麦汁

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麦汁(ばくじゅう、wort)とは、大麦を原料とするビールウイスキー醸造における糖化過程で生成される液体のこと。酵母発酵によってアルコールを生成するために必要なを含んでいる。

麦汁の作り方とその後の処理

大麦の麦芽粉末状にした後、熱湯に混ぜて浸す。この過程では、麦芽に含まれる糖化酵素β-アミラーゼデンプンを分解しビール酵母が利用可能な麦芽糖に変換[出典 1]可能な状態にするためにゆっくりと加熱する。このときの生成物が麦汁である。

糖化終了後、熱い麦汁は静かに注がれるかフィルターを通された後、濃度を調整するために煮沸され、それから冷される。そして、発酵を開始するために酵母を投入する。

ウィート・ビールオートミール・スタウトのようなスタイルのビール、アメリカンスタイル・ラガーのような(費用削減のための)軽いラガーグレーン・ウイスキーなどを造る場合には、大麦の糖化前に付属物[1]を投入する。

ビール

ビール造りでは、麦汁を煮沸する際にホップを加える。ホップを加えるまでは英語で「sweet wort」と呼ばれ、ホップを加えた後は英語で「hopped wort」と呼ばれる。

また、煮沸して濃度を調整した後に計る比重初期比重と呼ぶ。

脚注

  1. ^ 小麦トウモロコシなど。造るによって異なる。

関連項目

出典

  1. ^ 佐藤洋一郎、加藤鎌司編著『麦の自然史 : 人と自然が育んだムギ農耕』北海道大学出版会、2010年、p174。ISBN 978-4-8329-8190-4