高架橋
高架橋(こうかきょう)は、地上に連続して架けられた橋のことである。
概要
高架橋は、独立した鉄道や道路の交通網を作るうえで建設されることが多く、特に高速鉄道や高速道路といった高い速度を求める場合に多く用いられる。
地上よりも高い位置にあるという点では盛土方式も高架であると言えるが、橋ではないため「高架橋」とは呼ばない。また、独立した交通網という観点では地下方式が挙げられ、たびたび高架方式と比較される。
高架橋の構造は通常の橋とは特に違いはなく、地上に架かっているという点を除けば河川を横断する橋などと同じである。しかし地上に架けるという特性上、設計や建設が容易になり、河川を横断する場合に比べ安価に建設することができることが多い。高架橋には単純な構造で安く作ることが出来る桁橋が多く見られる。
歴史
高架橋は水道橋が起源であったとされているが、交通手段として利用され始めたのは鉄道に由来するところが大きい。高架の路線は鉄道が誕生した頃には存在しなかった概念であったが、人口密集地への鉄道の敷設が行われる際、地上への線路の敷設は極めて不利な条件であったため、高架化させることが考えられた。このことから20世紀前半にはヨーロッパの主要都市へ路線を通す際、地下鉄道の選択肢の他に高架鉄道という選択肢も加わった。しかし初期の高架橋は線路幅とほぼ代わらない幅であったため、風に非常に弱かった。特に木製の高架橋は火災にも弱く、焼け落ちるたびに長期の休業が強いられた。その反省から、燃えない素材での高架橋建設が一般的となり、煉瓦や鉄骨で高架橋が造られた。また20世紀には新たな建築素材として鋼やコンクリートが利用され始めたことから、これらも積極的に使用されており現代ではほとんどこのどちらかである。コンクリート製のものは中に鉄筋が組み込まれた鉄筋コンクリートのものが多い。なお、コンクリート製の高架橋は鉄骨の高架橋に見られる騒音の発生が極めて少ないため、モノレールの軌道はコンクリートが多く、また高速交通にも多く用いられる。
道路としての高架橋の利用は、高速道路の建設が盛んになってからである。
高架下
「ガード下」ともいう。線路や道路を高架化した場合は地上1 - 2階程度の高さの空間ができることから、古くから都市部では店舗や住宅、倉庫、道路などに活用されている。鉄道会社や道路管理会社、または委託を受けた不動産会社などの事業者がテナントを募集して賃貸することが多い。東京高速道路のように、高架下に入る店舗から得る賃料で高架上にある高速道路の運営費用をまかなう、という事業者もある。
日本における利用状況
- バスターミナル・タクシー乗り場
- 駐車場・駐輪場
- 店舗・事務所
- 飲食店
- 倉庫・資材置き場
- 都市部郊外で多く見られる。多くは鉄道会社や道路管理会社自身が使用しているが、貸し出しているところもある。
- 児童公園
- 博物館 - 鉄道博物館が多い
- 変電所 - 電気鉄道では必須の設備
高々架(多重高架)
既存の高架橋などの上を跨ぐためにもうけられる、通常よりも高さが2倍以上ある高架橋。主に新幹線や高速道路で見られる。新幹線以外の日本の鉄道では以下のような場所に存在している。
- 新川駅付近
- 新越谷駅
- 北戸田駅付近
- 東京駅付近
- 神田駅前後約600m
- 秋葉原駅
- 青砥駅付近
- 日暮里駅付近
- 二俣新町駅近隣3ヶ所
- 京急蒲田駅付近
- 小田井駅付近
- 岐阜駅
- 河堀口駅付近
- 京橋駅
- 鶴橋駅
- 西九条駅
- 宇多津駅東側
- 栗林駅付近