「ニュースキャスター」の版間の差分

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'''ニュースキャスター'''とは、一般的に[[テレビ]]・[[ラジオ]]の[[報道番組|報道]][[情報番組]][[司会]]のこと
'''ニュースキャスター'''とは、[[報道番組]]に出演し、[[ニュース]]を紹介しながら[[司会]]・進行する役割呼称、または[[職業]]


'''アンカー'''については、[[#原義と類義語]]の節を参照。
==概要==
ニュースキャスターが[[アナウンサー]]と違う点は、ニュースの原稿を読むだけでなく、物事を咀嚼して[[視聴者]]・[[聴取者]]に理解し易い様に伝える力も必要とされることである。ニュースキャスターによって構成される番組はニュースショー、キャスターニュースなどと呼ばれ、アナウンサーのニュースの読み上げのみによるニュース番組と区別する事が出来る。


また、[[スポーツニュース]]専門のニュースキャスターは[[スポーツキャスター]]呼ばれ、[[ワイドショー]]専門ニュースキャスターは[[ワイドショーキャスター]]と呼ばれ、[[天気予報]]専門のニュースキャスターは[[お天気キャスター]]または気象キャスターと呼ばれ、主に[[気象予報士]]がつとめることが多い
ニュースキャスターを単に「キャスター略すのは[[和製英語]]である。[[#日本のニュースキャスター]]の節を参照


== 概要 ==
「ニュースキャスターという語は[[和製英語]]」と言われることが多いが、この語は[[イギリス]]では[[1950年|1950年]]から「ニュースキャスター」という名称が使われている。英語圏の国では同様のポジションのことを「'''[[アンカー]]'''」「'''アンカーパーソン'''」(主に[[アメリカ合衆国]])または「プレゼンター」(主にイギリス)と呼んでいる。


ニュースキャスターとは、[[テレビ]]・[[ラジオ]]などの[[放送]][[メディア (媒体)|メディア]]で[[報道番組]]に出演し、番組全体または特定のコーナーを、[[ニュース]]を紹介しながら[[司会]]・進行する役割の呼称、または[[職業]]である。番組の出演者はニュースキャスター一人の場合もあるが、規模の大きな番組では複数キャスター制をとったり、[[コメンテーター]]や[[アナウンサー]]を伴ったりする場合もある。ニュースの読み上げはニュースキャスターかアナウンサーが行う。ニュースに対してのコメントや解説はニュースキャスターかコメンテーターが行う。番組にゲストとして話題の人物が招かれ、ニュースキャスターが[[インタビュー]]することもある。
ちなみに「アンカーマン」もしくは「アンカーパーソン」とは、元々[[ジャーナリスト]]業界において、ニュース素材となるデータ収集を専門に行う人間(データマン)との対比で「データマンの集めてきた情報を元に最終的な記事を執筆する人間」を指す言葉であり、ニュース番組において実際にニュースを取材する記者との対比で「最終的にニュースを読み上げ、必要に応じて解説等も行う」という点が類似している点からテレビ業界に転用されたものである。


同じような時間帯の報道番組を比較すると、ニュースのラインナップは似たようなものになりがちである。番組タイトルや[[スタジオ]]の造り、ニュースの切り口、特集、[[スクープ]]などで違いを出せるが、最も他との差別化を果たしうるものの一つは、個性あるニュースキャスターの存在であろう。ニュースキャスターに寄せる信頼感・安心感・好意は、[[視聴者]]・[[聴取者]]が[[チャンネル]]を選択する動機となるので、[[放送局]]は人気・実力のあるニュースキャスターの獲得に躍起になる。「[[筑紫哲也 NEWS23]]」や“NBC Nightly News with Brian Williams”([[NBCナイトリーニュース]])のように、タイトルにニュースキャスターの名前を含め、明確にニュースキャスターの個性を前面に出している番組もある。
[[東京放送|TBS]]の『[[筑紫哲也 NEWS23]]』や[[フジテレビジョン|フジテレビ]]の『[[ニュースJAPAN]]』においては、キャスターとしての能力以外に番組の構成等もまかせられるため'''キャスター編集長'''と呼ばれている。因みに、海外では[[キャスター]]が番組構成を行う編集長を兼務している事が多い。


ニュースキャスターにはジャーナリスティックな資質が不可欠である。番組出演中は、たとえば現地中継の[[リポーター]]やゲストに的確な質問をぶつけて情報を引き出す場面や、臨時ニュースが入ってきて情報が錯綜しているときに、視聴者・聴取者が混乱しないように情報の真偽を見極めつつ整理しながら伝える場面などで、ニュースの背景についての理解と判断力が問われる。ニュースキャスターは「情報の交通整理員」だという人もいる。
海外のキャスターは、番組の編集長を兼務しているケースが多いため、主に記者経験の長い報道記者が務めていることが特徴として挙げられる。就任年齢は、[[ブラジル]]や[[韓国]]では低く([[Globo]]の『Jornal Nacional』のウィリアム・ボネーや[[韓国]][[MBC]]の『[[MBCニュースデスク]]』のオム・ギヨンは30代後半)、[[アメリカ]]では高い([[ABC]]の『[[ABC World News]]』のチャールズ・ギブソンは60代前半)傾向にある。


[[アメリカ]]を典型として、[[国]]によってはニュースキャスターは番組出演のほかに、ニュースの取材・[[編集]]や番組構成にも影響を及ぼし、一定の責任を負っているとみなされる。その多くは、報道[[記者]]として長年経験を積んだ経歴を持つ。[[日本]]ではこの傾向は強くないが、[[TBS]]「[[筑紫哲也 NEWS23]]」の[[筑紫哲也]]や[[フジテレビ]]「[[ニュースJAPAN]]」の[[松本方哉]]などが当てはまる。この2つの番組では'''キャスター編集長'''という名称を使っている。就任年齢は、[[ブラジル]]や[[韓国]]では低く([[Globo]]の“Jornal Nacional”のウィリアム・ボネーや[[韓国]][[MBC]]の「[[MBCニュースデスク]]」のオム・ギヨンは30代後半)、[[アメリカ]]では高い([[ABC]]の「[[ABC World News|ABCワールド・ニュース]]」のチャールズ・ギブソンは60代前半)傾向にある。
==キャスターとアナウンサーの違い==
===日本===
明確な境界は存在しないが、あえて指摘するとすれば、アナウンサーは私情を挟まず原稿を読むだけで、キャスターはニュースを自分の言葉に変えて伝えるということが挙げられる。


ニュースメディアがニュースに対して特定の立場を取ることは、[[偏向報道]]としてニュースの信用を落とすことにもなりかねない。ニュースの事柄の賛否にまで踏み込むような発言は、ニュースキャスターではなくコメンテーターが行うか、ニュースキャスターが「私個人としては…」と前置きをつけたり、番組内にニュースキャスターが意見を述べるための時間帯を設けたりして、「事実」と「意見」を分ける努力がなされる。しかし、ニュースキャスターがズバズバと意見を言う番組や、逆にコメントを排除し、ニュースを伝えるのみの番組もある。
===アメリカ===
アメリカのニュースリーダー、ニュースキャスター、ニュースアンカーの三者には明確な違いがある。
*ニュースリーダー: 報道局が作成したニュース原稿を番組内で読み上げるだけの者をいう。日本でいうアナウンサーである。(ただし、個々のニュースをレポーターが現場から報道するという形式が古くから一般的なアメリカでは、今日ニュースリーダーが存在するのはラジオニュースにおいてのみとなっている。)
*ニュースキャスター: 番組内でニュースを読む者自身がジャーナリストであり、ニュースの企画・取材・編集・原稿作成などの仕事を自分でこなしている者をいう。
*ニュースアンカー: 番組内でニュースを紹介する者自身がジャーナリストであり、ニュースの企画・編集・原稿作成などの仕事を自分でこなし、かつ番組内で臨機応変にニュース解説をすることが求められている者をいう。


スタジオからの出演が通常であるが、重大ニュースが発生したときなどに、ニュースキャスターが現地からリポートする場合がある。ニュースキャスターが現地に飛んだからといって、報道態勢の向上に貢献できるとは限らないのであるが、普段からなじみのあるニュースキャスターがその場所に行って話すことが、ニュースの臨場感を高める効果を持つ。もっとも、実際にリポート能力を期待されて現地派遣される場合や、リポート取材を好むニュースキャスターの場合もありうる。
==キャスターと私見==
===日本===
*『JNNニュースコープ』で17年間キャスターを務めた[[古谷綱正]]はあくまでストレートにニュースを伝えることに徹し「日本のウォルター・クロンカイト」と評された。当時古谷は「キャスターがいい気になって意見を言うのは、反感を呼び不信感を煽るでしょう。大切なのはニュースに対する『姿勢』というものです」とあくまで客観的にニュースを伝えることこそが重要だとした。


== 原義と類義語 ==
*フジテレビ『[[FNNニュースレポート23:00]]』のキャスターを務めた[[俵孝太郎]]は「ニュースは鉄仮面のごとく読むべきだ」と述べ、『[[JNN報道特集]]』で長年キャスターを務めた[[堀宏]]は『[[サイゾー]]』のインタビューで、「([[放送法]]の規定を挙げた上で)ニュース番組は新聞のように評論をすべきではない」と発言している。


ニュースキャスターはもとは[[英語]]である。英語のnewscaster(ニュースキャスター<ref>newsは慣例的に「ニュース」とカタカナ転写されるが、「ニュー'''ズ'''」とした方がより原音に近い。</ref>)は、news(ニュース)とbroadcast(放送する)の合成が語源であり、直訳すると「ニュースを放送する人」といった意味になる。
*『[[きょうの出来事]]』([[日本テレビ]])で長年アンカーパーソンを務めた[[櫻井よしこ]]は「アンカーパーソンは言葉で批判するのではなく、データの選定で批判するべき。」と、データの上でのキャスターである為、キャスターは私的なコメントで判断を下してはいけないと語っている。


ニュースキャスターとほぼ同じ役割を指す語として、'''アンカー'''がある。英語のanchor(アンカー、[[リレー走|リレー競技]]の最終走者)であるが、現場で取材したニュース素材が、記者、編集者、技術者らを介してあたかも[[バトン]]のように受け渡され、最後に番組の出演者(アンカー)から視聴者に伝えられる様子を例えたものである。[[1952年]]の[[アメリカ]][[大統領選挙]]の際、[[プロデューサー]]の[[ドン・ヒューイット]]が[[ウォルター・クロンカイト]]に対して用いたのが始まりとされる。アンカーはその番組の報道チームの責任者・リーダー格の意味合いを持つ。一方、ニュースキャスターはアンカーとほぼ同様の役割・権限を持つが、原義からして取材・編集過程や番組構成への関与はアンカーほど明確でない。アンカーは[[アメリカ英語]]である<ref>以降この節のアメリカ英語かイギリス英語かの区別は、''Longman Dictionary of Contemporary English''(1995年版)による。</ref>。日本ではあまり使われない語である。'''アンカーパーソン'''の言い方もなされる。男性、女性を指す語としてそれぞれ'''アンカーマン'''、'''アンカーウーマン'''もある。
*『[[RKBニュースワイド]]』(RKB毎日放送)初代キャスターの[[三善英毅]](現在第一経済大学教授)は1982年、朝日新聞のインタビュー記事で「キャスターはニュースの解説役という考えもあるが、私はニュースの整理役だと思う。ニュースに手を加え、データを盛り込んでいったら終わり。」と発言している。


報道番組における英語のpresenter('''プレゼンター'''、披露する人)は、[[イギリス英語]]で用いられた場合、アンカーに近い意味になる。アメリカ英語で用いられた場合、[[アナウンサー]]に近い意味になる。日本ではほぼ使われない。
*現在、多くの報道番組はキャスターが自分の思想・意見を積極的に述べ、取り上げるニュースにもそれが反映されるという形態が多い。こうしたキャスターの傾向に対しては、雑誌等の一部活字メディアでは、こうしたキャスターを「電波芸者」と揶揄している。[[FOX News Channel]] の[[ビル・オライリー]]に代表されるようにキャスター(ホスト)がトークラジオのように進行する番組が人気を博している。[[評論家]]や識者が集まってトークする番組も人気である。


イギリス英語寄りの語として、newsreader('''ニュースリーダー'''、ニュースを読む人)がある。番組出演時の役割はニュースキャスターやアンカーと同様であるが、ニュースの取材・編集過程や番組構成への関与の意味合いはなくなる。日本ではほぼ使われない。
===アメリカ===
*アメリカではかつて、アンカーがニュースに対する私見を述べても良いか否かという論争があった。番組の終わりに自論のコーナーを設けていた代表的なアンカーに[[エドワード・R・マロー]]が、逆に私見は徹底的に避けるべきだとした代表的なアンカーに[[ウォルター・クロンカイト]]がいた。
*今日の放送ジャーナリズムにおいては、アンカーが私見を差し挟む行為自体がニュースの信用性(クレディビリティ)を損なうものと考えられていることから、あえてコメントを述べるアンカーはまずいない。彼らがどうしても自己の意見を述べたいときは、ニュースの内容(伝え方)によってそれを「それとなく」示唆すればよいからである。


ニュースキャスターの意味するところは、番組制作への関与の度合いや私見の扱いの点において、文化圏や個人の信条により若干の差異が見られる。
==各国におけるキャスター事情==
===日本===
====名称====
日本では、ジャーナリスト、アナウンサー、フリーアナウンサーもキャスターと言われ、キャスターという言葉自体曖昧に使用されている。多くの報道番組では「キャスター」という名称を「ニュース番組のレギュラー司会者」の意味合いで使うことが多い。


== 日本のニュースキャスター ==
なお、日本におけるニュースキャスターについて「[[日経エンタテインメント!|日経エンタテインメント!2006年12月号]]」の「[[テレビ証券]]」は「アメリカのアンカーパーソンで考えれば、日本の女性キャスターでこれに該当する人は、[[安藤優子]]、[[田丸美寿々]]と数えるほどしかいない。」と、指摘している。


====経歴====
=== 概要 ===
日本の場合、他国と違って記者出身のキャスターが少ないことも特徴として挙げられる。これは、ニュース番組の創成期に[[新聞社]]・[[通信社]]の[[論説委員]]や記者などを中心に外部からキャスターを起用し、自前でキャスターを育ててこなかったことや主要民放局の大株主である新聞社の影響力が、非常に強かったことが背景として挙げられている。実際、[[筑紫哲也]]は[[朝日新聞]]記者時代に、朝日からの「社命で」[[テレビ朝日]]でキャスターを務めるハメになったと自著「ニュースキャスター」で明らかにしている程である。


日本では、ニュースキャスターのニュースの取材・編集過程や番組構成への関与の度合いにはあまり注意が払われず、単に報道番組の司会者であればニュースキャスターと呼ばれる。[[アナウンサー]]出身が多く、他は報道記者や[[タレント]]、[[文化人]]の出身に分かれる。
近年、人気[[アイドル]]や[[芸能人]]や文化人が報道番組でキャスターを務めるケースが相次ぎ、ニュースキャスターの定義そのものが曖昧になっている。


ニュースキャスターを単に「キャスター」と略すのは[[和製英語]]である。「キャスター」は、報道番組だけでなく[[情報番組]]の司会者にも用いられる。 [[スポーツニュース]]を専門に担当する[[スポーツキャスター]]、[[天気予報]]を専門に担当する[[お天気キャスター]]または[[気象キャスター]]といった用語がある。(スポーツキャスターはsportscaster、お天気キャスターはweathercasterという語が英語にもある。)その他、芸能ニュース専門の芸能キャスター、[[ファッション]]や[[グルメ]]などの肩肘の張らない話題を伝える情報キャスター、リポート取材専門のフィールドキャスターなど、さまざまな「(ジャンル)+キャスター」の形の用語が作られている。「キャスター」はこれらの総称の場合もある。スポーツキャスターであれば元スポーツ選手、お天気キャスターであれば[[気象予報士]]のように、その業界出身のキャスターも存在する。お天気キャスターや情報キャスターを中心に、大学卒業後間もない、または大学在学中の、若々しいが経験の浅い女性が起用されるケースが見られる。
====歴史====
日本のニュースキャスター第1号は、[[1962年]][[10月1日]]にスタートした『[[JNNニュースコープ]]』(TBS)の[[田英夫]]と[[戸川猪佐武]]とされる。


=== キャスターとアナウンサーの違い ===
[[日本放送協会|NHK]]では[[1974年]][[4月]]、[[磯村尚徳]]による『[[ニュースセンター9時]]』が放送開始。それまでの『[[NHKニュース]]』とは違い、喋り言葉を積極的に使い、[[政治]]→[[経済]]→[[社会]]というNHKでは当たり前だった放送順序の慣例を意識的に排除するなどの変化を見せた。


本来、アナウンサーは渡されたニュース原稿を無表情に読み上げるだけで、ニュースの内容には関知しないはずである。しかし、日本はアナウンサーの業務の幅が広く、ニュースに臨機応変にコメントしたり、ニュースの取材・編集の人員に加わったりすることもある。またニュースキャスターという語も、アメリカに比べるとジャーナリスティックな要素よりも番組出演に重きが置かれるので、両者の区別はしばしばあいまいである。[[森田美由紀]]は、「みんな困っていると思うんですよ。周りがキャスターと呼べばキャスターですし、アナウンサーと呼べばアナウンサーですしね。」と語っている<ref>『ダカーポ』No.295 1994年2月16日号 マガジンハウス、74頁。</ref>。ただ、一般に[[放送局]]の[[社員]]の募集職種や[[役職]]の名称はアナウンサーで統一されている。放送局所属のアナウンサーはアナウンサーともキャスターとも呼ばれるが、報道記者やタレントなどの出身のキャスターがアナウンサーと呼ばれることはない。(出身業界は見た目ではわからないので、実際にはアナウンサーの経歴がなくても、印象でアナウンサーと呼ばれることはある。)番組内にキャスターとアナウンサーと呼ばれる人間が両方いたとき、キャスターがメイン、アナウンサーがサブの位置付けにはなるが、逆になることはない、といった違いはある。
[[1984年]][[10月1日]]にスタートした『[[FNNスーパータイム]]』(フジテレビ)においては、今までに無い視聴者の目線を意識したニュースレポートや特集などを組み、メインキャスターの[[逸見政孝]]や[[安藤優子]]はそれを象徴する存在となった。


本来の意味にしたがった両者の違いは、「アナウンサーはニュースを『読み上げる』、ニュースキャスターはニュースを『語りかける』」と表現されることがある。
[[1985年]][[10月]]にスタートした[[久米宏]]による『[[ニュースステーション]]』([[テレビ朝日]])は、それまでのニュース番組を変えた番組と認識されている。インタビュー取材でよく久米は「役回りはニュースキャスターでなく司会者」と発言している。


[[1997年]]に[[スーパーJチャンネル]]で[[石田純一]]らがキャスターに起用されて以降、報道関連の経験のないタレントや文化人が報道番組でニュースキャスターを務めるケースが相次ぎ、定義がますますあいまいになっている。
[[1989年]]10月、[[筑紫哲也]]による『筑紫哲也NEWS23』の放送がスタート。平日のニュース番組でキャスターの名前が番組名に記載されたのは初めて。


=== 歴史 ===
[[2006年]]4月、NHKの『[[ニュースウオッチ9]]』が放送開始。キャスターの[[柳澤秀夫]]と[[伊東敏恵]]はニュースの紹介に徹し、原稿や[[プロンプター (電気機器)|プロンプター]]を一切使わずに放送する試みを行う。


日本のニュースキャスター第1号は、[[1962年]][[10月1日]]にスタートした「[[JNNニュースコープ]]」([[TBS]])の[[田英夫]]と[[戸川猪佐武]]とされる。
それまで男性のキャスターが、ニュース番組の進行を務める事が多かったが、[[1980年|1980年代]]に各局が女性キャスターを起用し始める。その先駆けとなったのが、「[[きょうの出来事]]」([[日本テレビ]])を担当した[[櫻井よしこ]]である。だが実際は、[[1978年]]に[[田丸美寿々]]([[日本ニュース時事能力検定協会]]理事)が「[[ニュースレポート]]」を担当し、同氏が既にキャスターの位置付けをとっており、田丸を日本初の女性キャスターだとする意見もある。様々意見は分かれるが、「[[テレビ証券]]」においては「田丸さんは、日本でいうキャスターの先駆けで、[[ジャーナリスト]]からアンカーを務める米国流で言えば、櫻井さんが日本初のアンカーパーソン。」と、両者ともにキャスターの先駆けである事に違いはない、と言われている。


[[日本放送協会|NHK]]では[[1974年]][[4月]]、[[磯村尚徳]]による「[[ニュースセンター9時]]」が放送開始。ニュース原稿を読み上げるのみであったそれまでの「[[NHKニュース]]」とは違い、喋り言葉を積極的に使った。[[政治]]→[[経済]]→[[社会]]というNHKでは当たり前だった放送順序の慣例を、意識的に排除するなどの変化も見せた。
===アメリカ===
*アメリカでいうキャスターは、[[アンカー]]にあたる。 
*アメリカでは、小都市のローカル局のレポーターを振り出しに、現場や報道局で実力をつけてから大都市の地方局でレポーターやアンカーを務め、40代~50代でネットワーク局のアンカーになるのが通常である。新人のアナウンサーやキャスターが全国ニュースを読むことはありえない。
*[[CBS]]、[[National Broadcasting Company|NBC]]、[[American Broadcasting Company|ABC]] の三大ネットワークで平日夕刻の全国ニュースを担当するアンカーを特にチーフアンカーと言い、彼らがそれぞれの「ネットワークを代表する顔」となっている。
*チーフアンカーにはジャーナリストとしての知識や経験のほかに、個々のニュースに対する深い理解と徹底した中立性が求められる。そのため彼らは一般市民から高い信頼がおかれており、[[政治家]]も彼らに対して決して敬意を払うことを忘れない (チーフアンカーを粗末に扱うと次の選挙で必ず票に跳ね返るため)。アメリカでは「大統領が勝手なことを言えない者がこの国に三人だけいる:三大ネットのチーフアンカーだ」という格言まである。
*なお1980年代終わり頃からは、三大ネットのチーフアンカーに、[[CNN]] (24時間ケーブルニュースネットワーク) と、[[PBS]] (公共放送ネットワーク) の各チーフアンカーを加えた五人が、「アメリカ放送ジャーナリズムの顔」と位置づけられている。
<!-- *[[2006年]][[9月]]に[[ウォルター・クロンカイト]]や[[ダン・ラザー]]などの大物キャスターを輩出した『[[CBSイブニングニュース]]』のキャスターに就任した[[ケイティ・コーリック]]のように近年では女性の活躍も目立ってきている。--> <!-- 過去にも80年代後半からバーバラ・ウォルターズ (NBC)、ジェーン・ポーリー (NBC)、コニー・チャン (CBS)、ダイアン・ソイヤー (ABC) などのチーフアンカーを輩出しています。 -->


それまで男性のキャスターがニュース番組の進行を務める事が多かったが、[[1980年|1980年代]]に各局が女性キャスターを起用し始める。その先駆けとなったのが、「[[きょうの出来事]]」([[日本テレビ]])を担当した[[櫻井よしこ]]である。だが実際は、[[1978年]]に[[田丸美寿々]]([[日本ニュース時事能力検定協会]]理事)が「[[ニュースレポート]]」を担当し、既にキャスターの位置付けをとっており、田丸を日本初の女性キャスターだとする意見もある。様々意見は分かれるが、[[テレビ証券]]は「田丸さんは、日本でいうキャスターの先駆けで、[[ジャーナリスト]]からアンカーを務める米国流で言えば、櫻井さんが日本初のアンカーパーソン。」と、両者ともにキャスターの先駆けである事に違いはない、と述べている。
===イギリス===
*イギリスでいうキャスターは、プレゼンターにあたる。
*イギリスの場合、アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者が40代~50代でキャスターを務めるのが通常となっている。
*イギリスでも、キャスターの引き抜きや移籍が多い。例えば、[[BBC]]にいた記者が[[ITV]]に移籍したり、[[ITV]]のキャスターが[[BBC]]に移籍したりしている。 <!-- アメリカでもそうですし、だいたい日本以外ではどこでもそうです。 -->
*また、同じ[[英語圏]]からか元アメリカ国務省報道官のジェームス・ルービンのようにアメリカ人がキャスターを務めるケースもある。


[[1984年]][[10月1日]]にスタートした「[[FNNスーパータイム]]」([[フジテレビ]])においては、今までに無い視聴者の目線を意識したニュースリポートや特集などを組み、メインキャスターの[[逸見政孝]]や[[安藤優子]]はそれを象徴する存在となった。
===フランス===
*フランスでいうキャスターは、ニューズリーダーにあたる。
*フランスの場合、アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者がキャスターを務めるのが定番となっていたが、近年では、M6でキャスターを務めるメリッサ・テュリオのように、入社3年でキャスターを務めるケースも出ている。


[[1985年]][[10月]]にスタートした[[久米宏]]による「[[ニュースステーション]]」([[テレビ朝日]])は、それまでのニュース番組を変えた番組と認識されている。インタビュー取材でよく久米は「私はニュースキャスターでなく司会者」と発言している。
===ブラジル===
*ブラジルでいうキャスターは、Apresentadores(プレゼンターの意味)にあたる。
*ブラジルの主要ニュース番組のキャスターの殆どが、[[Globo]]のキャスター経験者である。これは、ブラジルのテレビ界においてGloboの一人勝ちの状況が続いていることにより、人材がGloboに集中していることが背景として挙げられる。


[[1989年]]10月、[[筑紫哲也]]による「[[筑紫哲也 NEWS23]]」の放送がスタート。平日のニュース番組でキャスターの名前が番組名に記載されたのは初めて。
===韓国===
*韓国でいうキャスターは、アンカーにあたる。
*韓国の場合、取材経験を積んだ報道次長、若しくは報道部長クラスの記者が、キャスターを務めるのが定番となっている。
*嘗ては、アメリカ同様男性が、単独でキャスターを務めていたが近年では女性キャスターと2人で番組を進行している。
*韓国でのキャスターは、あくまでニュースを読むことに徹していなければならず、日本のようにキャスターがふざけたり長々と私見を述べたりすれば視聴者から苦情が殺到すると言われている。


[[2006年]]4月、NHKの「[[ニュースウオッチ9]]」が放送開始。キャスターの[[柳澤秀夫]]と[[伊東敏恵]]はニュースの紹介に徹し、原稿や[[プロンプター (電気機器)|プロンプター]]を一切使わずに放送する試みを行う。
==著名ニュースキャスター==


== アメリカのニュースキャスター ==
===日本===
*[[川原亜矢子]]
*[[安藤優子]]
*[[笛吹雅子]] 
*[[金子茂]]
*[[木村太郎 (ジャーナリスト)|木村太郎]]
*[[国谷裕子]] 
*[[久米宏]]
*[[小谷真生子]]
*[[小宮悦子]]
*[[近野宏明]]
*[[櫻井よしこ]]
*[[杉尾秀哉]]
*[[滝川クリステル]]
*[[田丸美寿々]] 
*[[筑紫哲也]]
*[[露木茂]]
*[[鳥越俊太郎]]
*[[古舘伊知郎]]
*[[松尾紀子]]
*[[松本方哉]]
*[[真山勇一]] 
*[[三雲孝江]]
*[[宮田佳代子]] 


===アメリカ===
=== 概要 ===
'''現在のチーフアンカー'''
*[[ケイティ・コーリック]] [[:en:Katie Couric|(Katie Couric)]]: CBS
*ブライアン・ウィリアムス [[:en:Brian Williams|(Brian Williams)]]: NBC
*チャールズ・ギブソン [[:en:Charles Gibson|(Charles Gibson)]]: ABC
*[[アンダーソン・クーパー]] [[:en:Anderson Cooper|(Anderson Cooper)]]: CNN
*ジム・レーラー [[:en:Jim Lehrer|(Jim Lehrer)]]: PBS


アメリカでは、小都市のローカル局のリポーターを振り出しに、現場や報道局で実力をつけてから大都市の地方局でリポーターやアンカーを務め、40代~50代でネットワーク局のアンカーになるのが通常である。新人のアナウンサーやキャスターが全国ニュースを読むことはありえない。
'''その他の主要アンカー'''
*ティム・ラッサート [[:en:Tim Russert|(Tim Russert)]]: NBC
*サム・ドナルドソン [[:en:Sam Donaldson|(Sam Donaldson)]]: ABC 
*[[ABC_World_News_Tonight#バーガス & ウッドラフ|ボブ・ウッドラフ]] [[:en:Bob Woodruff|(Bob Woodruff)]]: ABC 
*ダイアン・ソイヤー [[:en:Diane Sawyer|(Diane Sawyer)]]: ABC 
*[[ジョン・ロバーツ]] [[:en:John Roberts (television reporter)|(John Roberts)]]: CNN
*クリス・ウォレス [[:en:Chris Wallace (journalist)|(Chris Wallace)]]: FOX
*[[ビル・オライリー]] [[:en:Bill O'Reilly (commentator)|(Bill O’Reilly)]]: FOX


[[CBS]]、[[National Broadcasting Company|NBC]]、[[American Broadcasting Company|ABC]] の三大ネットワークで平日夕刻の全国ニュースを担当するアンカーを特にチーフアンカーと言い、彼らがそれぞれの「ネットワークを代表する顔」となっている。チーフアンカーにはジャーナリストとしての知識や経験のほかに、個々のニュースに対する深い理解と徹底した中立性が求められる。そのため彼らは一般市民から高い信頼がおかれており、チーフアンカーを粗末に扱うと次の選挙で票に跳ね返るため、[[政治家]]も彼らに対して敬意を払うことを忘れない。アメリカでは「大統領が勝手なことを言えない者がこの国に三人だけいる。三大ネットのチーフアンカーだ。」という格言まである。
'''最近引退または死去した主要アンカー'''

*[[ダン・ラザー]] [[:en:Dan Rather|(Dan Rather)]]: CBS、1981〜2005年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。
なお1980年代終わり頃からは、三大ネットのチーフアンカーに、[[CNN]] (24時間ケーブルニュースネットワーク) と、[[PBS]] (公共放送ネットワーク) の各チーフアンカーを加えた五人が、「アメリカ放送ジャーナリズムの顔」と位置付けられている。
*[[ボブ・シーファー]] [[:en:Bob Schieffer|(Bob Schieffer)]]: CBS、2005〜2006年チーフアンカー。

*エド・ブラッドレー [[:en:Ed Bradley|(Ed Bradley)]]: CBS、2006年11月に白血病で急逝。
=== 歴史 ===
*トム・ブローコウ [[:en:Tom Brokaw|(Tom Brokaw)]]: NBC、1983〜2004年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。

*[[ピーター・ジェニングス]] [[:en:Peter Jennings|(Peter Jennings)]]: ABC、1978〜2005年チーフアンカー。2005年4月肺癌治療のため一時降板、間もなく8月に死去。
[[第二次世界大戦]]時、[[CBS]]の[[エドワード・R・マロー]]は、[[ヨーロッパ]]の各地から自身が組織した特派員たちとともにリポートを送り続けた。
*コニー・チャン [[:en:Connie Chung|(Connie Chung)]]: 三大ネットとCNNの四局で報道番組を担当した唯一のアンカー。CBSでは1993〜1995年にダン・ラザーと二人制でチーフアンカーを務めている。現在では[[MSNBC]]で週末の二ユース番組を担当。

*バーバラ・ウォルターズ [[:en:Barbara Walters|(Barbara Walters)]]: ABC、1976〜1978年にハリー・リーズナーと二人制で女性初のチーフアンカーを務めた。その後は現在に至るまで数多くの報道番組やインタビュー番組を担当。
[[1951年]]、マローがホストを務めるCBSの報道番組「シー・イット・ナウ」の放送が開始された。

[[1963年]]、[[ウォルター・クロンカイト]]が[[CBSイブニングニュース]]のアンカーに就任した。

[[1981年]]、[[ダン・ラザー]]がCBSイブニングニュースのアンカーに就任した。[[1983年]]、[[ピーター・ジェニングス]]が[[ABC World News|ABCワールド・ニュース]]の単独アンカーに昇格した。同年、[[トム・ブロコウ]]が[[NBCナイトリーニュース]]の単独アンカーに昇格した。これらにより、三大ネットのチーフアンカーによる本格的な視聴率競争の時代が始まった。

== 各国のニュースキャスター ==

=== イギリス ===

* アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者が40代~50代でキャスターを務めるのが通常となっている。
* 同じ[[英語圏]]からか、元アメリカ国務省報道官のジェームス・ルービンのように、アメリカ人がキャスターを務めるケースがある。

=== フランス ===

* アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者がキャスターを務めるのが定番となっていたが、近年では、M6でキャスターを務めるメリッサ・テュリオのように、入社3年でキャスターを務めるケースも出ている。

=== ブラジル ===

* [[ブラジル]]でいうキャスターは、Apresentadores(プレゼンターの意味)にあたる。
* ブラジルの主要ニュース番組のキャスターの殆どが、[[Globo]]のキャスター経験者である。これは、ブラジルのテレビ界においてGloboの一人勝ちの状況が続いていることにより、人材がGloboに集中していることが背景として挙げられる。

=== 韓国 ===

* 取材経験を積んだ報道次長、若しくは報道部長クラスの記者が、キャスターを務めるのが定番となっている。
* かつてはアメリカ同様男性が単独でキャスターを務めていたが、近年では女性キャスターと2人で番組を進行している。

== ニュースキャスターと私見 ==

=== 日本 ===

* 「[[JNNニュースコープ]]」で17年間キャスターを務めた[[古谷綱正]]は、あくまでストレートにニュースを伝えることに徹し、「日本のウォルター・クロンカイト」と評された。当時古谷は「キャスターがいい気になって意見を言うのは、反感を呼び不信感を煽るでしょう。大切なのはニュースに対する『姿勢』というものです」とあくまで客観的にニュースを伝えることこそが重要だとした。
* フジテレビ「[[FNNニュースレポート23:00]]」のキャスターを務めた[[俵孝太郎]]は「ニュースは鉄仮面のごとく読むべきだ」と述べ、「[[JNN報道特集]]」で長年キャスターを務めた[[堀宏]]は[[サイゾー]]のインタビューで、「([[放送法]]の規定を挙げた上で)ニュース番組は新聞のように評論をすべきではない」と発言している。
* 「[[きょうの出来事]]」([[日本テレビ]])で長年アンカーパーソンを務めた[[櫻井よしこ]]は、「アンカーパーソンは言葉で批判するのではなく、データの選定で批判するべき。」と、データの上でのキャスターである為、キャスターは私的なコメントで判断を下してはいけないと語っている。
* 「[[RKBニュースワイド]]」([[RKB毎日放送]])初代キャスターの[[三善英毅]](現在第一経済大学教授)は1982年、[[朝日新聞]]のインタビュー記事で「キャスターはニュースの解説役という考えもあるが、私はニュースの整理役だと思う。ニュースに手を加え、データを盛り込んでいったら終わり。」と発言している。
* 現在、多くの報道番組はキャスターが自分の思想・意見を積極的に述べ、取り上げるニュースにもそれが反映される形態が多い。こうしたキャスターの傾向に対しては、雑誌等の一部活字メディアでは「電波芸者」と揶揄している。[[FOX News Channel]] の[[ビル・オライリー]]に代表されるように、キャスター(ホスト)がトークラジオのように進行する番組が人気を博している。[[評論家]]や識者が集まってトークする番組も人気である。

=== アメリカ ===

* アメリカではかつて、アンカーがニュースに対する私見を述べても良いか否かという論争があった。番組の終わりに自論のコーナーを設けていた代表的なアンカーに[[エドワード・R・マロー]]が、逆に私見は徹底的に避けるべきだとした代表的なアンカーに[[ウォルター・クロンカイト]]がいた。
* 現在、アメリカの主要なニュース番組である三大ネットの夕方のニュースは、放送時間が30分しかなく、アンカーがニュースにいちいちコメントをつけることはしない。

=== 韓国 ===

* キャスターはあくまでニュースを読むことに徹していなければならず、日本のようにキャスターがふざけたり長々と私見を述べたりすれば、視聴者から苦情が殺到すると言われている。

== 著名ニュースキャスター ==

=== 日本 ===

* [[安藤優子]]
* [[笛吹雅子]]
* [[金子茂]]
* [[木村太郎 (ジャーナリスト)|木村太郎]]
* [[国谷裕子]]
* [[久米宏]]
* [[小谷真生子]]
* [[小宮悦子]]
* [[近野宏明]]
* [[櫻井よしこ]]
* [[杉尾秀哉]]
* [[滝川クリステル]]
* [[田丸美寿々]]
* [[筑紫哲也]]
* [[露木茂]]
* [[鳥越俊太郎]]
* [[古舘伊知郎]]
* [[松尾紀子]]
* [[松本方哉]]
* [[真山勇一]]
* [[三雲孝江]]
* [[宮田佳代子]]

=== アメリカ ===

==== 現在のチーフアンカー ====

* [[ケイティ・コーリック]] [[:en:Katie Couric|(Katie Couric)]]: CBS
* ブライアン・ウィリアムス [[:en:Brian Williams|(Brian Williams)]]: NBC
* チャールズ・ギブソン [[:en:Charles Gibson|(Charles Gibson)]]: ABC
* [[アンダーソン・クーパー]] [[:en:Anderson Cooper|(Anderson Cooper)]]: CNN
* ジム・レーラー [[:en:Jim Lehrer|(Jim Lehrer)]]: PBS

==== その他の主要アンカー ====

* ティム・ラッサート [[:en:Tim Russert|(Tim Russert)]]: NBC
* サム・ドナルドソン [[:en:Sam Donaldson|(Sam Donaldson)]]: ABC
* [[ABC_World_News_Tonight#バーガス & ウッドラフ|ボブ・ウッドラフ]] [[:en:Bob Woodruff|(Bob Woodruff)]]: ABC
* ダイアン・ソイヤー [[:en:Diane Sawyer|(Diane Sawyer)]]: ABC
* [[ジョン・ロバーツ]] [[:en:John Roberts (television reporter)|(John Roberts)]]: CNN
* クリス・ウォレス [[:en:Chris Wallace (journalist)|(Chris Wallace)]]: FOX
* [[ビル・オライリー]] [[:en:Bill O'Reilly (commentator)|(Bill O’Reilly)]]: FOX

==== 引退または死去した主要アンカー ====

* [[ダン・ラザー]] [[:en:Dan Rather|(Dan Rather)]]: CBS、1981~2005年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。
* [[ボブ・シーファー]] [[:en:Bob Schieffer|(Bob Schieffer)]]: CBS、2005~2006年チーフアンカー。
* エド・ブラッドレー [[:en:Ed Bradley|(Ed Bradley)]]: CBS、2006年11月に白血病で急逝。
* トム・ブロコウ [[:en:Tom Brokaw|(Tom Brokaw)]]: NBC、1983~2004年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。
* [[ピーター・ジェニングス]] [[:en:Peter Jennings|(Peter Jennings)]]: ABC、1978~2005年チーフアンカー。2005年4月肺癌治療のため一時降板、間もなく8月に死去。
* コニー・チャン [[:en:Connie Chung|(Connie Chung)]]: 三大ネットとCNNの四局で報道番組を担当した唯一のアンカー。CBSでは1993~1995年にダン・ラザーと二人制でチーフアンカーを務めている。現在では[[MSNBC]]で週末の二ユース番組を担当。
* バーバラ・ウォルターズ [[:en:Barbara Walters|(Barbara Walters)]]: ABC、1976~1978年にハリー・リーズナーと二人制で女性初のチーフアンカーを務めた。その後は現在に至るまで数多くの報道番組やインタビュー番組を担当。


===イギリス===
===イギリス===

*トレバー・マクドナルド [[:en:Trevor McDonald|(Trevor McDonald)]]: ITN
*オースティン [[:en:Mark Austin|Mark Austin]]: ITN
* トレバー・マクドナルド [[:en:Trevor McDonald|(Trevor McDonald)]]: ITN
<!-- *マーティン・スタンフォードSKYNEWS-->
* マーク・オースティン [[:en:Mark Austin|Mark Austin]]ITN
<!-- * マーティン・スタンフォード: SKYNEWS-->


===ブラジル===
===ブラジル===

*ウィリアム・ボネー: Globo
* ウィリアム・ボネー: Globo
*カルロス・ナシメント: SBT
*ファティマ・ベルナンディスGlobo
*ロス・シメSBT
* ファティマ・ベルナンディス: Globo

== 注記 ==

<references />





2007年7月14日 (土) 10:38時点における版

ニュースキャスターとは、報道番組に出演し、ニュースを紹介しながら司会・進行する役割の呼称、または職業

アンカーについては、#原義と類義語の節を参照。

ニュースキャスターを単に「キャスター」と略すのは和製英語である。#日本のニュースキャスターの節を参照。

概要

ニュースキャスターとは、テレビラジオなどの放送メディア報道番組に出演し、番組全体または特定のコーナーを、ニュースを紹介しながら司会・進行する役割の呼称、または職業である。番組の出演者はニュースキャスター一人の場合もあるが、規模の大きな番組では複数キャスター制をとったり、コメンテーターアナウンサーを伴ったりする場合もある。ニュースの読み上げはニュースキャスターかアナウンサーが行う。ニュースに対してのコメントや解説はニュースキャスターかコメンテーターが行う。番組にゲストとして話題の人物が招かれ、ニュースキャスターがインタビューすることもある。

同じような時間帯の報道番組を比較すると、ニュースのラインナップは似たようなものになりがちである。番組タイトルやスタジオの造り、ニュースの切り口、特集、スクープなどで違いを出せるが、最も他との差別化を果たしうるものの一つは、個性あるニュースキャスターの存在であろう。ニュースキャスターに寄せる信頼感・安心感・好意は、視聴者聴取者チャンネルを選択する動機となるので、放送局は人気・実力のあるニュースキャスターの獲得に躍起になる。「筑紫哲也 NEWS23」や“NBC Nightly News with Brian Williams”(NBCナイトリーニュース)のように、タイトルにニュースキャスターの名前を含め、明確にニュースキャスターの個性を前面に出している番組もある。

ニュースキャスターにはジャーナリスティックな資質が不可欠である。番組出演中は、たとえば現地中継のリポーターやゲストに的確な質問をぶつけて情報を引き出す場面や、臨時ニュースが入ってきて情報が錯綜しているときに、視聴者・聴取者が混乱しないように情報の真偽を見極めつつ整理しながら伝える場面などで、ニュースの背景についての理解と判断力が問われる。ニュースキャスターは「情報の交通整理員」だという人もいる。

アメリカを典型として、によってはニュースキャスターは番組出演のほかに、ニュースの取材・編集や番組構成にも影響を及ぼし、一定の責任を負っているとみなされる。その多くは、報道記者として長年経験を積んだ経歴を持つ。日本ではこの傾向は強くないが、TBS筑紫哲也 NEWS23」の筑紫哲也フジテレビニュースJAPAN」の松本方哉などが当てはまる。この2つの番組ではキャスター編集長という名称を使っている。就任年齢は、ブラジル韓国では低く(Globoの“Jornal Nacional”のウィリアム・ボネーや韓国MBCの「MBCニュースデスク」のオム・ギヨンは30代後半)、アメリカでは高い(ABCの「ABCワールド・ニュース」のチャールズ・ギブソンは60代前半)傾向にある。

ニュースメディアがニュースに対して特定の立場を取ることは、偏向報道としてニュースの信用を落とすことにもなりかねない。ニュースの事柄の賛否にまで踏み込むような発言は、ニュースキャスターではなくコメンテーターが行うか、ニュースキャスターが「私個人としては…」と前置きをつけたり、番組内にニュースキャスターが意見を述べるための時間帯を設けたりして、「事実」と「意見」を分ける努力がなされる。しかし、ニュースキャスターがズバズバと意見を言う番組や、逆にコメントを排除し、ニュースを伝えるのみの番組もある。

スタジオからの出演が通常であるが、重大ニュースが発生したときなどに、ニュースキャスターが現地からリポートする場合がある。ニュースキャスターが現地に飛んだからといって、報道態勢の向上に貢献できるとは限らないのであるが、普段からなじみのあるニュースキャスターがその場所に行って話すことが、ニュースの臨場感を高める効果を持つ。もっとも、実際にリポート能力を期待されて現地派遣される場合や、リポート取材を好むニュースキャスターの場合もありうる。

原義と類義語

ニュースキャスターはもとは英語である。英語のnewscaster(ニュースキャスター[1])は、news(ニュース)とbroadcast(放送する)の合成が語源であり、直訳すると「ニュースを放送する人」といった意味になる。

ニュースキャスターとほぼ同じ役割を指す語として、アンカーがある。英語のanchor(アンカー、リレー競技の最終走者)であるが、現場で取材したニュース素材が、記者、編集者、技術者らを介してあたかもバトンのように受け渡され、最後に番組の出演者(アンカー)から視聴者に伝えられる様子を例えたものである。1952年アメリカ大統領選挙の際、プロデューサードン・ヒューイットウォルター・クロンカイトに対して用いたのが始まりとされる。アンカーはその番組の報道チームの責任者・リーダー格の意味合いを持つ。一方、ニュースキャスターはアンカーとほぼ同様の役割・権限を持つが、原義からして取材・編集過程や番組構成への関与はアンカーほど明確でない。アンカーはアメリカ英語である[2]。日本ではあまり使われない語である。アンカーパーソンの言い方もなされる。男性、女性を指す語としてそれぞれアンカーマンアンカーウーマンもある。

報道番組における英語のpresenter(プレゼンター、披露する人)は、イギリス英語で用いられた場合、アンカーに近い意味になる。アメリカ英語で用いられた場合、アナウンサーに近い意味になる。日本ではほぼ使われない。

イギリス英語寄りの語として、newsreader(ニュースリーダー、ニュースを読む人)がある。番組出演時の役割はニュースキャスターやアンカーと同様であるが、ニュースの取材・編集過程や番組構成への関与の意味合いはなくなる。日本ではほぼ使われない。

ニュースキャスターの意味するところは、番組制作への関与の度合いや私見の扱いの点において、文化圏や個人の信条により若干の差異が見られる。

日本のニュースキャスター

概要

日本では、ニュースキャスターのニュースの取材・編集過程や番組構成への関与の度合いにはあまり注意が払われず、単に報道番組の司会者であればニュースキャスターと呼ばれる。アナウンサー出身が多く、他は報道記者やタレント文化人の出身に分かれる。

ニュースキャスターを単に「キャスター」と略すのは和製英語である。「キャスター」は、報道番組だけでなく情報番組の司会者にも用いられる。 スポーツニュースを専門に担当するスポーツキャスター天気予報を専門に担当するお天気キャスターまたは気象キャスターといった用語がある。(スポーツキャスターはsportscaster、お天気キャスターはweathercasterという語が英語にもある。)その他、芸能ニュース専門の芸能キャスター、ファッショングルメなどの肩肘の張らない話題を伝える情報キャスター、リポート取材専門のフィールドキャスターなど、さまざまな「(ジャンル)+キャスター」の形の用語が作られている。「キャスター」はこれらの総称の場合もある。スポーツキャスターであれば元スポーツ選手、お天気キャスターであれば気象予報士のように、その業界出身のキャスターも存在する。お天気キャスターや情報キャスターを中心に、大学卒業後間もない、または大学在学中の、若々しいが経験の浅い女性が起用されるケースが見られる。

キャスターとアナウンサーの違い

本来、アナウンサーは渡されたニュース原稿を無表情に読み上げるだけで、ニュースの内容には関知しないはずである。しかし、日本はアナウンサーの業務の幅が広く、ニュースに臨機応変にコメントしたり、ニュースの取材・編集の人員に加わったりすることもある。またニュースキャスターという語も、アメリカに比べるとジャーナリスティックな要素よりも番組出演に重きが置かれるので、両者の区別はしばしばあいまいである。森田美由紀は、「みんな困っていると思うんですよ。周りがキャスターと呼べばキャスターですし、アナウンサーと呼べばアナウンサーですしね。」と語っている[3]。ただ、一般に放送局社員の募集職種や役職の名称はアナウンサーで統一されている。放送局所属のアナウンサーはアナウンサーともキャスターとも呼ばれるが、報道記者やタレントなどの出身のキャスターがアナウンサーと呼ばれることはない。(出身業界は見た目ではわからないので、実際にはアナウンサーの経歴がなくても、印象でアナウンサーと呼ばれることはある。)番組内にキャスターとアナウンサーと呼ばれる人間が両方いたとき、キャスターがメイン、アナウンサーがサブの位置付けにはなるが、逆になることはない、といった違いはある。

本来の意味にしたがった両者の違いは、「アナウンサーはニュースを『読み上げる』、ニュースキャスターはニュースを『語りかける』」と表現されることがある。

1997年スーパーJチャンネル石田純一らがキャスターに起用されて以降、報道関連の経験のないタレントや文化人が報道番組でニュースキャスターを務めるケースが相次ぎ、定義がますますあいまいになっている。

歴史

日本のニュースキャスター第1号は、1962年10月1日にスタートした「JNNニュースコープ」(TBS)の田英夫戸川猪佐武とされる。

NHKでは1974年4月磯村尚徳による「ニュースセンター9時」が放送開始。ニュース原稿を読み上げるのみであったそれまでの「NHKニュース」とは違い、喋り言葉を積極的に使った。政治経済社会というNHKでは当たり前だった放送順序の慣例を、意識的に排除するなどの変化も見せた。

それまで男性のキャスターがニュース番組の進行を務める事が多かったが、1980年代に各局が女性キャスターを起用し始める。その先駆けとなったのが、「きょうの出来事」(日本テレビ)を担当した櫻井よしこである。だが実際は、1978年田丸美寿々日本ニュース時事能力検定協会理事)が「ニュースレポート」を担当し、既にキャスターの位置付けをとっており、田丸を日本初の女性キャスターだとする意見もある。様々意見は分かれるが、テレビ証券は「田丸さんは、日本でいうキャスターの先駆けで、ジャーナリストからアンカーを務める米国流で言えば、櫻井さんが日本初のアンカーパーソン。」と、両者ともにキャスターの先駆けである事に違いはない、と述べている。

1984年10月1日にスタートした「FNNスーパータイム」(フジテレビ)においては、今までに無い視聴者の目線を意識したニュースリポートや特集などを組み、メインキャスターの逸見政孝安藤優子はそれを象徴する存在となった。

1985年10月にスタートした久米宏による「ニュースステーション」(テレビ朝日)は、それまでのニュース番組を変えた番組と認識されている。インタビュー取材でよく久米は「私はニュースキャスターでなく司会者」と発言している。

1989年10月、筑紫哲也による「筑紫哲也 NEWS23」の放送がスタート。平日のニュース番組でキャスターの名前が番組名に記載されたのは初めて。

2006年4月、NHKの「ニュースウオッチ9」が放送開始。キャスターの柳澤秀夫伊東敏恵はニュースの紹介に徹し、原稿やプロンプターを一切使わずに放送する試みを行う。

アメリカのニュースキャスター

概要

アメリカでは、小都市のローカル局のリポーターを振り出しに、現場や報道局で実力をつけてから大都市の地方局でリポーターやアンカーを務め、40代~50代でネットワーク局のアンカーになるのが通常である。新人のアナウンサーやキャスターが全国ニュースを読むことはありえない。

CBSNBCABC の三大ネットワークで平日夕刻の全国ニュースを担当するアンカーを特にチーフアンカーと言い、彼らがそれぞれの「ネットワークを代表する顔」となっている。チーフアンカーにはジャーナリストとしての知識や経験のほかに、個々のニュースに対する深い理解と徹底した中立性が求められる。そのため彼らは一般市民から高い信頼がおかれており、チーフアンカーを粗末に扱うと次の選挙で票に跳ね返るため、政治家も彼らに対して敬意を払うことを忘れない。アメリカでは「大統領が勝手なことを言えない者がこの国に三人だけいる。三大ネットのチーフアンカーだ。」という格言まである。

なお1980年代終わり頃からは、三大ネットのチーフアンカーに、CNN (24時間ケーブルニュースネットワーク) と、PBS (公共放送ネットワーク) の各チーフアンカーを加えた五人が、「アメリカ放送ジャーナリズムの顔」と位置付けられている。

歴史

第二次世界大戦時、CBSエドワード・R・マローは、ヨーロッパの各地から自身が組織した特派員たちとともにリポートを送り続けた。

1951年、マローがホストを務めるCBSの報道番組「シー・イット・ナウ」の放送が開始された。

1963年ウォルター・クロンカイトCBSイブニングニュースのアンカーに就任した。

1981年ダン・ラザーがCBSイブニングニュースのアンカーに就任した。1983年ピーター・ジェニングスABCワールド・ニュースの単独アンカーに昇格した。同年、トム・ブロコウNBCナイトリーニュースの単独アンカーに昇格した。これらにより、三大ネットのチーフアンカーによる本格的な視聴率競争の時代が始まった。

各国のニュースキャスター

イギリス

  • アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者が40代~50代でキャスターを務めるのが通常となっている。
  • 同じ英語圏からか、元アメリカ国務省報道官のジェームス・ルービンのように、アメリカ人がキャスターを務めるケースがある。

フランス

  • アメリカと同様に、取材経験を積んだ記者がキャスターを務めるのが定番となっていたが、近年では、M6でキャスターを務めるメリッサ・テュリオのように、入社3年でキャスターを務めるケースも出ている。

ブラジル

  • ブラジルでいうキャスターは、Apresentadores(プレゼンターの意味)にあたる。
  • ブラジルの主要ニュース番組のキャスターの殆どが、Globoのキャスター経験者である。これは、ブラジルのテレビ界においてGloboの一人勝ちの状況が続いていることにより、人材がGloboに集中していることが背景として挙げられる。

韓国

  • 取材経験を積んだ報道次長、若しくは報道部長クラスの記者が、キャスターを務めるのが定番となっている。
  • かつてはアメリカ同様男性が単独でキャスターを務めていたが、近年では女性キャスターと2人で番組を進行している。

ニュースキャスターと私見

日本

  • JNNニュースコープ」で17年間キャスターを務めた古谷綱正は、あくまでストレートにニュースを伝えることに徹し、「日本のウォルター・クロンカイト」と評された。当時古谷は「キャスターがいい気になって意見を言うのは、反感を呼び不信感を煽るでしょう。大切なのはニュースに対する『姿勢』というものです」とあくまで客観的にニュースを伝えることこそが重要だとした。
  • フジテレビ「FNNニュースレポート23:00」のキャスターを務めた俵孝太郎は「ニュースは鉄仮面のごとく読むべきだ」と述べ、「JNN報道特集」で長年キャスターを務めた堀宏サイゾーのインタビューで、「(放送法の規定を挙げた上で)ニュース番組は新聞のように評論をすべきではない」と発言している。
  • きょうの出来事」(日本テレビ)で長年アンカーパーソンを務めた櫻井よしこは、「アンカーパーソンは言葉で批判するのではなく、データの選定で批判するべき。」と、データの上でのキャスターである為、キャスターは私的なコメントで判断を下してはいけないと語っている。
  • RKBニュースワイド」(RKB毎日放送)初代キャスターの三善英毅(現在第一経済大学教授)は1982年、朝日新聞のインタビュー記事で「キャスターはニュースの解説役という考えもあるが、私はニュースの整理役だと思う。ニュースに手を加え、データを盛り込んでいったら終わり。」と発言している。
  • 現在、多くの報道番組はキャスターが自分の思想・意見を積極的に述べ、取り上げるニュースにもそれが反映される形態が多い。こうしたキャスターの傾向に対しては、雑誌等の一部活字メディアでは「電波芸者」と揶揄している。FOX News Channelビル・オライリーに代表されるように、キャスター(ホスト)がトークラジオのように進行する番組が人気を博している。評論家や識者が集まってトークする番組も人気である。

アメリカ

  • アメリカではかつて、アンカーがニュースに対する私見を述べても良いか否かという論争があった。番組の終わりに自論のコーナーを設けていた代表的なアンカーにエドワード・R・マローが、逆に私見は徹底的に避けるべきだとした代表的なアンカーにウォルター・クロンカイトがいた。
  • 現在、アメリカの主要なニュース番組である三大ネットの夕方のニュースは、放送時間が30分しかなく、アンカーがニュースにいちいちコメントをつけることはしない。

韓国

  • キャスターはあくまでニュースを読むことに徹していなければならず、日本のようにキャスターがふざけたり長々と私見を述べたりすれば、視聴者から苦情が殺到すると言われている。

著名ニュースキャスター

日本

アメリカ

現在のチーフアンカー

その他の主要アンカー

引退または死去した主要アンカー

  • ダン・ラザー (Dan Rather): CBS、1981~2005年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。
  • ボブ・シーファー (Bob Schieffer): CBS、2005~2006年チーフアンカー。
  • エド・ブラッドレー (Ed Bradley): CBS、2006年11月に白血病で急逝。
  • トム・ブロコウ (Tom Brokaw): NBC、1983~2004年チーフアンカー。現在では報道特別番組に時折登場している。
  • ピーター・ジェニングス (Peter Jennings): ABC、1978~2005年チーフアンカー。2005年4月肺癌治療のため一時降板、間もなく8月に死去。
  • コニー・チャン (Connie Chung): 三大ネットとCNNの四局で報道番組を担当した唯一のアンカー。CBSでは1993~1995年にダン・ラザーと二人制でチーフアンカーを務めている。現在ではMSNBCで週末の二ユース番組を担当。
  • バーバラ・ウォルターズ (Barbara Walters): ABC、1976~1978年にハリー・リーズナーと二人制で女性初のチーフアンカーを務めた。その後は現在に至るまで数多くの報道番組やインタビュー番組を担当。

イギリス

ブラジル

  • ウィリアム・ボネー: Globo
  • カルロス・ナシメント: SBT
  • ファティマ・ベルナンディス: Globo

注記

  1. ^ newsは慣例的に「ニュース」とカタカナ転写されるが、「ニュー」とした方がより原音に近い。
  2. ^ 以降この節のアメリカ英語かイギリス英語かの区別は、Longman Dictionary of Contemporary English(1995年版)による。
  3. ^ 『ダカーポ』No.295 1994年2月16日号 マガジンハウス、74頁。