青砥駅

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青砥駅
駅出入口(2017年3月)
あおと
Aoto
地図
所在地 東京都葛飾区青戸三丁目36番1号
北緯35度44分45.2秒 東経139度51分22.7秒 / 北緯35.745889度 東経139.856306度 / 35.745889; 139.856306座標: 北緯35度44分45.2秒 東経139度51分22.7秒 / 北緯35.745889度 東経139.856306度 / 35.745889; 139.856306
駅番号 KS09
所属事業者 京成電鉄
駅構造 高架駅
ホーム 2面4線
乗降人員
-統計年度-
43,907人/日
-2022年-
開業年月日 1928年昭和3年)11月1日
乗入路線 2 路線
所属路線 本線
キロ程 11.5 km(京成上野起点)
KS08 お花茶屋 (1.6 km)
(1.2 km) 京成高砂 KS10
所属路線 押上線
キロ程 5.7 km(押上起点)
KS49 京成立石 (1.1 km)
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青砥駅(あおとえき)は、東京都葛飾区青戸三丁目にある、京成電鉄である。本線押上線が乗り入れている。駅番号KS09

押上線の終点駅で、本線京成上野方面と、都営地下鉄浅草線京急線からの列車が乗り入れる押上線押上方面の分岐点となっている。また、京成本線では当駅から隣駅の京成高砂駅まで複々線であり、京成電鉄におけるジャンクションとしての機能を当駅と京成高砂駅で二分する形になっている。

歴史[編集]

  • 1928年昭和3年)11月1日:日暮里 - 青砥間開通のための分岐駅として開業。それまで立石 - 高砂間には駅は設置されていなかった[1]
  • 1931年(昭和6年)12月19日:日暮里 - 青砥間開業。
  • 1959年(昭和34年) - 橋上駅に改築、ホーム幅を4mから7mに拡張、2面のホームを線別から方向別に配線変更[2]
  • 1973年(昭和48年)2月 - 立体交差化工事起工式。
  • 1982年(昭和57年)3月24日:押上線下り線の高架線供用開始。
  • 1983年(昭和58年)5月18日:本線下り線の高架線供用開始。
  • 1984年(昭和59年)7月24日:本線・押上線上り線の高架線供用開始[3]
  • 1986年(昭和61年)10月:立体交差化工事竣工。
  • 2010年平成22年)7月17日ダイヤ改正により「シティライナー」とアクセス特急の停車駅となり、当駅が停車駅となっていた急行は廃止された。
  • 2020年令和2年)
    • 4月11日:当面の間スカイライナーの一部列車(朝下り・夜間上り)の停車駅となる[4]
    • 6月1日:4月11日に停車となったスカイライナーのほかに、スカイライナーの一部列車(約80分間隔)が青砥駅に停車となる[5]
    • 6月12日:10時15分ごろ、京成高砂羽田空港行きの普通京急線内快特)電車(北総7300形7818編成・8両編成)が当駅に進入する際、7両目の後部台車2軸が進行方向右側に脱線する事故が起きる[6][7][8]
    • 10月1日印旛日本医大始発京成上野行き「臨時ライナー」の運行開始に伴い、同列車の停車駅となる[9]
      • 当駅で始発の特急三崎口行き(泉岳寺まで普通)に接続。
      • 降車のみの取扱となり、青砥からの乗車は不可。
  • 2022年(令和4年)
    • 2月26日:ダイヤ改正により、正式にスカイライナー(一部列車)の停車駅となる。

駅名の由来[編集]

講談太平記に登場する青砥藤綱が由来とされる。町名は川運の港を意味する「戸」からきた青戸(あおと)であり、由来が異なるものの同音ゆえに混同されることも多い。また、駅開業時は亀青村青戸ではなく、本田町中原(葛飾区に移行後は本田中原町)に属していた。当駅の住所が青戸となったのは、1967年(昭和42年)の住居表示施行後である。

駅構造[編集]

島式ホーム2面4線を有する高架駅で、2階と3階にそれぞれ1面ずつホームがある。

1階・中2階にはテナントとしてユアエルム青戸店が入居する。中2階は改札口・駅事務所、2階は都営浅草線京急線方面(1番線)と京成上野方面(2番線)、3階は成田空港方面(3・4番線)のりばである。

進行方向別の構造のため、当駅では階段を昇降せずに京成高砂方面からの列車と押上線の列車の乗り換えが可能である。また、上り方面への列車の折り返し着発用に、上り・下りの二層間をつなぐ引き上げ線も設置されている。しかし、引き上げ線が1線しかないため、当駅で折り返す本数には制約がある事から、日中の一部の横浜方面快特と羽田空港方面快速特急は京成高砂で折り返す。

中2階改札口にはエレベーター(低速)が設置され、2階ホーム、3階ホームに通じている。他にも、中2階と1階(出口)の間を連絡するエレベーターがある。エスカレーターも併設され、改札口 - 2階ホーム、2階ホーム - 3階ホームをそれぞれ連絡している。

改築から1994年までは、京成津田沼駅と同様の字幕式発車標が使用されていた。その後LED式に交換されたが、成田スカイアクセスの開業に伴いフルカラーLED式のものに交換された。これにより3・4番線ホームで個別に設置されていたものが一体のものとされている。なお、発車標はホームのみの設置であり、運行情報表示器も併設されている。

かつて地上駅時代(当時は島式ホーム2面4線、駅東側から順に1 - 4番線[2])は平面交差で分岐を捌いていたが、ダイヤ編成上のネックを解消するために大規模改良工事を行い、二重高架の方向別配線となった。その際は、現在の駅舎の位置から京成高砂寄りに一旦仮駅を建設し、旧駅舎を解体後現駅舎を建設する方法で行われた[2]。仮駅はその後1976年に現駅の直下に戻った[2]。1985年の高架化完成と同時期に、駅と隣接する環状七号線最後の区間(青戸八丁目交差点 - 青砥橋 - 奥戸)も完成した。

駅長配置駅。青砥管区としてお花茶屋駅京成立石駅および四ツ木駅を管理下に置く。

のりば[編集]

上りホーム(2階)
番線 路線 行先
1 KS 押上線 押上A 都営浅草線 浅草KK 京急線 羽田空港第1・第2ターミナル方面
2 KS 京成本線 日暮里京成上野方面
下りホーム(3階)
番線 路線 行先
3・4 HS 北総線
KS 成田スカイアクセス線
東松戸新鎌ヶ谷印旛日本医大 成田空港方面
KS 京成本線 京成高砂京成船橋 成田空港・京成千葉方面
  • 上りの「スカイライナー」「モーニングライナー」および「臨時ライナー」に当駅から乗車することはできない。当駅に停車する「スカイライナー」は、全列車新鎌ヶ谷駅にも停車する。
  • 3番線は押上線(浅草線西馬込・京急線羽田空港三崎口方面)からの電車が、4番線は京成本線京成上野・日暮里方面からの電車が発着する。
  • 京成本線快速特急・快速(京成上野方面)と押上線直通京成高砂発着横浜方面特急・アクセス特急(羽田空港方面エアポート快特)との対面乗り換えが可能である。

利用状況[編集]

2022年度の1日平均乗降人員43,907人であり[10]、京成線全69駅中第7位で、他社と接続のない京成電鉄の駅としては最多。また隣の京成高砂駅は北総線からの直通人員を乗降人員としてカウントするため、乗降客数自体は当駅の方が多い。

近年の1日平均乗降人員推移は下表の通りである。

年度別1日平均乗降人員[11][12]
年度 京成電鉄
1日平均
乗降人員
増加率
2002年(平成14年) 39,263
2003年(平成15年) 39,841 1.5%
2004年(平成16年) 40,431 1.5%
2005年(平成17年) 40,889 1.1%
2006年(平成18年) 41,497 1.5%
2007年(平成19年) 43,075 3.8%
2008年(平成20年) 44,048 2.3%
2009年(平成21年) 43,768 -0.6%
2010年(平成22年) 44,220 1.0%
2011年(平成23年) 44,161 -0.1%
2012年(平成24年) 45,152 2.2%
2013年(平成25年) 46,275 2.5%
2014年(平成26年) 46,501 0.5%
2015年(平成27年) 47,719 2.6%
2016年(平成28年) 49,041 2.8%
2017年(平成29年) 50,364 2.7%
2018年(平成30年) 51,372 2%
2019年(令和元年) 51,039 -0.6%
2020年(令和02年) 38,311 -24.9%
2021年(令和03年) 39,535 3.2%
2022年(令和04年) 43,907 11.1%

近年の1日平均乗車人員推移は下表の通りである。

年度別1日平均乗車人員[13]
年度 本線 押上線 2路線計 出典
1990年(平成02年) 12,918 7,553 20,471 [* 1]
1991年(平成03年) 13,847 7,462 21,309 [* 2]
1992年(平成04年) 14,230 7,595 21,825 [* 3]
1993年(平成05年) 14,348 7,671 22,019 [* 4]
1994年(平成06年) 14,255 7,663 21,918 [* 5]
1995年(平成07年) 14,003 7,694 21,697 [* 6]
1996年(平成08年) 14,151 7,408 21,559 [* 7]
1997年(平成09年) 13,704 7,304 21,008 [* 8]
1998年(平成10年) 13,323 7,271 20,594 [* 9]
1999年(平成11年) 13,232 7,033 20,265 [* 10]
2000年(平成12年) 13,112 6,978 20,090 [* 11]
2001年(平成13年) 12,751 7,211 19,962 [* 12]
2002年(平成14年) 12,477 7,214 19,691 [* 13]
2003年(平成15年) 12,620 7,423 20,043 [* 14]
2004年(平成16年) 12,614 7,655 20,269 [* 15]
2005年(平成17年) 12,732 7,756 20,488 [* 16]
2006年(平成18年) 12,742 8,047 20,789 [* 17]
2007年(平成19年) 13,090 8,492 21,582 [* 18]
2008年(平成20年) 13,378 8,658 22,036 [* 19]
2009年(平成21年) 13,397 8,493 21,890 [* 20]
2010年(平成22年) 13,622 8,562 22,184 [* 21]
2011年(平成23年) 13,568 8,574 22,142 [* 22]
2012年(平成24年) 13,710 8,923 22,633 [* 23]
2013年(平成25年) 13,931 9,273 23,204 [* 24]
2014年(平成26年) 13,739 9,550 23,289 [* 25]
2015年(平成27年) 14,000 9,975 23,975 [* 26]
2016年(平成28年) 14,205 10,348 24,553 [* 27]
2017年(平成29年) 14,433 10,449 24,884 [* 28]
2018年(平成30年) 14,555 11,183 25,738 [* 29]
2019年(令和元年) 14,371 11,194 25,565 [* 30]
2020年(令和02年) 19,222
2021年(令和03年) 19,867
2022年(令和04年) 22,048

駅周辺[編集]

バス路線[編集]

当駅には駅前にロータリーを設置するスペースがない。ユアエルム青戸5番街と6番街の間の高架下に「京成青砥駅・ユアエルム青戸前」停留所を設置し、2011年8月1日から青01系統慈恵医大葛飾医療センター行の運行を開始した。青砥駅東交差点はバス停が環七通り沿い(京成高砂方面)にあり駅から離れている為、利用時には注意が必要。

乗り場 系統 経由地 行先 事業者 営業所
青砥駅入口 新小53 テクノプラザかつしか 亀有駅 京成 金町
新小52乙 タウン 本社
新小53 葛飾区役所・立石駅入口・奥戸一丁目 新小岩駅東北広場
葛飾区役所
奥戸二丁目
京成 金町
新小52乙 葛飾区役所・立石駅入口・四ツ木駅 新小岩駅東北広場

タウンバス車庫

タウン 本社
青砥駅東交差点 SS08 老健青戸こはるびの里 亀有駅 京成 江戸川
新小58 タウン 本社
SS08 一之江駅葛西駅葛西臨海公園駅 「東京ディズニーシー」

葛西臨海公園駅

一之江駅

京成 江戸川
新小58 スポーツセンター・上平井中学校 新小岩駅

タウンバス車庫

タウン 本社
京成青砥駅・ユアエルム青戸前 青01 青戸中央憩い交流館 慈恵医大葛飾医療センター 京成 金町

アリオ亀有へのアクセスのために、無料循環シャトルバスが青砥駅入口・青砥駅東交差点の両バス停に停車する。

その他[編集]

タクシー乗り場はロータリーが無いため、リブレ京成青砥店横にタクシーが横付けされ、そこから乗車することが慣例となっている。正式なものではないため、タクシー乗り場等の表示はない。

その他[編集]

当駅の高架化事業着手時点では、「スカイライナー」を10両編成にする計画があったため、上下ホームとも10両編分のホーム有効長198mとなっている[3]。1997年に、このスペースを活用し、下りホーム京成上野寄りに「イブニングライナー」の利用客のための待合室が設置されている[14]

隣の駅[編集]

京成電鉄
KS 本線
快速特急・アクセス特急・特急・通勤特急
日暮里駅 (KS02) - 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅 (KS10)
快速
千住大橋駅 (KS05) - 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅 (KS10)
普通
お花茶屋駅 (KS08) - 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅 (KS10)
※大晦日や正月などの特定日には、シティライナー」も停車する。
KS 押上線
快速特急・アクセス特急・特急・通勤特急・快速
押上駅 (KS45) - 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅(本線)(KS10)
普通
京成立石駅 (KS49) - 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅(本線)(KS10)

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 日本鉄道旅行地図帳3号 関東1(今尾恵介 監修 新潮社 2008年7月18日発行 ISBN 9784107900210 )36頁
  2. ^ a b c d e JTBキャンブックス『京成の駅 今昔・昭和の面影』(石本祐吉・著 2014年2月1日初版発行)55-58頁
  3. ^ a b “上り二線も高架へ 23日深夜切替え 連続立交化大詰め 京成電鉄青砥駅”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1984年7月7日) 
  4. ^ 押上・都営浅草線・京急線方面の成田空港アクセスをさらにスピーディーに! スカイライナーの一部列車が青砥駅に停車します! 2020年4月11日(土)〜当面の間』(PDF)(プレスリリース)京成電鉄、2020年4月6日。 オリジナルの2020年4月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200407070559/https://www.keisei.co.jp/information/files/info/20200406_152133182387.pdf2020年4月7日閲覧 
  5. ^ スカイライナー/成田空港アクセス | 京成電鉄”. web.archive.org (2020年6月7日). 2020年6月13日閲覧。
  6. ^ “京成押上線、青砥駅構内で脱線 けが人なし 一部区間で運転見合わせ - 毎日新聞” (日本語). 毎日新聞. https://web.archive.org/web/20200614011741/https://mainichi.jp/articles/20200612/k00/00m/040/076000c 2020年6月13日閲覧。 
  7. ^ 京成青砥駅で脱線、乗客100人けがなし ホーム進入時に:東京新聞 TOKYO Web”. web.archive.org (2020年6月13日). 2020年6月13日閲覧。
  8. ^ 調査中の案件 - 運輸安全委員会
  9. ^ 印旛日本医大駅・千葉ニュータウン中央駅に停車するAE形車両を用いた「臨時ライナー」を運行します(10月1日から) - 京成電鉄ニュースリリース 2020年9月24日
  10. ^ 京成電鉄 駅別乗降人員
  11. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  12. ^ 葛飾区統計書 - 葛飾区
  13. ^ 東京都統計年鑑
  14. ^ “車窓”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年2月14日) 
東京都統計年鑑

関連項目[編集]

  • 日本の鉄道駅一覧
  • 京急蒲田駅 - 当駅と同様の支線分岐部に設けられた京急本線京急空港線の2層構造の駅。ただし、スイッチバックして本線と支線を直通する列車があるため、支線の上下線は本線の上下線のどちらにも進入・出発が可能な配線(両渡り線は京急蒲田駅構内ながら隣の糀谷駅直近にあって高低差に対応している)。また、ホームの一部に切り欠き式の待避線を持つ点、折返し用の引上げ線がない点が異なる。
  • 調布駅 - 当駅と同様の支線分岐部に設けられた京王線京王相模原線の2層構造の駅。ただし、高架駅ではなく地下駅。また、支線分岐側に本線・支線間の両渡り線がある点と、折り返し用の引上げ線がない点が異なる。
  • 布施駅 - 当駅と同様の支線分岐部に設けられた近鉄大阪線近鉄奈良線の日本初の2層構造の高架駅。ただし、当駅と上記の2駅とは異なり、方向別ではなく路線別の2層構造となっている。また両線上下とも待避線が設けられているが、緩急接続は不可能(通過待ちのみの待避)である。

外部リンク[編集]