須藤シンジ

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須藤 シンジ(すどう しんじ、1963年1月29日 - )は、有限会社フジヤマストア/ネクスタイド・エヴォリューション代表取締役社長、特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所代表理事。東京都出身。

人物紹介[編集]

明治学院大学卒業後、株式会社丸井に入社。宣伝、バイヤー、副店長などを歴任。次男が脳性麻痺で出生し、以来障害児の親として現行の福祉の世界(障害者を特別扱いし、一般の健常者を分けて扱う実態)の在り方に疑問を感じる。数年間ボランティア活動等に参加しながら、自身が能動的に起こせる活動の切り口を模索。2000年に独立し、マーケティングコンサルティング会社フジヤマストアを設立。商業施設をはじめとする多業種のブランディングディレクション(コンセプトメイク〜コミュニケーションプラン策定等)、研修、企画・運営を手がけている。2002年にソーシャル・プロジェクト、NEXTIDEVOLUTION(ネクスタイド・エヴォリューション)を開始。世界のトップクリエイターとのコラボレーションで、「意識のバリアフリー」をメッセージする活動を展開中。また2010年からは、従来型の「ユニバーサルデザイン」という表現に残る、福祉的なアプローチと一線を画す「ピープルデザイン(PEOPLE DESIGN)」という新たな概念を立ち上げ、障害の有無を問わずにハイセンスに着こなせるアイテムや、障害者を街に呼び込む為の各種イベントをプロデュースしている。その活動は諸外国からも注目されており、現在はスポーツ、教育の分野にも活動のフィールドを広げると共に、同情を排除した障害者就労の促進にも力を入れている。
2011年春からは、慶應義塾大学商学部牛島ゼミに「ピープルデザイン研究室」を立ち上げ、渋谷の街を題材にしたフィールドワークなどを展開している。また、特定非営利活動法人シブヤ大学と連携して、2012年4月に特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所を創設し、代表理事に就任した。このNPOでは渋谷という街をベースにし、そこに働く人と集う人々の行動をデザインすることで、ダイバーシティ/インクルージョンの街作りを目指し、活動している。
近年は国内外の教育関連機関からも注目されており、2012年7月31日〜8月4日に福島県いわき市にて行われた、福島大学に設置されたOECD東北スクール運営事務局が開催する、OECDの教育復興支援プロジェクト「第2回東北スクール」に、ファシリテーターとして参加した。また、2011年12月にはオランダのTU Delft/デルフト工科大学にゲストスピーカーとして招かれ、2012年からは同大学MBA下期マスター取得コースにおいて「ピープルデザイン(PEOPLE DESIGN)」の授業を行っている。2013年と2014年には国立滋賀大学経済学部にて、2014年にはニュージーランドのワイカト大学にて授業を展開。従来の福祉や人権教育に変わる「ピープルデザイン」の概念を元にした各地の区民・市民向けの講演や、小・中学校の教員向けの研修、行政職員研修ならびに行政施策の立案業務まで、活動の幅を広げている。
2014年7月15日、自身も40年在住している神奈川県川崎市が、特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所と、対NPOとしては初となる包括協定を締結。同日、川崎市役所にて福田市長と共に記者会見を行った。「ピープルデザイン」の考え方を活用し、多様な人々が混ざり合う賑わいのあるダイバーシティ(多様性)のまちづくりを目指して、2024年の市制100周年を見据え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをメルクマールに、取組を推進していくと発表した。

また2014年からは、自身が代表理事を務める特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所 主催で「超福祉展(正式名称:2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展)」をプロデュース。2016年からは、オランダTU Delft/デルフト工科大学/Design Unitedのリサーチフェローに就任している。

著書[編集]

出演[編集]

ラジオ番組[編集]

テレビ番組[編集]

  • NHK BS1 「地球ドキュメントミッション ファションの力でめざす 心のバリアフリー」2011年1月30日放送
  • NHK BS1 「Tomorrow 〜3.11 その後に〜」2012年10月9日放送
  • NHK BS1 「地球テレビ エル・ムンド」2013年2月21日放送
  • 北海道文化放送 「石井ちゃんとゆく!」2013年3月21日放送
  • TBS王様のブランチ」2013年3月30日放送
  • BS11 「ウィークリーニュース ONZE」2013年5月12日放送
  • TBS 「A-Studio ゲスト:要 潤」2013年8月30日放送
  • NHK首都圏ネットワーク」2014年11月12日放送
  • NHKニュースウオッチ9」2014年11月12日放送
  • TBSはやチャン!」2014年11月13日放送
  • NHK視点・論点」「デザインでつくる"超福祉"」2014年12月10日放送
  • NHK首都圏ネットワーク」2015年11月10日放送
  • NHK BS1「おもてなし最前線! 東京オリンピックとバリアフリー(1) &(2)」2016年3月21日放送
  • NHK「おはよう日本」2016年11月9日放送
  • NHK「首都圏ニュース645」2016年11月13日放送

参考文献[編集]

  • 「ハンディを”可能性”に変えたスニーカー」『レクサス マガジン VOLUME 3』2009年11月発行、トヨタ自動車株式会社 レクサス国内営業部。
  • 「Nextidevolution」『DESIGNNET』2010年1月号、DESIGNNET韓国。
  • 「ハンディは可能性-意識のバリアを壊したい ピープル・デザイン提唱」『繊研新聞』2010年3月5日。
  • 武田敏英「ピープル・デザイン 人の輪生む新市場」『日経MJ』2010年4月14日。
  • TOSHIHIDE TAKEDA「Accessible fashion no oxymoron」『日経ウィークリー』2010年5月10日。
  • 「シリーズ 24時間仕事バカ!の熱狂人生」『ゲーテ』2010年6月号、幻冬舎
  • 「元気の秘訣」『日経ビジネス』2010年8月23日号、日経BP社
  • 「社会と自分を幸せにする商品」『ソトコト』2011年1月号、木楽舎
  • 「関係を生むデザイン」『広告』2011年1月号、博報堂。
  • 「未来を見つめて!覚悟を持った社会貢献活動を」『繊研新聞』2011年4月15日。
  • 「ボイス」『繊研新聞』2011年5月10日。
  • 「産学連携商品を販売 丸井、ネクスタイド、モード学園、YKK 障害補う機能パンツ」『繊研新聞』2011年5月18日。
  • 「4者が産学連携商品化 "ピープル・デザイン"を」『繊研ニュース』2011年5月18日。
  • 「GREEN PEOPLE 『渋谷の街×ピープルデザイン!』」『ソトコト』2011年6月4日。
  • 「未来を見つめて!覚悟を持った社会貢献活動を」『繊研新聞』2011年4月15日。
  • 「仕事と社会活動を両立」『日本経済新聞』2012年3月12日。
  • 「『ピープルデザイン』で示す理想の渋谷」『ケンプラッツ』2012年5月19日、日経BP社。
  • 「SHIBUYA 202X - 知られざる渋谷の過去・未来」2012年6月25日、日経BP社。
  • 「ファッションが日本の福祉を変える 須藤シンジ(ネクスタイド・エヴォリューション代表)」2012年8月21日、SYNODOS JOURNAL。
  • 「東北スクールプロジェクト」2012年7月31日、経済協力開発機構OECD
  • 「シブヤのミライを考える"ミクスチャー"イベント」『ケンプラッツ』2012年10月3日、日経BP社。
  • 「Shinji Sudo Interview」2012年11月2日、E MAGAZINE ISSUE0 2012AW。
  • 「『都市』『まち』への視点 『電動車椅子が都市を行き交う近未来』『日経アーキテクチュア』 2012年11月10日号、日経BP社
  • 「心意気を表明する、コミュニケーションチャームってなんだ?」2012年11月15日、SHIPS MAG vol.7 。
  • 「マイノリティがあたりまえに混ざり合う社会へ 〜ピープル・デザインという発想」2013年3月29日、Think Diary vol.63。
  • 「ファッションで『意識のバリアフリー』に挑む ーピープルデザインという発想ー」『リハビリテーション・エンジニアリング vol.28』2013年8月1日、日本リハビリテーション工学協会誌。
  • 「『ファッション』は障害を越える」『コトノネ vol.7』2013年8月22日、株式会社はたらくよろこびデザイン室。
  • 「みんなが混ざり合う社会を目指して -前編」2013年9月1日、岡村製作所 インタビューマガジンWAVE。
  • 「みんなが混ざり合う社会を目指して -後編」2013年9月17日、岡村製作所 インタビューマガジンWAVE。
  • 「新たなバリアフリー映画」2013年9月26日、『毎日新聞』。
  • 「Creative Style」『CSVライフスタイルマガジン SHAREISM vol.6』2013年11月20日、三菱地所エコッツェリア協会。
  • 「視覚障害者向け試み相次ぐ 健常者と交じり映画館へ」『日本経済新聞』2013年12月10日。
  • 「未来をひらく NPOのアイデア集」『ソトコト』2014年3月号、木楽舎
  • 「福祉機器、クールに変身」『日本経済新聞』、2014年6月27日。
  • 「障がい者参加 街づくりへ協定」『日本経済新聞』2014年7月16日。
  • 「市とNPOが包括協定 障害者も自然に生活できる 多様性のまちづくりを」『東京新聞』2014年7月16日。
  • 「多様性社会の実現へ NPO法人 市と協定 映画、イベント通じ」『神奈川新聞』2014年7月16日。
  • 「川崎市がNPO法人と包括協定 五輪へ多様性のある街づくり加速」『産経新聞』2014年7月16日。
  • 「障害者参加の街づくり 川崎市、NPOと協定」『日経新聞』2014年7月16日。
  • 「障害者参加の社会へ 市とNPO協定結ぶ」『朝日新聞』2014年7月16日。
  • 「多様なまちづくり 市がNPOと連携」『読売新聞』2014年7月16日。
  • 「川崎市とピープルデザインがまちづくりで包括協定」『ケンプラッツ』 2014年7月18日、日経BP社
  • 「『奥原宿』障害者に優しく」『日本経済新聞』、2014年7月24日。
  • 「市とNPO 企画第1弾 試写会&トークショー 『心のバリアフリー』訴え」『東京新聞』、2014年8月24日。
  • 「障害者運営の試写会イベント!心のバリアフリー目指して」『シネマトゥデイ』、2014年8月25日 。
  • 「竹友あつき、映画の試写会イベントにて応援ソングを熱唱!」『Yahoo!ニュース』、2014年8月25日 。
  • 「おしゃれにバリアフリー」『読売新聞』、2014年9月14日。
  • 「意識のバリアフリー目指すピープルデザイン モノ作りからマチ作りへ」『繊研新聞』、2014年9月29日。
  • 「障がいある人のファッションと福祉考える」『介護新聞』、2014年10月16日。
  • 「障害者がJ1試合前に就労体験 市とNPO法人が共同企画」『東京新聞』、2014年10月23日。
  • 「集客施設でおもてなし 障害者就労体験、市が支援」『神奈川新聞』、2014年10月25日。
  • 「かっこいい福祉機器 東京・渋谷ヒカリエ」『朝日新聞デジタル』 2014年11月11日、朝日新聞社
  • 「シブヤ発!未来の車いすなど集結」『日経BPネット』 2014年11月12日、日経BP社
  • 「車椅子など50点 渋谷で今日から」『産經ニュース』 2014年11月12日、産經新聞社
  • 「カッコイイ車いす 試乗も」『Yahoo!ニュース』 2014年11月13日、ヤフー社
  • 「かっこいい福祉機器 東京・渋谷ヒカリエ」『朝日新聞デジタル』 2014年11月13日、朝日新聞社
  • 「渋谷で”カッコいい福祉機器”の展示会がスタート」『Yahoo!ニュース』 2014年11月13日、ヤフー社
  • 「ヒカリエで「超福祉」体験 カッコイイ車いす、試乗も 東京」『産経ニュース』 2014年11月13日、産經新聞社
  • 「福祉機器の進化体験」『読売オンライン』 2014年11月13日、読売新聞社
  • 「「やばい」「かっこいい」福祉機器が目指すのは”意識のバリアフリー”「”超福祉”の日常を体験しよう展」に行ってきた」『Yahoo!ニュース』 2014年11月14日、ヤフー社
  • 「未来の車いすを実体験!シブヤの超福祉展」『ケンプラッツ』 2014年11月14日、日経BP社
  • 「未来の車いすを実体験!シブヤの超福祉展」『日経BPネット』 2014年11月15日、日経BP社
  • 「「かっこいい福祉」で未来は変わる?NPO法人ピープルデザイン研究所代表理事・須藤シンジさんに聞く」『HuffPost』、 2015年1月14日。
  • 「心のバリアフリーを」『東京新聞』、2015年3月3日。
  • 「『健常者と共に』壁除く」『日本経済新聞』、2015年2月4日。
  • 「多様性が焦点、障害福祉からヒント」『環境新聞』、2015年2月11日。
  • 「進む川崎の“心のバリアフリー”INTERVIEW 須藤シンジ(ピープルデザイン研究所)」『市民グラフかわさき「ひろば」』、2015年4月8日。
  • 「すべての人が共生できる社会を “ピープルデザイン”の力で実現する」『HELPMAN JAPAN』2015年5月7日、リクルートキャリア社。
  • 「ピープルデザインの挑戦 ~ダイバーシティ/多様性に寛容な社会の実現を目指して~」『都市問題 No.98』、2015年10月3日。
  • 「働く楽しさ Jリーグで体験」『朝日新聞』、2016年2月15日。
  • 「『ピープルデザイン』の思想で真のダイバーシティを実現する -次世代の行動力と創造力が「意識のバリア」を突破していく-」『Cultivate』2015年2月24日、文化環境研究所。
  • 「誰もが参画できる社会をデザインする」『すくらむ』2015年6月1日、川崎市男女共同参画センター。
  • 「地域づくりは人づくり 高瀬比左子×須藤シンジ」『介護ビジョン』2015年6月20日、日本医療企画社。
  • 「オリンピック閉会式、バトン渡すべきはパラリンピック 渋谷から“超福祉”を発信、ピープルデザイン研究所 須藤シンジ氏に聞く」『日経テクノロジー』2016年10月24日、日経BP社。
  • 「『超福祉』という提案 ~多様性に寛容な街づくりを目指して~」『ハウジングニュース』、新都市ハウジング協会。
  • 「渋谷発 福祉の最先端 手ごろな電動義手など展示」『読売新聞』、2016年11月9日。
  • 「発想豊かな新機器そろう 渋谷で『超福祉展』」『毎日新聞』、2016年11月9日。

外部リンク[編集]