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「コスタ・コンコルディアの座礁事故」の版間の差分

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{{現在進行|date=2012年1月}}
[[File:Collision of Costa Concordia DSC4191.jpg|thumb|座礁し、浸水したコスタ・コンコルディア]]
{{Infobox 事故
'''コスタ・コンコルディアの座礁事故'''(コスタ・コンコルディアのざしょうじこ)は、[[2012年]][[1月13日]]に、[[コスタ・クルーズ]]が所有するクルーズ客船、[[コスタ・コンコルディア]]が、イタリアのジリオ島付近にある浅瀬で座礁し、その後浸水した事故。
|image = [[ファイル:Collision of Costa Concordia DSC4191.jpg|270px]]
|caption = 座礁し、浸水・横転したコスタ・コンコルディア
|date = [[2011年]][[1月13日]]
|time = 21時42分 (UTC)
|place = {{ITA}}<br/>[[トスカーナ州]]沖[[ジリオ島]]付近
|casualties1 = 死者:11人
|casualties2 = 負傷者:60人
|casualties3 = 行方不明者:29人
}}
[[ファイル:Location of Costa Concordia cruise-ship disaster (13-1-2012).png|thumb|right|275px|ジリオ島付近の座礁地点<br />{{coord|42.36486|N|10.92124|E}}]]
[[ファイル:Costa Concordia map 13-1-2012.png|thumb|right|275px|座標までの進路<br />右下に見える青色の実線から左手に伸びる青色の破線が所定の[[航路]](本来の進路)、オレンジ色の破線が実際に本船がたどった進路。]]
[[ファイル:Costa Concordia map (2) 13-1-2012.png|thumb|right|100px|座礁地点周辺の深さを表した地図。]]

'''コスタ・コンコルディアの座礁事故'''(コスタ・コンコルディアのざしょうじこ)とは、[[2012年]][[1月13日]]、[[コスタ・クルーズ]]所有の[[クルーズ客船]][[コスタ・コンコルディア]]が、[[イタリア]]の[[イーゾラ・デル・ジリオ|ジリオ島]]付近にある浅瀬で[[座礁]]し、浸水・転覆した[[海難事故]]である。


== 事故の概要 ==
== 事故の概要 ==
[[2012年]][[1月13日]](金曜日)の午後9時42分頃(現地時間)<ref>[http://mainichi.jp/select/world/news/20120117dde007030045000c.html 「イタリア:豪華客船座礁 子を押しのけ、はしご殺到 救出の観光客女性証言」] 毎日新聞 2012年1月17日閲覧</ref>、[[イタリア]]の[[チビタベッキア]]港を出港して同国[[サヴォナ]]港へ向かう予定の<ref name="スポニチ">[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/01/14/kiji/K20120114002430020.html 「イタリアの豪華客船座礁、3人死亡14人けが」] スポーツニッポン 2012年1月15日閲覧</ref>[[コスタ・コンコルディア]]は、[[トスカーナ州]]沖合の[[ジリオ島]]付近の浅瀬に乗り上げて座礁する。
[[File:Location of Costa Concordia cruise-ship disaster (13-1-2012).png|thumb|left|ジリオ島付近の座礁地点<br/>{{coord|42.36486|N|10.92124|E}}]]


事故が起きたのは、[[1912年]][[4月14日]]に起きた[[タイタニック (客船)|タイタニック号]]の事故からちょうど100年目で、同じ客船の海難事故からも、事故をタイタニック号に例える乗客が少なくなかった。同船には、タイタニック号犠牲者の遺族も乗船していた<ref>[http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20120118-OHT1T00272.htm 座礁のイタリア豪華客船にタイタニック遺族] スポーツ報知 2012年1月19日閲覧</ref>。さらに、1月19日には、座礁当時、船のレストランでBGMとして映画[[タイタニック (映画)|タイタニック]]の[[セリーヌ・ディオン]]による主題歌「[[マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン]]」が流れていたことが[[スイス人]]乗客により判明した<ref name="タイタニック主題歌">[http://www.daily.co.jp/society/main/2012/01/20/0004755493.shtml 座礁事故時にタイタニックの曲 伊豪華客船のレストラン] デイリースポーツ 2012年1月20日閲覧</ref>。また、事故が起きた日は、ちょうど[[13日の金曜日]]であった。
[[2012年]][[1月13日]]午後9時半頃(現地時間)、[[イタリア]]の[[チビタベッキア]]港を出港し、同国[[サヴォナ]]港へ向かう予定だった<ref name="スポニチ">[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/01/14/kiji/K20120114002430020.html]2012年1月15日 スポーツニッポン「イタリアの豪華客船座礁、3人死亡14人けが」</ref>[[コスタ・コンコルディア]]が、[[トスカーナ州]]沖合の[[ジリオ島]]付近の浅瀬に乗り上げ、座礁した。


原因は不明ながら、地元イタリアの船乗りが陸の人に対して行う[[挨拶]]の[[風習]]である「インキーノ([[wikt:en:inchino|inchino]]、[[お辞儀]])」がジリオ島住民に対して恒例化していたことにあると声も挙がっている<ref name="産経新聞">[http://sankei.jp.msn.com/world/news/120118/erp12011801330001-n1.htm 救命ボート、先に乗員 ずさんな避難対応にあきれ] 産経新聞 2012年1月18日閲覧</ref>。ジリオ島のオルテッリ市長によると、島付近を通るクルーズ船の多くは、[[サイレン]]を鳴らして島民に挨拶をしていたらしく、照明された船を陸地から見るのは素晴らしいショーであったということである。しかし、1月15日にこの発言を訂正し、「コスタ社の船長の中には、ジリオ島に住んでいる引退したかつての同僚たちに『敬意を払う』人もいるが、それが行われるのは常に『安全な条件』の場合だけだった」と述べている<ref name="原因" />。
同船は、[[イタリア]]の[[チビタベッキア]]発着の7日間西地中海クルーズの途中で、同国[[サヴォナ]]、フランスの[[マルセイユ]]、スペインの[[バルセロナ]]、[[パルマ・デ・マヨルカ]]、チュニジアの[[チュニス]]、イタリアの[[パレルモ]]に寄港する予定<ref>[http://www.webcitation.org/64hKJC69k]2012年1月15日観覧 「Italians launch rescue bid after cruise liner runs aground」</ref>だった。事故発生は、出航日の夜。


船の航路は、全て[[チビタベッキア]]港を出港する前にコンピューターに設定されており、島へあれほど近づくはずはなく、船長が会社側に連絡せずに進路変更したとピア・ルイジ・フォッシ会長が1月16日に語った<ref name="死者6人に">[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXXIOK0YHQ0X01.html イタリア客船事故:運航会社が船長の判断に疑問呈す-死者は6人に] ブルームバーグ・ジャパン 2012年1月17日閲覧</ref>。船長は、「同島出身の給仕長のために島に近づいた」と語った。給仕長は1月13日の夜に突然。船長にデッキへ呼ばれ、「見ろ、君のジリオ島だよ」と言われたという<ref name="給仕長">[http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011601001905.html 「伊客船は給仕長のため島接近か 座礁は船長の責任とCEO」] 共同通信47News 2012年1月16日閲覧。</ref>。給仕長が「島に近づきすぎている」と反論した直後に事故が起こったという。また、ジリオ島在住の給仕長の妹が、「間もなく、コスタ・コンコルディアがとても近くを通過する」「サボナへ向かう私の兄に挨拶しなきゃ」などと[[フェイスブック]]に綴っていたことも判明している。給仕長の父親は、「客船は毎週航行しているが、息子が島に船を近づけるように頼んだことは、今回を含めて一度もない」とコメントした。給仕長は、事故原因が自分にあることを知り、ショックを受けていた<ref name="給仕長ショック">[http://www.j-cast.com/2012/01/17119102.html 「もうすぐ船が島のすぐ近くを通る」 フェイスブックで「暴露」された事故原因] J-CAST 2012年1月18日閲覧</ref>。
17時48分(UTC)同船のラ・レプブリカ船長は、海図によると岩から300m離れており、安全上問題なかったと発表<ref>[http://firenze.repubblica.it/cronaca/2012/01/14/news/la_nave_ha_urtato_uno_scoglio_il_comandante_non_era_sulla_carta-28110947/]2012年1月14日 「Arrestato il comandante della Concordia contestato anche l'abbandono di nave」</ref>した。


後に船長が語った話によると、以前にも3、4回同ルートを通ったことがあり、今回は転進を指示するのが遅れたという<ref name="船長認める" />。
座礁時に、同船には日本人43人、イタリア人989人、ドイツ人569人、フランス人462人などを含む<ref name="スポニチ" />約3,200人(定員4,200人)の乗客が乗っており、乗組員も約1,000人乗っていた<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/30005270.html]2012年1月14日 CNN.com「イタリア沖で大型客船が座礁、死者も 乗客乗員4千人超」</ref>。


同船は[[イタリア]]の[[チビタベッキア]]発着の7日間西地中海クルーズの途中で、同国[[サヴォナ]]、[[フランス]]の[[マルセイユ]]、[[スペイン]]の[[バルセロナ]]、[[パルマ・デ・マヨルカ]]、フランスの[[カリアリ]]、イタリアの[[パレルモ]]に寄港する予定<ref>[http://www.webcitation.org/64hKJC69k Italians launch rescue bid after cruise liner runs aground] The Guardian 2012年1月15日閲覧。</ref>で、事故発生は出航日の夕食時である。
== 避難 ==


その後、座礁から約1時間後に警報がならされた<ref name="対応批判" />が、乗組員はSOS海難信号を出していなかったことが明らかになっており、港の管制施設と船とが連絡をとったのも、地上オペレーターであった<ref name="船長" />。また、携帯電話で警察に通報したのも乗客であった<ref name="処置" />。
[[画像:Collision of Costa Concordia 11.jpg|thumb|救命ボートと傾いたコスタ・コンコルディア]]
船から避難する準備ができるまで、約45分かかったとされ、対応の悪さに批判的な意見が相次いでいる。一部の乗客は、避難が始まる前に冷温の海へ飛び込み、その結果多数の溺死者などが出た。


17時48分(UTC)レプブリカは、同船のスケッティーノ船長が、海図によると岩から300m離れていて安全上問題なかったと語っていることを発表する<ref>[http://firenze.repubblica.it/cronaca/2012/01/14/news/la_nave_ha_urtato_uno_scoglio_il_comandante_non_era_sulla_carta-28110947/ Le accuse al comandante della Concordiab "La nave troppo vicina all'isola" ] ラ・リパブリカ 2012年1月14日閲覧。</ref>。しかし、通常は、3〜5㎞ほど沖合を通っていたという<ref name="原因">[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851074/8308349?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics イタリア・クルーズ船座礁、島への「ごあいさつ」が原因か] AFP BB News 2012年1月16日閲覧。</ref>。
== 脚注 ==

<references/>
同船には座礁時、[[イタリア人]]989人、[[ドイツ人]]569人、[[フランス人]]462人、[[スペイン人]]177人、アメリカ人126人、[[クロアチア人]]127人、ロシア人108人、[[オーストリア人]]74人、[[スイス人]]69人、[[イギリス人]]25人、[[オーストラリア人]]21人、[[アルゼンチン人]]17人、[[台湾人]]13人、[[カナダ人]]12人、[[中国人]]38人(うち[[香港]]から26人)[[ポルトガル人]]11人、[[コロンビア人]]10人、[[チリ人]]10人、[[トルコ人]]9人および、[[日本人]]43人、その他を含む<ref name="スポニチ" /><ref>[http://japanese.ruvr.ru/2012/01/15/63884159.html 「コスタ・コンコルディア」号 3名のロシア人が被害に] The Voice of Russia 日本語版 2012年1月16日閲覧</ref><ref>[http://www.buenosairesherald.com/article/89886/18-argentines-travelling-on-italy-cruise-ship-safe-and-sound 18 Argentines travelling on Italy cruise ship 'safe and sound'] Buenos Aires Herald 2012年1月20日閲覧</ref>3,276人(定員4,200人)の乗客と、約1,023人の乗組員<ref name="CNN">[http://www.cnn.co.jp/world/30005270.html イタリア沖で大型客船が座礁、死者も 乗客乗員4千人超] CNN日本語版 2012年1月14日閲覧。</ref><ref name="乗組員">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE80H01R20120118 伊客船座礁事故、乗員の6割超はサービスや娯楽担当] ロイター 2012年1月19日閲覧</ref><ref>[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2850726/8302197?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics イタリア沖の大型客船座礁、船長を拘束 41人不明] AFP BBNews 2012年1月15日閲覧。</ref>、合計4,299人が乗船している。

日本人乗客の多くは団体旅行客で、ローマ日本大使館は乗船していた43人全員が無事であったと発表した。救出後の彼らはほぼ全員がローマ市内のホテルに滞在し<ref name="日テレNEWS24">[http://news24.jp/articles/2012/01/15/10198148.html 伊で豪華客船座礁、乗船の日本人は全員無事] 日テレNEWS24 2012年1月15日閲覧。</ref>、1月17日にローマ発の航空便に乗って[[成田空港]]経由で帰国している<ref name="乗客日本帰国">[http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E3E5E2E2868DE3E5E2E3E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2 無事帰国「ほっとした」座礁客船の日本人乗客] 日本経済新聞 2012年1月17日閲覧。</ref>。

同国のクリニ環境相は、コスタ・コンコルディアは、事故当時約2,380トンの燃料(ほぼ満タン<ref name="燃料ほぼ満タン" />)を積んでおり、漏れ出さないよう防護壁で覆っていることを明らかにした。しかし、1月16日には、すでに同船から何らかの液体が流出しており、ジリオ島周辺の環境が脅かされる可能性があり、政府は1月20日に非常事態宣言を発令した<ref name="燃料ほぼ満タン">[http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20120121-892765.html 伊政府、座礁現場に非常事態宣言] 日刊スポーツ 2012年1月21日閲覧。</ref>。さらに、流出した場合に備え、除去作業を行う企業を待機させている。抜き取りには最低2週間かかる<ref name="燃料ほぼ満タン" />。また、ダイバーによる捜索活動が終了しないと、抜き取り作業は始めることができない<ref>[http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012101001350.html 伊政府、座礁現場に非常事態宣言 燃料漏れの恐れ] 共同通信 2012年1月21日閲覧。</ref>。ジリオ島オルテッリ市長は、燃料抜き取りの重要性を強調した上で、環境や交通の面で、船を早く撤去してほしいと語った。同島は、海洋保護区に指定されており、夏の間は自然を楽しむ観光客で賑わう<ref name="環境問題">[http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE80G00B20120117 燃料流出なら環境災害も、イタリア客船事故で非常事態発令へ] ロイター・ジャパン 2012年1月16日閲覧。</ref><ref name="環境問題02">[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851151/8308411?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics 伊客船の座礁事故、環境への「時限爆弾」 燃料漏れ懸念も] AFP BB News 2012年1月17日閲覧。</ref>。

コスタ・コンコルディアには、総額4億500万[[ユーロ]]の保険がかかっており、[[海難事故]]の[[保険金]]支払額としては史上最高の10億[[ドル]](約767億[[円]])に達する可能性がある。さらに、損害賠償、悪天候による被害の拡大、環境問題などにより、金額がさらに上がる可能性もあり、各保険会社は対応に当たっている<ref name="保険">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE80G01T20120117 イタリア客船事故の保険金支払い額、海難事故で史上最高か] ロイター・ジャパン 2012年1月17日閲覧。</ref>。

1月19日には、[[アメリカ]]の[[デジタルグローブ]]が17日に、座礁したコスタ・コンコルディアを撮影した衛星写真が公開された<ref name="衛星写真">[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851949/8331777 衛星写真にくっきり、座礁したコスタ・コンコルディア号] AFP BB News 2012年1月20日閲覧</ref>。

同社は[[2010年]]にも[[エジプト]]の[[シャルム・エル・シェイク]]で乗員3名が死亡する事故を起こしている<ref name="CNN" />。

また、[[2010年欧州ソブリン危機]](ヨーロッパ経済危機)の最中に起こった今回の事故は、[[クルーズ船]]業界に多大な経済的ダメージを与える可能性がある<ref name="クルーズ大打撃>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE80F03D20120116 イタリア豪華客船事故、クルーズ船業界は「泣きっ面に蜂」] ロイター・ジャパン 2012年1月15日閲覧。</ref>。

== 船長の行動 ==
事故当時、船長は、ワイン片手に若い女性と食事中であった<ref name="船長" />。また、「船長は乗客らより先にジリオ島に避難しているのを沿岸警備隊関係者に見とがめられ、船に戻るよう促されていた」と地元メディアが伝え、緊急事態にもかかわらず、船長が船を放棄して先に避難していたという疑いが強まっている<ref>[http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011601001268.html 伊客船事故、船長の過失認める 乗客より先に避難] 共同通信47News 2012年1月16日閲覧</ref>。これは、海洋規則の違反にあたる<ref name="船長">[http://japanese.ruvr.ru/2012/01/16/63913589.html 「コスタ・コンコルディア」号所有者 船長を非難] The Voice of Russia 日本語版 2012年1月16日閲覧</ref>。また、国外へ逃亡しようとした疑いもある<ref>[http://mainichi.jp/select/world/news/20120118k0000m030021000c.html 伊客船座礁:船から逃げた船長 国外へ逃亡図る?] 毎日新聞 2012年1月17日閲覧。</ref>。

これに対して船長側は、「私たちは最後に船を離れた」と反論をし、さらに、「犠牲者が出たことは残念だが、いかりを下ろすなど自分の執った措置によって多くの命が救われた」とも語っていた<ref name="処置">[http://www.news24.jp/articles/2012/01/17/10198248.html 自分の措置で多くの命救われた~逮捕の船長] 日テレNEWS24 2012年1月17日閲覧。</ref>が、後に乗客を置き去りにしたことを認め、「座礁した船の上で転び、偶然、救命ボートの中に落ちた」と主張した<ref name="船長認める">[http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120119-OYT1T00583.htm 座礁船の船長「偶然ボートに落ちた」と供述] 読売新聞 2012年1月19日閲覧</ref>。同船長は[[1月14日]]夜、地元検察により過失致死や操船放棄などの容疑で身柄拘束<ref>[http://www.asahi.com/international/update/0115/TKY201201150072.html イタリアの大型客船座礁で船長を拘束 過失致死の疑い] 朝日新聞 2012年1月15日閲覧。</ref>される。船長には、最高で12年の禁錮刑が科される可能性が指摘されている<ref>[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/01/16/kiji/K20120116002440670.html 座礁豪華客船船長 乗客より先に避難 最高12年の禁錮刑の可能性] スポーツニッポン 2012年1月16日閲覧。</ref>。また、船長甲板で、船長が飲酒をしていた疑惑も出た<ref name="船長擁護">[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851934/8331310 伊客船事故、謎のモルドバ女性が船長を擁護 「彼は英雄だ」] AFP BB News 2012年1月20日閲覧</ref>。

1月17日には、船長と[[リボルノ]]港湾監督事務所との交信記録が公開された。
{{Quotation|港湾当局:「今どこにいるのか、逃げ出したのか」<br>
船長  :「私と司令官は…その…います」<br>
港湾当局:「乗客を置き去りにして救命ボートに乗ったんだな」「自分だけ助かろうなんて許さない。後悔するぞ。船に戻れ!」<br>
船長  :「ちょっと待って下さい」<br>
港湾当局:「船に戻ると約束して下さい」<br>
港湾当局:「船で指揮をとれ! 拒否するのか」「これは命令だ!」<br>
船長  :「真っ暗で何も見えません」<br>
港湾当局:「だからどうしろというんだ? 暗いから家に帰りたいとでも?」<br>
港湾当局:「船に戻って、何ができて、何人が船にいるか、何が必要か報告しなさい、今すぐにだ!」<br>
港湾当局:「何をしている?救助を放棄するつもりか?」<br>
港湾当局:「船長、君は助かったかもしれないが、この責任はちゃんととってもらうからな」<br>
船長  :「ああ…そんな……。死人は何人出ているんだ」<br>
港湾当局:「こちらではわからない。君が知っていなければならないことだぞ」|テレビ朝日<ref>[http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220118013.html 船長の動揺生々しく… イタリア豪華客船事故] テレビ朝日 2012年1月18日閲覧</ref> AFP BB News<ref name="死者11人に" /> J-CAST<ref name="船長の交信">[http://www.j-cast.com/tv/2012/01/18119150.html 豪華客船トンズラ船長「船に戻れ」の指示無視してマンマに電話] J-CAST 2012年1月18日閲覧</ref> Youtube<ref>Youtube「客船座礁、船長は自宅で監視状態に」2012年1月18日閲覧。</ref> 産経新聞<ref name="産経船長交信">[http://sankei.jp.msn.com/world/news/120118/erp12011811170004-n1.htm 「船に戻れ」 沿岸警備隊の指示を船長は無視 保険金支払い総額は史上最高との見方も] MSN産経ニュース 2012年1月18日閲覧。</ref>}}

1月19日には、船長とリボルノ港湾監督事務所とが最初に行っていた交信も公開された。
{{Quotation|港湾当局:「何か問題が起きたのか。救援は必要か」<br>
船長  :「停電が起き、状況を確認中」と繰り返す<br>
港湾当局:「(乗客に)救命具を着用させているというのは事実か」<br>
船長  :「繰り返す、状況を確認中だ」|日本経済新聞<ref>[http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E0E2E2E2958DE0E2E2E3E0E2E3E09180E2E2E2E2 「停電だけ」と事故隠蔽図る 伊客船座礁で船側] 日本経済新聞 2012年1月20日閲覧</ref>}}

1月19日には、船長を擁護する[[モルドバ]]と[[ルーマニア]]の二重国籍を持つ[[バレリーナ]]のドミニカ・チョモルタンという女性が現れ、「船長は、会社でも最高の船長だ。あらゆる手を尽くして乗客の命を救った英雄だ。乗員も皆プロらしく働き、乗客を救った」と語った。しかし、事故当時の乗員名簿にチョモルタンの名前は無く、メディアなどは、船長の個人的な招待客と見ている。チョモルタンは、自分の25歳の誕生日を祝うために、乗船したという<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012012000251船長を擁護=モルドバ女性「一緒に飲酒」否定-伊客船事故] 時事ドットコム 2012年1月21日閲覧。</ref>。チョモルタンは、11時50分ごろ船から避難したとき、「まだ甲板で作業するスケッティーノ船長を見た」と証言した<ref name="船長擁護" />。

1月19日、コスタ・クルーズは船長を停職処分とした<ref name=船長退職処分>[http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20120121-892736.html 伊客船座礁時に「タイタニック」のテーマ] 日刊スポーツ 2011年1月21日閲覧。</ref>。

船長は、[[2002年]]からセーフティーオフィサーとして入社し、その後スタッフキャプテンを経て、[[2006年]]にキャプテンに昇格しており、加えて、乗務員が受ける定期テストを全てパスしていた<ref name="コスタHP">[http://www.costacruisesasia.com/B2C/JP/Info/concordia_statement.htm Costa Concordia - update] コスタクルーズ 2012年1月18日閲覧。</ref>。目立ちたがり屋で、乗組員と性格が合わなかった<ref name="船長の性格" />。事故当時52歳であった。

== 事故の対応 ==
[[ファイル:Collision of Costa Concordia 11.jpg|thumb|right|250px|救命ボートと傾いたコスタ・コンコルディア]]
船から[[避難]]する準備ができるまで約45分かかったとされ、対応の悪さに批判的な意見が相次いでいる<ref name="ジリオ島民">[http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE80F02D20120116 イタリア豪華客船座礁、観光地ジリオ島民が徹夜で支援活動] ロイター・ジャパン 2012年1月15日閲覧。</ref>。避難指示はなく、[[救命ボート]]も満員の状態で乗ることのできなかった人もいる。また、「乗組員を全く見かけなかった」「『部屋に入れ』と言われた後、『部屋を出ろ』と言われた」「乗組員は慌てていた」「乗客自ら救命ボートを出していた」「具体的な救助作業は行われなかった」「救命ボートには錆び付いて使えないものがあった」などと語る乗客もいる<ref name="youtube">Youtube「豪華客船座礁、避難誘導態勢に不備」 2012年1月16日観覧。</ref><ref name="救命ボート使えず" />。

乗組員は、2週間に1回、事故対応の訓練を受けていたが、事故は出発1日目であったため、訓練前であった可能性がある<ref name="救命ボート使えず">[http://www.j-cast.com/2012/01/16118965.html?p=2 救命ボート錆ついて使えない! 大パニック「まるでタイタニック事故」] J-CASTニュース、2012年1月16日閲覧。</ref>。一部の乗客(約100人)は島まで泳ごうとして避難が始まる前に冷温の海へ飛び込み、多数の[[水死|溺死者]]などが出る<ref name="産経新聞"/>。日本人乗客の一人は、「船内に乗客が残っているにもかかわらず、避難ボートには乗客より乗組員のほうが多く、さらに笑いながら食事をし、最後まで謝罪の一言がなかった」と証言している<ref>{{Cite news
| url = http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00215434.html
| title = イタリア大型客船座礁事故 事故直後の港湾当局者と船長の交信記録の一部が明らかに
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}}</ref>。

乗組員の出身地は、40カ国にものぼり、お互いに言語が違ったことが、救助作業を困難にした可能性もある。乗組員の大半は、船員の資格を保有していなく、その点ホテルスタッフと同じだった<ref name="乗組員" />。

事故2時間後にして、漸く「救命スーツを着用し、上甲板に出るように」という指示が出された<ref>[http://japanese.ruvr.ru/2012/01/15/63875172.html 「コスタ・コンコルディア」号からさらに2名救助] The Voice of Russia 2012年1月19日閲覧</ref>。これは、会社に暗唱に衝突したと連絡が入ってから1時間後だった<ref name="船長の性格">[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012012100046 船長は「目立ちたがり屋」=周囲との人間関係に問題も-伊客船座礁] 時事ドットコム 2012年1月21日閲覧</ref>。事故直後の避難の様子が映った動画が、のちに公開されたが、そこには「今の状況は把握できている。停電が起きているが、電気系統を復旧している」という船内アナウンスが収録されている<ref name="youtube" />。また、19日には、乗客が1月13日10時22分ごろに携帯電話で撮影した映像が、国営イタリア放送協会によって公開され、乗員が「問題は解決した。客室にお戻りください」「船長に代わって申し上げます。電気系統のトラブルは解決したので、客室かサロンにお戻りください」などと呼びかけていたことが判明した<ref name="2度目映像公開">[http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20120120-892315.html 乗員「客室に戻って」初動の不手際浮き彫り] 日刊スポーツ 2012年1月20日閲覧</ref>。

1月19日には、沿岸警備隊と乗組員との交信の様子が公開された。午後9時12分の様子で、通話している乗組員は高級船員。
{{Quotation|海岸警備隊:「船で何か問題が起きたのか?」<br>
乗組員  :「今、状況を確認している」<br>
海岸警備隊:「救助は必要か。それとも、とりあえずジリオ島付近にとどまるか?」<br>
乗組員  :「ここにとどまる」<br>
海岸警備隊:「どんな問題が起きているのか? 発電機か? 頭上に物がたくさん落下してきたと乗組員が話しているとの通報が、乗組員の親族からプラートの軍警察にあったが」<br>
乗組員  :「停電が起きている。今、船内の状況を確認している」<br>
海岸警備隊:「救命胴衣の着用を命じられたと乗客が言っているが、本当か?」<br>
乗組員  :「停電の状況を確認中だ。停電の状況を確認中だ」<br>
海岸警備隊:「停電はどのくらい続いているのか」<br>
海岸警備隊:「引き続き状況報告をしてくれ」<br>
乗組員  :「了解」|AFP BB News<ref>[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2852042/8330538?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics 伊客船、座礁事故を「停電」と報告 交信記録] AFP BB News 2012年1月21日閲覧。</ref>}}

コスタ・コンコルディアを所有するコスタ・クロチエレ社は、1月15日、「島に近づきすぎて航行した。判断ミスで重大な結果を招いたと思われる」という声明を発表し、座礁時の過失を認めている。また、緊急時の対応も指摘した<ref name="対応批判">[http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012011690112443.html 船長、乗客を置き去りか 伊・客船座礁] 中日新聞 2012年1月15日閲覧。</ref>。

夏の間は観光地となる、座礁地点付近のジリオ島の住民らは、乗客や救助隊員のために人家やホテルなどを開放し、食料を提供するなど、徹夜で支援活動にあたった。これに対しては多数の賞賛の声が寄せられている<ref name="ジリオ島民" />。

== 死者・負傷者 ==
死者は1月17日に新たな遺体が見つかり<ref name="死者11人に">[http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2851465/8320333?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics 伊座礁事故船長、「戻れ」の指示聞かず救助義務放棄 死者11人に] AFP BB News 2012年1月18日閲覧。</ref>、少なくとも11人([[フランス]]人3人[うち1人は高齢男性]、[[イタリア]]人高齢男性1人、[[スペイン]]人高齢男性1人、[[ペルー]]人女性乗組員、[[ハンガリー人]]男性を含む)<ref name="CNN" /><ref name="対応批判" /><ref>[http://www.asahi.com/international/update/0116/TKY201201160087.html 伊客船事故「船長の人為的ミス」運営会社が見解] 朝日新聞 2012年1月16日閲覧。</ref><ref name="死者6人に" /><ref name="船長" />であり、1月17日時点では少なくとも60人が負傷<ref name="ジリオ島民" />(うち重傷2人)、乗客25人・乗組員4人の計29人が[[行方不明]](うち10名は[[ドイツ]]人)<ref>[http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201201150071.html 船内から3人救出=不明17人、水没の恐れ―懸命の捜索作業続く―伊客船座礁] 朝日新聞 2012年1月15日閲覧。</ref><ref name="ニュース04">[http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011501001603.html 3人救出、2遺体発見 過失致死容疑で船長拘束] 時事通信 2012年1月16日閲覧。</ref><ref name="死者6人に" /><ref>[http://sankei.jp.msn.com/world/news/120117/erp12011710010003-n1.htm 行方不明者29人に増加 燃料漏れの恐れも] 産経新聞 2012年1月17日閲覧。</ref>で、1月15日には船内に閉じ込められていた[[韓国]]人カップル2人と男性乗組員1人が救出されている<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012011500023 船内の生存者2人救出=行方不明者40人、捜索続く-伊客船座礁] 時事通信 2012年1月15日閲覧。</ref><ref name="ニュース04" />。また、[[1月18日]]には、ベトナム人乗組員3名を発見された<ref name="ベトナム人救助">[http://www.viet-jo.com/newsallow/social/120119051041.html イタリア沖で豪華客船座礁、ベトナム人乗員3人を救助] VIETJO 2012年1月20日閲覧</ref>。行方不明者の[[ドイツ人]]が、自宅に戻っていたケースもあった<ref>[http://japanese.ruvr.ru/2012/01/19/64185675.html 大型客船「コスタ・コンコルディア」号 行方不明者が実は生存] The Voice of Russia 2012年1月20日閲覧</ref>。

死者の1人で、コスタ・コンコルディアでも演奏していた[[ハンガリー人]]の[[バイオリニスト]]、サーンドル・フェヘール氏は、同乗していた子供2人が救命胴衣を着るのを手伝った後、自分のバイオリンを安全な場所に置くため、船内に戻ったという。甲板を出て、救命ボートへ向かう姿が最後に目撃され、その後遺体となって発見された<ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012011902000181.html 楽器安全な場所に… 楽団員 座礁船引き返し犠牲] 東京新聞 2012年1月19日</ref>。

== ギャラリー ==
<Gallery>
ファイル:Collision of Costa Concordia 5 crop.jpg|半分水に浸かる煙突付近
ファイル:Collision of Costa Concordia DSC4178.jpg|救命ボートを出し終えたコスタ・コンコルディア
ファイル:Collision of Costa Concordia DSC4204.jpg|損傷部分。船底から岩が見えている。
ファイル:Collision of Costa Concordia 9.jpg|ジリオ島に到着した救命ボート
ファイル:Collision of Costa Concordia 10.jpg|沖に傾いて見えるコスタ・コンコルディア
ファイル:Collision of Costa Concordia 34.jpg|救命器具を付け避難する乗客
ファイル:Collision of Costa Concordia 19.jpg|夜中まで避難が続いた
ファイル:Collision of Costa Concordia 18.jpg|転覆した客船
ファイル:Collision of Costa Concordia 5.jpg|救命ボートとコスタ・コンコルディア
ファイル:Collision of Costa Concordia (16-1-2012).jpg|浸水した船と救助隊ヘリコプター
ファイル:Costa Concordia.JPG|事故前の姿
</Gallery>

== 脚注・出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|3}}

== 関連項目 ==
{{commons|Category:January 2012 grounding of the Costa Concordia (ship, 2006)}}
* [[コスタ・コンコルディア]] :船自体の情報についてはこちらの記事を参照。
* [[海難事故]] :過去の海難事故の一覧。


== 関連記事 ==
* [[コスタ・コンコルディア]] - 船自体の情報についてはこちらの記事を参照。
== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://www.costacruisesasia.com/B2C/JP/Info/concordia_statement.htm Costa Concordia - update]


{{DEFAULTSORT:こすたこんこるていあのさひようしこ}}
{{デフォルトソート:こすたこんこるていあのさひようしこ}}
[[Category:海難事故]]
[[Category:海難事故]]
[[Category:2012年の災害]]
[[Category:イタリア]]

[[cs:Ztroskotání lodi Costa Concordia]]
[[de:Costa Concordia#Havarie 2012]]
[[en:Costa Concordia disaster]]
[[es:Hundimiento del Costa Concordia]]
[[fi:Costa Concordian karilleajo]]
[[fr:Costa Concordia#Naufrage]]
[[id:Bencana Costa Concordia]]
[[it:Naufragio della Costa Concordia]]
[[ku:Rûdana keştiya geştyarî Costa Concordia]]
[[la:Naufragium navis %27%27Costa Concordia%27%27]]
[[ml:കോസ്‌റ്റാ കോൺകോർഡിയ കപ്പൽചേതം]]
[[pl:Katastrofa statku Costa Concordia]]
[[pt:Naufrágio do Costa Concordia]]
[[ru:Скеттино, Франческо]]
[[vi:Thảm họa Costa Concordia]]
[[zh:歌詩達協和號觸礁事故]]

2012年1月21日 (土) 02:10時点における版


コスタ・コンコルディアの座礁事故
座礁し、浸水・横転したコスタ・コンコルディア
日付 2011年1月13日
時間 21時42分 (UTC)
場所 イタリアの旗 イタリア
トスカーナ州ジリオ島付近
死者・負傷者
死者:11人
負傷者:60人
行方不明者:29人
テンプレートを表示
ジリオ島付近の座礁地点
北緯42度21分53秒 東経10度55分16秒 / 北緯42.36486度 東経10.92124度 / 42.36486; 10.92124
座標までの進路
右下に見える青色の実線から左手に伸びる青色の破線が所定の航路(本来の進路)、オレンジ色の破線が実際に本船がたどった進路。
座礁地点周辺の深さを表した地図。

コスタ・コンコルディアの座礁事故(コスタ・コンコルディアのざしょうじこ)とは、2012年1月13日コスタ・クルーズ所有のクルーズ客船コスタ・コンコルディアが、イタリアジリオ島付近にある浅瀬で座礁し、浸水・転覆した海難事故である。

事故の概要

2012年1月13日(金曜日)の午後9時42分頃(現地時間)[1]イタリアチビタベッキア港を出港して同国サヴォナ港へ向かう予定の[2]コスタ・コンコルディアは、トスカーナ州沖合のジリオ島付近の浅瀬に乗り上げて座礁する。

事故が起きたのは、1912年4月14日に起きたタイタニック号の事故からちょうど100年目で、同じ客船の海難事故からも、事故をタイタニック号に例える乗客が少なくなかった。同船には、タイタニック号犠牲者の遺族も乗船していた[3]。さらに、1月19日には、座礁当時、船のレストランでBGMとして映画タイタニックセリーヌ・ディオンによる主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」が流れていたことがスイス人乗客により判明した[4]。また、事故が起きた日は、ちょうど13日の金曜日であった。

原因は不明ながら、地元イタリアの船乗りが陸の人に対して行う挨拶風習である「インキーノ(inchinoお辞儀)」がジリオ島住民に対して恒例化していたことにあると声も挙がっている[5]。ジリオ島のオルテッリ市長によると、島付近を通るクルーズ船の多くは、サイレンを鳴らして島民に挨拶をしていたらしく、照明された船を陸地から見るのは素晴らしいショーであったということである。しかし、1月15日にこの発言を訂正し、「コスタ社の船長の中には、ジリオ島に住んでいる引退したかつての同僚たちに『敬意を払う』人もいるが、それが行われるのは常に『安全な条件』の場合だけだった」と述べている[6]

船の航路は、全てチビタベッキア港を出港する前にコンピューターに設定されており、島へあれほど近づくはずはなく、船長が会社側に連絡せずに進路変更したとピア・ルイジ・フォッシ会長が1月16日に語った[7]。船長は、「同島出身の給仕長のために島に近づいた」と語った。給仕長は1月13日の夜に突然。船長にデッキへ呼ばれ、「見ろ、君のジリオ島だよ」と言われたという[8]。給仕長が「島に近づきすぎている」と反論した直後に事故が起こったという。また、ジリオ島在住の給仕長の妹が、「間もなく、コスタ・コンコルディアがとても近くを通過する」「サボナへ向かう私の兄に挨拶しなきゃ」などとフェイスブックに綴っていたことも判明している。給仕長の父親は、「客船は毎週航行しているが、息子が島に船を近づけるように頼んだことは、今回を含めて一度もない」とコメントした。給仕長は、事故原因が自分にあることを知り、ショックを受けていた[9]

後に船長が語った話によると、以前にも3、4回同ルートを通ったことがあり、今回は転進を指示するのが遅れたという[10]

同船はイタリアチビタベッキア発着の7日間西地中海クルーズの途中で、同国サヴォナフランスマルセイユスペインバルセロナパルマ・デ・マヨルカ、フランスのカリアリ、イタリアのパレルモに寄港する予定[11]で、事故発生は出航日の夕食時である。

その後、座礁から約1時間後に警報がならされた[12]が、乗組員はSOS海難信号を出していなかったことが明らかになっており、港の管制施設と船とが連絡をとったのも、地上オペレーターであった[13]。また、携帯電話で警察に通報したのも乗客であった[14]

17時48分(UTC)レプブリカは、同船のスケッティーノ船長が、海図によると岩から300m離れていて安全上問題なかったと語っていることを発表する[15]。しかし、通常は、3〜5㎞ほど沖合を通っていたという[6]

同船には座礁時、イタリア人989人、ドイツ人569人、フランス人462人、スペイン人177人、アメリカ人126人、クロアチア人127人、ロシア人108人、オーストリア人74人、スイス人69人、イギリス人25人、オーストラリア人21人、アルゼンチン人17人、台湾人13人、カナダ人12人、中国人38人(うち香港から26人)ポルトガル人11人、コロンビア人10人、チリ人10人、トルコ人9人および、日本人43人、その他を含む[2][16][17]3,276人(定員4,200人)の乗客と、約1,023人の乗組員[18][19][20]、合計4,299人が乗船している。

日本人乗客の多くは団体旅行客で、ローマ日本大使館は乗船していた43人全員が無事であったと発表した。救出後の彼らはほぼ全員がローマ市内のホテルに滞在し[21]、1月17日にローマ発の航空便に乗って成田空港経由で帰国している[22]

同国のクリニ環境相は、コスタ・コンコルディアは、事故当時約2,380トンの燃料(ほぼ満タン[23])を積んでおり、漏れ出さないよう防護壁で覆っていることを明らかにした。しかし、1月16日には、すでに同船から何らかの液体が流出しており、ジリオ島周辺の環境が脅かされる可能性があり、政府は1月20日に非常事態宣言を発令した[23]。さらに、流出した場合に備え、除去作業を行う企業を待機させている。抜き取りには最低2週間かかる[23]。また、ダイバーによる捜索活動が終了しないと、抜き取り作業は始めることができない[24]。ジリオ島オルテッリ市長は、燃料抜き取りの重要性を強調した上で、環境や交通の面で、船を早く撤去してほしいと語った。同島は、海洋保護区に指定されており、夏の間は自然を楽しむ観光客で賑わう[25][26]

コスタ・コンコルディアには、総額4億500万ユーロの保険がかかっており、海難事故保険金支払額としては史上最高の10億ドル(約767億)に達する可能性がある。さらに、損害賠償、悪天候による被害の拡大、環境問題などにより、金額がさらに上がる可能性もあり、各保険会社は対応に当たっている[27]

1月19日には、アメリカデジタルグローブが17日に、座礁したコスタ・コンコルディアを撮影した衛星写真が公開された[28]

同社は2010年にもエジプトシャルム・エル・シェイクで乗員3名が死亡する事故を起こしている[18]

また、2010年欧州ソブリン危機(ヨーロッパ経済危機)の最中に起こった今回の事故は、クルーズ船業界に多大な経済的ダメージを与える可能性がある[29]

船長の行動

事故当時、船長は、ワイン片手に若い女性と食事中であった[13]。また、「船長は乗客らより先にジリオ島に避難しているのを沿岸警備隊関係者に見とがめられ、船に戻るよう促されていた」と地元メディアが伝え、緊急事態にもかかわらず、船長が船を放棄して先に避難していたという疑いが強まっている[30]。これは、海洋規則の違反にあたる[13]。また、国外へ逃亡しようとした疑いもある[31]

これに対して船長側は、「私たちは最後に船を離れた」と反論をし、さらに、「犠牲者が出たことは残念だが、いかりを下ろすなど自分の執った措置によって多くの命が救われた」とも語っていた[14]が、後に乗客を置き去りにしたことを認め、「座礁した船の上で転び、偶然、救命ボートの中に落ちた」と主張した[10]。同船長は1月14日夜、地元検察により過失致死や操船放棄などの容疑で身柄拘束[32]される。船長には、最高で12年の禁錮刑が科される可能性が指摘されている[33]。また、船長甲板で、船長が飲酒をしていた疑惑も出た[34]

1月17日には、船長とリボルノ港湾監督事務所との交信記録が公開された。

港湾当局:「今どこにいるのか、逃げ出したのか」

船長  :「私と司令官は…その…います」
港湾当局:「乗客を置き去りにして救命ボートに乗ったんだな」「自分だけ助かろうなんて許さない。後悔するぞ。船に戻れ!」
船長  :「ちょっと待って下さい」
港湾当局:「船に戻ると約束して下さい」
港湾当局:「船で指揮をとれ! 拒否するのか」「これは命令だ!」
船長  :「真っ暗で何も見えません」
港湾当局:「だからどうしろというんだ? 暗いから家に帰りたいとでも?」
港湾当局:「船に戻って、何ができて、何人が船にいるか、何が必要か報告しなさい、今すぐにだ!」
港湾当局:「何をしている?救助を放棄するつもりか?」
港湾当局:「船長、君は助かったかもしれないが、この責任はちゃんととってもらうからな」
船長  :「ああ…そんな……。死人は何人出ているんだ」

港湾当局:「こちらではわからない。君が知っていなければならないことだぞ」 — テレビ朝日[35] AFP BB News[36] J-CAST[37] Youtube[38] 産経新聞[39]

1月19日には、船長とリボルノ港湾監督事務所とが最初に行っていた交信も公開された。

港湾当局:「何か問題が起きたのか。救援は必要か」

船長  :「停電が起き、状況を確認中」と繰り返す
港湾当局:「(乗客に)救命具を着用させているというのは事実か」

船長  :「繰り返す、状況を確認中だ」 — 日本経済新聞[40]

1月19日には、船長を擁護するモルドバルーマニアの二重国籍を持つバレリーナのドミニカ・チョモルタンという女性が現れ、「船長は、会社でも最高の船長だ。あらゆる手を尽くして乗客の命を救った英雄だ。乗員も皆プロらしく働き、乗客を救った」と語った。しかし、事故当時の乗員名簿にチョモルタンの名前は無く、メディアなどは、船長の個人的な招待客と見ている。チョモルタンは、自分の25歳の誕生日を祝うために、乗船したという[41]。チョモルタンは、11時50分ごろ船から避難したとき、「まだ甲板で作業するスケッティーノ船長を見た」と証言した[34]

1月19日、コスタ・クルーズは船長を停職処分とした[42]

船長は、2002年からセーフティーオフィサーとして入社し、その後スタッフキャプテンを経て、2006年にキャプテンに昇格しており、加えて、乗務員が受ける定期テストを全てパスしていた[43]。目立ちたがり屋で、乗組員と性格が合わなかった[44]。事故当時52歳であった。

事故の対応

救命ボートと傾いたコスタ・コンコルディア

船から避難する準備ができるまで約45分かかったとされ、対応の悪さに批判的な意見が相次いでいる[45]。避難指示はなく、救命ボートも満員の状態で乗ることのできなかった人もいる。また、「乗組員を全く見かけなかった」「『部屋に入れ』と言われた後、『部屋を出ろ』と言われた」「乗組員は慌てていた」「乗客自ら救命ボートを出していた」「具体的な救助作業は行われなかった」「救命ボートには錆び付いて使えないものがあった」などと語る乗客もいる[46][47]

乗組員は、2週間に1回、事故対応の訓練を受けていたが、事故は出発1日目であったため、訓練前であった可能性がある[47]。一部の乗客(約100人)は島まで泳ごうとして避難が始まる前に冷温の海へ飛び込み、多数の溺死者などが出る[5]。日本人乗客の一人は、「船内に乗客が残っているにもかかわらず、避難ボートには乗客より乗組員のほうが多く、さらに笑いながら食事をし、最後まで謝罪の一言がなかった」と証言している[48]

乗組員の出身地は、40カ国にものぼり、お互いに言語が違ったことが、救助作業を困難にした可能性もある。乗組員の大半は、船員の資格を保有していなく、その点ホテルスタッフと同じだった[19]

事故2時間後にして、漸く「救命スーツを着用し、上甲板に出るように」という指示が出された[49]。これは、会社に暗唱に衝突したと連絡が入ってから1時間後だった[44]。事故直後の避難の様子が映った動画が、のちに公開されたが、そこには「今の状況は把握できている。停電が起きているが、電気系統を復旧している」という船内アナウンスが収録されている[46]。また、19日には、乗客が1月13日10時22分ごろに携帯電話で撮影した映像が、国営イタリア放送協会によって公開され、乗員が「問題は解決した。客室にお戻りください」「船長に代わって申し上げます。電気系統のトラブルは解決したので、客室かサロンにお戻りください」などと呼びかけていたことが判明した[50]

1月19日には、沿岸警備隊と乗組員との交信の様子が公開された。午後9時12分の様子で、通話している乗組員は高級船員。

海岸警備隊:「船で何か問題が起きたのか?」

乗組員  :「今、状況を確認している」
海岸警備隊:「救助は必要か。それとも、とりあえずジリオ島付近にとどまるか?」
乗組員  :「ここにとどまる」
海岸警備隊:「どんな問題が起きているのか? 発電機か? 頭上に物がたくさん落下してきたと乗組員が話しているとの通報が、乗組員の親族からプラートの軍警察にあったが」
乗組員  :「停電が起きている。今、船内の状況を確認している」
海岸警備隊:「救命胴衣の着用を命じられたと乗客が言っているが、本当か?」
乗組員  :「停電の状況を確認中だ。停電の状況を確認中だ」
海岸警備隊:「停電はどのくらい続いているのか」
海岸警備隊:「引き続き状況報告をしてくれ」

乗組員  :「了解」 — AFP BB News[51]

コスタ・コンコルディアを所有するコスタ・クロチエレ社は、1月15日、「島に近づきすぎて航行した。判断ミスで重大な結果を招いたと思われる」という声明を発表し、座礁時の過失を認めている。また、緊急時の対応も指摘した[12]

夏の間は観光地となる、座礁地点付近のジリオ島の住民らは、乗客や救助隊員のために人家やホテルなどを開放し、食料を提供するなど、徹夜で支援活動にあたった。これに対しては多数の賞賛の声が寄せられている[45]

死者・負傷者

死者は1月17日に新たな遺体が見つかり[36]、少なくとも11人(フランス人3人[うち1人は高齢男性]、イタリア人高齢男性1人、スペイン人高齢男性1人、ペルー人女性乗組員、ハンガリー人男性を含む)[18][12][52][7][13]であり、1月17日時点では少なくとも60人が負傷[45](うち重傷2人)、乗客25人・乗組員4人の計29人が行方不明(うち10名はドイツ人)[53][54][7][55]で、1月15日には船内に閉じ込められていた韓国人カップル2人と男性乗組員1人が救出されている[56][54]。また、1月18日には、ベトナム人乗組員3名を発見された[57]。行方不明者のドイツ人が、自宅に戻っていたケースもあった[58]

死者の1人で、コスタ・コンコルディアでも演奏していたハンガリー人バイオリニスト、サーンドル・フェヘール氏は、同乗していた子供2人が救命胴衣を着るのを手伝った後、自分のバイオリンを安全な場所に置くため、船内に戻ったという。甲板を出て、救命ボートへ向かう姿が最後に目撃され、その後遺体となって発見された[59]

ギャラリー

脚注・出典

  1. ^ 「イタリア:豪華客船座礁 子を押しのけ、はしご殺到 救出の観光客女性証言」 毎日新聞 2012年1月17日閲覧
  2. ^ a b 「イタリアの豪華客船座礁、3人死亡14人けが」 スポーツニッポン 2012年1月15日閲覧
  3. ^ 座礁のイタリア豪華客船にタイタニック遺族 スポーツ報知 2012年1月19日閲覧
  4. ^ 座礁事故時にタイタニックの曲 伊豪華客船のレストラン デイリースポーツ 2012年1月20日閲覧
  5. ^ a b 救命ボート、先に乗員 ずさんな避難対応にあきれ 産経新聞 2012年1月18日閲覧
  6. ^ a b イタリア・クルーズ船座礁、島への「ごあいさつ」が原因か AFP BB News 2012年1月16日閲覧。
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関連項目

外部リンク