1月27日に[[ランティス|Lantis]]から発売された。CDジャケットには、長門有希がキョンの袖を引っ張っている様子が描かれている。


ランティスの公式ニコニコチャンネル「Lantisちゃんねる」にて『涼宮ハルヒの消失』サウンドトラック宣伝用ムービーが公開されている<ref>{{Cite video |url=https://www.nicovideo.jp/watch/so9463755 |title=劇場版『涼宮ハルヒの消失』オリジナルサウンドトラック宣伝用映 |website=ニコニコ動画 |date=2010-01-22 |accessdate=2022-01-30}}</ref>{{R|natalie38677}}。
音楽は[[神前暁]]がメインで手掛けている。Disc-1には、劇中で使用された[[背景音楽|BGM]]が、Disc-2には、[[ジムノペディ]]第2番の[[オーケストラ]]版を含む[[エリック・サティ|サティ]]のピアノ曲が収録されている。


; 収録曲
=== 収録曲 ===
{| class="wikitable"
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|+ 涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック{{R|okmusic6290}}
|- style="background: #e5e5e5;"
|- style="background: #e5e5e5;"
! トラック !! 曲名 !! 作曲 !! 時間
! トラック !! 曲名 !! 作曲 !! 時間
305行目: 625行目:
| [[ジュ・トゥ・ヴー]] || 5:15
| [[ジュ・トゥ・ヴー]] || 5:15
|}
|}
== 放送 ==
<!-- 本節に記載している内容が全てではありません。放送内容全てを記載していたらキリがないので二次資料で言及されたもののみ記載しています。 -->
=== テレビ放送 ===
2011年3月1日に[[日本における衛星放送|CS放送]]の[[スカチャン]]にて初放送された(テレビシリーズ2009年版も合わせて放送、リピート放送あり)。また、2011年5月に[[日本における衛星放送|BS放送]]の[[WOWOW]]でもテレビシリーズ2009年版と合わせて放送された<ref>{{Cite news |url=https://mantan-web.jp/article/20110426dog00m200035000c.html |title=平野綾:「ハルヒ」を語る 「演じなければ今の私はいなかった」 WOWOWでシリーズ一挙放送 |work=MANTANWEB |date=2011-04-26 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。また、[[アニメシアターX|AT-X]]と[[キッズステーション]]でも放送された。2021年1月3日には[[日本BS放送|BS11]]でも放送された<ref>{{Cite news |url=https://natalie.mu/comic/news/408675 |title=BS11の年末年始はアニメざんまい、「涼宮ハルヒの消失」「ガンダムNT」などOA |work=コミックナタリー |date=2020-12-14 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。


2020年12月にテレビ愛知にて地上波では初となる本作のノーカット放送が行われた<ref>{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/405855 |title=「涼宮ハルヒの消失」12月27日にテレビ愛知にてノーカットで地上波初放送 |work=コミックナタリー |date=2020-11-23 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。2021年12月にはテレビ埼玉にてゴールデンタイムに放送が行われた<ref>{{Cite news |url=https://ln-news.com/articles/112993 |title=映画『涼宮ハルヒの消失』がテレビ埼玉にて12月30日(木)に放送決定 |work=ラノベニュースオンライン |date=2021-12-22 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。
== 関連書籍 ==
* [[月刊ニュータイプ|ニュータイプ]]編 『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』
*:[[角川グループ]]パブリッシング、2010年2月25日発売 ISBN 978-4-04-854461-0
* 谷川流 『涼宮ハルヒの消失』(原作) [[角川書店]]〈[[角川スニーカー文庫]]〉
*: 初版:2004年8月1日、ISBN 4-04-429204-3-映画公開記念カバー版も出された。


== Blu-ray / DVD ==
=== 配信サイト ===
2016年7月に「[[Abema TV]]」にて放送された<ref name="akiba-souken27244">{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/27244/ |title=アニメ映画「涼宮ハルヒの消失」、Abema TVで放送決定! アニメチャンネル初の劇場作品 |work=アキバ総研 |date=2016-06-30 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。なお、Abema TVでは初のアニメチャンネルでの劇場作品放送となっている{{R|akiba-souken27244}}。2021年7月にも同サイトにて放送された<ref>{{Cite news |url=https://ln-news.com/articles/111612 |title=映画『涼宮ハルヒの消失』がABEMAにて7月3日(土)・7月4日(日)に配信決定 |work=ラノベニュースオンライン |date=2021-06-25 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。
2010年12月18日に角川書店(販売元は角川映画)から発売された。Blu-rayとDVDの限定版には、特典ディスクを同梱(内容は共通する。収録時間は170分)。
通販ショップ[[Amazon.co.jp]]限定販売でスチールブック付きBlu-rayが発売されている。


2018年9月に「[[ニコニコ生放送]]」にて放送された<ref name="ln-news79967">{{Cite news |url=https://ln-news.com/articles/79967 |title=映画『涼宮ハルヒの消失』のニコニコ生放送が2018年9月1日(土)21:00より実施 |work=ラノベニュースオンライン |date=2018-09-01 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。放送の前月末には同サイトにて「エンドレスエイト88時間生放送~およそ1/9077長門有希体験」を実施を実施しており、そのラストで本作の放送が発表された{{R|ln-news79967}}。
; 特典ディスク収録内容
:* [[ロケーション・ハンティング|ロケハン]]映像(「[[甲南医療センター|甲南病院]]」編)
:* BGMレコーディング風景([[JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント|ビクター青山スタジオ]]と[[オーストラリア]]にて)
:* 舞台挨拶1(東京/池袋シネマサンシャイン&新宿バルト9にて)
:* 舞台挨拶2(京都/京都シネマにて)
:* [[ミキシング|ダビング]]、[[ビデオ編集]]作業風景
:* テーマ曲『[[優しい忘却]]』[[ミュージック・ビデオ|PV]]メイキング映像
:* [[ティーザー広告|特報]]、[[予告編|劇場予告]]、[[スポットCM|テレビCMスポット]]、商品CM


== コラボレーション ==
封入特典はポストカード付解説シート、いとうのいぢ特製描き下ろしジャケットイラスト使用のスライドトレイ(透明スリーブ付)、劇場用パンフレット縮刷版も付属。
[[ソニー・マガジンズ]]とのコラボレーション商品「涼宮ハルヒの消失×EXILIM」が直販サイト「キャッチ本」において、各色(ハワイアンブルー / チェリーピンク)3000個限定で発売された<ref>{{Cite news |url=https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/405863.html |title=ソニー・マガジンズ、“涼宮ハルヒの消失” コラボの限定EXILIM |work=デジカメWatch |date=2010-11-10 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。


[[ガンホー・オンライン・エンターテイメント|ガンホー]]製作のフィギュアで戦うシューティングゲーム『[[トイ・ウォーズ]]』において、本作とのコラボレーションくじ「フィギュア☆スター」が発売された<ref name="4gamer.net20110325009">{{Cite news |url=https://www.4gamer.net/games/125/G012510/20110325009/ |title=「トイ・ウォーズ×涼宮ハルヒの消失」コラボくじ発売。登場人物になりきろう |work=4Gamer.net |date=2011-03-25 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。コラボレーションくじでは本作から「涼宮ハルヒ」「涼宮ハルヒ(光陽園学院Ver)」「長門有希」「朝比奈みくる」の4つのアバターが登場した{{R|4gamer.net20110325009}}。
加えて、Blu-ray限定版にのみ、専用特典として「涼宮ハルヒの消失 脚本集」を封入。脚本の志茂文彦による決定稿を、ハードカバー仕様の1冊にしたもので、志茂曰く「映画本編では泣く泣くカットされたシーンも収録された、“消失”のすべてを読み解くファン必携のアイテム」とのこと。


アパレルブランド・SuperGroupiesと「涼宮ハルヒシリーズ」とのコラボレーション商品が発売され、その中には本作で長門有希が着用したものをベースにしたマフラーも含まれていた<ref name="gamer202107050035">{{Cite news |url=https://www.gamer.ne.jp/news/202107050035/ |title=「涼宮ハルヒ」シリーズとSuperGroupiesのコラボアイテムが予約開始!腕時計や財布、マフラーが登場 |work=Gamer |date=2021-07-05 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。ネイビーのタグには「待っている (Waiting) 」の文字と共にSOS団5人のイニシャルが配置されている{{R|gamer202107050035}}。
なお、通常版は本編ディスクのみで、特典映像は収録されていない。ジャケットが描き下ろし仕様になるほか、劇場用パンフレットの縮刷版は封入される。


兵庫県西宮市南昭和町に存在する西北菓子工房「シェ・イノウエ」において本作とのコラボレーション商品「粉雪ドーナツ」が発売された<ref>{{Cite news |url=https://nishi2.jp/72652/ |title=シェイノウエで涼宮ハルヒの消失のコラボ商品「粉雪ドーナツ」の販売が始まってる |work=西宮つーしん |date=2021-01-24 |accessdate=2022-01-30}}</ref>。本コラボは西宮商工会議所から依頼を受けた印刷会社・兵田印刷工芸が提案したことから実現に至った<ref name="kobe-np0014025192">{{Cite news |url=https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202101/0014025192.shtml |title=街おこしするわよ! 聖地・西宮で「ハルヒ」デザインのギフト |newspaper=神戸新聞 |date=2021-01-23 |accessdate=2022-03-05}}</ref>。電子新聞サービス「神戸新聞NEXT」には「観光振興の新たな呼び水として期待される」とコメントされている{{R|kobe-np0014025192}}。
== テレビ放送 ==
2011年3月1日に[[日本における衛星放送|CS放送]]の[[スカチャン]]にて初放送された(テレビシリーズ2009年版も合わせて放送、リピート放送あり)。また、2011年5月に、[[日本における衛星放送|BS放送]]の[[WOWOW]]でもテレビシリーズ2009年版と合わせて放送された。また、[[アニメシアターX|AT-X]]と[[キッズステーション]]でも放送された。2021年1月3日には[[日本BS放送|BS11]]でも放送された。


=== 地上波放送 ===
== その他 ==
=== 企画 ===
本作の公開を目前に控えた2009年以降、毎年12月18日午前4時23分(作中で「世界改変」が起こった時刻)に『涼宮ハルヒの憂鬱』公式サイトが「消失{{Efn2|具体的には「このページは表示できません」と表示される{{R|nlab3484}}。}}」するという演出が行われている<ref name="nlab3484">{{Cite news |url=https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/3484/ |title=「世界が改変されてしまった」「SOS団ホームページが消えてる!」 12月18日“世界改変の日”に『涼宮ハルヒの消失』がトレンド入り |work=ねとらぼ調査隊 |date=2019-12-18 |accessdate=2022-01-29}}</ref>。[[Twitter]]でのトレンド件数も18日午前4時ごろから急増しており、このトレンドによりこれらの演出を初めて知ったファンも多かったという{{R|nlab3484}}。


=== イベント ===
{| class="wikitable"
試写会および舞台挨拶については[[#沿革]]を参照されたし。本節ではそれ以外のイベントについて記述している。
|-

!回数
* 2010年11月21日にアニメイト秋葉原・パセラ電気街店にて「ハルヒ コスプレコンテストinアニメイト」の第1次予選が開催され<ref>{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1291343964 |title=“ハルヒ コスプレコンテストinアニメイト”1次予選レポート&通過者の画像を紹介! |work=animate Times |date=2010-12-03 |accessdate=2022-01-28}}</ref>、翌月18日には最終審査とグランプリ発表が行われた<ref name="animatetimes1292994028">{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1292994028 |title=参加者のコスプレ愛で自演乙選手がパワーアップ!? “ハルヒコスプレコンテストinアニメイト”最終審査レポート! |work=animate Times |date=2010-12-22 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。なお、このイベントは劇場版『涼宮ハルヒの消失』のBlu-ray&DVD発売を記念したものである{{R|animatetimes1292994028}}。
!テレビ局
* 2021年12月18日に[[ところざわサクラタウン]]の会場にて劇場版『涼宮ハルヒの消失』の上映会が行われた<ref>{{Cite news |url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1637571336 |title=劇場版『涼宮ハルヒの消失』上映会が12月18日(世界改変の日)に開催! 会場はハルヒと所縁のあるところざわサクラタウン! 入場特典として、フィルム風しおり(3枚セット)がプレゼント |work=animate Times |date=2021-11-22 |accessdate=2022-01-28}}</ref>。
!放送日

!放送時間
=== 関連書籍 ===
!放送分数
* 『劇場版 涼宮ハルヒの消失 パンフレット』角川書店、2009年発行
!視聴率
** イラスト担当・[[いとうのいぢ]]は表紙イラストについて、長門が住んでいるマンションのガラスに映るイメージで描いたという{{Sfn|公式ガイドブック|p=99}}。また、絵本のような雰囲気にしたかったことから普段使用しない色かつ長門らしさのある色で作成したという{{Sfn|公式ガイドブック|p=99}}。なお、長門には珍しい真正面からの構図となっている{{Sfn|公式ガイドブック|p=99}}。
!備考
* ニュータイプ(編) 『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』 角川書店、2010年2月25日初版発行(同日発売<ref>{{Cite web |url=https://www.kadokawa.co.jp/product/200911000497/ |title=公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失 |publisher=KADOKAWA |accessdate=2022-01-29}}</ref>)、{{ISBN2|978-4-04-854461-0}}
|-
* 谷川流(原作テキスト) / いとうのいぢ(イラスト) / 原田健作(解説) 『涼宮ハルヒの消失で英文法が面白いほど身につく本』 中経出版、2013年4月9日発売<ref>{{Cite web |url=https://www.kadokawa.co.jp/product/201216008998/ |title=涼宮ハルヒの消失で英文法が面白いほど身につく本 |publisher=KADOKAWA |accessdate=2022-01-29}}</ref>、{{ISBN2|978-4-8061-4677-3}}
| 1 ||[[テレビ愛知]]||2020年12月28日|| 2:10 - 5:15
|185分||
|地上波初放送、ノーカット<ref>{{Cite news|title=「涼宮ハルヒの消失」12月27日にテレビ愛知にてノーカットで地上波初放送|date=2020-11-23|accessdate=2020-11-23|newspaper=コミックナタリー|url=https://natalie.mu/comic/news/405855}}</ref>
|-
|}
*視聴率は[[ビデオリサーチ]]調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書 |author= |year=2009 |title=劇場版 涼宮ハルヒの消失 パンフレット |publisher=角川書店 |isbn= |ref={{SfnRef|劇場版パンフレット}} }}
* {{Cite book |和書 |author=[[月刊ニュータイプ|ニュータイプ]]編集部 |date=2010-02-25 |title=公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失 |publisher=角川書店 |isbn=978-4-04-854461-0 |ref={{SfnRef|公式ガイドブック}} }}
* {{Cite book |和書 |author=[[藤津亮太]] |date=2019-08-25 |title=ぼくらがアニメを見る理由 2010年代アニメ時評 |publisher=フィルムアート社 |isbn=978-4-8459-1836-2 |ref={{SfnRef|藤津2019}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[涼宮ハルヒの追想]] - 本作の続編という位置づけの作品。
* [[涼宮ハルヒの追想]] - 本作の続編という位置づけのゲーム作品。
* [[長門有希ちゃんの消失]] - 本作の延長上にある世界観となっている<!--<ref>{{Cite news |url=https://akiba-souken.com/article/23331/ |title=【アニメコラム】アニメライターが選ぶ、2015年春アニメ注目の5作品を紹介! |work=アキバ総研 |date=2015-04-11 |accessdate=2022-01-28}}</ref>-->。
* [[長門有希ちゃんの消失]] - キャラクターの初期配置が本作に近いものとなっている。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2022年3月24日 (木) 11:08時点における版

涼宮ハルヒの消失
監督 石原立也(総監督)
武本康弘(監督)
脚本 志茂文彦
原作 谷川流
製作 伊藤敦
八田英明
出演者 杉田智和
平野綾
茅原実里
後藤邑子
小野大輔
音楽 神前暁
高田龍一
帆足圭吾
石濱翔
エリック・サティ
主題歌 茅原実里 「優しい忘却
撮影 中上竜太
編集 重村建吾
制作会社 京都アニメーション
製作会社 SOS団
配給 角川書店
クロックワークス(配給協力)
公開 日本の旗 2010年2月6日
上映時間 162分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 8.4億円[1]
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涼宮ハルヒの消失』(すずみやハルヒのしょうしつ、英題:The Disappearance of Haruhi Suzumiya)は、谷川流ライトノベル作品『涼宮ハルヒの消失』を原作とする2010年2月6日公開のアニメーション映画。「涼宮ハルヒ」シリーズ初の劇場版アニメーション作品であり[2]、制作は京都アニメーション、総監督は石原立也、監督は武本康弘がそれぞれテレビシリーズから引き続いて担当する。

物語はテレビアニメ版最終回から続く形となっており、アニメ版ハルヒの集大成的な位置付けとなっている[3][4]。公開当時では珍しい深夜アニメ発の劇場版作品としてヒットした[5]。本作の上映時間は162分であり、全編新作の劇場版作品としては異例の長さとなっている[6]。キャッチコピーは、「なぜなら俺は、SOS団の団員その一だからだ」「わたしはあなたに会ったことがある」

2011年5月12日には『涼宮ハルヒの消失』の後日談を描いたゲーム作品『涼宮ハルヒの追想』(プレイステーション3 / PSP)が発売された[7][8]

あらすじ

県立北高校1年生のキョンは、同級生である涼宮ハルヒが率いるSOS団に無理やり引きずり込まれ、実は超能力者未来人宇宙人という正体をもつメンバーたちとともに、ハルヒが自覚なく巻き起こす騒動に振り回されていた。クリスマスシーズンを迎え、ハルヒは団でパーティーを開催すると盛り上がっていた[9]

12月18日、教室に入ったキョンは、ハルヒの席であるはずのキョンの後ろの席に、SOS団のメンバーで「宇宙人」である長門有希と以前に対決して消滅したはずのクラスメイトである朝倉涼子が現れて座ろうとしたことに驚く[10]。しかもクラスメートの誰もハルヒという人物など知らないという[11]。驚いたキョンは、SOS団のメンバーの一人である古泉一樹の在籍する1年9組へと向かうが、古泉はおろか9組そのものが存在していない[11]。同じくメンバーの朝比奈みくる鶴屋さんと一緒にいたが、2人とも、SOS団のこともキョンのことも全く覚えていない[12]。最後にSOS団が占拠していた文芸部室に向かったキョンは、そこで長門と出会う[13]。しかし彼女はメガネを掛けおどおどと戸惑う「普通の少女」であった[14]。長門の話を聞くとこの世界のキョンと長門は知り合いで、キョンが長門に図書館で図書館カードを作ってあげたことがあると教えられる[15]。何らかの理由で世界が改変されてしまった状況をキョンは受け入れ、自分がハルヒに会いたいと強く願っていることを自覚する[16]

12月20日、学校にてクラスメイト・谷口との会話から、ハルヒと古泉がこの世界の別の高校(光陽園学院)に進学している事を知ったキョンは二人との対面を果たし、自分が置かれた状況を説明する[17]。戸惑いながらも興味を持った二人は、みくるも無理矢理に引っ張って北高文芸部室に乗り込む[18]。すると部室にあったパソコンが勝手に起動し、メッセージが表示される[19]。それは元の世界の長門有希が用意した「脱出プログラム」であった[20]

脱出プログラムを起動させたキョンは、次の瞬間、一人で夜の文芸部室にいることに気づく[21]。そこは「3年前の7月7日」であった[22]。彼は以前みくるによってこの時点に連れてこられたことがあり、中学生時代のハルヒに出会って彼女の手伝いをさせられる羽目になったのだった。そこには「大人バージョンのみくる」がいて、12月18日早朝に大規模の時空改変が起こったこと、その修復に手を貸して欲しいことをキョンに話す[23]。協力を仰ぐために二人は長門有希のマンションに向かう[24]。有希は再修正プログラムを塗布した短針銃をその場で作ってキョンに託す[25]

時空を改変したのはエラーデータの蓄積によって誤動作した3年後の長門有希であった[26]。みくるの支援によって3年後の12月18日早朝に戻ったキョンは、改変を成し遂げた直後の長門有希に短針銃を撃とうとする[27]。ところが、そこに朝倉涼子が現れキョンの体にナイフを突き立てる[28]。薄れ行く意識の中で、大小二人のみくるが必死に自分に呼びかけており、その背後から別の何者かが話しかけてくるのに気づくが、そのまま気を失う[29]

意識を回復したキョンは自分がベッドの上に寝かされていることに気づく[30]。傍らで北高の制服を着た古泉がりんごを剥いている[30]。古泉によれば、キョンは12月18日昼に部室棟の階段から転落して意識不明の重体に陥っていたのだという[31]。古泉が指差したベッドの反対側を見ると、寝袋にくるまって床で寝ているハルヒの姿があった[31]

その夜、病院の屋上で物思いに耽っていたキョンの前に長門有希が現れる[32]。暴走した自分の処分を情報統合思念体が検討していると聞いたキョンは、彼女の存在を守る意志があることを伝える[33]

世界は元通りになっていたが、キョンは、みくると共にもう一度「12月18日早朝」に行かなければこの修復作業が完結しないことを理解していた[34]。彼は、ただハルヒに振り回されるだけの立場から脱却し、この世界を積極的に守る側に回ることを決意しながら、文芸部室で開催されるクリスマスパーティーに臨む[34]

エピローグ

長門は図書館にいると小さな男の子が女の子に図書館カードを作ってあげていた。その光景を見た長門は口を本で隠した[35]

主な登場人物

SOS団メンバー

涼宮ハルヒ(すずみや ハルヒ)
声 - 平野綾[36]
本作のヒロインで[37]、SOS団では団長を務める[38]。ハルヒ自身は自覚してないものの実は「世界を変える力」を持っており、ハルヒが機嫌を損ねるだけで世界が大変なことになってしまうため、SOS団メンバーはそれを阻止すべく日夜動いている[38]
キョン
声 - 杉田智和[36]
本作の主人公兼語り手[39]。SOS団で唯一の普通の高校生でハルヒの最大の被害者でもある[39]
長門有希ながと ゆき
声 - 茅原実里[36]
本作のヒロイン兼キーパーソン[40][41]。その正体は涼宮ハルヒを観察することを目的として情報統合思念体によって造られた宇宙人である[42]
朝比奈みくるあさひな みくる
声 - 後藤邑子[36]
ハルヒに無理やり入団させられた癒し系の先輩[39]。その正体は涼宮ハルヒを監視するために未来からやってきた未来人である[43]
小泉一樹こいずみ いつき
声 - 小野大輔[36]
県立北高校に突然現れた転校生で、SOS団では副団長を務める[44]。その正体は涼宮ハルヒが機嫌を損ねることによって生まれる「閉鎖空間」に現れる「神人」と戦う超能力者[44]

SOS団メンバーの同級生・家族

朝倉涼子あさくら りょうこ
声 - 桑谷夏子[36]
キョンとハルヒのクラスメイトで委員長を務める[45]。その正体は長門と同様に涼宮ハルヒの観察をする宇宙人であり、朝倉は長門のバックアップである[45]
鶴屋つるやさん
声 - 松岡由貴[36]
みくるのクラスメイトで[46]、親友でもある[40]。実は「鶴屋家」の令嬢であり、超能力者と接点があるなど噂が絶えず、素性は謎に包まれている[46]
谷口たにぐち
声 - 白石稔[36]
校内の美少女を勝手にランク付けしているキョンのクラスメイト[46]。ハルヒとは同じ中学出身でクラスも3年間一緒だった[46]
国木田くにきだ
声 - 松元恵[36]
成績優秀で性格も真面目なキョンのクラスメイト[46]。キョンと同じ中学出身で、彼の過去を知っている[46]
キョンの妹
声 - あおきさやか[36]
小学5年生になる文字通りキョンの妹で、兄のことを「キョンくん」、ハルヒのことを「ハルにゃん」と呼ぶ[46]。飼い猫のシャミセンとよく遊んでいる[46]

聖地

本項では『涼宮ハルヒの消失』に関連する聖地のみを記載している。『涼宮ハルヒ』シリーズ全体に関連する聖地については涼宮ハルヒシリーズ#作品舞台を参照されたし。

夙川学院高等学校
作中の改変後の世界においてハルヒと小泉が通っている「光陽園学院」のモデルとなった高等学校[47]
サイゼリヤ北夙川店
作中においてキョンやハルヒたちが会合する場所のモデルとなったサイゼリヤ店[48]。「涼宮ハルヒ」シリーズに登場する舞台の中で聖地巡礼の人気スポットとなっていたという[48]
甲南病院
作中の終盤で改変後の世界から戻ってきたキョンが入院していた病院のモデルとなった市立総合病院[49]

キャスト

キャスト一覧[50]
登場人物 担当声優
涼宮ハルヒ 平野綾
キョン 杉田智和
長門有希 茅原実里
朝比奈みくる 後藤邑子
古泉一樹 小野大輔
朝倉涼子 桑谷夏子
鶴屋さん 松岡由貴
谷口 白石稔
国木田 松元恵
キョンの妹 あおきさやか
岡部先生 柳沢栄治
荒川剣之介 樋口智透
植松雅樹 箭内仁
大野木菜々夏 足立友
剣持琴音 原田ひとみ
佐伯瑞穂 永田依子
榊大地 高橋研二
阪中佳実 相沢舞
豊原昇 浅利遼太
葉山玲子 小幡記子
日向咲葉 杉浦奈保子
由良奏絵 タルタエリ
男の子 吉永拓斗
女の子 飯野茉優

沿革

2007年7月7日 - 朝日新聞にてテレビアニメ第2期が発表される[51]

2007年12月18日 - 公式HPにて2期の中止と新作アニメーションの同時発表が行われる[51]

2009年4月から10月 - 新作アニメーションが放送される[51]。第1期のエピソードに「笹の葉ラプソディ」等の新エピソードが加えられるという構成となっており、最終的に「消失」が放送されることはなかった[52]

2009年10月9日 - 新作アニメーション最終回直後に『涼宮ハルヒの消失』の劇場版が2010年春に公開予定であることが発表される[53]

2009年11月10日 - 『涼宮ハルヒの消失』が2010年2月6日に公開予定であることが発表される[54]

2009年12月18日 - 公式HPにて『涼宮ハルヒの消失』のPVが公開される[55]

2010年1月26日 - 『涼宮ハルヒの消失』の初号試写会が行われる[51]

2010年2月6日 - 『涼宮ハルヒの消失』の劇場版公開が行われる[51]。また、新宿バルト9池袋シネマサンシャインにてハルヒ役の平野綾、キョン役の杉田智和をはじめとするメインキャストら、監督の武本康弘、総監督の石原立也による初日舞台挨拶が行われる[51][56]

2010年2月20日 - 京都シネマにて谷口役の白石稔、キャラクターデザイン兼超総作画監督の池田晶子、総作画監督の西屋太志、プロデューサーの伊藤敦による舞台挨拶が行われる[57]

2010年3月6日 - 京成ローザ10にて長門役の茅原実里、みくる役の後藤邑子らメインキャスト4人による大ヒット御礼の舞台挨拶が行なわれる[57]

製作

スタッフ一覧[36][58][50]
原作・脚本協力 谷川流
原作イラスト・キャラクター原案 いとうのいぢ
総監督 石原立也
監督 武本康弘
企画 安田猛、嵐智史、八田陽子、
酒匂暢彦、井上俊次
脚本 志茂文彦
絵コンテ 石原立也、武本康弘、高雄統子
演出 北之原孝将、米田光良、坂本一也、
高雄統子、山田尚子、内海紘子
レイアウト監修 木上益治
キャラクターデザイン
超総作画監督
池田晶子
総作画監督 西屋太志
作画監督 植野千世子、秋竹斉一、池田和美
高橋真梨子、門脇未来堀口悠紀子
高橋博行
美術監督 田村せいき
撮影監督 中上竜太
設定 高橋博行
色彩設計 石田奈央美
編集 重村建吾
音響監督 鶴岡陽太
音響効果 森川永子
録音 矢野さとし
録音助手 砂庭舞
音響制作担当 杉山好美
録音スタジオ Studio2010:
音響制作 楽音舎
音楽 神前暁高田龍一帆足圭吾
石濱翔エリック・サティ
音楽制作協力 monaca
音楽プロデューサー 斎藤滋
音楽制作 ランティス
制作プロデューサー 大橋永晴
アシスタントプロデューサー 山口真由美
プロデューサー 伊藤敦、八田英明
アニメーション制作 京都アニメーション
配給宣伝 角川書店
製作 SOS団[注 1]

劇場版公開までの経緯

本作の制作会議はテレビアニメ第1期終了後の翌年である2007年6月から開始されており、元々はテレビシリーズでの放送が予定されていた[59]。2009年4月から放送された新作アニメーションの構成をする段階で本作を劇場版で公開するという話が出されており、2009年2月に配信された『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』の制作前には本作のシナリオが出来上がっている[60]。2009年8月には本作のキャラクターデザイン作業とロケハンが開始する[51]。同年10月に本作の絵コンテが完成し、同年12月に本作のアフレコと劇伴音楽の収録が行われる[51]。2010年1月に本作の初号試写会が行われ、同年2月に本作が公開されることとなる[51]

総監督の石原立也は原作小説ではあちこちに「消失」を含むその後の展開への伏線があったため、テレビアニメシリーズ『涼宮ハルヒの憂鬱』の制作では原作にある伏線を必ず取り入れることを心がけていたと語る[61]。その中でも原作者の谷川流自身が脚本を担当した『サムデイ・イン・ザ・レイン』は本作をかなり強く意識して作られたエピソードであるとのこと[61]

コンセプト

監督の武本康弘は本作の制作前に主要スタッフを集めて作品の方向性を話し、そこで本作のコンセプトとして「キョンの決心と回帰の物語」を提案した[62]。コンセプトについて武本は以下のように語る。

「決心」とは、物語の中でキョンが一人で放り出された時に、今まで見て見ぬふりをしてきた現実と向き合うということ。「回帰」とは、SOS団に帰るという望みや願い、その思いに到達するまでのキョンの心の動きですね。 — 武本康弘[62]

また、武本はコンセプト提案後に本作についてもっと簡単な言葉で言えることに気づいたといい、それは「キョンの再認識の物語」であるという[62]

石原は本作コンセプトは「ラブストーリー[62]であるとした上で以下のように語る。

TVシリーズの時から、キョンとハルヒの微妙なツンデレ関係はちらほら出ているんですが、今回は甘々の恋愛ものに徹してみようと思いました。 — 石原立也[61]

石原のコンセプトに対して武本は自身の考える『涼宮ハルヒの消失』にはラブストーリーの要素が薄いのかもしれないと振り返っている[62]

脚本・構成

脚本は志茂文彦が担当する[36]。本作はテレビシリーズのシナリオを1話ずつ書くような形でパートごとに分けて脚本が書かれている[59]。そのため、全体の尺(上映時間)はその時点では決まっておらず、必要なシーンを十分な分量で書くという方向で進められた[59]。全体の尺についてはシナリオからコンテがあがったタイミングで把握することができており、制作過程で何度も短くしようという話が出たものの、最終的には162分(テレビシリーズ換算だと8回分)という長さになった[63]。これについて石原は原作をアニメ化する際は好きなエピソードを削るため辛い作業ではあるが、本作では多くのエピソードを盛り込むことができて良かったと語る一方で、加えたいシーンがあったことからもう少し尺を伸ばしたかったとも語る[59]

志茂は原作が緻密に構成されており、シーンを組み替えるだけで全くの別物になってしまうことや、登場人物の魅力を最大限引き出すために彼らが活躍するシーンをピックアップしないといけないことからかなり気を遣って脚本に取り組んだと語る[64]

本作のクライマックスは原作小説とは異なる[64]。まず、原作小説では長門有希がキョンのいる病院にやってくるが、本作ではキョンが病院の屋上で外を見ている際に長門が現れる[32]。これは志茂の提案によるものであり、提案した理由は「雪が降る中に長門を立たせたかった」からだと語る[65]。また、石原もクライマックスが病院というのは息苦しいと語っている[65]。なお、雪が降る展開も本作のオリジナル展開であるという[65]。次に、エピローグの長門の思い出の図書館のシーンが本作で新たに追加されたが、これは谷川のアイデアによるものである[65]。谷川は、改変世界の長門の(架空の)「図書館での思い出」をエピローグとするアイデアを出していたが、回想の多用を避ける意図から、現在の長門の後日談となった[65]

演出

石原は本作の映像を作るうえでは、劇場で流れることは意識しつつもあくまで『涼宮ハルヒシリーズ』の一環として考えていたと語る[66]

演出を担当する高雄統子は原作小説を読んだ際に、映像のイメージがはっきり感じられ、演出を具体的にイメージすることができたことから、自ら絵コンテに立候補した[66][注 2]。武本は他にも信頼できる演出家はいたものの、本作においては高雄向きであるとし、石原も本作では女性の意見がとても活かせるのではないかと感じたという[66]。高雄は空気感で映像を見せるためにカメラをなるべく引き気味にし、空気感全体でキョンの心情に迫ることを意識したと語る[66]。改変後の世界に取り残されたキョンや他のキャラクターは孤独であると考え、それぞれのスタンスで感じる「さみしさ」を描くためにカメラを引き気味にする作業は必要であった[66]

本作では大人バージョンの朝比奈みくるの描写が重要であり、彼女は全てを知った状態で物語を俯瞰している存在であることを武本は大事にしていた[67]。涼宮ハルヒについては本作では出番が少ないことから彼女が登場した際の「キラキラ感」を印象づけるようにされている[67]

本作では学校内のシーンにおけるモブキャラクターたちに動きがつけられている[68]。本来であれば主要キャラクターを注目させるなどの理由でモブキャラクターの動きは止められるが、本作においては予算や制作時間に余裕があったため、出来る範囲で動かしてみようと思ったと武本は語る[68]

作画

キャラクターデザイン兼超総作画監督には池田晶子が、総作画監督には西屋太志がそれぞれ担当する[69]。作業の流れとしては、6つのパートそれぞれの作画監督と監督のチェックを経て、西尾の元に全カットが届き、それを最終的に池田がチェックするというものである[70]

西尾はキャラクターのポージングや仕草、とりわけ表情について特に注意した一方で、池田は西尾の後の作業となることからキャラ表に合わせることに集中できたと語る[70]。池田は制作当初に作監を集め、キャラクターの説明を改めて行っており、そこで注意点や方向性が話し合われる[70]。具体的には心情芝居がメインとなることから表情や全身の表現を柔軟に取り入れるために、キャラクターがリアルになるのを避けることを注意された。また、方向性としては場面ごとのキャラクターの心情に、その時々に応じた良い表情を作っていくというものであった[70]。レイアウト段階で意識した点について池田は、劇場版ということもあり画面が広くなることから、アップにし過ぎないことを挙げる[71]

作監作業で苦労したキャラクターとして、池田は改変後の長門を、西尾はキョンをそれぞれ挙げる[71]。キョンについて西尾は、物語のほぼ全てに登場することから単純な作業量が多く、劇中では様々な出来事を経験するために感情の振れ幅を余すことなく描かなければならなかったと語る[71]。改変後の長門について西尾は儚げな仕草を出すことを意識し、とりわけキョンを引き留める際に感情を出すシーンでは注意して取り組んだ[71]

音楽

音楽は神前暁高田龍一帆足圭吾石濱翔が担当しており、それに加えて本作で使用された楽曲『ジムノペディ』『グノシエンヌ』の作曲者・エリック・サティの名前が担当者としてクレジットされている[50]。劇伴のコンセプトについては「切なさを出すためと、画面で観客に見せていくため、音楽はあまり目立たないように」と武本は語る[68]

本作の劇伴はフルオーケストラによってレコードされている[72]。ポップスやソフトロック・テイストな曲が多かったテレビシリーズに対し、本作は劇場版ということもあり、制作サイドから「壮大なイメージで、弦の美しい響きが欲しい」との要望があり、角川書店がフルオーケストラを提案したことから採用に至った[73]

神前は、基本的に監督がイメージする音楽をいかにして忠実に再現するかについて注力したと語る[74]。また、神前は本作は長門が鍵となる作品ではあるもののあくまで「ハルヒとSOS団にまつわる作品」だとし、物語全般に渡って「キョンの心はハルヒにある」ことを音楽で暗示させている[74]

神前らによって作曲された楽曲はイマジンへと渡り編曲が行われる[75]。イマジンの松尾早人は作曲された段階でアレンジはかなり出来ていたことから、これを壊さないように注力したとし、イマジンの多田彰文はスケッチやモチーフのみの状態の楽曲に関しては、疑問点について神前や高田と意思疎通を図りながら編曲に励んだと語る[76]

本作ではサティが作曲した『ジムノペディ』『グノシエンヌ』が劇伴で使用されている[76]。プロデューサーの伊藤敦が本作にはサティの楽曲が相応しいのではと考えたことから起用に至った[68]。『ジムノペディ』は長門を、『グノシエンヌ』はキョンをそれぞれ描写している[76]

演技・役作り

涼宮ハルヒ役の平野綾は、本作がSOS団の日常が殆ど描かれず、ハルヒの出番も少なかったことから、わずかな日常シーンでいつもよりさらに印象づけることを意識したと語る[77]。改変後のハルヒを演じるうえでは、「テレビシリーズ第1話の中で起こったハルヒの感情の移り変わりのスピードが早くなり、人間関係の形成はまだされていない」という感じを出したと語る[77]

長門有希役の茅原実里は、改変後の長門を演じるうえでテレビシリーズでの抑揚がなく淡々と喋る長門の雰囲気は壊さず、感情を普通の度合いに持っていったと語る[78]

朝比奈みくる役の後藤邑子は、改変前のみくると改変後のみくるが本質的には殆ど変化がないと解釈していることから、テレビシリーズと変わらずに演じることを心掛けたと語る[79]

朝倉涼子役の桑谷夏子は、みくるを演じた後藤と同様にテレビシリーズと変わらずに演じることを心掛けたと語る[80]。その中で意識した点として「普通だけど何か怖い。裏がありそう」という感じを出そうと思って演じたことを挙げている[80]

その他・エピソード

クライマックスにおける屋上のシーンの中に長門が雪を手ですくうシーンが存在するが、これは後のエピソードである「編集長★一直線!」(『涼宮ハルヒの憤慨』に収録)で使用された挿絵がモチーフとなっている[65]。また、屋上でのキョンと長門の対話におけるキョンの「ユキ…」という台詞は、シナリオにはカタカナで「ユキ」と表記されていただけであり、キョン役の杉田は「雪」とも「有希」とも聞こえるイントネーションでアフレコしたとのこと[32]。実際にキョンがどちらを指して言ったのかは不明であり、原作ではそもそも台詞自体がない。本作の英語版では、この台詞を「Yuki... means snow, doesn't it?」と訳している。

当初、監督としては『時をかける少女』や『サマーウォーズ』を手掛けた細田守がオファーされており、本人も乗り気であったものの、結局は断られている[81]

テレビシリーズでは石原の役職名が団長代理、武本の役職名が団長補佐となっていたが、本作では総監督と監督に変更されている[62]。この理由について石原は、本作ではハルヒが「消失」しており、団長と超監督がいないからであると語る[62]

音響監督の鶴岡陽太は通常の劇場版作品では物語の展開とは異なる順序で収録を行うのが一般的かつ効率的だが、本作ではキョンの感情変化を大事にするために、物語の展開に沿って順録りを行ったと語る[82]

総監督と監督では役職名の違いはあるものの実際の立場は同じであった[61]。両者が行う作業も基本的には同じものであったが、全2000カットのレイアウトチェック(石原担当)とクライマックスの細かな演出(武本担当)については分担して行われた[61]

主題歌

冒険でしょでしょ?[83]
平野綾によるオープニングテーマ[84]。作詞は畑亜貴、作曲は冨田暁子、編曲は藤田淳平がそれぞれ担当する[84]
テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のオープニングテーマだった本楽曲が『涼宮ハルヒの消失』でも使用される形となっているが[85][86]、オープニング映像は完全新作である[86]
優しい忘却[87]
茅原実里による主題歌[87]。歌詞原案は谷川流、作詞は畑亜貴、作曲は伊藤真澄、編曲は虹音がそれぞれ担当する[88]
「ハルヒ」シリーズでは初めて茅原がソロで担当する楽曲となっている[56]
歌詞原案を担当した谷川は長門が書きそうな「電波ポエム」を書いたと語る[89]。また、本作ではアカペラバージョンが採用されているが、これはプロデューサー・伊藤敦の指示によるものである[90]

封切り / 興行収入

国内

2010年2月6日よりシネマサンシャイン池袋ほかにて公開された。シネマサンシャイン池袋では初日早朝から約500人が並んで終日満員となり、各館でも初日満席の回が続出した[91]。全国24館のみという小規模公開ながら、公開1週目時点で興行収入2億円、観客動員数14万人を記録した[92]。同年7月末時点で興行収入は8億4000万円に達し[1]、最終的な観客動員数も60万人以上を記録している[93]。2010年度アニメ映画興行収入ランキング(アニメアニメビズ調べ)では13位を記録した[94]。後に同制作会社の『映画けいおん!』(2011年公開 / 興行収入約19億円)が公開されるまでは、深夜アニメ発の映画としては歴代最高の興行収入を記録していた[95]。また、2019年7月に生じた京都アニメーション放火殺人事件を受け、MOVIX京都における「京都アニメーション映画作品特集上映」の一環として同年12月13日~19日に上映されることとなった[96]

国外

海外においても、米国で5月21日からサンフランシスコ[97]、6月24日にロサンゼルス[97]、10月にホノルルやニューヨークで上映された[98][99]。10月22日から台湾[100]、11月11日から韓国[101][102] で上映された。スコットランドのアニメフェア「スコットランド・ラブズ・アニメ」の10月17日にてユーロプレミア上映。11/13or14シンガポール ANIME FESTIVAL ASIAにて上映。11月から12月にかけてロシア各都市(1日だけの上映が多い)とウクライナ(キエフ、11月5日)[103]、12月2日から香港での上映が決定している。

評価

売上

本作のBlu-ray限定版の初週売上は77,000枚を記録し、週間Blu-rayランキング(ORICON調べ)で「涼宮ハルヒ」シリーズ初の1位を獲得した[104][注 3]。2011年12月時点でBlu-ray限定版の売上は101,704枚となり、2011年の年間Blu-rayランキング(同調べ)では7位を獲得した[105][注 4]。本作のDVD限定版の初週売上は19,667枚を記録し、週間DVD・アニメランキング(同調べ)では『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』(完全生産限定版)に次ぐ2位を獲得した[106]

情報サイト「AV Watch」が行った年末特別企画「Amazon注文数ランキング(2010年)」ではBlu-ray限定版(Amazon.co.jp限定スチールブック付き / 完全生産限定版)が年間4位を獲得しており、同サイト編集部の山崎健太郎から「10,500円と高価ながらランクインした」とコメントされている[107]

アニメイト秋葉原店の12月DVDランキングではDVD限定版(アニメイト限定版)が水樹奈々によるLiveDVD「NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY −RED−」(2位)、「NANA MIZUKI LIVE GAMES×ACADEMY −BLUE−」(3位)を上回る1位を獲得した[108]

他者評価

情報サイト「AV Watch」編集部の山崎健太郎は本作について「困難があるたびにキョンをサポートしてきた長門とキョンの物語」だとし、いつもは巻き込まれ役だったキョンが自らの意思で行動する点が特徴であると評している[4]。特筆すべき点として「キョンの描写」を挙げており、普段温厚なキョンが徐々に追い詰められる描写を細かな動きで表現しており、サスペンス的な緊張感が漂っていたと評している[4]。テレビシリーズではなく劇場版として映像化したことについて本作は「一気に視聴するに向いた疾走感のあるストーリーになっている」ことから、劇場版を選択したのは正解だったと製作陣の英断を称賛している[4]

アニメ!アニメ!」編集部・umiは本作について、涼宮ハルヒが無自覚に巻き起こす「非日常」を描いた『涼宮ハルヒの憂鬱』とは反対の限りなく「日常」を描いた作品だと語る [2]。また同氏は「日常と言っても、ハルヒが「消失」しているのだからキョンたちにとっては日常ではないのだが、160分を超える本編のなかで、登校や休み時間などの日常シーンひとつひとつがとにかく丁寧に描写されているのが印象的だった」と称賛している[2]。「あにぶ」編集部・壱の人は「テレビシリーズを超える凄まじいレベルの作画で構成されている」と称賛している[109]

おたくま経済新聞」のライター・コートクは本作の象徴的なシーンとして「決断を迫られたキョンの思考を表わしたイメージ映像」を挙げている[110]。決断というのは「平凡な少女と一緒に部活動をする世界(現実)と、宇宙人・未来人・超能力者が騒動を巻き起こす世界(理想)のどちらを望むか、という二者択一」であり、コートクは同コラム内で本作に同様に二者択一を迫られる映画として『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を紹介している[110]。両作品とも現実と理想のどちらかを選ばなければならなかったが、結果的に両者の選択は真反対となった[110]。コートクは「現実と理想のどちらを優先するか、という問いは、映画を観に来た観客にも投げかけられていたのではないだろうか」と締めくくっている[110]。また、コートクは同サイト内企画「第30回 2010年アニメ!勝手にアカデミー賞」最優秀音楽賞に本作を挙げた上で以下にコメントを残している[111]

序盤、テレビシリーズで姿を消したばずの朝倉涼子が教室に現れる場面の重苦しい劇伴「朝倉涼子という女性」、物語が急展開を見せつつキョンの意志を感じさせる中盤の劇伴「涼宮ハルヒの手がかり」、そして事件が収束してラストの平穏な日常へと至る劇伴「いつもの風景で終わる物語」と、ストーリーの最初から最後まで劇伴の果たした役割は大きかった。 — コートク[111]

アニメ評論家の藤津亮太は自著『ぼくらがアニメを見る理由 2010年代アニメ時評』の中で本作について以下のように述べている。

本作はTVでは描かれなかったハルヒの作り出す「無縁の場」の外が主題となった内容であった。簡単に言えば、ハルヒの「無縁の場」の"外"に出てしまったキョンが自らの意志ででハルヒの作り出す「無縁の場」を選択し、帰還するということである。
この映画の重要な点はキョンがハルヒの望んだ世界=「無縁の場」の外に出たというだけでなく、彼が元の世界を選んだということだ。これによってキョンは「無縁の場の中の語り部」ではなく、ハルヒにとっての外部そのものになったと言える。 — 藤津亮太[112]

映画ライターの皆川ちかは本作におけるパラレル・ワールドやタイムスリップの用い方については『ドラえもん のび太の大魔境』と『ドラえもん のび太の魔界大冒険』から、設定については『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』からそれぞれ影響を受けていると推察している[113]

受賞・ノミネート等

2010年度(第14回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれている[114]

2010年11月28日に神戸国際会議場メインホールにて行われた第15回アニメーション神戸賞において作品賞・劇場部門を受賞した [115]

2011年3月5日に秋葉原UDXシアターにて行われた「第5回声優アワード」において本作で長門有希役・主題歌を担当した茅原実里が歌唱賞を受賞した[116]

その他

NECビッグローブが2011年5月に発表した「アニメファンの選ぶ劇場版アニメランキング」では『サマーウォーズ』に次ぐ2位を獲得した[117]

Blu-ray / DVD

リリース情報

2010年12月18日に角川書店(販売元は角川映画)から発売された[1]。Blu-ray&DVDは各限定版・通常版を合わせた計4形態での発売となり、各限定版にはロケハン映像・レコーディング風景・舞台挨拶など約150分の特典映像を収めたディスクが付属されている(詳細は下記を参照)ほか、ポストカード付解説シート、透明スリーブ付スライドトレイ、劇場用パンフレット縮刷版などが同梱されている[118]。また、Blu-ray限定版のみ「涼宮ハルヒの消失 脚本集[注 5]」が同梱されている [120]

詳細情報

形態 発売日 収録 / 同梱内容 規格品番 価格
BD限定版[121] 2010年12月18日 本編BD(約164分)
特典BD(約150分)
劇場用パンフレット縮刷版
ポストカード付解説シート
特製スライドトレイ(紙スリーブ付)
涼宮ハルヒの消失 脚本集
KAXA-2101 9,450円
BD通常版[121] 本編BD(約164分)
劇場用パンフレットの縮刷版
解説シート
アマレイBDケース
KAXA-2102 8,400円
DVD限定版[121] 本編DVD(約164分)
特典DVD(約150分)
劇場用パンフレット縮刷版
ポストカード付解説シート
特製スライドトレイ(紙スリーブ付)
KABA-8101 7,980円
DVD通常版[121] 本編DVD(約164分)
劇場用パンフレットの縮刷版
解説シート
トールケース(透明)
KABA-8102 6,930円

特典ディスク収録内容

収録内容[121][1]
1 ロケハン映像(「甲南病院」編)
2 BGMレコーディング風景(ビクタースタジオ、オーストラリアにて)
3 舞台挨拶1(東京 / 池袋シネマサンシャイン&新宿バルト9にて)
舞台挨拶2(京都 / 京都シネマにて)
5 ダビング、ビデオ編集作業風景
6 テーマ曲「優しい忘却」PVメイキング映像
7 特報、劇場予告、TVスポット、商品CM

評価

4形態(BD限定版 / BD通常版 / DVD限定版 / DVD通常版)の価格はそれぞれ9,450円 / 8,400円 / 7,980円 / 6,930円となっているが、これについてアキバ総研は「超強気な価格設定をしている」と評している[122]

「AV Watch」編集部の山崎健太郎は本作のBD版を同サイト内で取り上げており、各項目について以下のように評している

  • 映像 - 目立ったノイズや破綻は無く、グレインも控えめでクリアな絵作りとなっている[4]。画質に関しては家の壁や天井、夜間のライトの周囲などに時折バンディングが見える程度で大きな問題点はない[4]
  • 音声 - フォーマットはリニアPCM 5.1chが採用されている[4]。サブウーファが揺れるような派手な低音は少なく、音場を広くとり、細かな環境音を入れ込み、臨場感をアップさせるサウンドデザインであるが、レンジが広いためテレビシリーズの気持ちで再生すると音が小さく感じる[4]
  • 特典 - 限定版(DVD / BD共通)にはロケハン映像やテーマ曲のPVメイキングなどが付属されており、聖地巡礼気分が味わえる特典となっている[4]。また、BD限定版にのみ付属されている「涼宮ハルヒの消失 脚本集」を読むと、改めてキョンの台詞の多さに驚かされる[4]

その他・エピソード

発売日当日である2010年12月18日限定でアニメイト秋葉原店・三宮店・日本橋店にて「よかったら・・持っていって」キャンペーン[注 6]が行われた[123]

テレビシリーズ『涼宮ハルヒの憂鬱』におけるエピソード「エンドレスエイト」の打撃もあり、秋葉原のショップではテレビシリーズのDVDよりも「涼宮ハルヒの消失」にかける意気込みの方が強まっていた[124]。店舗スタッフによれば「売れるのは間違いないから、どれだけ売るかが勝負」であるといい、既に発売決定となっていた主題歌やサウンドトラックも含めて「いかに多くの売上げを出すか」が焦点となっていたという[124]

サウンドトラック

涼宮ハルヒの消失
オリジナルサウンドトラック
涼宮ハルヒの消失サウンドトラック
リリース
録音 2010年
日本の旗 日本
ジャンル サウンドトラック
時間
レーベル Lantis(LACA-9178〜9)
プロデュース 斎藤滋
チャート最高順位
涼宮ハルヒの消失 アルバム 年表
涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック
(2010年)
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劇場版アニメ『涼宮ハルヒの消失』のオリジナルサウンドトラック[58]。2010年1月27日にLantisから発売された[125][58]。CDジャケットには、長門有希がキョンの袖を引っ張っている様子が描かれている[41]

音楽は神前暁がメインで手掛けている[58]。Disc-1には、劇中で使用されたBGMが、Disc-2には、ジムノペディ第2番のオーケストラ版を含むサティのピアノ曲が収録されている。

ランティスの公式ニコニコチャンネル「Lantisちゃんねる」にて『涼宮ハルヒの消失』サウンドトラック宣伝用ムービーが公開されている[126][41]

収録曲

涼宮ハルヒの消失 オリジナルサウンドトラック[58]
トラック 曲名 作曲 時間
DISC-1
01 いつもの風景から始まる物語 神前暁 3:51
02 SOS団クリスマスパーティ 2:24
03 ドタバタ・タイム 1:03
04 日常の先に待ち受けるもの 帆足圭吾 0:51
05 朝倉涼子という女性 高田龍一 2:59
06 不安から恐怖へ 1:44
07 裏切られた期待 帆足圭吾 2:48
08 孤独世界の広がり 3:14
09 環境変化の是非 神前暁 2:56
10 涼宮ハルヒの手がかり 石濱翔 2:27
11 はやる心と前に出ない足 神前暁 1:14
12 つながった記憶 2:33
13 SOS団再び 1:56
14 READY? 高田龍一 4:13
15 あの日の記憶を追いかけて 神前暁 1:27
16 導く女性の語る言葉 帆足圭吾 2:26
17 未来への足跡 1:53
18 ジムノペディ 第2番 エリック・サティ 2:55
19 長門有希の心にあるもの 帆足圭吾 2:58
20 自己意識の確認 2:44
21 歴史の転換点 高田龍一 3:18
22 再び出逢えた団員たち 神前暁 5:01
23 いつもの風景で終わる物語 3:16
DISC-2
01 ジムノペディ 第1番 エリック・サティ 3:17
02 ジムノペディ 第2番 2:50
03 ジムノペディ 第3番 2:27
04 グノシエンヌ 第1番 3:24
05 グノシエンヌ 第2番 2:17
06 グノシエンヌ 第3番 2:56
07 ジュ・トゥ・ヴー 5:15

放送

テレビ放送

2011年3月1日にCS放送スカチャンにて初放送された(テレビシリーズ2009年版も合わせて放送、リピート放送あり)。また、2011年5月にBS放送WOWOWでもテレビシリーズ2009年版と合わせて放送された[127]。また、AT-Xキッズステーションでも放送された。2021年1月3日にはBS11でも放送された[128]

2020年12月にテレビ愛知にて地上波では初となる本作のノーカット放送が行われた[129]。2021年12月にはテレビ埼玉にてゴールデンタイムに放送が行われた[130]

配信サイト

2016年7月に「Abema TV」にて放送された[93]。なお、Abema TVでは初のアニメチャンネルでの劇場作品放送となっている[93]。2021年7月にも同サイトにて放送された[131]

2018年9月に「ニコニコ生放送」にて放送された[132]。放送の前月末には同サイトにて「エンドレスエイト88時間生放送~およそ1/9077長門有希体験」を実施を実施しており、そのラストで本作の放送が発表された[132]

コラボレーション

ソニー・マガジンズとのコラボレーション商品「涼宮ハルヒの消失×EXILIM」が直販サイト「キャッチ本」において、各色(ハワイアンブルー / チェリーピンク)3000個限定で発売された[133]

ガンホー製作のフィギュアで戦うシューティングゲーム『トイ・ウォーズ』において、本作とのコラボレーションくじ「フィギュア☆スター」が発売された[134]。コラボレーションくじでは本作から「涼宮ハルヒ」「涼宮ハルヒ(光陽園学院Ver)」「長門有希」「朝比奈みくる」の4つのアバターが登場した[134]

アパレルブランド・SuperGroupiesと「涼宮ハルヒシリーズ」とのコラボレーション商品が発売され、その中には本作で長門有希が着用したものをベースにしたマフラーも含まれていた[135]。ネイビーのタグには「待っている (Waiting) 」の文字と共にSOS団5人のイニシャルが配置されている[135]

兵庫県西宮市南昭和町に存在する西北菓子工房「シェ・イノウエ」において本作とのコラボレーション商品「粉雪ドーナツ」が発売された[136]。本コラボは西宮商工会議所から依頼を受けた印刷会社・兵田印刷工芸が提案したことから実現に至った[137]。電子新聞サービス「神戸新聞NEXT」には「観光振興の新たな呼び水として期待される」とコメントされている[137]

その他

企画

本作の公開を目前に控えた2009年以降、毎年12月18日午前4時23分(作中で「世界改変」が起こった時刻)に『涼宮ハルヒの憂鬱』公式サイトが「消失[注 7]」するという演出が行われている[138]Twitterでのトレンド件数も18日午前4時ごろから急増しており、このトレンドによりこれらの演出を初めて知ったファンも多かったという[138]

イベント

試写会および舞台挨拶については#沿革を参照されたし。本節ではそれ以外のイベントについて記述している。

  • 2010年11月21日にアニメイト秋葉原・パセラ電気街店にて「ハルヒ コスプレコンテストinアニメイト」の第1次予選が開催され[139]、翌月18日には最終審査とグランプリ発表が行われた[140]。なお、このイベントは劇場版『涼宮ハルヒの消失』のBlu-ray&DVD発売を記念したものである[140]
  • 2021年12月18日にところざわサクラタウンの会場にて劇場版『涼宮ハルヒの消失』の上映会が行われた[141]

関連書籍

  • 『劇場版 涼宮ハルヒの消失 パンフレット』角川書店、2009年発行
    • イラスト担当・いとうのいぢは表紙イラストについて、長門が住んでいるマンションのガラスに映るイメージで描いたという[142]。また、絵本のような雰囲気にしたかったことから普段使用しない色かつ長門らしさのある色で作成したという[142]。なお、長門には珍しい真正面からの構図となっている[142]
  • ニュータイプ(編) 『公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失』 角川書店、2010年2月25日初版発行(同日発売[143])、ISBN 978-4-04-854461-0
  • 谷川流(原作テキスト) / いとうのいぢ(イラスト) / 原田健作(解説) 『涼宮ハルヒの消失で英文法が面白いほど身につく本』 中経出版、2013年4月9日発売[144]ISBN 978-4-8061-4677-3

脚注

注釈

  1. ^ 角川書店、角川映画京都アニメーションクロックワークスランティス
  2. ^ 高雄はテレビシリーズでも絵コンテと演出を担当しており、もっと自分なりにキャラクターを描いてみたいという心残りを抱いていたと語る[66]
  3. ^ それまでの最高位は「涼宮ハルヒの憂鬱ブルーレイコンプリートBOX【初回限定生産】」の2位[104]
  4. ^ 年間Blu-rayランキング(2011年)の集計期間は2010年12月13日 - 2011年12月11日[105]
  5. ^ 脚本担当・志茂文彦による決定稿をハードカバー仕立ての本にしたものであり、公式は「映画本編では泣く泣くカットされたシーンも収録された、『消失』のすべてを読み解くファン必携のアイテム」であると説明している[119]
  6. ^ 県立北高校制服を着た店員が登場し、本作に登場した「入部届け」風アンケートが配布され、そのアンケートに答えると「長門有希のカード」が1枚プレゼントされる[123]
  7. ^ 具体的には「このページは表示できません」と表示される[138]

出典

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関連項目

外部リンク