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「北米自由貿易協定」の版間の差分

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{{翻訳中途|1=[http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=North_American_Free_Trade_Agreement&oldid=543869555 North American Free Trade Agreement at 16:17, 13 March 2013 UTC.]|date=2013年3月}}
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'''北米自由貿易協定'''(ほくべいじゆうぼうえききょうてい、{{lang-en|North American Free Trade Agreement}}、頭字語: '''NAFTA''')は、[[アメリカ合衆国]]、[[カナダ]]、[[メキシコ]]によって署名され、北アメリカにおいて3か国による[[貿易圏]]を生み出した[[自由貿易協定]]である。[[1992年]][[12月17日]]に[[署名]]され、[[1994年]][[1月1日]]に発効した。れはアメリカとカナダ間の{{仮リンク|米加自由貿易協定|en|Canada–United States Free Trade Agreement}}の後継であり、NAFTAには、環境問題に関する補完協定([[:en:North American Agreement on Environmental Cooperation|North American Agreement on Environmental Cooperation]]、略称NAAEC)と労働問題に関する補完協定(North American Agreement on Labor Cooperation、略称NAALC)という付随する2つの補完協定がある。
'''北米自由貿易協定'''(ほくべいじゆうぼうえききょうてい、{{lang-en|North American Free Trade Agreement}}、頭字語: '''NAFTA''')は、[[アメリカ合衆国]]、[[カナダ]]、[[メキシコ]]によって署名され、北アメリカにおいて3か国による[[貿易圏]]を生み出した[[自由貿易協定]]である。[[1992年]][[12月17日]]に[[署名]]され、[[1994年]][[1月1日]]に発効した。れはアメリカとカナダ間の[[米加自由貿易協定]]の後継であり、2018年の[[米国・メキシコ・カナダ協定]]によってとって換えられることになっている。NAFTAには、環境問題に関する補完協定([[:en:North American Agreement on Environmental Cooperation|North American Agreement on Environmental Cooperation]]、略称NAAEC)と労働問題に関する補完協定(North American Agreement on Labor Cooperation、略称NAALC)という付随する2つの補完協定がある。


ほとんどの経済分析は、NAFTAが北米の経済と一般市民にとって有益であることを示しているが、貿易競争に晒されている産業では少数の労働者に害を及ぼした<ref>{{Cite news|url=https://www.cfr.org/backgrounder/naftas-economic-impact|title=NAFTA's Economic Impact|work=Council on Foreign Relations|access-date=2017-07-18|language=en}}</ref><ref name=":9">{{Cite web|title = Poll Results {{!}} IGM Forum|url = http://www.igmchicago.org/igm-economic-experts-panel/poll-results?SurveyID=SV_0dfr9yjnDcLh17m|website = www.igmchicago.org|date=13 March 2012|accessdate = 2016-01-01}}</ref><ref name=":0">{{Cite journal|title = The Impact of NAFTA on the United States|url = http://pubs.aeaweb.org/doi/abs/10.1257/jep.15.1.125|journal = Journal of Economic Perspectives|date = 2001-02-01|issn = 0895-3309|pages = 125–44|volume = 15|issue = 1|doi = 10.1257/jep.15.1.125|first = Mary E|last = Burfisher|first2 = Sherman|last2 = Robinson|first3 = Karen|last3 = Thierfelder|citeseerx = 10.1.1.516.6543}}</ref><ref>{{cite web|url=https://ustr.gov/trade-agreements/free-trade-agreements/united-states-mexico-canada-agreement|title=United States-Mexico-Canada Agreement|publisher=USTR|accessdate=October 1, 2018}}</ref>。<ref>{{Cite news|url=http://www.latimes.com/business/hiltzik/la-fi-hiltzik-nafta-politics-20170130-story.html|title=NAFTA doesn't count for much economically, but it's still a huge political football. Here's why|last=Hiltzik|first=Michael|date=2017-01-30|work=Los Angeles Times|access-date=2017-07-18|language=en-US|issn=0458-3035}}</ref><ref>{{Cite journal|last=Rodrik|first=Dani|date=June 2017|title=Populism and the Economics of Globalization |work=NBER Working Paper No. 23559 |doi=10.3386/w23559 }}</ref>。経済学者はNAFTAからの撤退や貿易障壁を再確立するNAFTAの再交渉は、米国経済と生産コストに悪影響を与える、メキシコは、短期的にも長期的にも、雇用の喪失と経済成長の低下により、さらに深刻な影響を受けるとの見解をもっている<ref name=":8">{{Cite web|url=http://econofact.org/driving-home-the-importance-of-nafta|title=Driving Home the Importance of NAFTA {{!}} Econofact|website=Econofact|language=en-US|access-date=2017-02-15}}</ref><ref name=":10">Eric Martin, [https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-10-01/trump-killing-nafta-could-mean-big-unintended-consequences-for-the-u-s- Trump Killing Nafta Could Mean Big Unintended Consequences for the U.S.], Bloomberg Business (October 1, 2015).</ref><ref name=":11">{{Cite web|url=https://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2017/02/daily-chart-2|title=Which American producers would suffer from ending NAFTA?|website=The Economist|access-date=2017-02-19}}</ref>。
== 名称 ==

2018年9月30日に、米国、メキシコ、カナダがNAFTAを[[米国・メキシコ・カナダ協定]](USMCA)に置き換えることに合意したことが発表された。USMCAは、加盟国による2017年から2018年にかけてのNAFTAの再交渉の結果であるが、NAFTAはUSMCAが加盟国によって批准されるまで有効である<ref>{{cite web|url=https://ustr.gov/trade-agreements/free-trade-agreements/united-states-mexico-canada-agreement|title=United States-Mexico-Canada Agreement|publisher=USTR|accessdate=October 1, 2018}}</ref>。

<!-- 日本語版オリジナル -->== 名称 ==
参加している各国の[[公用語]]による名称は以下の通り。英称の[[頭字語]] "NAFTA"({{IPA-en|ˈnæftə}}, '''ナフタ''')が[[日本語]]でもしばしば用いられる。
参加している各国の[[公用語]]による名称は以下の通り。英称の[[頭字語]] "NAFTA"({{IPA-en|ˈnæftə}}, '''ナフタ''')が[[日本語]]でもしばしば用いられる。


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* {{lang-es|Tratado de Libre Comercio de América del Norte}} 頭字語: TLCAN, TLC
* {{lang-es|Tratado de Libre Comercio de América del Norte}} 頭字語: TLCAN, TLC


== 概要 ==
<!-- 日本語版オリジナル -->== 概要 ==
域内の[[人口]]は約4億5751万人(アメリカ約3億1085万人、カナダ約3433万人、メキシコ約1億1232万人、すべて[[2010年]])、[[国内総生産|GDP]]は約17兆1,918億ドル(うちアメリカが約14兆6,241億ドル、[[2010年]])に達する。([[欧州連合]]は[[2010年]]現在27か国、域内人口は約5億0210万人、GDPは約16兆1,068億ドル)
域内の[[人口]]は約4億5751万人(アメリカ約3億1085万人、カナダ約3433万人、メキシコ約1億1232万人、すべて[[2010年]])、[[国内総生産|GDP]]は約17兆1,918億ドル(うちアメリカが約14兆6,241億ドル、[[2010年]])に達する。([[欧州連合]]は[[2010年]]現在27か国、域内人口は約5億0210万人、GDPは約16兆1,068億ドル)


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交渉の段階では農業の分野が特にメキシコで懸念されたが、1994年から2001年の間にメキシコの農産物の輸出は9.4%増加したのに対し農産物の輸入の増加は6.9%だけであった<ref>{{citation | last1 = Deere | first1 = Carolyn | last2 = Esty | first2 = Daniel | title = Greening the Americas: NAFTA's Lessons for Hemispheric Trade | publisher = The MIT Press | year = 2002}}</ref>。
交渉の段階では農業の分野が特にメキシコで懸念されたが、1994年から2001年の間にメキシコの農産物の輸出は9.4%増加したのに対し農産物の輸入の増加は6.9%だけであった<ref>{{citation | last1 = Deere | first1 = Carolyn | last2 = Esty | first2 = Daniel | title = Greening the Americas: NAFTA's Lessons for Hemispheric Trade | publisher = The MIT Press | year = 2002}}</ref>。
<!-- 日本語版オリジナル -->

== 他の経済圏などとの比較 ==
== 他の経済圏などとの比較 ==
{| class="wikitable sortable" style="text-align:right"
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* 値は2016年時点のもの。GDPは変動為替ベース。
* 値は2016年時点のもの。GDPは変動為替ベース。


==交渉とアメリカの批准==
== 交渉批准及び改定 (1988年-1994年) ==
[[File:Nafta.jpg|upright=1.25|thumb|left|1992年10月の北米自由貿易協定草案確定式。後列左から、 [[Carlos Salinas de Gortari]]メキシコ大統領, [[George H. W. Bush]]米国大統領、[[Brian Mulroney]]カナダ首相。前列左から、 [[Jaime Serra Puche]]メキシコ商工大臣、[[Carla Hills]]米国通商代表、[[Michael Wilson (Canadian politician)|Michael Wilson]]カナダ国際貿易大臣。]]
3か国による外交交渉は1986年までさかのぼり、1992年12月17日、[[テキサス州]][[サンアントニオ]]で首脳会談が行われ、NAFTAは署名された。アメリカの[[ジョージ・H・W・ブッシュ]]大統領、カナダの[[ブライアン・マルルーニー]]首相とメキシコの[[カルロス・サリナス]]大統領は皆、協定の推進の先頭に立ち、正式に協定に署名する際の責任を負った。署名された協定はその後、立法府または議会による批准を必要としていた。
北米自由貿易圏の推進は、1979年11月に大統領立候補を発表したときに選挙運動の公約としたロナルド・レーガン米国大統領により始められた<ref name="NAFTAcdnEncyc">{{cite web|title=North American Free Trade Agreement (NAFTA)|url=http://www.thecanadianencyclopedia.ca/en/article/north-american-free-trade-agreement-nafta/|website=[[The Canadian Encyclopedia]]|publisher=[[Historica Canada]]|accessdate=19 November 2017}}</ref>。カナダと米国は、1988年に米加自由貿易協定(FTA)を締結し、まもなくカルロス・サリナス・デ・ゴルタリメキシコ大統領は、ジョージHWブッシュ大統領に、ラテンアメリカの債務危機に伴う外資導入のための同様の協定を提案することに決めた<ref name="NAFTAcdnEncyc" />。両首脳の交渉開始により、米加自由貿易協定による優位が米国とメキシコとの二国間協定によって損なわれることを恐れたブライアン・マルルーニーカナダ政権は、米国とメキシコの協議に参加することを求めた<ref name="canworld">Foreign Affairs and International trade Canada: Canada and the World: A History – [http://www.international.gc.ca/department/history/canada10-en.asp 1984–1993: "Leap of Faith] {{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20071027140254/http://www.international.gc.ca/department/history/canada10-en.asp |date=October 27, 2007 }}</ref>。


1990年までの外交交渉の後、3国の指導者は1992年12月17日にそれぞれの首都で協定に調印した<ref>{{cite book|title=NAFTA: Final Text, Summary, Legislative History & Implementation Directory|date=1994|publisher=Oceana Publications|location=New York|isbn=0-379-00835-1|pages=1–3}}</ref>。署名された協定は各国の議会又は上院によって批准される必要があった。
交渉が妥結する前にアメリカでは[[ビル・クリントン]]が大統領に、カナダでは[[キム・キャンベル]]が首相に就任し、さらに協定が施行される前にカナダでは、[[ジャン・クレティエン]]が首相に就任した。
米加自由貿易協定は、カナダにおいて激しい論争が行われ国論が二分され、1988年のカナダ総選挙の争点となっていた。

その選挙では、多くのカナダ人が反自由貿易政党(自由党と新民主党)に投票したが、両は党へ票が分かれたことは、自由貿易派の進歩保守党が選挙で多数の議席と獲得し政権につくことを意味した。マルルーニーと進歩保守党は議会の多数を占めたため、米加FTAとNAFTAに批准する法案を簡単に可決することができた。
提案されたカナダとアメリカ間の自由貿易協定はカナダにおいて激しい論争が行われ国論が二分し、[[:en:Canadian federal election, 1988|1988年のカナダの総選挙]]の焦点はほとんどすべてこの問題に関するものだった。選挙で多くのカナダの有権者は自由貿易協定に反対する政党([[カナダ自由党|自由党]]と[[新民主党]])に投票したが、議会において自由貿易協定に賛成する[[カナダ進歩保守党|進歩保守党]]がさらに多くの議席を獲得したため分裂状態に陥った。マルルーニーと進歩保守党は議会の多数を占めたため、米加FTAとNAFTAに批准する法案を簡単に可決することができた。しかしながら、彼は保守党の党首と首相の座を[[キム・キャンベル]]に明け渡した。キャンベルと進歩保守党は、[[:en:Canadian federal election, 1993|1993年の総選挙]]をNAFTAの再交渉または破棄を唱えるジャン・クレティエンが率いる自由党を相手に戦った。しかしながら、クレティエンはその後2つの付随する協定について新しいアメリカの大統領と交渉した。アメリカでは、任期終了を間近に控えたブッシュが署名のために「速いトラック」のように活動したが、批准の要求にこたえ、協定を施行することには間に合わず、後任のビル・クリントン大統領に任せることになった。[[アメリカ合衆国上院|上院]]に送る前に先立ち、クリントンはアメリカの労働者を保護し、多くの下院議員が抱いていた懸念を和らげるための条項を挿入した。それはまた、アメリカのパートナーからもそれ自体と似た環境問題に関する手続と規制が求められていた。
しかしながら、彼は保守党の党首と首相の座をキム・キャンベルに明け渡した。キャンベルと進歩保守党は、1993年の総選挙でNAFTAの再交渉または破棄を唱えるジャン・クレティエンが率いる自由党に大敗した。クレティエンはその後2つの補完協定について新しいアメリカの大統領と交渉した。アメリカでは、任期終了を間近に控えたブッシュ大統領が署名のために「速いトラック」のように活動したが、批准の要求にこたえ、協定を施行することには間に合わず、後任のビル・クリントン大統領に任せることになった<ref>For an overview of the process, see [[Noam Chomsky]], [https://zcomm.org/wp-content/uploads/zbooks/www/chomsky/articles/z9302-mandate.html {{"'}}Mandate for Change', or Business as Usual"], ''Z Magazine'' 6, no. 2 (February 1993), 41.</ref>。

多くの時間を費やした検討と感情的な議論の末、1993年11月17日、[[アメリカ合衆国下院|下院]]NAFTAに批准した。協定を支持したのは132人の[[共和党 (アメリカ)|共和党]]議員と102人の[[民主党 (アメリカ)|民主党]]議員だった。NAFTAは上院通過した。上院での支持者は32人の共和党議員と27人の民主党議員だった。1993年12月8日、クリントンは協定に署名した。それが発効したのは1994年1月1日だっ<ref>{{cite web |url= http://millercenter.org/academic/americanpresident/events/12_08 |title=Clinton Signs NAFTA—December 8, 1993 |publisher= University of Virginia |work= Miller Center |accessdate= 2011-01-27}}</ref><ref>{{cite web|url= http://www.fina-nafi.org/eng/integ/chronologie.asp?langue=eng&menu=integ |title= NAFTA Timeline |publisher= Fina-nafi |date= |accessdate= 2011-07-04}}</ref>クリントンはNAFTAの法案に署名した際、「NAFTAは雇用を生み出す。アメリカ人の雇用、それも給料のいいアメリカの雇用を。もしそう信じていなかったら、私はこの協定を支持しなかった」と述べた<ref>{{citation | publisher = History Central | title = Signing NaFTA | url = http://www.historycentral.com/Documents/Clinton/SigningNaFTA.html | accessdate = 2011-02-20}}</ref>
議会への送付に先立ち、クリントンは労働者と環境を保護し、多くの議員が抱いていた懸念を和らげるための労働問題に関する補完協定(NAALC)と環境問題に関する補完協定(NAAEC)という付随する2つの補完協定を追加した。米国は相手国に対し自国と同様の環境政策と規制の遵守を求めた。多くの時間を費やした検討と感情的な議論の末、1993年11月17日、国下院は、234対200で、北米自由貿易協定実施法可決した。協定賛成者に132人の共和党議員と102人の民主党議員が含まれていた。法案1993年11月20日、61対38で上院通過した<ref>{{cite web |url=https://www.congress.gov/bill/103rd-congress/house-bill/3450?q=%7B%22search%22%3A%5B%22nafta%22%5D%7D |title=H.R.3450 – North American Free Trade Agreement Implementation Act |accessdate=December 29, 2014}}</ref>。上院での賛成34人の共和党議員と27人の民主党議員が含まれていた。クリントンは1993年12月8日に法律に署名した。協定は1994年1月1日に発効した<ref>{{cite web |url= http://millercenter.org/academic/americanpresident/events/12_08 |title= Clinton Signs NAFTA – December 8, 1993 |publisher= University of Virginia |work= Miller Center |accessdate= January 27, 2011 |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20101010231531/http://millercenter.org/academic/americanpresident/events/12_08 |archivedate= October 10, 2010 |df= mdy-all }}</ref><ref>{{cite web |url= http://www.fina-nafi.org/eng/integ/chronologie.asp?langue=eng&menu=integ |title= NAFTA Timeline |publisher= Fina-nafi |accessdate= July 4, 2011 |archive-url= https://web.archive.org/web/20110114130328/http://www.fina-nafi.org/eng/integ/chronologie.asp?langue=eng&menu=integ |archive-date= January 14, 2011 |dead-url= yes |df= mdy-all }}</ref>クリントンはNAFTAの法案に署名した際、「NAFTAは雇用を生み出す。アメリカ人の雇用、それも給料のいいアメリカの雇用を。もしそう信じていなかったら、私はこの協定を支持しなかった」と述べた<ref>{{Cite journal | publisher = History Central | title = Signing NaFTA | url = http://www.historycentral.com/Documents/Clinton/SigningNaFTA.html | accessdate = February 20, 2011 | postscript = {{inconsistent citations}}}}</ref>。NAFTAは、それまでの米加自由貿易協定に置き換わった。
{{Expand section|date=December 2009}} <!-- Coverage of ratification in Mexico is missing-->
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<!-- 日本語版オリジナル -->== 再交渉、批准及び改定 (2016年-2018年) ==
2016年にアメリカ合衆国大統領に就任した[[ドナルド・トランプ]]は、政権発足当初から協定がアメリカの雇用を奪っているとしてメキシコとカナダに対して改定を迫った。2018年11月30日、新協定となる[[米国・メキシコ・カナダ協定]]を締結。工業製品の原産国規定の見直しが行われたほか、新たに為替条項も盛り込まれた。発効には各国の議会承認・批准手続きが必要<ref>{{Cite news |title= NAFTA 3カ国が署名 日米交渉にも影響か|newspaper=毎日新聞 |date=2018-11-30 |author= |url=https://mainichi.jp/articles/20181201/k00/00m/030/131000c |accessdate=2018-11-30}}</ref>。


== 条項 ==
== 条項 ==
NAFTAの目標は、アメリカ、カナダメキシコ間で貿易と投資を行う際の障壁をなくすことだった。NAFTAの発効は1994年1月1日で、メキシコからアメリカへの輸出の半分以上とアメリカからメキシコへの輸出の3分の1以上の品目の[[関税]]が即時に撤廃された。協定の発効から10年以内に、アメリカからメキシコへの輸出の農産物の一部(15年以内に段階的に撤廃することになっていた)を除く、アメリカとメキシコのすべての関税は撤廃されることになった。 アメリカとカナダの間の貿易は既にほとんどの関税が撤廃されていた。NAFTAは[[非関税障壁]]の撤廃と製品の[[知的財産権]]の保護も模索していた。
NAFTAの目標は、アメリカ、カナダ及びメキシコ相互の間で貿易と投資を行う際の障壁をなくすことだった。NAFTAの発効は1994年1月1日で、メキシコからアメリカへの輸出の半分以上とアメリカからメキシコへの輸出の3分の1以上の品目の関税が即時に撤廃された。協定の発効から10年以内に、アメリカからメキシコへの輸出の農産物の一部(15年以内に段階的に撤廃することになっていた)を除く、アメリカとメキシコのすべての関税は撤廃されることになった<ref>Floudas, Demetrius Andreas & Rojas, Luis Fernando; [http://www.diplomacy.bg.ac.rs/mpro_sa00_4.htm "Some Thoughts on NAFTA and Trade Integration in the American Continent"], 52 (2000) International Problems 371</ref>。 アメリカとカナダの間の貿易は既にほとんどの関税が撤廃されていた。NAFTAは非関税障壁の撤廃と製品の知的財産権の保護も模索していた。


第20章は、NAFTAの適用及び解釈に対する紛争の国際的解決のための手続を規定している。これは、カナダ - 米国自由貿易協定第69章<ref>{{Cite journal | last = Gantz | first = DA | year = 1999 | title = Dispute Settlement Under the NAFTA and the WTO:Choice of Forum Opportunities and Risks for the NAFTA Parties | journal = American University International Law Review | volume = 14 | issue = 4 | pages = 1025–106 | postscript = <!-- Bot inserted parameter. Either remove it; or change its value to "." for the cite to end in a ".", as necessary. -->{{inconsistent citations}}}}</ref>をモデルにしている。NAFTAの裁定員の名簿には、アリス・デジャルダン、ジョン・マクスウェル・エヴァンス、コンスタンス・ハント、ジョン・リチャード、アーリン・M・アダムズ、スーザン・ゲッテンダーナー、ジョージ・C・プラット、チャールズ・B・レンフルーとサンドラ・デイ・オコナーのような多くの元判事を含んでいる。
知的財産権の分野では北米自由貿易協定施行法(North American Free Trade Agreement Implementation Act) によって[[:en:Copyright law of the United States|アメリカの著作権法]]は一部が改正され、[[パブリック・ドメイン]]の状態になった映画に関するNAFTA域内での著作権の概念の変更は1994年の[[ウルグアイ・ラウンド協定法]]の伏線となった<ref>GPO, [http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/BILLS-103hr3450enr/pdf/BILLS-103hr3450enr.pdf P.L. 103-182], Section 334</ref>。


NAFTAの一部は、3加盟国の各国政府職員からなる技術ワーキンググループによって執行されている<ref name=pmra>{{cite web |url=https://www.canada.ca/en/health-canada/corporate/about-health-canada/branches-agencies/pest-management-regulatory-agency.html |work=Health Canada |title=Pest Management Regulatory Agency |series=Branches and Agencies |date=nd |access-date=September 3, 2018}}</ref>。
== メカニズム ==
===知的財産権===
第52章は国家間の紛争の解決のための手続についてNAFTAが適用する解釈を示している。それは米加自由貿易協定の第69章をモデルにしていた。<ref>{{citation | last = Gantz | first = DA | year = 1999 | title = Dispute Settlement Under the NAFTA and the WTO:Choice of Forum Opportunities and Risks for the NAFTA Parties | journal = American University International Law Review | volume = 14 | issue = 4 | pages = 1025–1106}}</ref>
北米自由貿易協定施行法(North American Free Trade Agreement Implementation Act) によってアメリカの著作権法は一部が改正され、パブリック・ドメインの状態になった映画に関するNAFTA域内での著作権の概念の変更は1994年のウルグアイ・ラウンド協定法の伏線となった<ref>GPO, [http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/BILLS-103hr3450enr/pdf/BILLS-103hr3450enr.pdf P.L. 103-182], Section 334</ref><ref>[http://www.copyright.gov/history/mls/ML-497.pdf ML-497] (March 1995), Docket No. RM 93-13C, Library of Congress Copyright Office</ref>。
===環境===
NAFTAの環境への影響についての国民の懸念に対処することがなければ、NAFTAに対する米国議会の承認は不可能だったであろう<ref name="RothbardAustria">{{cite web|last1=Rothbard|first1=Murray|title=The NAFTA Myth|url=https://mises.org/library/nafta-myth#.UppdJ83nE1A.reddit|website=Mises Institute|publisher=Mises Institute|accessdate=18 March 2016}}</ref>。クリントン政権は、1994年に環境協力委員会(CEC)を創設することとなるカナダ及びメキシコとの環境上の補足協定(環境協力に関する北米協定(NAAEC))を交渉した。途上国と2つの先進国の間の最初の地域貿易協定であるNAFTAが環境への負の影響を及ぼしかねないという懸念を緩和するため、当該委員会は環境事後評価<ref>{{cite journal|url=http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3152/147154606781765048#.VbNl6tHJDIU |title=IngentaConnect NAFTA Commission for Environmental Cooperation: ongoing assessment |doi=10.3152/147154606781765048 |date=December 1, 2006 |accessdate=July 25, 2015 |volume=24 |journal=Impact Assessment and Project Appraisal |pages=259–272}}</ref>を実施することを義務付けられた。NAFTAと環境についての当初の想定に、即ち、NAFTAが3カ国が環境規制について「最下位への競争」を創出するとか、NAFTAは政府に環境保護を強化するよう圧力をかけているとかの懸念などについて、貿易自由化の環境評価のための最初の事後枠組みの1つを作成した<ref>[https://wayback.archive-it.org/all/20080910022008/http://www.cec.org/programs_projects/trade_environ_econ/pdfs/frmwrk-e.pdf Analytic Framework for Assessing the Environmental Effects of the North American Free Trade Agreement]. Commission for Environmental Cooperation (1999)</ref>。CECは、NAFTAの環境への影響を評価するための4回のシンポジウムを開催し、主要な独立した専門家によるこの件に関する47件の論文を委託した<ref>{{cite web|url=http://www.cec.org/symposium |title=Trade and Environment in the Americas |publisher=Cec.org |accessdate=November 9, 2008}}</ref>。
===農業===
最も初期の交渉から、WTOの枠組みの中で締結されたほぼすべての自由貿易協定と同様に、農業はNAFTA内で議論の的となった事項であったし、今のそうである。農業は三国間での交渉は行われていない唯一の部分であり、代わりに、各国の間で3つの別々の協定が締結された。カナダ・米国の協定は農産品に(主に砂糖、乳製品、および家禽製品)に関し大幅な制限と割当を含んでいる。一方、メキシコ - 米国。 協定は撤廃期間の枠組みの中でより広い自由化を行っている(これは、農業に関して署名された最初の南北自由貿易協定である)。
===交通インフラ===
NAFTAは、カナダ、メキシコの間の道路輸送のためのCANAMEX回廊を設立し、また、鉄道、パイプライン及び光ファイバー通信インフラストラクチャーの利用を提案した。これは、1991年の米国沿岸地上輸送効率化法の下で、優先度の高い回廊となった。


== 影響 ==
NAFTAの影響は、肯定的なものも否定的なものも含め、経済学者によって定量化され、[[世界銀行]]が発行した「ラテンアメリカとカリブ海諸国のためのNAFTAの教訓、''Lessons from NAFTA for Latin America and the Caribbean''」、<ref>{{citation | last1 = Lederman | first1 = D | first2 = W | last2 = Maloney | first3 = L | last3 = Servén | year = 2005 | title = Lessons from NAFTA for Latin America and the Caribbean | publisher = Stanford University Press | place = Palo Alto, CA, USA}}</ref>「NAFTAが最初の10年間に北米に与えた影響、''NAFTA's Impact on North America The First Decade''」<ref>{{citation | last = Weintraub | first = S | year = 2004 | title = NAFTA's Impact on North America The First Decade | publisher = CSIS Press | place = Washington, DC, USA}}</ref>や国際経済問題研究所が発行した「NAFTA再考、''NAFTA Revisited''」<ref>{{citation | last1 = Hufbauer | first1 = GC | last2 = Schott | first2 = JJ | title = NAFTA Revisited | publisher = Institute for International Economics | place = Washington, DC | year = 2005}}</ref>などの発行物において報告されている。ある者{{Who|date= April 2010}}は貧困率の低下と実質的な収入の上昇(物価の下落、特に食品)などによって、1994年から1995年にかけての経済危機の後であるにもかかわらず、NAFTAはメキシコに好影響を与えたと主張している。<ref>{{cite web| url = http://www.cato.org/pubs/journal/cj17n3-14.html | title = The Origin of Mexico’s 1994 Financial Crisis | publisher= Cato | date = | accessdate= 2008-11-09}}</ref>他の者{{Who|date= December 2011}}はNAFTAは3か国のすべてにおいて企業家やエリートには利益をもたらしたが、メキシコの農家はアメリカの[[アグリビジネス]]による安い輸入農産物によって被害を蒙り、またアメリカの製造業に従事する労働者も職を失ったと主張している。批評家たちはまた、NAFTAによってアメリカとメキシコ両国において格差が拡大したと主張している。一部の経済学者はNAFTAは経済的な収斂と、貧困率を削減するためには十分ではなかった(あるいはあまりにも早すぎた)と信じている。<ref>{{cite journal | author = Floudas, Demetrius Andreas & Rojas, Luis Fernando | url = http://www.diplomacy.bg.ac.rs/mpro_sa00_4on NAFTA and Trade Integration in the American Continent | page = 52 | year = 2000 | journal = International Problems | issue = 371}}</ref>ある者はメキシコが協定から十分に利益を得るためにはもっと教育に投資し、[[インフラストラクチャー]]と[[農業]]を改革しなければならないと提言している。
[[File:Obama, Peña y Harper. IX Cumbre de Líderes de América del Norte.jpg|upright=1.15|thumb|Obama, Peña Nieto and Harper at the IX [[North American Leaders' Summit]] (informally known as the ''Three Amigos Summit'') in [[Toluca]].]]
=== カナダ ===
====歴史的背景====
2008年の米国とメキシコへのカナダの輸出額は3,813億ドルで、輸入額は2,451億ドルであった<ref>{{cite web|url=http://www.naftanow.org/facts/ |title=NAFTA – Fast Facts: North American Free Trade Agreement |publisher=NAFTANow.org |date=April 4, 2012|accessdate=October 26, 2013}}</ref>。トロント大学経済学者ダニエル・トレフラーの2004年の論文によると、NAFTAは2003年にカナダに大きな正味利益をもたらし、関税が大幅に引き下げられた業界では長期生産性が最大15%増加した<ref>{{Cite journal|last=Trefler|first=Daniel|date=Sep 2004|title=The Long and Short of the Canada-U.S. Free Trade Agreement|journal=American Economic Review|language=en|volume=94|issue=4|pages=870–895|doi=10.1257/0002828042002633|url=http://eprints.lse.ac.uk/6721/1/The_Long_and_Short_of_the_Canada-U.S._Free_Trade_Agreement.pdf}}</ref>。低生産性工場の縮小は雇用を減少させたが(既存の職種の最大12%)、これらの雇用損失が生じたのは10年未満であった。全体的に見て、カナダの失業率への影響は不明とである。トレフラーは、このトレードオフに言及して、貿易政策における重要な問題は、「長期的な利益と短期的な労働者やその他の人々による調整費用の両方を認識する方法で工業化された経済においてより自由な貿易がどのように実施されるのか」を理解することである<ref>{{cite book|last1=Bernstein|first1=William J.|title=A Splendid Exchange: How Trade Shaped the World|publisher=[[Grove Press]]|date=16 May 2009}}</ref> 。


2007年の調査によると、NAFTAは「国際貿易量に大きな影響を及ぼしたが、価格と福祉には穏やかな影響を及ぼす」という結果が得られた<ref name=":1">{{Cite journal|last=Romalis|first=John|date=2007-07-12|title=NAFTA's and CUSFTA's Impact on International Trade|journal=Review of Economics and Statistics|volume=89|issue=3|pages=416–35|doi=10.1162/rest.89.3.416|issn=0034-6535}}</ref>。
===貿易===
協定は自由貿易の扉を開き、様々な財やサービスに課せられていた関税を撤廃し、カナダ、アメリカとメキシコで同様に発効した。NAFTAは卵、トウモロコシや肉などの農産物に課せられていた関税を撤廃した。このことは北米規模で企業の貿易活動と様々な財の輸入と輸出を自由にした。NAFTAの施行によって、当該国は次のようなことを行うことができるようになった。


NAFTAの貿易関税が引き下げられた2012年の調査によると、関係国との貿易は、米国では41%、メキシコでは118%増加したのに対し、カナダではわずか11%の増加にとどまりました<ref name=":2">{{Cite journal|last=Caliendo|first=Lorenzo|last2=Parro|first2=Fernando|date=2015-01-01|title=Estimates of the Trade and Welfare Effects of NAFTA|url=http://restud.oxfordjournals.org/content/82/1/1|journal=The Review of Economic Studies|language=en|volume=82|issue=1|pages=1–44|doi=10.1093/restud/rdu035|issn=0034-6527|citeseerx=10.1.1.189.1365}}</ref>{{rp|3}}。また、米国及びメキシコは、関税削減によりそれぞれ0.08%と1.31%の福祉の増加があったのに対し、カナダでは0.06%の低下があった.<ref name=":2"/>{{rp|4}}。
====輸出====
====現在の問題====
2010年のアメリカの輸出はカナダ向けが2482億ドル、メキシコ向けが1633億ドルで、アメリカの輸出の1位と2位を両国が占めた。
外交問題評議会(CFR)公共政策シンクタンクの報告書を基礎とするニューヨーク市による2017年の報告によれば、農産物における二国間の貿易は、1994年から2017年までのあいだで3倍に拡大し、米国とカナダとの貿易においてカナダが米国の農業分野における主要輸入国となっていることにおいてNAFTAの最大の経済効果の一つであると考えられている.<ref name="CFR_Sergie_2018">{{cite web|last1=McBride |first1=James |last2=Sergie|first2=Mohammed Aly|title=NAFTA's Economic Impact|url=http://www.cfr.org/trade/naftas-economic-impact/p15790|publisher=[[Council on Foreign Relations]] (CFR) think tank|access-date=September 3, 2018|orig-year=February 14, 2014 |date=2017}}</ref>。米国向けの製造業の雇用を失うというカナダの懸念は、製造業の雇用が「安定」していることで実現しなかった。しかし、カナダの労働生産性水準が米国の72%に達した点において、両国間の「生産性格差」を克服するという希望も実現しなかった<ref name="CFR_Sergie_2018"/>。


2018年のシエラクラブ報告書によれば、NAFTAとパリ協定に基づくカナダの約束は矛盾している。 パリ協定は自主的であり、NAFTAは義務的です<ref>{{cite web|title=NAFTA and Climate Report 2018|url=https://www.sierraclub.org/sites/www.sierraclub.org/files/uploads-wysiwig/NAFTA%20and%20Climate%20Report%|accessdate=2018-11-26|publisher=[[Sierra Club]]}}</ref>。
2010年におけるアメリカ製品のNAFTAへの輸出は4115億ドルで、2009年と比較して23.4%(780億ドル)、1994年(ウルグアイラウンドの前年)と比較して149%増加し、1993年(NAFTA発効の前年)と比較すると190%増加した。2010年のアメリカからNAFTAへの輸出は全体の32.2%だった。


「カナダ人評議会」が発表した2018年のゴードン ラックセラー報告によれば、NAFTAの第605条のエネルギー比例規則は、アメリカ人が「カナダの石油と天然ガスのほとんどに最初から無制限にアクセスできる」ことを保証し、カナダは、国内が不足であっても石油、天然ガス、電力の輸出(石油は算出の74%、天然ガスは算出52%までは)を削減できない。1993年にNAFTAが署名されたときに論理的に見えるこれらの規定はもはや適切ではない<ref name="canadians_2018">{{cite web|url=https://canadians.org/sites/default/files/publications/report-nafta-energy-laxer-0118.pdf |title=Escaping Mandatory Oil Exports: Why Canada needs to dump NAFTA’s energy proportionality rule |first=Gordon |last=Laxer |pages=28 |format=PDF|accessdate=2018-11-26| }}</ref>{{rp|4}}。:カナダ人評議会は、環境保護を促進し、開発奨励でタールサンドと水圧破砕法による開発奨励に対するNAFTAの役割に対して反対している<ref name="canadians_2018"/>。
2010年の輸出を多い順からカテゴリー別でみると、機械(633億ドル)、自動車部品(567億ドル)、電機機器(562億ドル)、燃料と石油(267億ドル)とプラスチック(226億ドル)だった。


ドナルド・トランプ氏は、非現実的なほぼ300%となる酪農税に怒って、カナダをNAFTAから追放することを計画している<ref name=":16">{{Cite news|url=https://www.economist.com/the-americas/2018/09/08/the-coddling-of-the-canadian-cow-farmer|title=The coddling of the Canadian cow farmer|work=The Economist|access-date=2018-09-12|language=en}}</ref>。1972年以来、カナダは「供給管理」システムで操業しており、米国はこれを圧迫しようとしており、特に乳業に焦点を当てている。しかし、これはまだ実施されていない。なぜなら、国の酪農場の約半分を保有するケベック州は供給管理を依然として支援しているからである<ref name=":16" />。
2010年のアメリカからNAFTAへの農業製品の輸出は総額で314億ドルだった。最も多かったのは生や冷凍の赤身の肉(27億ドル)で、次いで穀物(22億ドル)、ナッツ類を除く生鮮食料品(18億ドル)、生鮮野菜(17億ドル)だった。


=== メキシコ ===
2009年のアメリカの軍事と政府を除く、NAFTAへの民間の商業サービスの輸出(利用可能な最新のデータ)は638億ドルで、2008年と比較して7%(46億ドル)の減少だったが、1994年と比較すると125%の増加だった。
マキラドーラ(部品を輸入して輸出品を生産するメキシコの組立工場)はメキシコの貿易のランドマークとなっています。これらはアメリカからメキシコに移ってきたものであり、アメリカの失業の原因として議論になった。マキラドーラ部門の収入は、1994年にNAFTAが実施されて以来15.5%増加している.<ref name="Hufbauer">{{Cite journal|last2=Schott|first2=JJ|year=2005|title=NAFTA Revisited|publisher=Institute for International Economics|postscript=<!-- Bot inserted parameter. Either remove it; or change its value to "." for the cite to end in a ".", as necessary. -->{{inconsistent citations}}|last1=Hufbauer|first1=GC|place=Washington, DC}}</ref>。他の部門は現在、自由貿易協定から利益を得ており、ここ5年で国境を接していない州からの輸出の割合は増加したのに対し、国境を接している州からの輸出は減少している。このことはトルーカ、レオンやプエブラなど国境を接していない地域の素早い成長を可能にし、三つの都市はティフアナ、シウダー・フアレスやレイノサの人口を上回った。


メキシコと米国の農業合意の全体的な影響が争われている。メキシコは効率的な鉄道や高速道路などの競争に必要なインフラに投資していませんでした。メキシコの農産物輸出は1994年から2001年にかけて毎年9.4%増加し、輸入は同期間に年間わずか6.9%増加した<ref>''Greening the Americas'', Carolyn L. Deere (editor). MIT Press, Cambridge, Massachusetts</ref>。
====輸入====
2010年のアメリカの輸入はカナダからが2765億ドル、メキシコからが2297億ドルで、アメリカの輸入の2位と3位を占めた。


最も影響を受ける農業部門の1つは肉産業である。メキシコは、1994年以前の米国輸出市場の小規模輸入国から2004年には2番目に大きい米国の農産物輸入国に移行し、NAFTAはこの変化の主要な要因となる可能性がある。自由貿易は両国間のビジネスを妨げた障害を取り除き、メキシコは米国の肉用市場を拡大し、米国の肉産業の売上高と利益を増加させた。同時にメキシコの1人当たりGDPの著しい増加は肉の消費パターンを大きく変え、1人当たりの肉消費量が増加している<ref>{{cite web |url=http://etd.lib.ttu.edu/theses/available/etd-11062006-155845/unrestricted/Clark_Georgia_Thesis.pdf |title=Clark, Georgia Rae. 2006. Analysis of Mexican demand for Meat: A Post-NAFTA Demand Systems Approach. MS Thesis, Texas Tech University |format=PDF |accessdate=July 4, 2011 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110815213240/http://etd.lib.ttu.edu/theses/available/etd-11062006-155845/unrestricted/Clark_Georgia_Thesis.pdf |archivedate=August 15, 2011| |df=mdy-all }}</ref>。
2010年のアメリカのNAFTAからの輸入は総額5061億ドルで、2009年と比較して25.6%の増加、1994年からは184%の増加、1993年からは235%の増加だった。2010年のアメリカのNAFTAからの輸入は全体の26.5%を占めた。


メキシコにおけるトウモロコシの生産は、NAFTA以来増加している。しかし、トウモロコシの内部需要はメキシコの供給を超えて増加しており、メキシコが最初に交渉した数量をはるかに上回る輸入が必要となっている<ref>{{cite web |url= http://americas.irc-online.org/pdf/reports/0402nafta.pdf |title= NAFTA, Corn, and Mexico's Agricultural Trade Liberalization |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070109225602/http://americas.irc-online.org/pdf/reports/|accessdate=2018-03-09 |archivedate= January 9, 2007 |df= mdy-all }}&nbsp;{{small|(152&nbsp;KB)}} p. 4</ref>。 ザヒナーとコイルも国際価格に調整したメキシコのトウモロコシの価格は、大幅に減少していることを指摘したが、前大統領のビセンテ・フォックスが拡張した補助金計画により、生産は 2000年以来、安定している<ref>Steven S. Zahniser & William T. Coyle, ''[http://webarchives.cdlib.org/sw15d8pg7m/http://ers.usda.gov/Publications/FDS/May04/FDS04D01/ U.S.-Mexico Corn Trade During the NAFTA Era: New Twists to an Old Story]'', Outlook Report No. FDS04D01 (Economic Research Service/USDA, May 2004), 22 pp.</ref>。農業補助金、特にトウモロコシの補助金の削減は、メキシコ農民の害を減らす方法として提案されている<ref>https://www.nytimes.com/2003/08/27/business/us-corn-subsidies-said-to-damage-mexico.html</ref>。
2010年の輸入で多い順に上位5つをカテゴリー別でみると、鉱物性燃料と石油 (原油)(1162億ドル)、自動車(863億ドル)、電機機器(618億ドル)、機械(512億ドル)と宝石類(金)1390億ドルの順だった。


A2001年のャーナル・オブ・エコノミクス・パースペクティブの既存の文献のレビューでは、NAFTAがメキシコにとってネットで利益があることが判明しました<ref name=":0">{{Cite journal|title = The Impact of NAFTA on the United States|url = http://pubs.aeaweb.org/doi/abs/10.1257/jep.15.1.125|journal = Journal of Economic Perspectives|date = 2001-02-01|issn = 0895-3309|pages = 125–44|volume = 15|issue = 1|doi = 10.1257/jep.15.1.125|first = Mary E|last = Burfisher|first2 = Sherman|last2 = Robinson|first3 = Karen|last3 = Thierfelder|citeseerx = 10.1.1.516.6543}}</ref>。 2003年では、メキシコでの商取引の80%は、米国のみでの商業販売で達成され、メキシコにおける商取引の80%は米国のみで達成され、商業販売黒字は、世界の他国との赤字と相まって、メキシコの輸出に依存した。これらの影響は2001〜2003年に明らかであった。その景気後退の結果は、メキシコの輸出に対しては低いか否定的なものであった<ref>Ruiz Nápoles, Pablo. "El TLCAN y el balance comercial en México". Economía Informa. UNAM. 2003</ref>。
2010年、アメリカのNAFTAからの農業製品の輸入は総額で298億ドルだった。カテゴリー別にみると多いほうから、生鮮野菜(46億ドル)、チョコレートを含むスナック食品(40億ドル)、バナナを除く生鮮果物(24億ドル)、動物(20億ドル)と生、冷凍の赤身肉(20億ドル)の順だった。


2015年の調査によると、NAFTAの関税引き下げの結果、メキシコの福祉は1.31%増加し、メキシコの域内貿易は118%増加した<ref name=":2" />。不平等と貧困は、メキシコの最もグローバル化の影響を受けた地域で減少した<ref>{{Cite journal|last=H|first=Hanson, Gordon|date=2007-03-09|title=Globalization, Labor Income, and Poverty in Mexico|url=https://www.nber.org/chapters/c0107}}</ref> 。2013年と2015年の調査によれば、メキシコの小規模農家は大規模農家よりもNAFTAより多くの利益を得ている<ref>{{Cite journal|title=Maintenance page : Wiley Online Library|url=http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/rode.12053/abstract|doi=10.1111/rode.12053 | volume=17|journal=Review of Development Economics|pages=594–608}}</ref><ref>{{Cite journal|title=Maintenance page : Wiley Online Library|url=http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jid.2814/abstract|doi=10.1002/jid.2814 | volume=27|journal=Journal of International Development|pages=112–132}}</ref>。
2009年のアメリカの軍事および政府以外の民間の商業サービスの輸入(利用可能な最も新しいデータ)は355億ドルで2008年の45億ドルと比較すると11.2%の減少だったが、1994年と比較すると100%の増加だった。


NAFTAはまた、メキシコの中産階級の台頭によって信じられている。タフツ大学の研究では、NAFTAが最大50%、メキシコでの基本的な必需品の平均コストを下げることがわかりました<ref name="Shannon O Neil">{{cite journal|last1=O'Neil|first1=Shannon|title=Mexico Makes It|journal=Foreign Affairs|date=March 2013|volume=92|issue=2|url=http://search.ebscohost.com/login.aspx?direct=true&db=buh&AN=85480345&site=ehpl-live|accessdate=19 March 2016}}</ref>。 この価格引き下げはメキシコの多くの家族にとって手持ち資金を増加させ、メキシコは毎年ドイツより多くの技術者を卒業させることができました<ref name="WashTimesNaftaGood">{{cite web|last1=Taylor|first1=Guy|title=NAFTA key to economic, social growth in Mexico|url=http://www.washingtontimes.com/news/2012/may/14/nafta-key-to-economic-social-growth-in-mexico/?page=all|website=www.washingtontimes.com|publisher=The Washington Times|accessdate=19 March 2016|language=English|date=14 May 2012}}</ref>。
====貿易の均衡====
2010年、アメリカのNAFTAとの財貿易は946億ドルの赤字であり、2009年と比較して36.4%(250億ドル)増加した。


新規受注の伸びは、製品の需要が増加したことを意味し、需要の増加を満たすために生産拡大と雇用率向上をもたらしました。マキラドーラ産業および製造業における成長率は、2016年8月に4.7%であった.<ref>"Economic Report of the exportations in the manufacturer industry" Consejo Nacional de Industria Maquiladora Manufacturera A.C. 2016</ref> 。]輸出入の3/4は米国とのものである。
2010年、アメリカのNAFTAとの財貿易の赤字は財貿易赤字全体の26.8%だった。


タフツ大学の 政治学者ダニエルW. ドレズナーは、NAFTAがメキシコが真の民主主義に変わり、北アメリカと見なされる国になることを容易にしたと主張している。これにより、米国とメキシコの協力が高まった<ref name=":7">{{Cite web|url=https://www.washingtonpost.com/posteverything/wp/2017/01/27/the-missing-dimension-in-the-nafta-debate/|title=The missing dimension in the NAFTA debate|website=Washington Post|access-date=2017-02-12}}</ref>。
2009年(利用可能な最新のデータ)、アメリカはNAFTAとのサービスの貿易では283億ドルの黒字を記録した。


====投資====
=== アメリカ合衆国===
多くのエコノミストは、NAFTAが米国にとって有益であると考えている<ref>{{Cite web|url=https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2017/05/18/trump-administration-formally-launches-nafta-renegotiation/|title=Trump administration formally launches NAFTA renegotiation|last=https://www.facebook.com/anaclaireswanson|website=Washington Post|access-date=2017-07-18}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.project-syndicate.org/commentary/trump-mexico-renegotiate-nafta-by-jeffrey-frankel-2017-04|title=How to Renegotiate NAFTA|last=Frankel|first=Jeffrey|date=2017-04-24|work=Project Syndicate|access-date=2017-07-18|language=en}}</ref> 。大手エコノミストの2012年調査では、95%の平均的な米国市民がNAFTAの恩恵を受けていると答えた.<ref name=":9">{{Cite web|title = Poll Results {{!}} IGM Forum|url = http://www.igmchicago.org/igm-economic-experts-panel/poll-results?SurveyID=SV_0dfr9yjnDcLh17m|website = www.igmchicago.org|date=13 March 2012|accessdate = 2016-01-01}}</ref>。 2001年のジャーナル・オブ・エコノミクス・パースペクティブの分析は、NAFTAが米国にとって実質的なメリットであることを明らかにした<ref name=":0" /> 。2015年の調査によると、NAFTAの関税引き下げの結果、米国の福祉は0.08%増加し、米国の域内貿易は41%増加した<ref name=":2" />。
2009年の(利用可能な最新のデータ)、アメリカのNAFTAへの対外直接投資(FDI)は3577億ドルで、2008年と比較して8.8%増加した。


NAFTAが米国の貿易雇用と投資に及ぼす影響に関する2014年の調査では、1993年から2013年の間に、米国の貿易赤字はメキシコとカナダとで170億ドルから1772億ドルに増加し、851,700人の米国の雇用を減少させた<ref>{{Cite web|url=https://ideas.repec.org/a/elg/rokejn/v2y2014i4p429-441.html|title=The effects of NAFTA on US trade, jobs, and investment, 1993-2013| accessdate=2018-03-09|}}</ref>。
アメリカのNAFTAへの直接投資は非銀行系持株会社企業でかつ製造業、金融・保険業、鉱業に限られていた。


2015年、議会調査局は、2015年には、「カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPの僅かな割合であることを主な理由として、NAFTAの米国経済に対する全体的な効果は比較的穏やかであるように思われる。しかしながら3カ国が経済の開放と貿易の自由化を調整したため、労働者と企業の調整費用が発生した。」と結論した。 同報告書はまた、NAFTAの実施後、米国のGDPの0.5%の増加に相当する800億ドルを米国経済に追加したと推定した<ref>{{Cite web|url=https://fas.org/sgp/crs/row/R42965.pdf|title=The North American Free Trade Agreement (NAFTA)|last=|first=|date=|website=|publisher=|access-date=| accessdate=2018-03-09|}}</ref>。
2009年(利用可能な最新のデータ)のカナダとメキシコのアメリカに対する対外直接投資は2372億ドルで、2008年と比較して16.5%の増加だった。<ref>[http://www.fas.usda.gov/itp/policy/nafta/nafta.asp]</ref><ref>[http://www.ustr.gov/trade-agreements/free-trade-agreements/north-american-free-trade-agreement-nafta]</ref><ref>[http://www.nafta-sec-alena.org/en/view.aspx]</ref>


米国商工会議所は、NAFTAにより、1993年の3370億ドルから2011年には1兆2000億ドルへのカナダとメキシコとの商品・サービス貿易の増加させたと認める一方、AFL-CIOは、その間に協定によってメキシコに70万人のアメリカの製造業の雇用を移転させた非難している<ref>{{cite web|url=http://www.ft.com/intl/cms/s/0/b7230156-4c51-11e3-923d-00144feabdc0.html|title=Contentious Nafta pact continues to generate a sparky debate|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>。
===産業===
マキラドーラ(輸入した原材料を加工して輸出するメキシコの工場)はメキシコの貿易の[[ランドマーク]]になった。これらの工場はアメリカからこの地域に移ってきたものであり、アメリカの失業の原因として議論になった。ハフバウアーの2005年の本はマキラドーラが1994年のNAFTAの発効から15.5%増加したことを示している。他の部門は現在、自由貿易協定から利益を得ており、ここ5年で国境を接していない国からの輸出の割合は増加したのに対し、マキラドーラからの輸出は減少している。このことは[[トルーカ]]、[[レオン (メキシコ)|レオン]]や[[プエブラ]]など国境を接していない地域の素早い成長を可能にし、三つの都市は[[ティフアナ]]、[[シウダー・フアレス]]や[[レイノサ]]の人口を上回った。


カリフォルニア大学サンディエゴ校のゴードン・ハンソン教授は、NAFTAが米国の中国との競争を支援し、米国の雇用を救ったと語った.<ref name=":4">{{Cite news|url=http://www.cfr.org/trade/naftas-economic-impact/p15790|title=NAFTA's Economic Impact|newspaper=Council on Foreign Relations|access-date=2017-02-07|language=en}}</ref><ref name=":5">{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/2016/03/30/business/economy/nafta-may-have-saved-many-autoworkers-jobs.html|title=Nafta May Have Saved Many Autoworkers' Jobs|last=Porter|first=Eduardo|date=2016-03-29|newspaper=The New York Times|access-date=2017-02-07|issn=0362-4331}}</ref>。[64] [65] NAFTAの結果としていくつかの雇用はメキシコに移転したが、NAFTAがなかったら、より多くが中国に移転したであろう.<ref name=":4" /><ref name=":5" />。
===環境===
{{details|en:NAFTA's Impact on the Environment}}
NAFTAが環境に与える影響について、[[アメリカ合衆国議会|アメリカ議会]]の承認を得るためには国民の懸念を払拭しなければならなかった。クリントン政権はカナダ、メキシコと協定について交渉し、1994年の環境協力委員会([[:en:Commission for Environmental Cooperation|Commission for Environmental Cooperation]]、略称CEC)の設立につながった環境問題に関する補完協定(NAAEC)を締結した。1つの開発途上国と2つの先進国の間で締結された初めての地域的な貿易協定であるNAFTAが環境に与える影響に対する懸念を緩和するため、CECはNAFTAの事後環境アセスメントを行う権限を委託され、現在も続けている。<ref>{{cite web|url=http://www.ingentaconnect.com/content/beech/iapa/2006/00000024/00000004/art00002 |title=IngentaConnect NAFTA Commission for Environmental Cooperation: ongoing assessmen |doi=10.3152/147154606781765048 |publisher=Ingentaconnect.com |date=2006-12-01 |accessdate=2011-07-04}}</ref>


====貿易収支====
この委託に応えるため、事後に作られた環境アセスメントのための枠組みのひとつとして、CECはNAFTAが環境に与える影響を分析する枠組み作りを主導した。枠組みはNAFTAが3か国間で行われる環境への規制が「[[底辺への競争]]」を生み出すのではないかという懸念や、NFATAが環境保護メカニズムを強化するために政府への圧力をかけるのではないかという期待から、NAFTAと環境に関する当初の仮説に対して重点的で系統的な論拠を作り出すために設計された。<ref>[http://www.cec.org/programs_projects/trade_environ_econ/pdfs/frmwrk-e.pdf Analytic Framework for Assessing the Environmental Effects of the North American Free Trade Agreement]. Commission for Environmental Cooperation (1999)</ref>NAFTAが環境に与える影響について評価するため、CECはこの枠組みを利用して4つのシンポジウムを開催し、この問題について47枚からなる報告書をまとめた。CECの透明性と市民の関与に関する全体の戦略を維持しながら、CECは指導的な独立した専門家によるこれらの報告書をまとめた。<ref>{{cite web|url=http://www.cec.org/symposium |title=Trade and Environment in the Americas |publisher=Cec.org |date= |accessdate=2008-11-09}}</ref>
2009年に、米国はNAFTA諸国とサービス貿易で283億ドルの黒字、2010年には946億ドル(対前年36.4%増)の貿易赤字を抱えていた。この貿易赤字は米国の商品貿易赤字全体の26.8%を占めた<ref name=ustrstats>{{Cite web|url = http://www.ustr.gov/trade-agreements/free-trade-agreements/north-american-free-trade-agreement-nafta|title = North American Free Trade Agreement (NAFTA)|date = |accessdate = December 3, 2014|website = |publisher = Office of the United States Trade Representative|last = |first = }}</ref>。国際関係センターによって出版された国際貿易に関する2018年の研究は、ネットワーク理論分析技術を用いてNAFTA生態系の貿易パターンの不規則性を明らかにした。この調査は、米国の貿易収支がアイルランドで提供されている減税機会の影響を受けることを示した<ref>{{cite news |last1=Lavassani |first1=Kayvan |title=Data Science Reveals NAFTA’s Problem |url=http://www.ia-forum.org/Files/Trade%20War%20v21.pdf |accessdate=7 July 2018 |work=International Affairs Forum |agency=Center for International Relations |issue=June 2018 |date=June 2018}}</ref>。


2008年にアメリカ農業経済ジャーナル誌に発表された研究は、NAFTAが、メキシコとカナダへの米国の農産物輸出を増加させたのは、その大部分が批准の10年後に起こっていることを示した。この研究は、NAFTAを含む地域貿易協定の段階的な移行期間が貿易の流れに与える影響に焦点を当てたものである。最近、世界貿易機関(WTO)の規律の対象となった加盟国の農業貿易の増加の大半は、NAFTAや他の地域貿易協定の締結の前に非常に高い貿易障壁があったためであった<ref>[http://newswise.com/articles/view/541349/ "Free Trade Agreement Helped U.S. Farmers".] ''Newswise''. Retrieved on June 12, 2008.</ref>。
結局のところ、当初の仮説で確認できたものは何もなかった。{{Citation needed|date=September 2010}}NAFTAは本質的に、第11章の[[投資家対国家の紛争解決|ISDS]]条項の潜在的脅威を除けば、当初恐れられていたような北米の環境にとって全体的な脅威となるものではなかった。NAFTAが惹き起こす環境的な脅威の代わりに、自由貿易化の流れのもとで、特定の地域の政府が異なる環境政策、インフラストラクチャー整備やメカニズムを採用することによって生産の規模が増大することは予想されていなかった。{{Citation needed|date=September 2010}}自由貿易が始まろうとしているなか、いくつかのケースで環境政策は無視されていた。他のケースでは、NAFTAが用意する第11章のような投資家の保護の方法や非関税障壁に対する方法は環境政策にとってより激しい脅威となっていた。<ref>{{cite web|url=http://www.ingentaconnect.com/content/beech/iapa/2006/00000024/00000004/art00002;jsessionid=1dy4980hq7bq0.alexandra?format=print |title=IngentaConnect NAFTA Commission for Environmental Cooperation: ongoing assessment of trade liberalization in North America |publisher=Ingentaconnect.com |date= |accessdate=2008-11-09}}</ref>NAFTAによる最も深刻な汚染は[[卑金属]]部門、メキシコの石油部門とアメリカとメキシコにおける輸送機器部門で見つかったが、カナダでは見つからなかった。<ref>Kenneth A. Reinert and David W. Roland-Holst [http://www.cec.org/programs_projects/trade_environ_econ/pdfs/Reinert.pdf The Industrial Pollution Impacts of NAFTA: Some Preliminary Results]. Commission for Environmental Cooperation (November 2000)</ref>
====投資====
米国のNAFTA諸国への対外直接投資の累積値は、(最新のデータが利用可能な)2009年において 3275億ドルとなり、2008年比で8.8%増加した。 NAFTAの国における米国直接投資は、ノンバンク持株会社、製造業、金融 / 保険及び鉱業部門である。カナダとメキシコ の米国への対外直接投資は、対外直接投資の累積値は、(最新のデータが利用可能な)2009年において 2372億ドルとなり、2008年比で16.5%増加した<ref name=ustrstats /><ref>{{cite web |url=http://www.fas.usda.gov/itp/policy/nafta/nafta.asp |title=Archived copy |accessdate=2011-11-28 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20111125001059/http://www.fas.usda.gov/itp/Policy/NAFTA/nafta.asp |archivedate=November 25, 2011 |df=mdy-all }}</ref>。
===経済と雇用===
議会調査局(CRS)は、2017年5月24日の報告書で、NAFTAの米国経済への経済的影響はあまり多くないと書いている。2015年の報告では、議会調査局は、次のように複数の研究を要約した。「現実には、NAFTAは、反対派が恐れた大規模な雇用の喪失も支持者が予測した大規模な経済的も引き起こさなかった。米国経済へのNAFTAのネットとしての全体的な影響は、カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPのわずかな割合であることが主な理由で、比較的軽微である。しかし、3カ国の経済において貿易と投資をより自由化したためを雇用と企業の調整費用が発生した」<ref name="CRS_Villarreal_NAFTA_2015">{{cite report |url=https://www.fas.org/sgp/crs/row/R42965.pdf |format=PDF |title=The North American Free Trade Agreement |first1=M. Angeles |last1=Villarreal |first2=Ian F. |last2=Fergusson |date= 2017-5-24|accessdate= 2018-9-2|work=[[Congressional Research Service]] (CRS) |pages=}}</ref>{{rp|2}}


多くのアメリカの中小企業は、NAFTAの下でカナダやメキシコに製品を輸出することに依存しています。米貿易代表部(USTR)によると、この貿易は米国内の 14万社以上の中小企業を支援している.<ref>{{Cite web|url=https://ustr.gov/trade-agreements/free-trade-agreements/north-american-free-trade-agreement-nafta|title=North American Free Trade Agreement (NAFTA) {{!}} United States Trade Representative|website=ustr.gov|access-date=2016-10-12}}</ref>。
===農業===
交渉の最も早い段階から、農業はNAFTAのなかで論争となった議題であり、今でもそうである。それは[[世界貿易機関]]の枠組み内で署名されたほとんどすべての自由貿易協定がそうであった。農業は3か国で交渉されなかった唯一の部門であり、そのかわりに、各国はそれぞれの間で個別の協定を署名した。カナダとアメリカ間の協定には農作物(主に[[砂糖]]、[[乳製品]]と[[家禽]]類)に対する厳しい規制と輸入制限のための関税が含まれていたのに対して、メキシコとアメリカとの協定には過渡的な期間を設けた枠組みのなかで、広範囲にわたる自由化が行われた。(それは[[南北問題|南北]]間の農業に関するFTAで締結された初めてのものだった)。


カリフォルニア大学バークレー校のブラッド・デロング経済学教授によると、NAFTAは米国の製造業に軽微な影響を与えた<ref name=":6">{{Cite news|url=https://www.vox.com/the-big-idea/2017/1/24/14363148/trade-deals-nafta-wto-china-job-loss-trump|title=NAFTA and other trade deals have not gutted American manufacturing – period|last=DeLong|first=J. Bradford|newspaper=Vox|access-date=2017-02-07}}</ref> <ref name=":6" /> 。デロングとハーバー大の経済学者のダニ・ロヅリックによると、米国の政治的議論において、製造業への悪影響は誇張されている].<ref>{{Cite web|url=http://rodrik.typepad.com/dani_rodriks_weblog/2017/01/what-did-nafta-really-do.html|title=What did NAFTA really do?|website=Dani Rodrik's weblog|access-date=2017-02-07}}</ref>。
メキシコとアメリカ間の農業の協定が与える総合的な影響は論争になった議題だった。メキシコは鉄道や高速道路など、競争のために必要なインフラストラクチャー整備のための投資を行わず、そのため貧しい者が生き残ることはより難しくなった。1994年から2001年にかけて、メキシコの農産物の輸出は平均して年率9.4%増加したのに対して、輸入は6.9%の増加にとどまった。<ref>''Greening the Americas'', Carolyn L. Deere (editor). MIT Press, Cambridge, Massachusetts, USA</ref>


ジェフ・フェイクが2013年に経済政策研究に発表した記事によると、経済政策研究所、カリフォルニア州、テキサス州、ミシガン州および製造業の雇用の割合の高い他の州で最もNAFTAによる雇用喪失の影響を受けた<ref>{{Cite news|url=http://www.epi.org/blog/naftas-impact-workers/|title=NAFTA's Impact on U.S. Workers|work=Economic Policy Institute |date=December 9, 2013 |first=Jeff |last=Faux|access-date=2016-10-12}}</ref> 。EPIエコノミストロバート・スコットによる2011年の記事によると、貿易協定の結果、682,900件の米国の雇用が「失われ、又は移転」した<ref>{{cite web |url=http://www.huffingtonpost.com/2011/05/12/nafta-job-loss-trade-deficit-epi_n_859983.html |title=U.S. Economy Lost Nearly 700,000 Jobs Because Of NAFTA, EPI Says |work=The Huffington Post| accessdate=2018-03-09|date=July 12, 2011.}}</ref> より最近の研究では、NAFTAが、自動化による製造業の雇用の損失の87%に相当する製造雇用への影響を与えたことを議会調査局の報告に同意し、説明しています<ref name="CNN_2017">{{Cite web|url=http://money.cnn.com/2017/02/16/news/economy/donald-trump-nafta/index.html|title=U.S. auto workers hate NAFTA ... but love robots|last=Long|first=Heather|date=February 16, 2017|website=CNNMoney|access-date=2017-02-21 |quote="The problem, they argue, is that machines took over. One study by Ball State University says 87% of American manufacturing jobs have been lost to robots. Only 13% have disappeared because of trade...But workers in Michigan think the experts have it wrong."}}</ref>。
農業で最も影響を受けたのは、食肉部門だった。アメリカの輸出市場において、メキシコは小さなキープレイヤーから抜け出し、2004年には、アメリカの農産物の第2位の輸入国になったが、NAFTAはこの変化の促進に貢献したのかもしれない。自由貿易は両国間のビジネス上の障害を取り除くことを可能にした。その結果、メキシコの農家はアメリカの食肉市場の成長に貢献し、アメリカの食肉産業の売り上げと利益の拡大に最も貢献した。このことはメキシコの1人当たりのGDPの増加と食肉の消費パターンの大きな変化とメキシコ人が今やより多くの食肉を購入する余裕を持つことを同時に可能にし、こうして1人当たりの食肉の消費は増加した。<ref>{{cite web|url=http://etd.lib.ttu.edu/theses/available/etd-11062006-155845/unrestricted/Clark_Georgia_Thesis.pdf |title=Clark, Georgia Rae. 2006. Analysis of Mexican demand for Meat: A Post-NAFTA Demand Systems Approach. MS Thesis, Texas Tech University|format=PDF |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>


===環境===
メキシコにおけるトウモロコシの生産はNAFTAの施行以降増加した。しかしながら、国際的なトウモロコシの需要がメキシコの供給量よりも増大したため輸入が必要となり、メキシコが当初交渉していた分担分を大きく上回ってしまった。<ref>{{PDFlink|[http://americas.irc-online.org/pdf/reports/0402nafta.pdf NAFTA, Corn, and Mexico’s Agricultural Trade Liberalization]|152&nbsp;KB}} p. 4</ref>ザーナイザーとコイルはメキシコにおけるトウモロコシの価格は国際価格により調整されて劇的に安くなったが、[[ビセンテ・フォックス]]元大統領が開始した補助金制度の拡充により、生産は2000年以降安定していると指摘した。<ref>[http://www.ers.usda.gov/publications/FDS/may04/fds04D01/ U.S.-Mexico Corn Trade During the NAFTA Era: New Twists to an Old Story] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20060924194442/http://www.ers.usda.gov/publications/FDS/may04/fds04D01/ |date=2006年9月24日 }} USDA Economic Research Service</ref>
国際経済ジャーナ誌の研究によると、NAFTAは、米国の製造業から放出された汚染を削減した。「PMの削減の平均して、ほぼ三分の二及びSO <sub>2</sub>排出削減がNAFTAに続く貿易自由化に起因する可能性がある」と述べている<ref>{{Cite journal|last=Cherniwchan|first=Jevan|title=Trade Liberalization and the Environment: Evidence from NAFTA and U.S. Manufacturing|url=http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022199617300077|journal=Journal of International Economics|doi=10.1016/j.jinteco.2017.01.005|volume=105|pages=130–49}}</ref> 。


シエラクラブによると、NAFTAは大規模な輸出志向の農業を助長し、化石燃料、農薬、GMOの使用が増加した。<ref name=":3" /> 。NAFTAはまた、メキシコの環境破壊的鉱業活動を助長し、<ref name=":3" /> カナダがタールサンド産業を効果的に規制するのを妨げ、多国籍企業が環境法制と戦うための新たな法的手段を作り出した。.<ref name=":3">{{cite web|url=http://content.sierraclub.org/press-releases/2014/03/new-report-reveals-environmental-costs-north-american-free-trade-agreement|title=Environmental Damages Underscore Risks of Unfair Trade|publisher=Sierraclub.org|accessdate=March 4, 2014}}</ref>場合によっては、貿易自由化の結果、環境政策が無視された。NAFTAの第11章などの投資保護措置や非関税貿易障壁に対する措置は、より厳しい環境政策を妨げる恐れがある。NAFTAによる汚染の最も深刻な増加は、米国およびメキシコの卑金属部門、メキシコ石油部門、および輸送機器部門で見られたが、カナダでは見られなかった<ref>{{cite web |url=http://www.ingentaconnect.com/content/beech/iapa/2006/00000024/00000004/art00002;jsessionid=1dy4980hq7bq0.alexandra?format=print |title=IngentaConnect NAFTA Commission for Environmental Cooperation: ongoing assessment of trade liberalization in North America |publisher=Ingentaconnect.com |accessdate=November 9, 2008 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110606192428/http://www.ingentaconnect.com/content/beech/iapa/2006/00000024/00000004/art00002;jsessionid=1dy4980hq7bq0.alexandra?format=print |archivedate=June 6, 2011 |df=mdy-all }}</ref> 。
物価の下落が招いた論理的帰結の結果は、さらなる物価の下落の傾向を加速した。そのため、メキシコで高い付加価値を持つ製品を作っていた多くの地方の人々は移住してしまった。エタノール燃料の需要増加によるトウモロコシ価格の上昇はメキシコのトウモロコシ農家の状況を改善するかもしれない。{{Citation needed|date=September 2011}}

2008年8月にアメリカン・ジャーナル・オブ・アグリカルチュラル・エコノミクスに掲載された研究によると、NAFTAはこの増加のほとんどが批准の10年後に起こったとはいえ、アメリカの農産物のメキシコとカナダへの輸出を増加させたという。NAFTAを含む地域的な貿易協定の段階的な「導入」の期間内の影響に焦点を当てた研究によれば、貿易量は増加した。3か国の農業の貿易の増加した理由のほとんどは、世界貿易機関の権限のもとで行われた最近のものに限っていえば、NAFTAや他の地域的な貿易協定以前にあった非常に高い貿易の障壁の除去によるものだった。<ref>[http://newswise.com/articles/view/541349/ Newswise: Free Trade Agreement Helped U.S. Farmers] Retrieved on June 12, 2008.</ref>


===人材の流動性===
===人材の流動性===
2006年度の[[アメリカ合衆国国土安全保障省|国土安全保障省]]による移民統計(2005年10月から2006年9月まで)によれば、NAFTAのもと、73880人の外国人専門家(64633人のカナダ人と9247人のメキシコ人)がアメリカへの一時入国を許可(つまり、[[:en:TN status|TN status]]、Trade NAFTA statusの状態にある)された。さらに、彼らの家族17321人(13136人のカナダ人、2904人のメキシコ人とカナダ人やメキシコ人と結婚した第三国人の合計)が条約が定める国家の規定(TD status、treaty national's dependent status)により、アメリカに入国した<ref>[https://web.archive.org/web/20070911200731/http://www.dhs.gov/ximgtn/statistics/publications/YrBk06NI.shtm DHS Yearbook 2006. Supplemental Table 1: Nonimmigrant Admissions (I-94 Only) by Class of Admission and Country of Citizenship: Fiscal Year 2006](2007年9月11日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>国土安全保障省は新設された[[I-94]]の記録を国境でとっており、TN-1の許可申請には3年かかるため、アメリカで今年度末にTN statusの状態にある非移民の数は、認可が下りた数とおよそ同数である(数字が食い違っているのは、一部のTN入国者が出国したか、3年が経過する前の期限切れによるステータスの変更、以前に移住の許可を認められた移民のTNまたはTDへのステータスの変更、または以前にTNステータスが与えられていた者が期間の延長が認められたことが原因かもしれない)。
2006年度の国土安全保障省による移民統計(2005年10月から2006年9月まで)によれば、NAFTAのもと、73880人の外国人専門家(64633人のカナダ人と9247人のメキシコ人)がアメリカへの一時入国を許可(つまり、TN status、Trade NAFTA statusの状態にある)された。さらに、彼らの家族17321人(13136人のカナダ人、2904人のメキシコ人とカナダ人やメキシコ人と結婚した第三国人の合計)が条約が定める国家の規定(TD status、treaty national's dependent status)により、アメリカに入国した.<ref>[https://www.dhs.gov/ximgtn/statistics/publications/YrBk06NI.shtm DHS Yearbook 2006. Supplemental Table 1: Nonimmigrant Admissions (I-94 Only) by Class of Admission and Country of Citizenship: Fiscal Year 2006] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20110228145954/https://www.dhs.gov/ximgtn/statistics/publications/YrBk06NI.shtm |date=February 28, 2011 }}</ref>国土安全保障省は新設されたI-94の記録を国境でとっており、TN-1の許可申請には3年かかるため、アメリカで今年度末にTN statusの状態にある非移民の数は、認可が下りた数とおよそ同数である(数字が食い違っているのは、一部のTN入国者が出国したか、3年が経過する前の期限切れによるステータスの変更、以前に移住の許可を認められた移民のTNまたはTDへのステータスの変更、または以前にTNステータスが与えられていた者が期間の延長が認められたことが原因かもしれない)。


国際移住機関によると、移住者の死亡者は世界的に増加しており、.<ref name=":12">Jones, Reese. Borders & Walls: Do Barriers Deter Unauthorized Migration. Migration Policy Institute. web page [http://www.migrationpolicy.org/article/borders-and-walls-do-barriers-deter-unauthorized-migration] October 5, 2016.</ref> 2016年には5,604人の死者を出している。カリフォルニア州における正規書類のない農家労働者の増加は、NAFTA による当初の入国によるものとすることができるA<ref>{{Cite web|url=http://www.politicalresearch.org/2014/10/11/globalization-and-nafta-caused-migration-from-mexico/|title=Globalization and NAFTA Caused Migration from Mexico {{!}} Political Research Associates|last=Bacon|first=David|access-date=2017-04-03}}</ref>。
カナダの当局は2006年12月1日の時点で、合計24830人のアメリカ人と15219人のメキシコ人が「外国人労働者」としてカナダ国内にいると予想している。これらの数字にはNAFTAの協定による入国者とカナダの移民法の他の条項による入国者の双方が含まれる。<ref>[http://www.cic.gc.ca/english/resources/statistics/facts2006/temporary/04.asp Facts and Figures 2006 Immigration Overview: Temporary Residents] (Citizenship and Immigration Canada)</ref>2006年、新しい外国人労働者の入国は16841人(アメリカ人)と13933人(メキシコ人)だった。<ref>{{cite web |url=http://www.cic.gc.ca/english/resources/statistics/facts2006/temporary/03.asp |title=Facts and Figures 2006 – Immigration Overview: Permanent and Temporary Residents |publisher=Cic.gc.ca |date=2007-06-29 |accessdate=2008-11-09 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20080822233355/http://www.cic.gc.ca/english/resources/statistics/facts2006/temporary/03.asp |archivedate=2008年8月22日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>


== 批判と論争 ==
== 批判と論争 ==
{{see also|自由貿易協定#北米自由貿易協定}}
{{see also|自由貿易協定#北米自由貿易協定}}


===1992年米国大統領候補ロス・ペロー===
===カナダでの紛争===
{{Update|date=August 2009}}<!-- are the unresolved disputes still that way as of 2009? -->
[[File:Eatons Factory Interior.jpg|thumb|left|1901年、トロントの衣服工場でスーツを縫製する労働者たち。]]
カナダでは、もし何かが一度でも日用品として売られてしまうと、将来政府が止めることができないのではないかという条項に対する大きな懸念があった。<ref>{{cite web |url=http://www.canadians.org/water |title=The Council of Canadians: Water |publisher=Canadians.org |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>カナダの湖や川から採取された水に対してこのようなことが行われてしまうと、カナダの生態系と給水を破壊する可能性を秘めているのではないかという不安を増幅した。


1992年の第2次大統領討論では、ロス・ペローは次のように主張した。
1999年、カリフォルニア州サンタ・バーバラ郊外のサン・ベルト・ウォーター社([[:en:Sun Belt Water|Sun Belt Water]])はNAFTAの第11章を利用し、カナダ政府によるタンカーを利用した大規模な水の輸出の規制によってサン・ベルト社の企業活動が妨害されたとして1億500万ドルを請求した。水に関する規制を改正しようとする主張はカナダ政府に衝撃を与えたが、未解決のままである。


私たちは海外への雇用の移転をやめなければなりません。それはかなりシンプルです:あなたが工場労働者のために1時間に12ドル、13ドル、14ドルを払っていて、工場を国境の南に移動させ、労働に1時間1ドルを払うことができれば...医療費は一切かかりません環境をコントロールしたり、汚染防止や退職給付をせず、お金を稼ぐことだけは気にせず、南に向かう巨大な吸音音が出ます。
NAFTAが与えるその他の懸念はカナダの立法作業に影響を与えてきた。1996年、ガソリンの添加剤であるメチルシクロペンタジエニルトリカルボニルマンガン([[:en:Methylcyclopentadienyl Manganese Tricarbonyl|Methylcyclopentadienyl Manganese Tricarbonyl、MMT]])がアメリカの企業によってカナダに持ち込まれた。そのとき、カナダの連邦政府は添加剤の輸入を禁止していた。アメリカの企業は国内貿易協定([[:en:Agreement on Internal Trade|Agreement on Internal Trade]]、AIT)のもと、NAFTAの第11章を利用してカナダ政府と自治体に2億100万ドル<ref>{{PDFlink|[http://www.naftaclaims.com/Disputes/Canada/EthylCorp/EthylCorpNoticeOfArbitration.pdf Notice of Arbitration]|1.71&nbsp;MB}}, 'Ethyl Corporation vs. Government of Canada'</ref>を請求する訴訟を起こそうとした。アメリカの企業は添加剤はいかなる健康危険とも関連性がないと主張し、規制は企業活動に打撃を与えていると主張した。カナダ連邦政府は規制がAITに違反することがわかると<ref>{{PDFlink|[http://web.archive.org/web/20060822125333/http://www.intrasec.mb.ca/en/dispute/11_22_2005/MMT.pdf "Agreement on Internal Trade"]|118&nbsp;KB}}</ref>規制を改正し、アメリカ企業に1300万ドルを支払った。<ref>{{cite web|url=http://www.dfait-maeci.gc.ca/nafta-alena/nafta5_section06-en.asp |title=Dispute Settlement |publisher=Dfait-maeci.gc.ca |date=2010-10-15 |accessdate=2011-07-04}}</ref>カナダ保健厚生省(現在の[[:en:Health Canada|カナダ保健省]])が調査したMMTが健康に与える研究によると、これらの排気物質の曝露に伴う健康に与えるいかなる著しい影響も見つからなかった。他のカナダの研究者と[[アメリカ合衆国環境保護庁]]はカナダ保健省の研究結果に同意せず、神経に損傷を与える可能性があるという研究結果を発表した。<ref>{{cite web|url=http://www.canadiandriver.com/articles/jk/040310.htm|title=MMT: the controversy over this fuel additive continues|publisher=canadiandriver.com|accessdate=2011-07-04}}</ref>


... [メキシコの]仕事が1時間に1時間から6ドルに上がったとき、私たちは1時間に6ドルに下がり、平準化されました。しかしその間に、あなたはこれらの種類の取引で国を破壊しました<ref>{{Cite web|url = https://www.nytimes.com/1992/10/16/us/the-1992-campaign-transcript-of-2d-tv-debate-between-bush-clinton-and-perot.html|title = THE 1992 CAMPAIGN; Transcript of 2d TV Debate Between Bush, Clinton and Perot|last =|first =|date = 16 October 1992|website = The New York Times|publisher = New York Times Company|access-date = 16 May 2016}}</ref>。
[[File:Truck load of ponderosa pine, Edward Hines Lumber Co, operations in Malheur National Forest, Grant County, Oregon, July 1942.jpg|thumb|right|[[オレゴン州]][[グラント郡 (オレゴン州)|グラント郡]]の[[マルール国有林]]で伐採されたポンデロサ・パイン材。]]
新しく首相に就任した[[スティーブン・ハーパー]]が妥協して2006年7月1日にアメリカと合意に至るまで、[[:en:Canada–United States softwood lumber dispute|アメリカとカナダは数年にわたりカナダの軟木の輸入に27%の関税をかけるというアメリカの決定について論争を繰り広げてきた。]]<ref>[https://web.archive.org/web/20060717050240/http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2006/July/US,_Canada_Reach_Final_Agreement_on_Lumber_Dispute.html U.S., Canada Reach Final Agreement on Lumber Dispute](2006年7月17日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>カナダ国内の一部の反対により、合意はまだ両国で批准されていない。


ペローは最終的に選挙を失い、勝者ビルクリントンは1994年1月1日に発効したNAFTAを支持した。
カナダは関税撤廃を求める数多くの申し立てを行い、関税撤廃を勝ち取ってきた。<ref>[https://web.archive.org/web/20080616131648/http://www.dfait-maeci.gc.ca/eicb/softwood/background-en.asp softwood Lumber](2008年6月16日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref> アメリカがNAFTA陪審団による抗告の機会を失った後、[[アメリカ合衆国通商代表部]]のニック・リフトソン報道官は[[ロブ・ポートマン]]代表の談話として「我々は、もちろん、NAFTA陪審団の決定に失望しているが、反[[ダンピング]]と[[:en:Countervailing duties|相殺関税]]発動への影響はない」と語った。<ref>[https://web.archive.org/web/20070928042313/http://www.ustr.gov/Document_Library/Spokesperson_Statements/Statement_from_USTR_Spokesperson_Neena_Moorjani_Regarding_the_NAFTA_Extraordinary_Challenge_Committee_decision_in_Softwood_Lumbe.html?ht= Statement from USTR Spokesperson Neena Moorjani Regarding the NAFTA Extraordinary Challenge Committee decision in Softwood Lumber](2007年9月28日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>2006年7月、[[:en:United States Court of International Trade|アメリカ合衆国国際通商裁判所]]は関税の導入が[[アメリカ法|アメリカ合衆国連邦法]]に反しているという判決を下した。<ref>{{PDFlink|[http://www.cit.uscourts.gov/slip_op/Slip_op06/06-109.pdf 'Tembec, Inc vs. United States']|193&nbsp;KB}}</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20070701144054/http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2006/July/Statement_by_USTR_Spokesman_Stephen_Norton_Regarding_CIT_Lumber_Ruling.html?ht= Statement by USTR Spokesman Stephen Norton Regarding CIT Lumber Ruling](2007年7月1日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>


===法的紛争===
====収益投資信託課税における変更====
1996年、ガソリンの添加剤であるMMTがアメリカの企業のエチル社によってカナダに持ち込まれた。そのとき、カナダの連邦政府は添加剤の輸入を禁止していた。アメリカの企業は国内貿易協定(Agreement on Internal Trade、AIT)のもと、NAFTAの第11章を利用してカナダ政府と自治体に2億100万ドルを請求する訴訟を起こそうとした<ref>{{cite web |url= http://www.naftaclaims.com/Disputes/Canada/EthylCorp/EthylCorpNoticeOfArbitration.pdf |accessdate= 2018-11-26|title= Notice of Arbitration |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070616093730/http://www.naftaclaims.com/Disputes/Canada/EthylCorp/EthylCorpNoticeOfArbitration.pdf |archivedate= June 16, 2007 |df= mdy-all }}&nbsp;{{small|(1.71&nbsp;MB)}}, 'Ethyl Corporation vs. Government of Canada'</ref> <ref>{{cite web|url= http://www.intrasec.mb.ca/en/dispute/11_22_2005/MMT.pdf |archive-url= https://web.archive.org/web/20060822125333/http://www.intrasec.mb.ca/en/dispute/11_22_2005/MMT.pdf |dead-url= yes |accessdate= 2018-11-26|archive-date= 2006-08-22 |title="Agreement on Internal Trade" }}&nbsp;{{small|(118&nbsp;KB)}}</ref>。アメリカの企業は、添加剤はいかなる健康危険とも関連性がないと主張し、規制は企業活動に打撃を与えていると主張した。カナダ連邦政府は規制がAITに違反することがわかると<ref>{{cite web|url= http://www.intrasec.mb.ca/en/dispute/11_22_2005/MMT.pdf |archive-url= https://web.archive.org/web/20060822125333/http://www.intrasec.mb.ca/en/dispute/11_22_2005/MMT.pdf |dead-url= yes |accessdate= 2018-11-26|archive-date= 2006-08-22 |title="Agreement on Internal Trade" }}&nbsp;{{small|(118&nbsp;KB)}}</ref>規制を改正し、アメリカ企業と1300万ドルで和解した<ref>{{cite web |url=http://www.dfait-maeci.gc.ca/nafta-alena/nafta5_section06-en.asp |title=Dispute Settlement |publisher=Dfait-maeci.gc.ca |date=October 15, 2010 |accessdate=July 4, 2011 |archive-url=https://web.archive.org/web/20080115205301/http://www.dfait-maeci.gc.ca/nafta-alena/nafta5_section06-en.asp |archive-date=January 15, 2008 |dead-url=yes |df=mdy-all }}</ref>。カナダ保健厚生省(現在のカナダ保健省)が調査したMMTが健康に与える研究によると、これらの排気物質の曝露に伴う健康に与えるいかなる著しい影響も見つからなかった。他のカナダの研究者とアメリカ合衆国環境保護庁はカナダ保健省の研究結果に同意せず、神経に損傷を与える可能性があるという研究結果を発表した<ref>{{cite web|url=http://www.canadiandriver.com/articles/jk/040310.htm|title=MMT: the controversy over this fuel additive continues|publisher=canadiandriver.com|accessdate=July 4, 2011}}</ref>。
2007年10月30日、アメリカのマーヴィンとエレイン・ゴッティーブ(Marvin and Elaine Gottlieb)はNAFTAのもと、エネルギー部門における収益投資信託に対する課税率の変更について、保守的な政府による前年の決定によって何千ものアメリカの投資家が総計50億ドルの損失を出したとして訴訟を起こすつもりであると通知した。2009年4月29日、租税法におけるこの変更は公用徴収ではないという決定がなされた。<ref>NAFTA – Chapter 11 – Investment; Cases Filed Against the Government of Canada; Gottlieb Investors Group v. Government of Canada [http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/disp-diff/gottlieb_archive.aspx?lang=en]</ref>


米国とカナダは、カナダの針葉樹輸入に対する米国の27%の関税に対して何年も前から議論してきた。カナダは、関税を軽減のために多くの申立てを提出し、徴収された関税はカナダ側に還付された<ref>[http://www.dfait-maeci.gc.ca/eicb/softwood/background-en.asp softwood Lumber] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20080616131648/http://www.dfait-maeci.gc.ca/eicb/softwood/background-en.asp |accessdate=|date=June 16, 2008 }}</ref>。米国がNAFTAパネルに対する上訴の機会を失った後、米国合衆国通商代表部のニック・リフトソン報道官はロブ・ポートマン代表の談話として「我々は、もちろん、NAFTAパネルの決定に失望しているが、反ダンピング関税及び相殺関税発動への影響はない。」と語った<ref>[http://www.ustr.gov/Document_Library/Spokesperson_Statements/Statement_from_USTR_Spokesperson_Neena_Moorjani_Regarding_the_NAFTA_Extraordinary_Challenge_Committee_decision_in_Softwood_Lumbe.html?ht= Statement from USTR Spokesperson Neena Moorjani Regarding the NAFTA Extraordinary Challenge Committee decision in Softwood Lumber] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20080509125324/http://www.ustr.gov/Document_Library/Spokesperson_Statements/Statement_from_USTR_Spokesperson_Neena_Moorjani_Regarding_the_NAFTA_Extraordinary_Challenge_Committee_decision_in_Softwood_Lumbe.html?ht= |date=May 9, 2008 }}</ref>。2006年7月、アメリカ合衆国国際通商裁判所は、関税の導入がアメリカ合衆国連邦法に反しているという判決を下した<ref>{{cite web |url= http://www.cit.uscourts.gov/slip_op/Slip_op06/06-109.pdf |title= 'Tembec, Inc vs. United States' |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20060923000112/http://www.cit.uscourts.gov/slip_op/Slip_op06/06-109.pdf |accessdate=2018/11/26 |archivedate= September 23, 2006 |df= mdy-all }}&nbsp;{{small|(193&nbsp;KB)}}</ref><ref>[http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2006/July/Statement_by_USTR_Spokesman_Stephen_Norton_Regarding_CIT_Lumber_Ruling.html?ht= Statement by USTR Spokesman Stephen Norton Regarding CIT Lumber Ruling] {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20080509125313/http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2006/July/Statement_by_USTR_Spokesman_Stephen_Norton_Regarding_CIT_Lumber_Ruling.html?ht= |accessdate= |date=May 9, 2008 }}</ref>。
====カナダにおけるさらなる批判====
2002年にメル・ハーティグ([[:en:Mel Hurtig|Mel Hurtig]])によって書かれた「消えゆく国家、''The Vanishing Country''」は、NAFTAの批准によって1万社を超えるカナダ企業が外国資本によって買収され、カナダに対する直接投資の98%はすべて外国資本による買収が目的だったと告発している。<ref>Hurtig, Mel, The Vanishing Country, McClelland & Steward Ltd., ISBN 978-0-7710-4217-1</ref>
「NAFTAとしても知られる[[ユーコン準州|ユーコン]]から[[ユカタン州|ユカタン]]に至る二重の嫌悪を催す同盟、"''the Double Yu(c)k Alliance'' aka NAFTA from Yukon to Yucatán"」という用語は1994年ミオドラグ・コヤディノヴィッチ([[:en:Miodrag Kojadinović|Miodrag Kojadinović]])が彼の記事「友人と隣人:親愛なるカナダ首相へ、来週の木曜日に親切なEUに加盟しましょう、"Friends and Neighbours: Dear Prime Minister of Canada, Kindly Join the EU Next Thursday"」で初めて用いた表現である。<ref>Miodrag Kojadinović: "Friends and Neighbours", ''Angles Magazine'', Vancouver, June 1994</ref>


====収益投資信託課税における変更 。公用徴収ではない====
===アメリカの非産業化===
2007年10月30日、アメリカのマーヴィンとエレイン・ゴッティーブ(Marvin and Elaine Gottlieb)はNAFTAのもと、エネルギー部門における収益投資信託に対する課税率の変更について、保守党政権による前年の決定によって何千ものアメリカの投資家が総計50億ドルの損失を出したとして訴訟を起こすつもりであると通知した。2009年4月29日、租税法におけるこの変更は公用徴収ではないという決定がなされた<ref>{{cite web|url=http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/disp-diff/gottlieb_archive.aspx?lang=en|archive-url=http://webarchive.bac-lac.gc.ca:8080/wayback/20071227202257/http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/disp-diff/gottlieb_archive.aspx?lang=en|dead-url=yes|archive-date=December 27, 2007|title=Global Affairs Canada|first1=Global Affairs|last1=Canada|first2=Affaires mondiales|last2=Canada|date=June 26, 2013|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>。
{{details|en:NAFTA's effect on United States employment}}
国内の製造業の海外流出の増加と製造業における大規模な国内投資は国内の製造業における雇用の増加を必ずしも意味しない、この増加は単により機械化と生産性の向上を反映しているだけなのかもしれない。1993年から2001年にかけて、アメリカ全体の雇用は1500万件増加したが、同じ時期の製造業の雇用は47万6000件増加しただけだった。<ref name="autogenerated1">{{cite web | url = http://www.bls.gov|title=U.S. Bureau of Labor Statistics|accessdate = 2013-12-11}}</ref>さらに1994年から2007年にかけて、製造業の雇用総数は365万4000人に減少し、またこの間、他の自由貿易協定が締結されたり、拡大されたりした。<ref name="autogenerated1" />


===メキシコの農家への影響===
===メキシコの農家への影響===
2000年、アメリカ政府はトウモロコシ農家の補助金を100億1000万ドル支払ていた。これらの補助金メキシコの農家と食料自給率を危険さらすダンピングの原因になって<ref>{{cite journal |last = Fiess |first = Norbert |coauthors = Daniel Lederman |title = Mexican Corn: The Effects of NAFTA |journal = Trade Note |volume = 18 |publisher = The World Bank Group |date= 2004-11-24 |url = http://wbln0018.worldbank.org/LAC/LACInfoClient.nsf/d29684951174975c85256735007fef12/026efe204f018bc885256f40006d1901/$FILE/TradeNote18.pdf |format=PDF|accessdate = 2007-03-12 }}</ref>他の研究者は、NAFTAが存在する10年前から穀物の生産量が増加している傾向が存在し、NAFTAが発行してからもトウモロコシの生産が増加し、補助金を交付されたアメリカ農家が作った輸入トウモロコシがメキシコのトウモロコシ価格に計測可能な影響を与えた形跡はなく、アメリカの農業への補助金の廃止がメキシコの農家にとって利益をもたらしたことには同意しながらも、貧しい農家の収入の減少を強いる原因であるとしてNAFTAを拒絶している。グレアム・パーチェイス(Graham Purchase)の「無政府主義と環境の存続、''Anarchism and Environmental Survival''」によると、NAFTAは「企業の利益によってメキシコ人が[[メキシコ革命|革命]]で得た{{仮リンク|エヒード|en|Ejido}}(村の小作農が協力して土地を所有する形態)を破壊し、地方の人々の利益を完全に無にする脅威」の原因になりかねないという。<ref>{{cite book |last = Purchase |first = Graham |title = Anarchism and Environmental Survival |publisher = See Sharp Press |year= 1994 |isbn = 0-9613289-8-3}}</ref>
いくつかの研究、貧しいトウモロコシ農家の収入を抑制についてのNAFTAの責任を否定している。この傾向は、NAFTAが存在する前の10年以上にわたって存在していた。また、1994年以降、トウモロコシの生産量が増加し、メキシコのトウモロコシの価格には、補助金を受けたトウモロコシの米国から輸入による測定可能な影響はなかった。この研究は、米国の農業補助金の廃止がメキシコの農家にって有益であることに合意した<ref>{{cite journal |last = Fiess |first = Norbert |author2 = Daniel Lederman |title = Mexican Corn: The Effects of NAFTA |journal = Trade Note |volume = 18 |publisher = The World Bank Group |date = November 24, 2004 |url = http://wbln0018.worldbank.org/LAC/LACInfoClient.nsf/d29684951174975c85256735007fef12/026efe204f018bc885256f40006d1901/$FILE/TradeNote18.pdf |format = PDF |accessdate = March 12, 2007 |deadurl = yes |archiveurl = https://web.archive.org/web/20070616093730/http://wbln0018.worldbank.org/LAC/LACInfoClient.nsf/d29684951174975c85256735007fef12/026efe204f018bc885256f40006d1901/$FILE/TradeNote18.pdf |archivedate = June 16, 2007 |df = mdy-all }}</ref>


===NAFTAに反対するサパティスタ民族解放軍のチアパス州での蜂起===
{{details|サパティスタ民族解放軍}}
NAFTAの準備には[[エミリアーノ・サパタ]]が主導した1910年から1919年の革命の記念碑的存在だったメキシコの憲法27条の廃止が含まれていた。歴史的な27条によって、先住民の共用地は売却や私有化から守られていた。しかしNAFTAによって、この保証は投資する際の障壁であると定義された。27条の廃止によって、先住民族は彼らに残された土地の喪失の脅威にさらされ、またアメリカからの安い輸入品が洪水のように押し寄せた。こうして、サパティスタたちはNAFTAが先住民族に対する「死刑宣告」であるとみなすようになった。NAFTAが施行された1994年1月1日、サパティスタ民族解放軍はメキシコに対して宣戦を布告した。<ref>Subcomandante Marcos, Ziga Vodovnik, Ya Basta! 10 Years of the Zapatista Uprising. AK Press 2004</ref>


===サパティスタ民族解放軍のチアパス州での蜂起 メキシコ===
===カナダにおけるNAFTAの影響===
詳細は「サパティスタ民族解放軍」を参照
メキシコとアメリカと同様に、カナダはGDPで比較すると経済的利益を享受した。多くの人が恐れていた衰退への恐怖は実際には起こらず、一部の産業、例えば家具工業のように苦しむと思われていたものが実際には成長した。カナダの製造業の雇用は先進国における国際的な下降傾向にもかかわらず安定していた。[[オンタリオ州]]の製造業はNAFTAによって大きな利益を得た。NAFTAがもたらした最大の経済効果のひとつは、アメリカとカナダの間で農業製品の貿易が伸びたことで貿易が加速したことである。<ref>[http://www.cfr.org/publication/15790/ NAFTA's economic impact] Retrieved on July 7, 2009.</ref>2008年だけで、カナダのアメリカとメキシコへの輸出は3兆8130億カナダドルにのぼり、NAFTAからの輸入は2兆4510億カナダドルだった。<ref>{{cite web |url=http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/agr-acc/nafta-alena/fast_facts-faits_saillants.aspx?lang=eng |title=NAFTA – Fast Facts: North American Free Trade Agreement |publisher=International.gc.ca |date=2011-06-08 |accessdate=2011-07-04 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120503141153/http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/agr-acc/nafta-alena/fast_facts-faits_saillants.aspx?lang=eng&view=d |archivedate=2012年5月3日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>
NAFTAの規定にはエミリアーノ・サパタが主導した1910年から1919年の革命の記念碑的存在だったメキシコの憲法27条の廃止が含まれていた。歴史的な27条によって、先住民の共用地は売却や私有化から守られていた。しかしNAFTAによって、この保証は投資する際の障壁であると定義された。27条の廃止によって、先住民族は彼らに残された土地の喪失の脅威にさらされ、またアメリカからの安い輸入品が洪水のように押し寄せた。こうして、サパティスタたちはNAFTAが先住民族に対する「死刑宣告」であるとみなすようになった。NAFTAが発効した1994年1月1日にサパティスタ民族解放軍はメキシコ国家との戦争を宣言した。[93]


===第11章===
===第11章===
もうひとつの議論となっている問題はNAFTAの第11章に含まれる[[投資家対国家の紛争解決]]の義務の影響である<ref>{{cite web|url=http://www.sice.oas.org/trade/NAFTA/chap-111.asp |title=NAFTA, Chapter 11 |publisher=Sice.oas.org |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>11章はメキシコ、カナダまたはアメリカの政府が行動を起こしたときまたは例えば県、州や自治政府など国際法上責任ある何者かが)投資活に不利な影響与え場合、企業または個人が賠償のために提訴することを許可している。
もうひとつの議論となっている問題はNAFTAの第11章に含まれる投資家対国家の紛争解決の義務である<ref>{{cite web|url=http://www.sice.oas.org/trade/NAFTA/chap-111.asp |title=NAFTA, Chapter 11 |publisher=Sice.oas.org |accessdate=July 4, 2011}}</ref>。第11章はメキシコ、カナダまたはアメリカの政府(国際法上責任ある何者か、例えば県、州や自治政府など)が国際法に反した行動をとっとき、企業は個人が賠償のために提訴することを認めている<ref>{{cite web|url=http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/topics-domaines/disp-diff/nafta.aspx?lang=eng|title=The North American Free Trade Agreement (NAFTA) – Chapter 11 – Investment|first=Global Affairs Canada|last=Government of Canada|date=July 31, 2002|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>


この章は重要な社会問題や環境問題を考慮していないことを含む様々な理由から、アメリカ<ref>{{cite web|url=http://www.citizen.org/trade/nafta/ |title='North American Free Trade Agreement (NAFTA)', '''Public Citizen''' |publisher=Citizen.org |date=January 1, 1994 |accessdate=July 4, 2011}}</ref>、メキシコ<ref>{{cite web| url=http://www.developmentgap.org/rmalenvi.html| archiveurl=https://web.archive.org/web/20001216065200/http://www.developmentgap.org/rmalenvi.html| archivedate=December 16, 2000|accessdate=December 16, 2000 | title=NAFTA and the Mexican Environment| dead-url=yes| author=Red Mexicana de Accion Frente al Libre Comercio| df=mdy-all}}</ref>とカナダ<ref>{{cite web|url=http://www.canadians.org/ |title=The Council of Canadians |publisher=Canadians.org |accessdate=July 4, 2011}}</ref>の団体によって批判されている。<ref>{{cite web |author=Commission for Environmental Cooperation |url=http://www.cec.org/pubs_docs/documents/index.cfm?varlan=English&ID=1829 |archive-url=https://web.archive.org/web/20070611053845/http://www.cec.org/pubs_docs/documents/index.cfm?varlan=english&ID=1829 |dead-url=yes |archive-date=June 11, 2007 |title=The NAFTA environmental agreement: The Intersection of Trade and the Environment |publisher=Cec.org |accessdate=July 4, 2011 }}</ref>カナダでは、カナダ評議会(the Council of Canadians)を含む一部の団体が、11章の合憲性をめぐり、争った。彼らは一審では敗れたが、その後控訴した<ref>{{cite web |author=PEJ News |url=http://www.pej.org/html/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=3064 |title=Judge Rebuffs Challenge to NAFTA'S Chapter 11 Investor Claims Process |publisher=Pej.org |accessdate=July 4, 2011 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110726213404/http://www.pej.org/html/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=3064 |archivedate=July 26, 2011 |df=mdy-all }}</ref>。
この章は政府が有権者の保護あるいは所在する企業の利益を保護する意図を持って法律または規制を通過させた場合に適用される。その焦点を定義するための章の約款は、それは「ある意味において、当事者が法執行機関、矯正サービス、社会保障または社会保険、社会福祉、公的教育、公的職業訓練、保健や児童福祉などのサービスの提供を受けることの妨げとなることとこの章は一致」してはならないと述べている。<ref>[http://www.gutenberg.org/dirs/etext93/naftchap.txt Nafta table of contents]. gutenberg.org</ref>


カナダのメタネックス社(Methanex Corporation)は、カリフォルニア州の州内の多くの井戸を汚染した物質であるメチルターシャリー-ブチルエーテル(MTBE)がカリフォルニア州での禁止によりメタノール販売に損害をあったとして、米国に対して9億7,000万ドルの訴訟を提起した。請求は次の理由により棄却され、同社は3万ドルの訴訟費用の支払いを命じられた。「しかし、一般国際法の問題として、一般的公共目的のための非差別規制で正当な手続きに従って制定され、外国投資家や投資に影響を与えるものは、政府がそのような規制の対象になる投資を検討している外国人投資家に規制当局から特別な約束が与えられていない限りは、外国人投資家または投資は、弁済可能で補償可能とはみなされない。」<ref>{{cite web |url= http://naftaclaims.com/Disputes/USA/Methanex/Methanex_Final_Award.pdf |title= Arbitration award between Methanex Corporation and United States of America |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070616093731/http://naftaclaims.com/Disputes/USA/Methanex/Methanex_Final_Award.pdf |accessdate= June 16, 2007 |archivedate= June 16, 2007 |df= mdy-all }}&nbsp;{{small|(1.45&nbsp;MB)}}</ref>
この章は重要な社会問題や環境問題を考慮していないことを含む様々な理由から、アメリカ<ref>{{cite web|url=http://www.citizen.org/trade/nafta/ |title='North American Free Trade Agreement (NAFTA)', '&#39;'Public Citizen'&#39;' |publisher=Citizen.org |date=1994-01-01 |accessdate=2011-07-04}}</ref>、メキシコ<ref>{{cite web| url=http://www.developmentgap.org/rmalenvi.html| archiveurl=http://web.archive.bibalex.org/web/20060521125008/http://developmentgap.org/rmalenvi.html| archivedate=2006年5月21日| title=NAFTA and the Mexican Environment| author=Red Mexicana de Accion Frente al Libre Comercio| accessdate=2013-12-11| deadlinkdate=2017年9月}}</ref>とカナダ<ref>{{cite web|author= |url=http://www.canadians.org/ |title=The Council of Canadians |publisher=Canadians.org |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>の団体によって批判されている。<ref>{{cite web|author=Commission for Environmental Cooperation |url=http://www.cec.org/pubs_docs/documents/index.cfm?varlan=English&ID=1829 |title=The NAFTA environmental agreement: The Intersection of Trade and the Environment |publisher=Cec.org |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>カナダでは、カナダ評議会([[:en:the Council of Canadians|the Council of Canadians]])を含む一部の団体が、11章の合憲性をめぐり、争った。彼らは一審では敗れたが、その後控訴した。<ref>{{cite web|author=PEJ News |url=http://www.pej.org/html/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=3064 |title=Judge Rebuffs Challenge to NAFTA'S Chapter 11 Investor Claims Process |publisher=Pej.org |date= |accessdate=2011-07-04}}</ref>


他のケースでは、アメリカのメタルクラド社は、メキシコのサン・ルイス・ポトシ州グアダルセサルに建設しようとした有害廃棄物の処理施設の建設許可申請をメキシコの自治政府が却下した後、メキシコから1560万ドルを受け取った。この建設は様々な環境保護のために必要な条件を提示していた連邦政府によって既に承認されていた(判決文の第48パラグラフを参照)。NAFTAパネルは、自治州が環境に対する懸念の論拠に基づいて建設を禁止する権限を持っていなかったことを認定した<ref>{{cite web |url= http://naftaclaims.com/Disputes/Mexico/Metalclad/MetalcladFinalAward.pdf |title= Arbitration award between Metalclad Corporation and The United Mexican States |deadurl= yes |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070616093730/http://naftaclaims.com/Disputes/Mexico/Metalclad/MetalcladFinalAward.pdf |accessdate= June 16, 2007 |archivedate= June 16, 2007 |df= mdy-all }}&nbsp;{{small|(120&nbsp;KB)}}</ref>。
カナダのメタネクス社([[:en:Methanex Corporation|Methanex Corporation]])は、[[カリフォルニア州]]が多くの井戸から発見されていた[[メチルtert-ブチルエーテル]](MTBE)の使用を禁止していることにより、メタノールを販売する企業活動が阻害されたとして、アメリカを相手に9億7000万ドルを請求する訴訟を提起した。しかしながら、主張は退けられ、会社はアメリカ政府に訴訟費用として300万ドルを支払うことを命じられた。<ref>{{PDFlink|[http://naftaclaims.com/Disputes/USA/Methanex/Methanex_Final_Award.pdf Arbitration reward between Methanex Corporation and United States of America]|1.45&nbsp;MB}}</ref>


イーライリリー社対カナダ政府の事件<ref>{{cite web|url=http://www.international.gc.ca/trade-agreements-accords-commerciaux/topics-domaines/disp-diff/eli.aspx?lang=eng|title=Eli Lilly and Company v. Government of Canada|first=Foreign Affairs Trade and Development Canada|last=Government of Canada|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>では、カナダの医薬品特許法における有用性を要求する方法にめぐって5億ドルを請求した<ref name=gm24nov>{{cite web|url=https://www.theglobeandmail.com/report-on-business/economy/canada-must-learn-from-nafta-legal-battles/article15579209/|title=Canada must learn from NAFTA legal battles|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>。 アポテックスは、FDAのジェネリック医薬品の決定で失われたという機会を理由に、米国に対して5億2,200万ドルの訴訟を起こしている<ref name=gm24nov />。
他のケースでは、アメリカのメタルクラド社([[:en:Metalclad|Metalclad]])がメキシコの[[サン・ルイス・ポトシ州]][[:en:Guadalcázar, San Luis Potosí|グアダルセサル]]に建設しようとした有害廃棄物の処理施設の建設許可申請をメキシコの自治政府が却下した後、メキシコから1560万ドルが送られてきた。この建設は様々な環境保護のために必要な条件を提示していた連邦政府によって既に承認されていた(判決文の第48パラグラフを参照)。NAFTA陪審団は、自治州が環境に対する懸念の論拠に基づいて建設を禁止する権限を持っていなかったことに気がついた。<ref>{{PDFlink|[http://naftaclaims.com/Disputes/Mexico/Metalclad/MetalcladFinalAward.pdf Arbitration reward between Metalclad Corporation and The United Mexican States]|120&nbsp;KB}}</ref>

ローンパイン・リソース社対カナダ政府の事件では、ケベック州がセントローレンス水路の下での探査を妨害しようとしているため、「恣意的で変わりやすく違法な」行為と非難してカナダ政府に2億5000万ドルを請求した。ローン・パインの弁護士、ミロス・バルトキスキー氏は、彼の顧客の描写を「健康、安全、環境を規制するもう一つの挑発的な多国籍の挑戦的な政府の能力」と批判した。

ローンパインリソースはデラウェア州で設立され、カルガリーに本社を置き<ref name=gm22nov />、2011年5月25日に、ニューヨーク証券取引所で新規株式公開(IPO)を行い、1500万株を1株13ドルで売り出し、195万ドルを調達した<ref>{{cite web|url=http://www.wikinvest.com/stock/Lone_Pine_Resources|title=Stock:Lone Pine Resources|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>。

Barutciski<ref name=gm22nov>{{cite web|url=https://www.theglobeandmail.com/globe-investor/quebecs-st-lawrence-fracking-ban-challenged-under-nafta/article5577331/|title=Quebec's St. Lawrence fracking ban challenged under NAFTA|publisher=|accessdate=January 20, 2017}}</ref>は、「NAFTA及び他の投資家保護条約は、ケベック州の同じ法律によって廃止された許可を認めているカナダの企業は、補償を支払うことを明示的に禁じているが、憲法が財産権を州の手に置いているため、この場合の国内法人に対するカナダ裁判所の補償はより困難になる」と述べた<ref name=gm22nov />。]

中国との条約では、国有企業を含む、中国の投資家に同様の権利を拡張している<ref name=gm22nov />。


===第19章===
===第19章===
反ダンピング([[:en:antidumping|antidumping]]、AD)と相殺関税([[:en:countervailing duty|countervailing duty]]、CVD)について、二国間の陪審団による審査のかわり、または加えて慣習法的な司法審査を行うかどうかを決定すことを目的とする条項であるNAFTAの第19章についてもまた論争がある。例えば、アメリカでは、ダンピングと相殺関税を行うかどうかについて審査を行う機関の決定は通常アメリカ際通商裁判所3条法で行われる。しかしながら、NAFTA加盟の当事者裁判を2つのNAFTA加盟国の適切な5人の市民から構成される二国間の陪審団ものにるように要求する権利がある。通常は国際商取引法の知識を持つ法律家が陪審員となる。NAFTAは独立したAD/CVDに関する条項を含まないため、陪審員はAD/CVDに関る最終的な決断をする機関が国内法に適うかどうか決定する責任を負う。19章はまた、国際法を適用いが、ある国内法の適用を再審査するために多くの国から集まった個人から構成される陪審団を求めるものであるため、国際的な紛争解決におけるある例外的な何かである考えられてい
NAFTAの第19章は、従来の司法審査の代わりに、またはこれに加えて、反ダンピングおよび相殺関税(AD / CVD)の決定を二国間審査に委ね貿易紛争の仕組みである<ref name="Federal Register Millan">{{cite web|last1=Millán|first1=Juan|title=North American Free Trade Agreement; Invitation for Applications for Inclusion on the Chapter 19 Roster|url=https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2015-10-23/pdf/2015-26936.pdf|website=Federal Register|publisher=Office of the United States Trade Representative|accessdate=19 March 2016|language=English}}</ref>]例えば、米国では、アンチダンピングと相殺関税を課す機関の意思決定の見直しは、第3条裁判所{{efn|米において連邦裁判所には合衆国憲法第3条の司権に基づく裁判所とそれ以外に議会が憲法第1条の立法権限に基づく裁判所がある。}}である合衆国国際貿易裁判所で行われる。しかし、NAFTA締約国は2つの関連するNAFTA国の5人の市民からる二国間パネル決定を訴え選択肢を有する。[112]パネリスト、一般的に国際貿易で経験弁護士です。NAFTAはAD / CVDに関する実質的な規定が含まれていないため、AD / CVDに関る最終的な機関決定が国内法に準拠しているかどうか決定する義務がある19章は、国際法を適用するのでは多くの国の個人からなるパネルがある国の国内法の適用を再検討する必要としていており、国際紛争解決と通常のものではない。

第19章パネルは、当局の決定が「実質的な証拠」によって支持されているかどうかを検討することが期待されている。この基準は、国内機関に重大な服従を前提としています。米国とカナダの針葉樹の紛争など、近年最も論争の的になっている貿易紛争のいくつかは、第19章パネルの前に訴訟されている。

第19章パネルによる決定に不服がある場合はNAFTA例外的異議申立委員会に異議を申し立てることができる。しかしながら、例外的異議申立委員会は通常控訴としては機能しない。NAFTAのもとでは、NAFTA紛争解決機関が整合性を脅かす重要なまた具体的な錯誤を含む決定が下された場合のみ、判決が無効にまたは差し戻される。2006年1月以降、例外的異議申立委員会に異議を申し立てる前に、第19章パネルが下した決定に異議を申し立てて成功した例はない。
===2016年の大統領候補からの批判===
2015年9月の60分のインタビューで、2016年の大統領選挙の候補者 ドナルド・トランプは、NAFTAを「これまでに米国が締結した単一で最悪貿易協定」と呼び<ref>{{cite web|title=Full transcript: First 2016 presidential debate|author=Politico Staff|url=http://www.politico.com/story/2016/09/full-transcript-first-2016-presidential-debate-228761?lo=ut_b1|publisher=Politico|accessdate=27 September 2016}}</ref> 、選出された場合、「再交渉又は廃棄する」と発言した<ref>Jill Colvin, [http://bigstory.ap.org/article/982f8146e10942b2b7f6a07e2077576d/trump-nafta-trade-deal-disaster-says-hed-break-it Trump: NAFTA trade deal a 'disaster,' says he'd 'break' it], Associated Press (September 25, 2015).</ref><ref>Mark Thoma, [http://www.cbsnews.com/news/is-donald-trump-right-to-call-nafta-a-disaster/ Is Donald Trump right to call NAFTA a "disaster"?], CBS News (October 5, 2015).</ref> 。貿易グループのエンプレサ調整協議会の会長のフアン・パブロ・カスタノンは、再交渉や自動車産業に集中する意欲に懸念を表明しました。<ref name=":03">{{Cite news|url=http://monitoreodenoticias.com.mx/noticias/menu/noticia.php?id_tit=242|title=El Economista|last=Gonzales|first=Lilia|date=November 14, 2016|work=|access-date=|via=}}</ref>多くの貿易の専門家は、NAFTAからの脱退は最大の輸出市場へのアクセスの減少、経済成長の低下、ガソリン、自動車、果物及び野菜の価格の高騰を含む、米国に意図しない影響を及ぼすと発言している<ref>Eric Martin, [https://www.bloomberg.com/news/articles/2015-10-01/trump-killing-nafta-could-mean-big-unintended-consequences-for-the-u-s- Trump Killing NAFTA Could Mean Big Unintended Consequences for the U.S.], Bloomberg Business (October 1, 2015).</ref> 。メキシコの民間イニシアチブのメンバーは、NAFTAを廃止するために、多くの法律が米国議会によって改正されなければならないと指摘した。この動きは、最終的には世界貿易機関の法的紛争につながるだろう<ref name=":03"/> 。[116]ワシントンポスト紙は、、議会調査機関による学術文献のレビューでは、「カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPのわずかな割合を占めていることを主な理由として、NAFTAの米国経済全体に対する正味の効果は比較的小さいと思われる」と指摘した<ref name=":2" />。

民主党のバーニー・サンダース候補は、環太平洋パートナーシップ協定に反対して「NAFTA、CAFTAのような他の悲惨な貿易協定や、中国との通常貿易関係の継続」と述べた。彼は、自由貿易協定がアメリカの雇用を失い、アメリカの賃金を押し下げると考えている。サンダーズは、アメリカが中国や他の地域にアウトソーシングするよりも、アメリカの労働者のための賃金の高い仕事のためにアメリカの工場を使って製造拠点を再建する必要があると言った。<ref>
{{cite web
|date=May 18, 2015
|title=Sen. Bernie Sanders on taxes, trade agreements and Islamic State
|publisher=PBS |url=https://www.pbs.org/newshour/bb/sen-bernie-sanders-income-inequality-trade-agreements-islamic-state/
|accessdate=May 20, 2015
}} (transcript of interview with Judy Woodruff)
</ref><ref>
{{cite news
|last=Sanders
|first=Bernie
|date=May 21, 2015
|title=The TPP Must Be Defeated
|work=The Huffington Post
|url=http://www.huffingtonpost.com/rep-bernie-sanders/the-tpp-must-be-defeated_b_73
52166.html
|accessdate=May 22, 2015
}}
</ref><ref>Will Cabaniss for Punditfact. September 2, 2015 [http://www.politifact.com/punditfact/statements/2015/sep/02/viral-image/how-bernie-sanders-hillary-clinton-differ-trans-pa/ How Bernie Sanders, Hillary Clinton differ on the Trans-Pacific Partnership]</ref>。

==トランプ政権の方針==
===再交渉===
[[File:Chrystia Freeland, Luis Videgaray Caso and Rex Tillerson in Mexico City - 2018 (40013111732).jpg|thumb|[[Chrystia Freeland]], [[Luis Videgaray Caso]] and [[Rex Tillerson]] in Mexico City in 2018.]]
米大統領ドナルド・トランプは選挙直後に、彼が選挙運動の争点としていた貿易問題を解決するために、NAFTAの条件の再交渉を開始すると発言した<ref>{{cite web|url=http://www.cbc.ca/news/politics/canada-mexico-trade-nafta-trump-1.3853406| title = Canada, Mexico talked before making NAFTA overture to Trump| accessdate = April 3, 2018}}</ref> 。カナダとメキシコの指導者は、トランプ政権と協力する意思を示している。NAFTAの再交渉への条件は正確な言葉をあいまいにしているが、交渉が失敗すれば、トランプはNAFTAを脱退すると脅した<ref>{{cite web|url=https://www.nytimes.com/interactive/2017/upshot/what-is-nafta.html|title=What Is Nafta, and How Might Trump Change It?|publisher= The New York Times|accessdate= April 5, 2017}}</ref>。

2017年7月、トランプ政権はNAFTAに対する変更の詳細なリストを提示しました.<ref name=":13">{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/2017/07/17/us/politics/nafta-trump-mexico-canada.html|title=U.S. Calls for 'Much Better Deal' in Nafta Overhaul Plan|last=Rappeport|first=Alan|date=2017-07-17|work=The New York Times|access-date=2017-07-18|language=en-US|issn=0362-4331}}</ref>最優先事項は、米国の貿易赤字の縮小であった。<ref name=":13" /><ref>{{Cite news|url=https://www.reuters.com/article/us-usa-trade-nafta-statement-idUSKBN1A2272|title=U.S. makes lower trade deficit top priority in NAFTA talks|date=July 18, 2017|work=Reuters|access-date=2017-07-18}}</ref>政権はまた、カナダとメキシコに米国が課した関税を訴え、カナダとメキシコに対して輸入制限を課すことを制限した条項の廃止を求めた<ref name=":13" /> 。このリストには補助金を受けた国有企業及び通貨操作についても含んでいた<ref name=":13" /><ref name=":14">{{Cite news|url=https://www.bbc.com/news/business-40639819|title=US calls for smaller deficits in new NAFTA talks|date=2017-07-18|work=BBC News|access-date=2017-07-18|language=en-GB}}</ref>。

米国通商代表で表明した補助金を受けた国有企業及び通貨操作は、カナダやメキシコには当てはまらず、北米以外の国にメッセージを送るように意図されている。[123]ピーターソン国際経済研究所のジェフリー・ショットは、リスト上のすべての懸念に対処しながら、すぐに再交渉を締結することはできないと指摘した。[125]また、貿易赤字については何かするのは難しいと述べた。

ピーターソン国際経済研究所のチャド・ボーン氏によると、トランプ政権のリストは、「保護主義を好み、貿易障壁を好むという大統領の姿勢と非常に一致しているので、これは多くの点でNAFTAを自由貿易協定でないものにする。」<ref name=":13" /> 。米国通商代表で表明した補助金を受けた国有企業及び通貨操作は、カナダやメキシコには当てはまらず、北米以外の国にメッセージを送るように意図されている<ref name=":13" />。 Jーターソン国際経済研究所のジェフリー・ショットは、リスト上のすべての懸念に対処しながら、すぐに再交渉を締結することはできないと指摘しました<ref name=":14" /> 。また、貿易赤字については何かするのは難しいと述べた<ref name=":14" />。

2017年10月にトロントのグローブアンドメール紙に掲載された、米国が協定の再交渉を望んでいたのか又は何であれそれから遠ざかるように計画されていたかは、どうかは大規模な米国の石炭事業であるアライアンスリソースパートナーのオーナーであるケリーナイトクラフトが新任のアメリカ大使に指名されたことに表されている。カナダは炭素計画を実施しており、ボンバルディア・ジェットの売却の問題もある。 「米国はワシントンで先週の和解に非常に多くの毒薬を挿入し、殺人罪で起訴されるべきだった」とコラムニストのジョン・イビットソン氏は書いている<ref>{{cite news|title=US ambassador to Canada must mend an old friendship|work=The Globe and Mail|page=A5|date=October 23, 2017|author=John Ibbitson}}</ref>。

「米政府が提案しているいくつかの提案は、米国の企業や農業界からの支援がほとんどまたはまったくない。彼らが誰に利益をもたらすのかは明確ではない」とジョン・マーフィー米国商工会議所副会頭は述べた<ref name="CP" />。カンザス州選出のパット・ロバーツ上院議員カンザスは、トランプの反NAFTAの動きに対する抗議を呼びかけ「問題は本当の仕事、現実の生活と現実の人々に影響を与える」と言ました。カンザス州は主要な農業輸出国であり、農場グループは、NAFTAを離れることを脅かすだけでは、買い手が米国以外の情報源を探すことによって不確実性を最小限に抑える可能性があることを警告している<ref name="CP">{{cite news|title=U.S. pro-NAFTA campaign ramps up to defend deal: Concerns in Congress heighten over 'potential catastrophe' from withdrawal|author=Alexander Panetta|date=November 1, 2017|publisher=Vancouver Sun|agency=Canadian Press}}</ref>。

第4回会談での、米国が3カ国が協定を継続することに同意しない限り、5年間で協定を終了するサンセット条項の要求について、ウィルバーロス米商務長官は、これが成立しないなら協定の合意はないと述べた。カナダのジャスティン・トルドー首相は、トランプが協定から脱退した場合、協定による改正を元に戻す法的措置を議会がとる必要があるので下院歳入委員会と会談した<ref>{{cite news |title=Canada, Mexico vow to remain at NAFTA negotiating table | author1=Laura Stone |author2=Robert Fife |work=The Globe and Mail |date=October 13, 2017 |page=A1}}</ref>。

2018年6月から8月の終わりまで、米国とメキシコが二国間協議を行っていたためにカナダは協議から除外された<ref name="CBC_Gollom_NAFTA_2018">{{cite news |url=https://www.cbc.ca/news/politics/nafta-trade-canada-mexico-us-trudeau-trump-1.4803952 |title=Canada had little choice but to play it cool in NAFTA talks, trade experts say|quote="Charm offensive hadn't worked with U.S., so there was not much Trudeau could have done to save NAFTA, say some" |first=Mark |last=Gollom |newspaper=CBC News |date=August 30, 2018 |access-date=September 2, 2018}}</ref>。2018年8月27日に、メキシコと米国は、米国での自動車生産を促進する条項<ref>{{cite news |url=http://www.latimes.com/business/la-fi-nafta-usmex-deal-20180827-story.html |title=U.S. and Mexico strike preliminary accord on NAFTA; Canada expected to return to bargaining table |work=[[Los Angeles Times]] |first=Don |last=Lee |date=August 27, 2018 |access-date=August 27, 2018}}</ref>、製薬会社、特に高価な生物製剤の米国の製造業者に利益をもたらす製品の拡大リストについてのジェネリック医薬品に対する10年間のデータ保護期間、サンセット条項 - 16年間の有効期限で定期的に6年間の見直しを行い、追加の16年間の協定を更新することができる規定及びオンライン取引におけるメキシコの関税及び消費税の免税限度を50ドルから100ドルに引き上げること<ref>{{cite web|url=https://www.nytimes.com/2018/08/27/us/politics/us-mexico-nafta-deal.html|title=Trump Reaches Revised Trade Deal With Mexico, Threatening to Leave Out Canada|publisher=''The New York Times''|date=August 27, 2018|accessdate=September 30, 2018}}</ref><ref name="ottawacitizen_2018"/>を含む改定されたNAFTAの貿易取引について二国間での合意に達したと発表した。エコノミスト誌の8月30日の記事によると、メキシコは原産地規則の基準を引き上げることに合意した。これは、関税を回避するためには、自動車部品の北米で作られなければならない割合を前回の62.5%に対して、75%とすることを意味する。自動車メーカーは現在、アジアからの安価な部分品を輸入しているので、改訂された協定の下で、消費者は車のためのより多くを支払うことになります<ref name="economist_goingsouth_2018">{{cite web |url=https://www.economist.com/leaders/2018/08/30/americas-deal-with-mexico-will-make-nafta-worse |series=Going south |title=America’s deal with Mexico will make NAFTA worse |quote="Its costly new regulations result from flawed economic logic" |date=August 30, 2018 |access-date=September 2, 2018 |work=[[The Economist]]}}</ref><ref name="financialpost_McLeod_2018">{{cite news |url=https://business.financialpost.com/transportation/autos/trumps-mexico-deal-is-a-roadmap-to-higher-car-prices-industry-analysts-say |title=Trump's Mexico deal is a roadmap to higher car prices, industry analysts say |quote="Rules of origin and labour requirements will pass costs on to consumers" |date=August 30, 2018 |access-date=September 2, 2018 |work=Financial Post |first=James |last=Mcleod |location=Toronto, Ontario}}</ref>。同様に、メキシコの自動車製造工場で労働者が平均して稼いでいる現行の2.30ドルとは対照的に、1時間当たり最低16ドルの労働者が自動車部品の約40〜45%を製造しなければならないとなった<ref name="financialpost_McLeod_2018"/><ref name="economist_goingsouth_2018"/>。エコノミスト誌は、これを「メキシコの自動車製造をストライキジャケットに入れる」と述べた。<ref name="economist_goingsouth_2018"/>。

カナダのトルドー首相とクリスティアフリータンド外務大臣は、カナダの利益になる場合、同協定に加わる意思があると発表した<ref>{{cite news |work=BBC News, |url=https://www.bbc.co.uk/news/business-45323634 |title=Trump announces 'incredible' trade deal with Mexico |date=27 August 2018 |access-date=September 2, 2018}}</ref> 。フリーランドは、8月最後のワシントンでの交渉を行うため予定されたヨーロッパへの外交訪問をウクライナ訪問を中止して早めに切り上げ、ヨーロッパから戻った<ref>[[Ukrainian Independent Information Agency]], [https://www.unian.info/politics/10239375-canada-s-foreign-minister-postpones-visit-to-ukraine-over-urgent-talks-in-u-s.html Canada's Foreign Minister postpones visit to Ukraine over urgent talks in U.S.], 29 August 2018</ref> オタワシチズン紙に掲載の8月31日のカナダプレスによると、議論の中の主要な問題は、供給管理、第19章、医薬品、文化免除、サンセット条項及び最小限の閾値を含んでいた<ref name="ottawacitizen_2018">{{cite news |url=https://ottawacitizen.com/pmn/commodities-business-pmn/agriculture-commodities-business-pmn/naftas-sticking-points-key-hurdles-to-clear-on-the-way-to-a-deal/wcm/ee257d4c-d632-4336-a6d6-392449f20c68 |title=NAFTA's sticking points: Key hurdles to clear on the way to a deal |newspaper=The Ottawa Citizen via Canadian Press |date=August 30, 2018 |access-date=September 2, 2018 |location=Ottawa, Ontario}}</ref>。

9月1日に、ドナルド・トランプ大統領は、カカナダが要求に応えない限り、新たな貿易協定からナダを除外するとカナダに警告したが、トランプ政権が議会の承認なしにそうする権限を持っているかどうかは不明である<ref name="CRS_Villarreal_2018">{{cite report |url=https://fas.org/sgp/crs/row/R44981.pdf |format=PDF |title=NAFTA Renegotiation and Modernization |first1=M. Angeles |last1=Villarreal |first2=Ian F. |last2=Fergusson |date=July 26, 2018 |accessdate=September 2, 2018 |work=[[Congressional Research Service]] (CRS) |pages=47}}</ref>{{rp|34-6}}<ref name="BBC_NAFTA_Canada_2018">{{cite news |url=http://bbcworldinfo.com/2018/09/02/trump-canada-will-be-out-of-trade-deal-unless-its-fair/ |title=Trump: Canada ‘will be out’ of trade deal unless it’s ‘fair’ |date=September 2, 2018 |work=BBC |access-date=September 2, 2018}}</ref><ref name="VOX_Aleem_2017">{{cite news |url=https://www.vox.com/policy-and-politics/2017/10/26/16505508/nafta-congress-block-trump-withdraw-trade-power |title=We asked 6 experts if Congress could stop Trump from eliminating NAFTA |first=Zeeshan |last=Aleem |date=October 26, 2017 |access-date=September 2, 2018 |work=VOX}}</ref><ref name="Edmonton_Journal_CP">{{cite news |url=https://edmontonjournal.com/news/canada/trump-warns-congress-not-to-interfere-with-nafta-negotiations/wcm/e725fb85-fb5c-46a4-b084-a371882c3ac6 |newspaper=Edmonton Journal |date=September 2, 2018|access-date=September 2, 2018 |title=Donald Trump threatens to cancel NAFTA entirely if Congress interferes with his plans}}</ref>議会調査局報告書(2017年に出版されたものと2018年7月26日に出版されたもの)によれば、NAFTAに実質的な変更の実施される前に、トランプ大統領によって議会の承認が確保されなければならない。<ref name="CRS_Villarreal_2018"/>{{rp|34-6}}<ref name="strtrade_2017">{{cite web |url=https://www.strtrade.com/news-publications-NAFTA-renegotiate-president-Congress-020117.html |title=Renegotiated NAFTA Likely to Require Congressional Approval, CRS Says |date=February 1, 2017 |access-date=September 2, 2018 |work=Sandler, Travis & Rosenberg Trade Report}}</ref>。

カナダと米国の交渉の期限の2018年9月30日に、トランプ政権が議会に協定を提出したときの三国協定の維持する両国間の予備的な合意がが達成された<ref>{{cite web|url=https://www.cnn.com/2018/09/30/politics/trump-nafta-canada/index.html|publisher=''CNN''|date=September 30, 2018|accessdate=September 30, 2018|title=US and Canada reach deal on NAFTA}}</ref>。協定の新しい名称は「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)となる<ref>{{cite web|url=https://www.nytimes.com/2018/09/30/us/politics/us-canada-nafta-deal-deadline.html|title=U.S. and Canada Reach Deal to Salvage Nafta|publisher=''The New York Times''|date=September 30, 2018|accessdate=September 30, 2018}}</ref>。
=== NAFTAからの脱退の影響===
ドナルド・トランプ氏の大統領選挙後、多くの貿易専門家たちは、トランプ氏が提案したようにNAFTAから脱退することは、米国最大の輸出市場へのアクセスの減少、経済成長の低下、ガソリン、自動車、果物、野菜の価格が上昇するであろうと発言した。[13]最悪の影響を受ける分野は、繊維、農業、自動車であろう。[ 14]

Tufts大学の政治学者、ダニエル W. ドリツナーによると、メキシコとの関係をNAFTA以前の時代に戻そうとするトランプ政権の願望は誤っている。ドリツナーは、NAFTAがメキシコが真の民主主義に変身し、北米と見なす国になることを容易にしたと主張する。トランプがメキシコとの脅威の多くに作用すれば、メキシコ人が南アメリカのいくつかの国々のように、左派の人民軍に対抗することは想像もできない。最低でも、国境警備、テロ対策、薬物戦争、追放、中米移住の管理に悪影響を及ぼし、米国とメキシコの関係が悪化することになる<ref name=":7" />。

チャド・ポーン(国際経済学研究所のシニアフェロー)によれば、「貿易障壁を再確立する再交渉されたNAFTA は、原因にかかわらず雇用を失った労働者を新しい雇用機会を利用するように支援するとは考えにくい。」<ref>{{Cite web|url=https://www.washingtonpost.com/news/monkey-cage/wp/2017/02/15/what-is-nafta-and-what-would-happen-to-u-s-trade-without-it/|title=What is NAFTA, and what would happen to U.S. trade without it?|website=Washington Post|access-date=2017-02-15}}</ref> 。

ハーバードの経済学者の、マーク・メリッツによると、「最近の調査では、NAFTAの廃止が米国の自動車生産を増やすことはないと推定されている。」<ref name=":8">{{Cite web|url=http://econofact.org/driving-home-the-importance-of-nafta|title=Driving Home the Importance of NAFTA {{!}} Econofact|website=Econofact|language=en-US|access-date=2017-02-15}}</ref> 。 メリッツは、これは製造業の仕事を犠牲にすると指摘している<ref name=":8" />。

==環太平洋パートナーシップ協定==
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効した場合、NAFTAなどの既存の協定は、TPPと矛盾しない、又はTPPよりも貿易自由化の程度の高い条項に縮小される<ref>{{cite news
| last =Isfeld
| first =Gordon
| title =Forget NAFTA, the TPP is the new 'gold standard' of global trade
| newspaper =Financial Post
| location =
| pages =
| language =
| publisher =National Post
| date =12 October 2015
| url =http://business.financialpost.com/news/economy/forget-nafta-the-tpp-is-the-new-gold-standard-of-global-trade
| access-date =31 December 2015 }}</ref>。しかし、2017年1月に、トランプ米国大統領がTPPから脱退したため、カナダとメキシコのみがTPPに加盟する見通しである。2017年5月にカナダ及びメキシコを含むTPPの残りの11のメンバーは、米国の参加なしに貿易協定の改定を進めることに同意した<ref>{{Cite web|url=https://www.cnbc.com/2017/05/20/tpp-nations-agree-to-pursue-trade-deal-without-us.html|title=TPP nations agree to pursue trade deal without US|last=Shaffer|first=Sri Jegarajah, Craig Dale, Leslie|date=2017-05-21|website=CNBC|access-date=July 4, 2017}}</ref>。

== NAFTAに対するアメリカの世論==
アメリカの国民は、北米自由貿易協定(NAFTA)に対する見解に大きく分かれており、信念の中に幅広い党派間格差があります。2018年2月のギャラップ投票で、アメリカ人の48%がNAFTAが米国に良いと答えており、46%が悪いと答えた<ref name=":15">{{Cite news|url=http://news.gallup.com/poll/204269/americans-split-whether-nafta-good-bad.aspx|title=Americans Split on Whether NAFTA Is Good or Bad for U.S.|last=Inc.|first=Gallup,|work=Gallup.com|access-date=2018-04-30|language=en-us}}</ref>。

アメリカ法律とビジネスレビュー(LBRA)の記事によると、NAFTAの米国の世論は、3つの問題を中心に形成されている、それは:アメリカの雇用の創設又は喪失に対するNAFTAの影響、環境へのNAFTAの影響、および米国への移民に対するNAFTAの影響である<ref>{{Cite web|url=http://heinonline.org/HOL/Page?handle=hein.journals/lbramrca11&div=28&g_sent=1&casa_token=&collection=journals|title=Redirecting...|website=heinonline.org|access-date=2018-04-30}}</ref>。

2016年のトランプ大統領の選挙後、NAFTAへの支持は共和党と民主党の間で非常に分極化した。ドナルドトランプは、「これまでに米国が締結した単一で最悪貿易協定」と呼び否定的な見解を示した<ref>{{Cite news|url=https://www.nytimes.com/2016/09/27/us/politics/transcript-debate.html|title=Transcript of the First Debate|date=2016-09-27|work=The New York Times|access-date=2018-04-30|language=en-US|issn=0362-4331}}</ref>。共和党支持者のNAFTA支持は2008年の43%から2017年に34%に減少し、民主党党支持者のNAFTA支持は2008年の41%から2017年に71%にと増加した<ref name="Affairs">{{Cite web|url=https://www.thechicagocouncil.org/publication/pro-trade-views-rise-partisan-divisions-nafta-widen|title=Pro-Trade Views on the Rise, Partisan Divisions on NAFTA Widen {{!}} Chicago Council on Global Affairs|last=Affairs|first=Chicago Council on Global|website=www.thechicagocouncil.org|language=en|access-date=2018-04-30}}</ref>。


メキシコとの自由貿易に関する見解についての懸念において特に、政治格差は大きい。カナダとの自由貿易については、米国の79%が公正貿易パートナーとする見方とは対照的に、メキシコが公正貿易のパートナーであると考えているのは47%に過ぎない。この格差は民主党と共和党の間で広がっている。メキシコが公正取引を実践していると民主党員の60%が信じているが共和党員ではわずか28%がそうであると信じている。これは、シカゴ・カウンシル・サーベイによって記録された民主党の最高レベルであり、共和党の最低レベルである。共和党員は、公正な貿易相手国としてカナダを民主党よりも否定的に見ている<ref name="Affairs"/>。
19章陪審団は決定する機関が「信用できる証拠」によって支持されているかどうかを判断することが期待されている。この基準は国内の機関に従うことを想定している。アメリカとカナダ間で軟材の輸入で紛争になった件など、近年で最も激しい論争となった紛争のいくつかは19章の陪審団によって裁かれた。


NAFTAは、若いアメリカ人から強い支持を得ている。2017年2月のギャラップ調査では、18〜29歳のアメリカ人の73%が、NAFTAが米国にとって優れており、他の米国の年齢層より高い支持を示していると言っている<ref name=":15" />。また、雇用されているアメリカ人よりも失業者の方が若干強い支持を得ている<ref>{{Cite news|url=http://news.gallup.com/poll/113200/opinion-briefing-north-american-free-trade-agreement.aspx|title=Opinion Briefing: North American Free Trade Agreement|last=Inc.|first=Gallup,|work=Gallup.com|access-date=2018-04-30|language=en-us}}</ref>。NAFTAの問題は依然として主に分裂的な問題のままである。
19章の陪審団による決定に不服がある場合はNAFTA例外的異議申立委員会に異議を申し立てることができる。しかしながら、例外的異議申立委員会は通常抗告としては機能しない。NAFTAのもとでは、NAFTA紛争解決機関が整合性を脅かす重要なまた具体的な錯誤を含む決定が下された場合のみ、判決が無効にまたは差し戻される。2006年1月以降、例外的異議申立委員会に異議を申し立てる前に、19章陪審団が下した決定に異議を申し立てて成功した例はない。
== 注釈 ==
{{Notelist}}


==脚注==
==脚注==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commons category}}
{{Commons category}}
*[http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/nafta.html 北米自由貿易協定(外務省)]
*[https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000217491.pdf 北米自由貿易協定の概要「(外務省)]
*{{official website|http://www.nafta-sec-alena.org/}}
*{{official website|http://www.nafta-sec-alena.org/}}
*Abbott, Frederick M. [http://www.mpepil.com/sample_article?id=/epil/entries/law-9780199231690-e2083&recno=8& North American Free Trade Agreement, Case Law] (''[[Max Planck Encyclopedia of Public International Law]]'').
*Abbott, Frederick M. [http://www.mpepil.com/sample_article?id=/epil/entries/law-9780199231690-e2083&recno=8& North American Free Trade Agreement, Case Law] (''[[Max Planck Encyclopedia of Public International Law]]'').

2018年12月17日 (月) 08:04時点における版

北米自由貿易協定
英語: North American Free Trade Agreement
フランス語: Accord de libre-échange nord-américain
スペイン語: Tratado de Libre Comercio de América del Norte
設立 1994年1月1日
会員数
アメリカ合衆国
カナダ
メキシコ
公用語 英語
フランス語
スペイン語
ウェブサイト www.nafta-sec-alena.org
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北米自由貿易協定(ほくべいじゆうぼうえききょうてい、英語: North American Free Trade Agreement、頭字語: NAFTA)は、アメリカ合衆国カナダメキシコによって署名され、北アメリカにおいて3か国による貿易圏を生み出した自由貿易協定である。1992年12月17日署名され、1994年1月1日に発効した。これはアメリカとカナダ間の米加自由貿易協定の後継であり、2018年の米国・メキシコ・カナダ協定によってとって換えられることになっている。NAFTAには、環境問題に関する補完協定(North American Agreement on Environmental Cooperation、略称NAAEC)と労働問題に関する補完協定(North American Agreement on Labor Cooperation、略称NAALC)という付随する2つの補完協定がある。

ほとんどの経済分析は、NAFTAが北米の経済と一般市民にとって有益であることを示しているが、貿易競争に晒されている産業では少数の労働者に害を及ぼした[1][2][3][4][5][6]。経済学者はNAFTAからの撤退や貿易障壁を再確立するNAFTAの再交渉は、米国経済と生産コストに悪影響を与える、メキシコは、短期的にも長期的にも、雇用の喪失と経済成長の低下により、さらに深刻な影響を受けるとの見解をもっている[7][8][9]

2018年9月30日に、米国、メキシコ、カナダがNAFTAを米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に置き換えることに合意したことが発表された。USMCAは、加盟国による2017年から2018年にかけてのNAFTAの再交渉の結果であるが、NAFTAはUSMCAが加盟国によって批准されるまで有効である[10]

名称

参加している各国の公用語による名称は以下の通り。英称の頭字語 "NAFTA"(英語発音: [ˈnæftə], ナフタ)が日本語でもしばしば用いられる。

  • 英語: North American Free Trade Agreement 頭字語:NAFTA
  • フランス語: Accord de libre-échange nord-américain 頭字語: ALÉNA
  • スペイン語: Tratado de Libre Comercio de América del Norte 頭字語: TLCAN, TLC

概要

域内の人口は約4億5751万人(アメリカ約3億1085万人、カナダ約3433万人、メキシコ約1億1232万人、すべて2010年)、GDPは約17兆1,918億ドル(うちアメリカが約14兆6,241億ドル、2010年)に達する。(欧州連合2010年現在27か国、域内人口は約5億0210万人、GDPは約16兆1,068億ドル)

NAFTA成立以降、域内の貿易は拡大し、特にメキシコではマキラドーラが成長しアメリカとの国境地帯の所得はNAFTA発効後の10年間で15.5%増加した[11]。逆にアメリカでは職がメキシコに流出したとして批判された。アメリカの域内での貿易赤字は2010年で約7.5兆円で、これはアメリカの総貿易赤字の26.8%にあたる。

交渉の段階では農業の分野が特にメキシコで懸念されたが、1994年から2001年の間にメキシコの農産物の輸出は9.4%増加したのに対し農産物の輸入の増加は6.9%だけであった[12]

他の経済圏などとの比較

国数 地域・国名 人口
(億人)
GDP
(兆USドル
一人当りGDP
(USドル)
3 北米自由貿易協定 (NAFTA) 4.80 21.14 43,885
27 欧州連合 (EU) 5.11 18.40 35,939
10 東南アジア諸国連合 (ASEAN) 6.38 2.55 4,000
1 中華人民共和国 13.79 11.99 8,123
1 日本 1.27 4.90 38,443
1 ブラジル 1.90 2.02 10,609
1 ロシア 1.41 1.47 10,406
1 インド 11.91 1.43 1,200
1 オーストラリア 0.22 1.21 54,087
  • 値は2016年時点のもの。GDPは変動為替ベース。

交渉、批准及び改定 (1988年-1994年)

1992年10月の北米自由貿易協定草案確定式。後列左から、 Carlos Salinas de Gortariメキシコ大統領, George H. W. Bush米国大統領、Brian Mulroneyカナダ首相。前列左から、 Jaime Serra Pucheメキシコ商工大臣、Carla Hills米国通商代表、Michael Wilsonカナダ国際貿易大臣。

北米自由貿易圏の推進は、1979年11月に大統領立候補を発表したときに選挙運動の公約としたロナルド・レーガン米国大統領により始められた[13]。カナダと米国は、1988年に米加自由貿易協定(FTA)を締結し、まもなくカルロス・サリナス・デ・ゴルタリメキシコ大統領は、ジョージHWブッシュ大統領に、ラテンアメリカの債務危機に伴う外資導入のための同様の協定を提案することに決めた[13]。両首脳の交渉開始により、米加自由貿易協定による優位が米国とメキシコとの二国間協定によって損なわれることを恐れたブライアン・マルルーニーカナダ政権は、米国とメキシコの協議に参加することを求めた[14]

1990年までの外交交渉の後、3国の指導者は1992年12月17日にそれぞれの首都で協定に調印した[15]。署名された協定は各国の議会又は上院によって批准される必要があった。 米加自由貿易協定は、カナダにおいて激しい論争が行われ国論が二分され、1988年のカナダ総選挙の争点となっていた。 その選挙では、多くのカナダ人が反自由貿易政党(自由党と新民主党)に投票したが、両は党へ票が分かれたことは、自由貿易派の進歩保守党が選挙で多数の議席と獲得し政権につくことを意味した。マルルーニーと進歩保守党は議会の多数を占めたため、米加FTAとNAFTAに批准する法案を簡単に可決することができた。 しかしながら、彼は保守党の党首と首相の座をキム・キャンベルに明け渡した。キャンベルと進歩保守党は、1993年の総選挙でNAFTAの再交渉または破棄を唱えるジャン・クレティエンが率いる自由党に大敗した。クレティエンはその後2つの補完協定について新しいアメリカの大統領と交渉した。アメリカでは、任期終了を間近に控えたブッシュ大統領が署名のために「速いトラック」のように活動したが、批准の要求にこたえ、協定を施行することには間に合わず、後任のビル・クリントン大統領に任せることになった[16]。 議会への送付に先立ち、クリントンは労働者と環境を保護し、多くの議員が抱いていた懸念を和らげるための労働問題に関する補完協定(NAALC)と環境問題に関する補完協定(NAAEC)という付随する2つの補完協定を追加した。米国は相手国に対し自国と同様の環境政策と規制の遵守を求めた。多くの時間を費やした検討と感情的な議論の末、1993年11月17日、米国下院は、234対200で、北米自由貿易協定実施法を可決した。協定の賛成者には、132人の共和党議員と102人の民主党議員が含まれていた。法案は1993年11月20日、61対38で上院を通過した[17]。上院での賛成者には34人の共和党議員と27人の民主党議員が含まれていた。クリントンは1993年12月8日に法律に署名した。協定は1994年1月1日に発効した[18][19]。クリントンはNAFTAの法案に署名した際、「NAFTAは雇用を生み出す。アメリカ人の雇用、それも給料のいいアメリカの雇用を。もしそう信じていなかったら、私はこの協定を支持しなかった」と述べた[20]。NAFTAは、それまでの米加自由貿易協定に置き換わった。

再交渉、批准及び改定 (2016年-2018年)

2016年にアメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプは、政権発足当初から協定がアメリカの雇用を奪っているとしてメキシコとカナダに対して改定を迫った。2018年11月30日、新協定となる米国・メキシコ・カナダ協定を締結。工業製品の原産国規定の見直しが行われたほか、新たに為替条項も盛り込まれた。発効には各国の議会承認・批准手続きが必要[21]

条項

NAFTAの目標は、アメリカ、カナダ及びメキシコ相互の間で貿易と投資を行う際の障壁をなくすことだった。NAFTAの発効は1994年1月1日で、メキシコからアメリカへの輸出の半分以上とアメリカからメキシコへの輸出の3分の1以上の品目の関税が即時に撤廃された。協定の発効から10年以内に、アメリカからメキシコへの輸出の農産物の一部(15年以内に段階的に撤廃することになっていた)を除く、アメリカとメキシコのすべての関税は撤廃されることになった[22]。 アメリカとカナダの間の貿易は既にほとんどの関税が撤廃されていた。NAFTAは非関税障壁の撤廃と製品の知的財産権の保護も模索していた。

第20章は、NAFTAの適用及び解釈に対する紛争の国際的解決のための手続を規定している。これは、カナダ - 米国自由貿易協定第69章[23]をモデルにしている。NAFTAの裁定員の名簿には、アリス・デジャルダン、ジョン・マクスウェル・エヴァンス、コンスタンス・ハント、ジョン・リチャード、アーリン・M・アダムズ、スーザン・ゲッテンダーナー、ジョージ・C・プラット、チャールズ・B・レンフルーとサンドラ・デイ・オコナーのような多くの元判事を含んでいる。

NAFTAの一部は、3加盟国の各国政府職員からなる技術ワーキンググループによって執行されている[24]

知的財産権

北米自由貿易協定施行法(North American Free Trade Agreement Implementation Act) によってアメリカの著作権法は一部が改正され、パブリック・ドメインの状態になった映画に関するNAFTA域内での著作権の概念の変更は1994年のウルグアイ・ラウンド協定法の伏線となった[25][26]

環境

NAFTAの環境への影響についての国民の懸念に対処することがなければ、NAFTAに対する米国議会の承認は不可能だったであろう[27]。クリントン政権は、1994年に環境協力委員会(CEC)を創設することとなるカナダ及びメキシコとの環境上の補足協定(環境協力に関する北米協定(NAAEC))を交渉した。途上国と2つの先進国の間の最初の地域貿易協定であるNAFTAが環境への負の影響を及ぼしかねないという懸念を緩和するため、当該委員会は環境事後評価[28]を実施することを義務付けられた。NAFTAと環境についての当初の想定に、即ち、NAFTAが3カ国が環境規制について「最下位への競争」を創出するとか、NAFTAは政府に環境保護を強化するよう圧力をかけているとかの懸念などについて、貿易自由化の環境評価のための最初の事後枠組みの1つを作成した[29]。CECは、NAFTAの環境への影響を評価するための4回のシンポジウムを開催し、主要な独立した専門家によるこの件に関する47件の論文を委託した[30]

農業

最も初期の交渉から、WTOの枠組みの中で締結されたほぼすべての自由貿易協定と同様に、農業はNAFTA内で議論の的となった事項であったし、今のそうである。農業は三国間での交渉は行われていない唯一の部分であり、代わりに、各国の間で3つの別々の協定が締結された。カナダ・米国の協定は農産品に(主に砂糖、乳製品、および家禽製品)に関し大幅な制限と割当を含んでいる。一方、メキシコ - 米国。 協定は撤廃期間の枠組みの中でより広い自由化を行っている(これは、農業に関して署名された最初の南北自由貿易協定である)。

交通インフラ

NAFTAは、カナダ、メキシコの間の道路輸送のためのCANAMEX回廊を設立し、また、鉄道、パイプライン及び光ファイバー通信インフラストラクチャーの利用を提案した。これは、1991年の米国沿岸地上輸送効率化法の下で、優先度の高い回廊となった。

影響

Obama, Peña Nieto and Harper at the IX North American Leaders' Summit (informally known as the Three Amigos Summit) in Toluca.

カナダ

歴史的背景

2008年の米国とメキシコへのカナダの輸出額は3,813億ドルで、輸入額は2,451億ドルであった[31]。トロント大学経済学者ダニエル・トレフラーの2004年の論文によると、NAFTAは2003年にカナダに大きな正味利益をもたらし、関税が大幅に引き下げられた業界では長期生産性が最大15%増加した[32]。低生産性工場の縮小は雇用を減少させたが(既存の職種の最大12%)、これらの雇用損失が生じたのは10年未満であった。全体的に見て、カナダの失業率への影響は不明とである。トレフラーは、このトレードオフに言及して、貿易政策における重要な問題は、「長期的な利益と短期的な労働者やその他の人々による調整費用の両方を認識する方法で工業化された経済においてより自由な貿易がどのように実施されるのか」を理解することである[33]

2007年の調査によると、NAFTAは「国際貿易量に大きな影響を及ぼしたが、価格と福祉には穏やかな影響を及ぼす」という結果が得られた[34]

NAFTAの貿易関税が引き下げられた2012年の調査によると、関係国との貿易は、米国では41%、メキシコでは118%増加したのに対し、カナダではわずか11%の増加にとどまりました[35]:3。また、米国及びメキシコは、関税削減によりそれぞれ0.08%と1.31%の福祉の増加があったのに対し、カナダでは0.06%の低下があった.[35]:4

現在の問題

外交問題評議会(CFR)公共政策シンクタンクの報告書を基礎とするニューヨーク市による2017年の報告によれば、農産物における二国間の貿易は、1994年から2017年までのあいだで3倍に拡大し、米国とカナダとの貿易においてカナダが米国の農業分野における主要輸入国となっていることにおいてNAFTAの最大の経済効果の一つであると考えられている.[36]。米国向けの製造業の雇用を失うというカナダの懸念は、製造業の雇用が「安定」していることで実現しなかった。しかし、カナダの労働生産性水準が米国の72%に達した点において、両国間の「生産性格差」を克服するという希望も実現しなかった[36]

2018年のシエラクラブ報告書によれば、NAFTAとパリ協定に基づくカナダの約束は矛盾している。 パリ協定は自主的であり、NAFTAは義務的です[37]

「カナダ人評議会」が発表した2018年のゴードン ラックセラー報告によれば、NAFTAの第605条のエネルギー比例規則は、アメリカ人が「カナダの石油と天然ガスのほとんどに最初から無制限にアクセスできる」ことを保証し、カナダは、国内が不足であっても石油、天然ガス、電力の輸出(石油は算出の74%、天然ガスは算出52%までは)を削減できない。1993年にNAFTAが署名されたときに論理的に見えるこれらの規定はもはや適切ではない[38]:4。:カナダ人評議会は、環境保護を促進し、開発奨励でタールサンドと水圧破砕法による開発奨励に対するNAFTAの役割に対して反対している[38]

ドナルド・トランプ氏は、非現実的なほぼ300%となる酪農税に怒って、カナダをNAFTAから追放することを計画している[39]。1972年以来、カナダは「供給管理」システムで操業しており、米国はこれを圧迫しようとしており、特に乳業に焦点を当てている。しかし、これはまだ実施されていない。なぜなら、国の酪農場の約半分を保有するケベック州は供給管理を依然として支援しているからである[39]

メキシコ

マキラドーラ(部品を輸入して輸出品を生産するメキシコの組立工場)はメキシコの貿易のランドマークとなっています。これらはアメリカからメキシコに移ってきたものであり、アメリカの失業の原因として議論になった。マキラドーラ部門の収入は、1994年にNAFTAが実施されて以来15.5%増加している.[40]。他の部門は現在、自由貿易協定から利益を得ており、ここ5年で国境を接していない州からの輸出の割合は増加したのに対し、国境を接している州からの輸出は減少している。このことはトルーカ、レオンやプエブラなど国境を接していない地域の素早い成長を可能にし、三つの都市はティフアナ、シウダー・フアレスやレイノサの人口を上回った。

メキシコと米国の農業合意の全体的な影響が争われている。メキシコは効率的な鉄道や高速道路などの競争に必要なインフラに投資していませんでした。メキシコの農産物輸出は1994年から2001年にかけて毎年9.4%増加し、輸入は同期間に年間わずか6.9%増加した[41]

最も影響を受ける農業部門の1つは肉産業である。メキシコは、1994年以前の米国輸出市場の小規模輸入国から2004年には2番目に大きい米国の農産物輸入国に移行し、NAFTAはこの変化の主要な要因となる可能性がある。自由貿易は両国間のビジネスを妨げた障害を取り除き、メキシコは米国の肉用市場を拡大し、米国の肉産業の売上高と利益を増加させた。同時にメキシコの1人当たりGDPの著しい増加は肉の消費パターンを大きく変え、1人当たりの肉消費量が増加している[42]

メキシコにおけるトウモロコシの生産は、NAFTA以来増加している。しかし、トウモロコシの内部需要はメキシコの供給を超えて増加しており、メキシコが最初に交渉した数量をはるかに上回る輸入が必要となっている[43]。 ザヒナーとコイルも国際価格に調整したメキシコのトウモロコシの価格は、大幅に減少していることを指摘したが、前大統領のビセンテ・フォックスが拡張した補助金計画により、生産は 2000年以来、安定している[44]。農業補助金、特にトウモロコシの補助金の削減は、メキシコ農民の害を減らす方法として提案されている[45]

A2001年のャーナル・オブ・エコノミクス・パースペクティブの既存の文献のレビューでは、NAFTAがメキシコにとってネットで利益があることが判明しました[3]。 2003年では、メキシコでの商取引の80%は、米国のみでの商業販売で達成され、メキシコにおける商取引の80%は米国のみで達成され、商業販売黒字は、世界の他国との赤字と相まって、メキシコの輸出に依存した。これらの影響は2001〜2003年に明らかであった。その景気後退の結果は、メキシコの輸出に対しては低いか否定的なものであった[46]

2015年の調査によると、NAFTAの関税引き下げの結果、メキシコの福祉は1.31%増加し、メキシコの域内貿易は118%増加した[35]。不平等と貧困は、メキシコの最もグローバル化の影響を受けた地域で減少した[47] 。2013年と2015年の調査によれば、メキシコの小規模農家は大規模農家よりもNAFTAより多くの利益を得ている[48][49]

NAFTAはまた、メキシコの中産階級の台頭によって信じられている。タフツ大学の研究では、NAFTAが最大50%、メキシコでの基本的な必需品の平均コストを下げることがわかりました[50]。 この価格引き下げはメキシコの多くの家族にとって手持ち資金を増加させ、メキシコは毎年ドイツより多くの技術者を卒業させることができました[51]

新規受注の伸びは、製品の需要が増加したことを意味し、需要の増加を満たすために生産拡大と雇用率向上をもたらしました。マキラドーラ産業および製造業における成長率は、2016年8月に4.7%であった.[52] 。]輸出入の3/4は米国とのものである。

タフツ大学の 政治学者ダニエルW. ドレズナーは、NAFTAがメキシコが真の民主主義に変わり、北アメリカと見なされる国になることを容易にしたと主張している。これにより、米国とメキシコの協力が高まった[53]

アメリカ合衆国

多くのエコノミストは、NAFTAが米国にとって有益であると考えている[54][55] 。大手エコノミストの2012年調査では、95%の平均的な米国市民がNAFTAの恩恵を受けていると答えた.[2]。 2001年のジャーナル・オブ・エコノミクス・パースペクティブの分析は、NAFTAが米国にとって実質的なメリットであることを明らかにした[3] 。2015年の調査によると、NAFTAの関税引き下げの結果、米国の福祉は0.08%増加し、米国の域内貿易は41%増加した[35]

NAFTAが米国の貿易雇用と投資に及ぼす影響に関する2014年の調査では、1993年から2013年の間に、米国の貿易赤字はメキシコとカナダとで170億ドルから1772億ドルに増加し、851,700人の米国の雇用を減少させた[56]

2015年、議会調査局は、2015年には、「カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPの僅かな割合であることを主な理由として、NAFTAの米国経済に対する全体的な効果は比較的穏やかであるように思われる。しかしながら3カ国が経済の開放と貿易の自由化を調整したため、労働者と企業の調整費用が発生した。」と結論した。 同報告書はまた、NAFTAの実施後、米国のGDPの0.5%の増加に相当する800億ドルを米国経済に追加したと推定した[57]

米国商工会議所は、NAFTAにより、1993年の3370億ドルから2011年には1兆2000億ドルへのカナダとメキシコとの商品・サービス貿易の増加させたと認める一方、AFL-CIOは、その間に協定によってメキシコに70万人のアメリカの製造業の雇用を移転させた非難している[58]

カリフォルニア大学サンディエゴ校のゴードン・ハンソン教授は、NAFTAが米国の中国との競争を支援し、米国の雇用を救ったと語った.[59][60]。[64] [65] NAFTAの結果としていくつかの雇用はメキシコに移転したが、NAFTAがなかったら、より多くが中国に移転したであろう.[59][60]

貿易収支

2009年に、米国はNAFTA諸国とサービス貿易で283億ドルの黒字、2010年には946億ドル(対前年36.4%増)の貿易赤字を抱えていた。この貿易赤字は米国の商品貿易赤字全体の26.8%を占めた[61]。国際関係センターによって出版された国際貿易に関する2018年の研究は、ネットワーク理論分析技術を用いてNAFTA生態系の貿易パターンの不規則性を明らかにした。この調査は、米国の貿易収支がアイルランドで提供されている減税機会の影響を受けることを示した[62]

2008年にアメリカ農業経済ジャーナル誌に発表された研究は、NAFTAが、メキシコとカナダへの米国の農産物輸出を増加させたのは、その大部分が批准の10年後に起こっていることを示した。この研究は、NAFTAを含む地域貿易協定の段階的な移行期間が貿易の流れに与える影響に焦点を当てたものである。最近、世界貿易機関(WTO)の規律の対象となった加盟国の農業貿易の増加の大半は、NAFTAや他の地域貿易協定の締結の前に非常に高い貿易障壁があったためであった[63]

投資

米国のNAFTA諸国への対外直接投資の累積値は、(最新のデータが利用可能な)2009年において 3275億ドルとなり、2008年比で8.8%増加した。 NAFTAの国における米国直接投資は、ノンバンク持株会社、製造業、金融 / 保険及び鉱業部門である。カナダとメキシコ の米国への対外直接投資は、対外直接投資の累積値は、(最新のデータが利用可能な)2009年において 2372億ドルとなり、2008年比で16.5%増加した[61][64]

経済と雇用

議会調査局(CRS)は、2017年5月24日の報告書で、NAFTAの米国経済への経済的影響はあまり多くないと書いている。2015年の報告では、議会調査局は、次のように複数の研究を要約した。「現実には、NAFTAは、反対派が恐れた大規模な雇用の喪失も支持者が予測した大規模な経済的も引き起こさなかった。米国経済へのNAFTAのネットとしての全体的な影響は、カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPのわずかな割合であることが主な理由で、比較的軽微である。しかし、3カ国の経済において貿易と投資をより自由化したためを雇用と企業の調整費用が発生した」[65]:2

多くのアメリカの中小企業は、NAFTAの下でカナダやメキシコに製品を輸出することに依存しています。米貿易代表部(USTR)によると、この貿易は米国内の 14万社以上の中小企業を支援している.[66]

カリフォルニア大学バークレー校のブラッド・デロング経済学教授によると、NAFTAは米国の製造業に軽微な影響を与えた[67] [67] 。デロングとハーバー大の経済学者のダニ・ロヅリックによると、米国の政治的議論において、製造業への悪影響は誇張されている].[68]

ジェフ・フェイクが2013年に経済政策研究に発表した記事によると、経済政策研究所、カリフォルニア州、テキサス州、ミシガン州および製造業の雇用の割合の高い他の州で最もNAFTAによる雇用喪失の影響を受けた[69] 。EPIエコノミストロバート・スコットによる2011年の記事によると、貿易協定の結果、682,900件の米国の雇用が「失われ、又は移転」した[70] より最近の研究では、NAFTAが、自動化による製造業の雇用の損失の87%に相当する製造雇用への影響を与えたことを議会調査局の報告に同意し、説明しています[71]

環境

国際経済ジャーナ誌の研究によると、NAFTAは、米国の製造業から放出された汚染を削減した。「PMの削減の平均して、ほぼ三分の二及びSO 2排出削減がNAFTAに続く貿易自由化に起因する可能性がある」と述べている[72]

シエラクラブによると、NAFTAは大規模な輸出志向の農業を助長し、化石燃料、農薬、GMOの使用が増加した。[73] 。NAFTAはまた、メキシコの環境破壊的鉱業活動を助長し、[73] カナダがタールサンド産業を効果的に規制するのを妨げ、多国籍企業が環境法制と戦うための新たな法的手段を作り出した。.[73]場合によっては、貿易自由化の結果、環境政策が無視された。NAFTAの第11章などの投資保護措置や非関税貿易障壁に対する措置は、より厳しい環境政策を妨げる恐れがある。NAFTAによる汚染の最も深刻な増加は、米国およびメキシコの卑金属部門、メキシコ石油部門、および輸送機器部門で見られたが、カナダでは見られなかった[74]

人材の流動性

2006年度の国土安全保障省による移民統計(2005年10月から2006年9月まで)によれば、NAFTAのもと、73880人の外国人専門家(64633人のカナダ人と9247人のメキシコ人)がアメリカへの一時入国を許可(つまり、TN status、Trade NAFTA statusの状態にある)された。さらに、彼らの家族17321人(13136人のカナダ人、2904人のメキシコ人とカナダ人やメキシコ人と結婚した第三国人の合計)が条約が定める国家の規定(TD status、treaty national's dependent status)により、アメリカに入国した.[75] 。国土安全保障省は新設されたI-94の記録を国境でとっており、TN-1の許可申請には3年かかるため、アメリカで今年度末にTN statusの状態にある非移民の数は、認可が下りた数とおよそ同数である(数字が食い違っているのは、一部のTN入国者が出国したか、3年が経過する前の期限切れによるステータスの変更、以前に移住の許可を認められた移民のTNまたはTDへのステータスの変更、または以前にTNステータスが与えられていた者が期間の延長が認められたことが原因かもしれない)。

国際移住機関によると、移住者の死亡者は世界的に増加しており、.[76] 2016年には5,604人の死者を出している。カリフォルニア州における正規書類のない農家労働者の増加は、NAFTA による当初の入国によるものとすることができるA[77]

批判と論争

1992年米国大統領候補ロス・ペロー

1992年の第2次大統領討論では、ロス・ペローは次のように主張した。

私たちは海外への雇用の移転をやめなければなりません。それはかなりシンプルです:あなたが工場労働者のために1時間に12ドル、13ドル、14ドルを払っていて、工場を国境の南に移動させ、労働に1時間1ドルを払うことができれば...医療費は一切かかりません環境をコントロールしたり、汚染防止や退職給付をせず、お金を稼ぐことだけは気にせず、南に向かう巨大な吸音音が出ます。

... [メキシコの]仕事が1時間に1時間から6ドルに上がったとき、私たちは1時間に6ドルに下がり、平準化されました。しかしその間に、あなたはこれらの種類の取引で国を破壊しました[78]

ペローは最終的に選挙を失い、勝者ビルクリントンは1994年1月1日に発効したNAFTAを支持した。

法的紛争

1996年、ガソリンの添加剤であるMMTがアメリカの企業のエチル社によってカナダに持ち込まれた。そのとき、カナダの連邦政府は添加剤の輸入を禁止していた。アメリカの企業は国内貿易協定(Agreement on Internal Trade、AIT)のもと、NAFTAの第11章を利用してカナダ政府と自治体に2億100万ドルを請求する訴訟を起こそうとした[79] [80]。アメリカの企業は、添加剤はいかなる健康危険とも関連性がないと主張し、規制は企業活動に打撃を与えていると主張した。カナダ連邦政府は規制がAITに違反することがわかると[81]規制を改正し、アメリカ企業と1300万ドルで和解した[82]。カナダ保健厚生省(現在のカナダ保健省)が調査したMMTが健康に与える研究によると、これらの排気物質の曝露に伴う健康に与えるいかなる著しい影響も見つからなかった。他のカナダの研究者とアメリカ合衆国環境保護庁はカナダ保健省の研究結果に同意せず、神経に損傷を与える可能性があるという研究結果を発表した[83]

米国とカナダは、カナダの針葉樹輸入に対する米国の27%の関税に対して何年も前から議論してきた。カナダは、関税を軽減のために多くの申立てを提出し、徴収された関税はカナダ側に還付された[84]。米国がNAFTAパネルに対する上訴の機会を失った後、米国合衆国通商代表部のニック・リフトソン報道官はロブ・ポートマン代表の談話として「我々は、もちろん、NAFTAパネルの決定に失望しているが、反ダンピング関税及び相殺関税発動への影響はない。」と語った[85]。2006年7月、アメリカ合衆国国際通商裁判所は、関税の導入がアメリカ合衆国連邦法に反しているという判決を下した[86][87]

収益投資信託課税における変更 。公用徴収ではない

2007年10月30日、アメリカのマーヴィンとエレイン・ゴッティーブ(Marvin and Elaine Gottlieb)はNAFTAのもと、エネルギー部門における収益投資信託に対する課税率の変更について、保守党政権による前年の決定によって何千ものアメリカの投資家が総計50億ドルの損失を出したとして訴訟を起こすつもりであると通知した。2009年4月29日、租税法におけるこの変更は公用徴収ではないという決定がなされた[88]

メキシコの農家への影響

いくつかの研究は、貧しいトウモロコシ農家の収入を抑制についてのNAFTAの責任を否定している。この傾向は、NAFTAが存在する前の10年以上にわたって存在していた。また、1994年以降、トウモロコシの生産量が増加し、メキシコのトウモロコシの価格には、補助金を受けたトウモロコシの米国から輸入による測定可能な影響はなかった。この研究は、米国の農業補助金の廃止がメキシコの農家にとって有益であることに合意した[89]


サパティスタ民族解放軍のチアパス州での蜂起 メキシコ

詳細は「サパティスタ民族解放軍」を参照 NAFTAの規定にはエミリアーノ・サパタが主導した1910年から1919年の革命の記念碑的存在だったメキシコの憲法27条の廃止が含まれていた。歴史的な27条によって、先住民の共用地は売却や私有化から守られていた。しかしNAFTAによって、この保証は投資する際の障壁であると定義された。27条の廃止によって、先住民族は彼らに残された土地の喪失の脅威にさらされ、またアメリカからの安い輸入品が洪水のように押し寄せた。こうして、サパティスタたちはNAFTAが先住民族に対する「死刑宣告」であるとみなすようになった。NAFTAが発効した1994年1月1日にサパティスタ民族解放軍はメキシコ国家との戦争を宣言した。[93]

第11章

もうひとつの議論となっている問題はNAFTAの第11章に含まれる投資家対国家の紛争解決の義務である[90]。第11章は、メキシコ、カナダまたはアメリカの政府(又は国際法上責任ある何者か、例えば県、州や自治政府など)が国際法に反した行動をとったとき、企業又は個人が賠償のために提訴することを認めている[91]

この章は重要な社会問題や環境問題を考慮していないことを含む様々な理由から、アメリカ[92]、メキシコ[93]とカナダ[94]の団体によって批判されている。[95]カナダでは、カナダ評議会(the Council of Canadians)を含む一部の団体が、11章の合憲性をめぐり、争った。彼らは一審では敗れたが、その後控訴した[96]

カナダのメタネックス社(Methanex Corporation)は、カリフォルニア州の州内の多くの井戸を汚染した物質であるメチルターシャリー-ブチルエーテル(MTBE)がカリフォルニア州での禁止によりメタノール販売に損害をあったとして、米国に対して9億7,000万ドルの訴訟を提起した。請求は次の理由により棄却され、同社は3万ドルの訴訟費用の支払いを命じられた。「しかし、一般国際法の問題として、一般的公共目的のための非差別規制で正当な手続きに従って制定され、外国投資家や投資に影響を与えるものは、政府がそのような規制の対象になる投資を検討している外国人投資家に規制当局から特別な約束が与えられていない限りは、外国人投資家または投資は、弁済可能で補償可能とはみなされない。」[97]

他のケースでは、アメリカのメタルクラド社は、メキシコのサン・ルイス・ポトシ州グアダルセサルに建設しようとした有害廃棄物の処理施設の建設許可申請をメキシコの自治政府が却下した後、メキシコから1560万ドルを受け取った。この建設は様々な環境保護のために必要な条件を提示していた連邦政府によって既に承認されていた(判決文の第48パラグラフを参照)。NAFTAパネルは、自治州が環境に対する懸念の論拠に基づいて建設を禁止する権限を持っていなかったことを認定した[98]

イーライリリー社対カナダ政府の事件[99]では、カナダの医薬品特許法における有用性を要求する方法にめぐって5億ドルを請求した[100]。 アポテックスは、FDAのジェネリック医薬品の決定で失われたという機会を理由に、米国に対して5億2,200万ドルの訴訟を起こしている[100]

ローンパイン・リソース社対カナダ政府の事件では、ケベック州がセントローレンス水路の下での探査を妨害しようとしているため、「恣意的で変わりやすく違法な」行為と非難してカナダ政府に2億5000万ドルを請求した。ローン・パインの弁護士、ミロス・バルトキスキー氏は、彼の顧客の描写を「健康、安全、環境を規制するもう一つの挑発的な多国籍の挑戦的な政府の能力」と批判した。

ローンパインリソースはデラウェア州で設立され、カルガリーに本社を置き[101]、2011年5月25日に、ニューヨーク証券取引所で新規株式公開(IPO)を行い、1500万株を1株13ドルで売り出し、195万ドルを調達した[102]

Barutciski[101]は、「NAFTA及び他の投資家保護条約は、ケベック州の同じ法律によって廃止された許可を認めているカナダの企業は、補償を支払うことを明示的に禁じているが、憲法が財産権を州の手に置いているため、この場合の国内法人に対するカナダ裁判所の補償はより困難になる」と述べた[101]。]

中国との条約では、国有企業を含む、中国の投資家に同様の権利を拡張している[101]

第19章

NAFTAの第19章は、従来の司法審査の代わりに、またはこれに加えて、反ダンピングおよび相殺関税(AD / CVD)の決定を二国間審査に委ねる貿易紛争の仕組みである[103]。]例えば、米国では、アンチダンピングと相殺関税を課す機関の意思決定の見直しは、第3条裁判所[注釈 1]である合衆国国際貿易裁判所で行われる。しかし、NAFTA締約国は、2つの関連するNAFTA諸国の5人の市民からなる二国間パネルに決定を訴える選択肢を有する。[112]パネリストは、一般的に国際貿易法で経験のある弁護士です。NAFTAにはAD / CVDに関する実質的な規定が含まれていないため、AD / CVDに関わる最終的な機関決定が国内法に準拠しているかどうかを決定する義務がある。第19章は、国際法を適用するのではなく、多くの国の個人からなるパネルがある国の国内法の適用を再検討する必要としていており、国際紛争解決として通常のものではない。

第19章パネルは、当局の決定が「実質的な証拠」によって支持されているかどうかを検討することが期待されている。この基準は、国内機関に重大な服従を前提としています。米国とカナダの針葉樹の紛争など、近年最も論争の的になっている貿易紛争のいくつかは、第19章パネルの前に訴訟されている。

第19章パネルによる決定に不服がある場合はNAFTA例外的異議申立委員会に異議を申し立てることができる。しかしながら、例外的異議申立委員会は通常控訴としては機能しない。NAFTAのもとでは、NAFTA紛争解決機関が整合性を脅かす重要なまた具体的な錯誤を含む決定が下された場合のみ、判決が無効にまたは差し戻される。2006年1月以降、例外的異議申立委員会に異議を申し立てる前に、第19章パネルが下した決定に異議を申し立てて成功した例はない。

2016年の大統領候補からの批判

2015年9月の60分のインタビューで、2016年の大統領選挙の候補者 ドナルド・トランプは、NAFTAを「これまでに米国が締結した単一で最悪貿易協定」と呼び[104] 、選出された場合、「再交渉又は廃棄する」と発言した[105][106] 。貿易グループのエンプレサ調整協議会の会長のフアン・パブロ・カスタノンは、再交渉や自動車産業に集中する意欲に懸念を表明しました。[107]多くの貿易の専門家は、NAFTAからの脱退は最大の輸出市場へのアクセスの減少、経済成長の低下、ガソリン、自動車、果物及び野菜の価格の高騰を含む、米国に意図しない影響を及ぼすと発言している[108] 。メキシコの民間イニシアチブのメンバーは、NAFTAを廃止するために、多くの法律が米国議会によって改正されなければならないと指摘した。この動きは、最終的には世界貿易機関の法的紛争につながるだろう[107] 。[116]ワシントンポスト紙は、、議会調査機関による学術文献のレビューでは、「カナダとメキシコとの貿易が米国のGDPのわずかな割合を占めていることを主な理由として、NAFTAの米国経済全体に対する正味の効果は比較的小さいと思われる」と指摘した[35]

民主党のバーニー・サンダース候補は、環太平洋パートナーシップ協定に反対して「NAFTA、CAFTAのような他の悲惨な貿易協定や、中国との通常貿易関係の継続」と述べた。彼は、自由貿易協定がアメリカの雇用を失い、アメリカの賃金を押し下げると考えている。サンダーズは、アメリカが中国や他の地域にアウトソーシングするよりも、アメリカの労働者のための賃金の高い仕事のためにアメリカの工場を使って製造拠点を再建する必要があると言った。[109][110][111]

トランプ政権の方針

再交渉

Chrystia Freeland, Luis Videgaray Caso and Rex Tillerson in Mexico City in 2018.

米大統領ドナルド・トランプは選挙直後に、彼が選挙運動の争点としていた貿易問題を解決するために、NAFTAの条件の再交渉を開始すると発言した[112] 。カナダとメキシコの指導者は、トランプ政権と協力する意思を示している。NAFTAの再交渉への条件は正確な言葉をあいまいにしているが、交渉が失敗すれば、トランプはNAFTAを脱退すると脅した[113]

2017年7月、トランプ政権はNAFTAに対する変更の詳細なリストを提示しました.[114]最優先事項は、米国の貿易赤字の縮小であった。[114][115]政権はまた、カナダとメキシコに米国が課した関税を訴え、カナダとメキシコに対して輸入制限を課すことを制限した条項の廃止を求めた[114] 。このリストには補助金を受けた国有企業及び通貨操作についても含んでいた[114][116]

米国通商代表で表明した補助金を受けた国有企業及び通貨操作は、カナダやメキシコには当てはまらず、北米以外の国にメッセージを送るように意図されている。[123]ピーターソン国際経済研究所のジェフリー・ショットは、リスト上のすべての懸念に対処しながら、すぐに再交渉を締結することはできないと指摘した。[125]また、貿易赤字については何かするのは難しいと述べた。

ピーターソン国際経済研究所のチャド・ボーン氏によると、トランプ政権のリストは、「保護主義を好み、貿易障壁を好むという大統領の姿勢と非常に一致しているので、これは多くの点でNAFTAを自由貿易協定でないものにする。」[114] 。米国通商代表で表明した補助金を受けた国有企業及び通貨操作は、カナダやメキシコには当てはまらず、北米以外の国にメッセージを送るように意図されている[114]。 Jーターソン国際経済研究所のジェフリー・ショットは、リスト上のすべての懸念に対処しながら、すぐに再交渉を締結することはできないと指摘しました[116] 。また、貿易赤字については何かするのは難しいと述べた[116]

2017年10月にトロントのグローブアンドメール紙に掲載された、米国が協定の再交渉を望んでいたのか又は何であれそれから遠ざかるように計画されていたかは、どうかは大規模な米国の石炭事業であるアライアンスリソースパートナーのオーナーであるケリーナイトクラフトが新任のアメリカ大使に指名されたことに表されている。カナダは炭素計画を実施しており、ボンバルディア・ジェットの売却の問題もある。 「米国はワシントンで先週の和解に非常に多くの毒薬を挿入し、殺人罪で起訴されるべきだった」とコラムニストのジョン・イビットソン氏は書いている[117]

「米政府が提案しているいくつかの提案は、米国の企業や農業界からの支援がほとんどまたはまったくない。彼らが誰に利益をもたらすのかは明確ではない」とジョン・マーフィー米国商工会議所副会頭は述べた[118]。カンザス州選出のパット・ロバーツ上院議員カンザスは、トランプの反NAFTAの動きに対する抗議を呼びかけ「問題は本当の仕事、現実の生活と現実の人々に影響を与える」と言ました。カンザス州は主要な農業輸出国であり、農場グループは、NAFTAを離れることを脅かすだけでは、買い手が米国以外の情報源を探すことによって不確実性を最小限に抑える可能性があることを警告している[118]

第4回会談での、米国が3カ国が協定を継続することに同意しない限り、5年間で協定を終了するサンセット条項の要求について、ウィルバーロス米商務長官は、これが成立しないなら協定の合意はないと述べた。カナダのジャスティン・トルドー首相は、トランプが協定から脱退した場合、協定による改正を元に戻す法的措置を議会がとる必要があるので下院歳入委員会と会談した[119]

2018年6月から8月の終わりまで、米国とメキシコが二国間協議を行っていたためにカナダは協議から除外された[120]。2018年8月27日に、メキシコと米国は、米国での自動車生産を促進する条項[121]、製薬会社、特に高価な生物製剤の米国の製造業者に利益をもたらす製品の拡大リストについてのジェネリック医薬品に対する10年間のデータ保護期間、サンセット条項 - 16年間の有効期限で定期的に6年間の見直しを行い、追加の16年間の協定を更新することができる規定及びオンライン取引におけるメキシコの関税及び消費税の免税限度を50ドルから100ドルに引き上げること[122][123]を含む改定されたNAFTAの貿易取引について二国間での合意に達したと発表した。エコノミスト誌の8月30日の記事によると、メキシコは原産地規則の基準を引き上げることに合意した。これは、関税を回避するためには、自動車部品の北米で作られなければならない割合を前回の62.5%に対して、75%とすることを意味する。自動車メーカーは現在、アジアからの安価な部分品を輸入しているので、改訂された協定の下で、消費者は車のためのより多くを支払うことになります[124][125]。同様に、メキシコの自動車製造工場で労働者が平均して稼いでいる現行の2.30ドルとは対照的に、1時間当たり最低16ドルの労働者が自動車部品の約40〜45%を製造しなければならないとなった[125][124]。エコノミスト誌は、これを「メキシコの自動車製造をストライキジャケットに入れる」と述べた。[124]

カナダのトルドー首相とクリスティアフリータンド外務大臣は、カナダの利益になる場合、同協定に加わる意思があると発表した[126] 。フリーランドは、8月最後のワシントンでの交渉を行うため予定されたヨーロッパへの外交訪問をウクライナ訪問を中止して早めに切り上げ、ヨーロッパから戻った[127] オタワシチズン紙に掲載の8月31日のカナダプレスによると、議論の中の主要な問題は、供給管理、第19章、医薬品、文化免除、サンセット条項及び最小限の閾値を含んでいた[123]

9月1日に、ドナルド・トランプ大統領は、カカナダが要求に応えない限り、新たな貿易協定からナダを除外するとカナダに警告したが、トランプ政権が議会の承認なしにそうする権限を持っているかどうかは不明である[128]:34-6[129][130][131]議会調査局報告書(2017年に出版されたものと2018年7月26日に出版されたもの)によれば、NAFTAに実質的な変更の実施される前に、トランプ大統領によって議会の承認が確保されなければならない。[128]:34-6[132]

カナダと米国の交渉の期限の2018年9月30日に、トランプ政権が議会に協定を提出したときの三国協定の維持する両国間の予備的な合意がが達成された[133]。協定の新しい名称は「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)となる[134]

NAFTAからの脱退の影響

ドナルド・トランプ氏の大統領選挙後、多くの貿易専門家たちは、トランプ氏が提案したようにNAFTAから脱退することは、米国最大の輸出市場へのアクセスの減少、経済成長の低下、ガソリン、自動車、果物、野菜の価格が上昇するであろうと発言した。[13]最悪の影響を受ける分野は、繊維、農業、自動車であろう。[ 14]

Tufts大学の政治学者、ダニエル W. ドリツナーによると、メキシコとの関係をNAFTA以前の時代に戻そうとするトランプ政権の願望は誤っている。ドリツナーは、NAFTAがメキシコが真の民主主義に変身し、北米と見なす国になることを容易にしたと主張する。トランプがメキシコとの脅威の多くに作用すれば、メキシコ人が南アメリカのいくつかの国々のように、左派の人民軍に対抗することは想像もできない。最低でも、国境警備、テロ対策、薬物戦争、追放、中米移住の管理に悪影響を及ぼし、米国とメキシコの関係が悪化することになる[53]

チャド・ポーン(国際経済学研究所のシニアフェロー)によれば、「貿易障壁を再確立する再交渉されたNAFTA は、原因にかかわらず雇用を失った労働者を新しい雇用機会を利用するように支援するとは考えにくい。」[135]

ハーバードの経済学者の、マーク・メリッツによると、「最近の調査では、NAFTAの廃止が米国の自動車生産を増やすことはないと推定されている。」[7] 。 メリッツは、これは製造業の仕事を犠牲にすると指摘している[7]

環太平洋パートナーシップ協定

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効した場合、NAFTAなどの既存の協定は、TPPと矛盾しない、又はTPPよりも貿易自由化の程度の高い条項に縮小される[136]。しかし、2017年1月に、トランプ米国大統領がTPPから脱退したため、カナダとメキシコのみがTPPに加盟する見通しである。2017年5月にカナダ及びメキシコを含むTPPの残りの11のメンバーは、米国の参加なしに貿易協定の改定を進めることに同意した[137]

NAFTAに対するアメリカの世論

アメリカの国民は、北米自由貿易協定(NAFTA)に対する見解に大きく分かれており、信念の中に幅広い党派間格差があります。2018年2月のギャラップ投票で、アメリカ人の48%がNAFTAが米国に良いと答えており、46%が悪いと答えた[138]

アメリカ法律とビジネスレビュー(LBRA)の記事によると、NAFTAの米国の世論は、3つの問題を中心に形成されている、それは:アメリカの雇用の創設又は喪失に対するNAFTAの影響、環境へのNAFTAの影響、および米国への移民に対するNAFTAの影響である[139]

2016年のトランプ大統領の選挙後、NAFTAへの支持は共和党と民主党の間で非常に分極化した。ドナルドトランプは、「これまでに米国が締結した単一で最悪貿易協定」と呼び否定的な見解を示した[140]。共和党支持者のNAFTA支持は2008年の43%から2017年に34%に減少し、民主党党支持者のNAFTA支持は2008年の41%から2017年に71%にと増加した[141]

メキシコとの自由貿易に関する見解についての懸念において特に、政治格差は大きい。カナダとの自由貿易については、米国の79%が公正貿易パートナーとする見方とは対照的に、メキシコが公正貿易のパートナーであると考えているのは47%に過ぎない。この格差は民主党と共和党の間で広がっている。メキシコが公正取引を実践していると民主党員の60%が信じているが共和党員ではわずか28%がそうであると信じている。これは、シカゴ・カウンシル・サーベイによって記録された民主党の最高レベルであり、共和党の最低レベルである。共和党員は、公正な貿易相手国としてカナダを民主党よりも否定的に見ている[141]

NAFTAは、若いアメリカ人から強い支持を得ている。2017年2月のギャラップ調査では、18〜29歳のアメリカ人の73%が、NAFTAが米国にとって優れており、他の米国の年齢層より高い支持を示していると言っている[138]。また、雇用されているアメリカ人よりも失業者の方が若干強い支持を得ている[142]。NAFTAの問題は依然として主に分裂的な問題のままである。

注釈

  1. ^ 米国において連邦裁判所には合衆国憲法第3条の司法権に基づく裁判所とそれ以外に議会が憲法第1条の立法権限に基づく裁判所がある。

脚注

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関連項目

参考文献

外部リンク