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10の冪

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1から10億(1 billion)までの10の冪の視覚化

10の(じゅうのべき)または10の累乗数(じゅうのるいじょうすう)とは、適当な整数 n を選べば、10n 乗 (10n) の形に表せるの総称である。

概要

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様々な位取り記数法において十進法が多く採用されているため、10の冪を表す命数は他の累乗数に対して多い。

個々の数そのものを示す数詞の他に、キロメガなどのSI接頭語によって10の累乗数倍を示す表記法が存在する。

正の冪

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十進法においては、nの整数の場合、10の n 乗 (10n) は1の後に0が n 個続く数となる。n=0 の場合は 1 となり、定義上、1 も 10 の冪である。

10の正の冪(抜粋)
冪指数 漢字表記 SI接頭語
(0) (1) (一) (なし)
1 10 デカ (da)
2 100 ヘクト (h)
3 1000 キロ (k)
4 10000
5 100000 十万
6 1000000 百万 メガ (M)
7 10000000 千万
8 100000000
9 1000000000 十億 ギガ (G)
10 10000000000 百億
11 100000000000 千億
12 1000000000000 テラ (T)
15 1000000000000000 千兆 ペタ (P)
18 1000000000000000000 エクサ (E)
21 1000000000000000000000 ゼタ (Z)
24 1000000000000000000000000 𥝱 ヨタ (Y)

無量大数不可説不可説転グーゴルグーゴルプレックスなども10の累乗数である。

負の冪

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指数がの整数 -n の場合、10の n 乗は小数点以下第 n 位が1でそれ以外の位が0の数となる。

10の負の冪(抜粋)
冪指数 漢字表記 SI接頭語
(0) 1 (一) (なし)
−1 0.1 デシ(d)
−2 0.01 センチ(c)
−3 0.001 ミリ(m)
−4 0.000 1
−5 0.000 01
−6 0.000 001 マイクロ(μ)
−9 0.000 000 001 ナノ(n)
−12 0.000 000 000 001 ピコ(p)
−15 0.000 000 000 000 001 須臾 フェムト(f)
−18 0.000 000 000 000 000 001 刹那 アト(a)
−21 0.000 000 000 000 000 000 001 清浄 ゼプト(z)
−24 0.000 000 000 000 000 000 000 001 ヨクト(y)

指数表記

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指数表記(exponential notation)または科学的表記(en:scientific notation)は、非常に大きな、または、非常に小さな数を簡潔に表現するための表記方法である。また有効数字を明確に示すためにも用いられる。

指数表記では、数は、10の冪と仮数 m の積で m×10n と表される。

指数表記は 6.02214076e-23 のようにも表記され、これをE表記(E notation)という。

関連項目

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