青い森鉄道

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青い森鉄道株式会社
Aoimori Railway Company
ファイル:ARail logo.svg

青い森701系 新デザイン車(八戸駅にて)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 青い森、青鉄
本社所在地 日本の旗 日本
038-8550
青森県青森市篠田1丁目6-2
設立 2001年平成13年)5月25日
業種 陸運業
法人番号 1420001005401 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役社長 小林 巧一
資本金 29億円[1]
発行済株式総数 58,000株(2012年3月31日時点)[2]
売上高 50億45百万円(2012年3月期)
営業利益 9百万円(2012年3月期)
純利益 4百万円(2012年3月期)
純資産 25億31百万円(2012年3月31日時点)
総資産 41億32百万円(2012年3月31日時点)
従業員数 333名(プロパー148名、JRからの出向等139名、契約社員等46名 2014年2月28日現在)
決算期 3月31日
主要株主 青森県 39,906株 (68.80%)
青森市 4,424株 (7.63%)
八戸市 3,782株 (6.52%)
三沢市 568株 (0.98%)
東北町 560株 (0.97%)
おいらせ町 492株 (0.85%)
平内町 436株 (0.75%)
南部町 424株 (0.73%)
その他4町 868株 (1.50%)
日本貨物鉄道(株) 2,000株 (3.45%)
東京中小企業投資育成 1,000株 (1.72%)
青森銀行 600株 (1.03%)
みちのく銀行 600株 (1.03%)
日本風力開発(株) 600株 (1.03%)
東北電力 400株 (0.69%)
東京電力 400株 (0.69%)
その他民間企業4社 940株 (1.61%)
外部リンク http://www.aoimorirailway.com/
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青い森鉄道株式会社(あおいもりてつどう)は、青森県青森市に本社を置く、第三セクター方式の鉄道事業者である。

概要

2002年12月1日東北新幹線盛岡 - 八戸間および2010年12月4日の同新幹線八戸 - 新青森開業に伴い並行在来線として東日本旅客鉄道(JR東日本)から経営分離されることとなった東北本線盛岡 - 青森間のうち、青森県内の部分を青い森鉄道線として運営する。なお、岩手県内の部分はIGRいわて銀河鉄道が運営する。

線路などの施設は青森県が第三種鉄道事業者として保有し、青い森鉄道は第二種鉄道事業者としてその線路を使用して鉄道事業を営む「上下分離方式」を日本の第三セクター鉄道で初めて採用した。

日本国有鉄道・JRから運営を引き継いだ第三セクター鉄道会社としては唯一日本民営鉄道協会に加盟している。

開業当初は本社を八戸市に置いていたが、東北新幹線全線開業を控えた2010年10月7日に本社を青森市に移転した[3]

なお、青森県に支払う線路使用料で1年間で16億円程度の赤字が見込まれているが、国の支援で青い森鉄道の負担額が1年間で約6億円になり、また経営状況に応じ減免措置を受けており、2012年度は黒字に転じた。しかし、青い森鉄道線を経由する寝台特急「北斗星」は、2015年3月13日をもって定期運行が終了し、臨時列車としても同年8月22日で運行が終了、さらに2016年3月20日には臨時寝台特急「カシオペア」も運行が終了したため、JRから青い森鉄道に入る運賃・特急料金収入がなくなり、経営が厳しくなることが予想されている[4][5][6]

2015年7月に公表した第14期事業報告の中で、収入増加に向けた取組みとして、寝台特急廃止などの経営環境の変化に対応するため、これまで以上に県や沿線自治体、さらには他の鉄道会社などとの連携を強化し、増収が見込まれる商品に特化して重点的な対策を講じるとしている[7]。2014年度からは青森県が企画した産直列車体験ツアー「あおてつマルシェ」を開催[8]。2016年1月-2月には「星野リゾート 青森屋」宿泊者のみを対象に、青い森鉄道の車両を貸し切った列車「酒のあで雪見列車」が運行される[9][10]

沿革

  • 1990年平成2年)12月24日整備新幹線着工等についての政府・与党申し合わせ。「建設着工区間の並行在来線は、新幹線開業時にJRから経営分離することを事前に確認する」ことが条件とされる[11]
  • 1991年(平成3年)7月9日:青森県知事が運輸省鉄道局長に対し、東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線のうち八戸駅までの経営分離に同意する旨を回答[11]
  • 1996年(平成8年)12月25日:建設着工する区間の並行在来線について、新幹線開業時にJR東日本から経営分離することで政府・与党合意[11]
  • 1998年(平成10年)1月14日:青森県が、八戸以北の沿線市町村との協議のうえ、東北本線 八戸駅 - 青森駅間の経営分離に同意する旨を回答[11]
  • 2001年(平成13年)
    • 5月25日:青森県並行在来線鉄道会社設立準備会開催。青い森鉄道株式会社の設立総会を開催し、役員等を選任[11]
    • 5月30日:青い森鉄道株式会社設立(登記[11]
  • 2002年(平成14年)
    • 4月:八戸新築社屋へ移転完了[12]
    • 5月28日:同年3月18日に申請されていた、青い森鉄道線 目時駅 - 八戸駅間における青い森鉄道の第二種鉄道事業(旅客運送)および青森県の第三種鉄道事業を、国土交通省が許可[13]
    • 11月:青い森鉄道利用促進協議会発足[12]
    • 12月1日:青い森鉄道線 目時駅 - 八戸駅間 (25.9km) 開業[11]
  • 2007年(平成19年)
    • 6月:青い森鉄道開業準備協議会発足[12]
    • 12月:青い森鉄道開業準備協議会による経営計画素案決定[12]
  • 2010年(平成22年)
    • 2月19日:2009年(平成21年)11月25日に申請されていた[14]、青い森鉄道線 八戸駅 - 青森駅間における青い森鉄道の第二種鉄道事業(旅客運送)および青森県の第三種鉄道事業を、国土交通省が許可[15]
    • 5月:青い森鉄道利用促進協議会解散。青い森鉄道線利活用推進協議会発足[12]
    • 10月7日:青い森鉄道本社を八戸市から青森市に移転[3]
    • 12月4日:青い森鉄道線 八戸駅 - 青森駅間 (96.0km) 開業[11]
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)
    • 4月:浅虫温泉駅に「モーリーズカフェ」開設[12]
    • 7月:中期経営計画(平成27年度まで)策定。新造車両(2編成)導入決定[12]
  • 2013年(平成25年)4月:「青い森たびショップのへじ」開業[12]
  • 2014年(平成26年)3月15日:青い森703系営業運転開始。筒井駅開業[12][16][17]

組織

路線

703系の快速運転時の方向幕。(2015年10月3日)

運行開始当初、列車の運行管理や指令業務などはすべてIGRいわて銀河鉄道へ委託していたが、青い森鉄道区間の運行管理と指令業務については、2010年7月3日にIGRいわて銀河鉄道の「ぎんが指令」からJR東日本盛岡指令青森分室に移管となり(青森分室は目時 - 青森間を担当)、2010年12月4日に青森分室は青い森鉄道に移管された。

乗務員については、盛岡 - 八戸間の直通列車を青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道で分担して担当している。両社とも会社分界点である目時駅での乗務員交代は行わず、同区間において通し乗務を行う。三戸 - 青森間の自社完結列車については青い森鉄道の乗務員が乗務する。なお、気動車列車などJR東日本より乗り入れる列車はJR東日本の乗務員が担当する。貨物列車はJR貨物の乗務員が担当する。

青い森鉄道線には、現在でも東北本線の時代と変わらず比較的多くの貨物列車が走行している。旅客列車については青い森鉄道への移管にあたって昼行特急列車が廃止されたが、寝台特急「カシオペア」および快速・普通列車は引き続き運転されている。

車両

新デザイン列車「青い森701-101+青い森700-101」(目時駅にて)

車両は、すべてJR東日本の701系およびE721系と同等の仕様の新製車もしくはJR東日本からの譲受車である。

  • 青い森701系 - 2両編成9本の計18両が在籍する。
    • 青い森701-101+青い森700-101 : 2002年の青い森鉄道開業時に新製した車両。JR東日本701系1500番台に準じるが、車内はセミクロスシート。
    • 青い森701-1+青い森700-1 : 青い森鉄道開業時にJR東日本より701系1000番台を譲り受けて塗装を変更し、車内案内表示器を設置した車両。車内はロングシート。
    • 上記以外の2両編成7本計14両(2 - 8)は、2010年12月の青森駅までの延伸時に、JR東日本から譲り受けた車両(701系1000番台)。
  • 青い森703系 - 2013年製。2両編成2本(11, 12)の計4両が在籍する。JR東日本E721系0番台に準じる。

2010年9月2日から従来の編成が新デザインとなり、JR東日本から譲渡された7編成も2011年春頃から青い森鉄道の新デザインに変更された。

JR時代は4両編成で運転されることもあったが、移管後は全列車ワンマン運転が行われており車掌要員の配置が無く(3両以上で運転する際は車掌乗務が必須となる)、また車両の在籍数が運用上いっぱいで余裕の無い状態のため、4両での運転はできない。

2010年12月3日まで車両の管理はIGRいわて銀河鉄道に委託し、同社の運輸管理所に常駐し共通運用されていたが、同日を以て委託を解消し翌12月4日からは青い森鉄道運輸管理所(旧JR東日本青森車両センター東派出所)所属となっている。

2014年3月15日の筒井駅開業に合わせたダイヤ改正での列車増発に合わせてJR東日本のE721系をベースにした青い森703系車両が2編成導入され[18]、同日より営業運転を開始した[19][17]

ロゴマーク・イメージキャラクター

鉄道の日を記念し、期間限定でモーリーのヘッドマークを掲げられた青い森701系電車(八戸駅にて)

青い森鉄道は、これまでロゴマークなどを採用していなかったが、青森延伸による全線開業を控え、2009年2月から3月にかけてロゴマークとイメージキャラクターの募集を実施し、ロゴマーク部門は約2,400件・イメージキャラクター部門は約1,300件の応募があった。その後、審査を行った上で青森県在住者による人気投票を実施し、同年7月7日にロゴマークとイメージキャラクターが決定した。

ロゴマーク部門では電車と樹木をモチーフにしたデザインで、また、イメージキャラクター部門では緑の森の中で突然生まれた青色の木をイメージとしたデザインとなっており、キャラクターの名称を「モーリー」と命名した。

運賃

大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[20][21]

目時
250 三戸
260 250 諏訪ノ平
330 260 250 剣吉
450 330 260 250 苫米地
570 450 330 260 190 北高岩
680 570 450 330 260 250 八戸
800 680 570 450 330 330 260 陸奥市川
920 800 680 570 450 450 330 250 下田
1040 920 800 680 570 570 450 260 250 向山
1150 1040 920 800 680 680 570 330 260 250 三沢
1340 1150 1040 920 920 800 680 570 450 330 260 小川原
1340 1340 1150 1040 920 920 800 570 570 450 330 250 上北町
1560 1340 1340 1150 1150 1040 920 800 680 570 450 330 260 乙供
1800 1560 1560 1340 1340 1150 1040 920 800 680 570 450 330 260 千曳
1800 1800 1560 1560 1340 1340 1340 1040 1040 920 800 570 450 330 260 野辺地
2050 1800 1800 1560 1560 1560 1340 1340 1150 1040 920 800 680 450 330 260 狩場沢
2050 2050 1800 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1150 1040 800 800 570 450 330 250 清水川
2280 2050 2050 1800 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1150 1040 920 800 570 450 330 250 小湊
2280 2280 2050 2050 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1040 1040 800 680 570 330 260 250 西平内
2660 2280 2280 2050 2050 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1150 1040 800 680 570 450 330 260 浅虫温泉
2660 2660 2660 2280 2280 2280 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1150 1040 800 680 570 450 330 260 野内
2660 2660 2660 2280 2280 2280 2050 1800 1800 1800 1560 1340 1340 1150 1040 920 680 570 450 330 260 190 矢田前
2660 2660 2660 2280 2280 2280 2050 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1040 920 800 680 570 450 260 250 190 小柳
2660 2660 2660 2660 2280 2280 2280 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1150 920 800 680 570 450 330 250 250 190 東青森
2660 2660 2660 2660 2280 2280 2280 2050 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1150 1040 800 680 570 450 330 260 250 190 190 筒井
3120 2660 2660 2660 2660 2660 2280 2050 2050 1800 1800 1560 1560 1340 1340 1040 920 800 680 570 450 330 260 260 250 250 青森
キロ程 運賃(円) キロ程 運賃(円)
初乗り1 - 3km 190 41 - 45 1,040
4 - 6 250 46 - 50 1,150
7 - 10 260 51 - 60 1,340
11 - 15 330 61 - 70 1,560
16 - 20 450 71 - 80 1,800
21 - 25 570 81 - 90 2,050
26 - 30 680 91 - 100 2,280
31 - 35 800 101 - 120 2,660
36 - 40 920 121 - 122 3,120
  • キロ程の端数は切り上げる。
  • 片道100kmを超える普通乗車券は2日有効・途中下車可能となる。それ以下の場合は1日有効・途中下車不可[22]
  • 中学生以上の学生については、片道101km以上で「学生・生徒旅客運賃割引証」を提示した場合に限り、学生割引(2割引)が適用となる[23]
  • 青い森鉄道線のワンマン列車には整理券発行機が設置されている。
  • 目時 - 陸奥市川間各駅(無人駅含む)と三沢・野辺地・小湊・浅虫温泉・矢田前 - 青森間各駅(無人駅含む)に自動券売機、三戸・剣吉・八戸・下田・三沢・上北町・乙供・野辺地・小湊・浅虫温泉・青森の各駅に窓口が設置されており、剣吉・下田・上北町・乙供以外の窓口では、回数券・定期券の購入時にクレジットカードが使用できる。
  • いわて銀河鉄道線各駅への連絡乗車券は八戸駅以南の各駅に限り購入できる。陸奥市川以北の各駅からは目時までの乗車券を購入して下車駅で目時からの運賃精算となる。

乗継割引

下記の区間では乗継割引運賃が適用される。大人運賃のみ記す。小児運賃は2社の乗継割引運賃(JR線は基本運賃)の半額の合計となるが、各社ごとに10円未満の切り上げ(JR線は切り捨て)の処理が行われるため下表から正確には計算できない。詳細は青い森鉄道利用者説明会資料 (PDF) を参照されたい。

目時駅 - いわて銀河鉄道線連絡
斗米 金田一温泉
450 350 三戸
460 360 諏訪ノ平
八戸駅 - 八戸線連絡
苫米地 北高岩 陸奥市川 下田
390 380 390 450 長苗代
390 380 390 450 本八戸
野辺地駅 - 大湊線連絡
乙供 千曳 狩場沢 清水川
400 340 340 400 北野辺地
470 410 410 470 有戸
青森駅 - 奥羽本線津軽線連絡
矢田前 小柳 東青森
390 390 380 新青森
390 390 380 津軽新城
390 390 380 油川
410 410 400 津軽宮田

JRとの連絡に関する制度

  • 八戸駅・野辺地駅・青森駅はJR線の通過連絡運輸の対象となっている。また目時駅からいわて銀河鉄道線を経て好摩駅および盛岡駅接続の通過連絡運輸も設定されている。なお、青い森鉄道線からJR八戸線の連絡運輸区間は、長苗代から間である。
  • 寝台特急「北斗星」や「カシオペア」などを利用する場合には、特急料金として760円(2014年4月1日現在)が必要であった。なお八戸駅 - 青森駅間が青い森鉄道に移管される前の、目時駅 - 八戸駅間の特急料金は250円であった。
  • JRが2010年冬以降に発売する青春18きっぷフルムーン夫婦グリーンパスは、青い森鉄道線においては、八戸 - 青森間において両駅および野辺地駅以外で途中下車しない場合(通過利用)に限り利用できる(上り最終の八戸行き普通列車は小川原発車後に日付が変わる[24]が、終点の八戸まで乗車可能[要出典])。なお、八戸以南の区間といわて銀河鉄道線では利用できない。
  • 青い森鉄道線といわて銀河鉄道線では、JR発売の北海道&東日本パスが利用可能である。過去には北東北フリーきっぷスリーデーパスが利用できた。
  • JR時代には東北本線「青森 - 八戸」間のみフリーエリアだった小さな旅ホリデー・パス(あおもりフリーエリア)が、2010年12月4日利用分から「青森 - 目時」間の青い森鉄道線全線で利用可能となった。

割引・企画乗車券

  • 回数券
    • 購入から3か月間有効。11枚綴りで青い森鉄道線内の大人または小児の普通運賃の10倍の価格。大人用1枚で小児2人での乗車が可能。
  • 連絡ミニ回数券
    • 購入から3か月間有効。6枚綴り。設定区間は本八戸 - 北高岩2,100円、本八戸 - 苫米地2,160円。
  • 団体割引
    • 8人以上で同一行動をする場合に購入可能。公式サイトでも申込書を提供している。
      • 普通団体:2割引
      • 学生団体(大人):5割引
      • 学生団体(児童・幼児):3割引
      • 教員・付添人:3割引(人数の制限なし)
  • 学期定期券
    • 学期の始めから終わりまでを有効期間とする定期券。通常の通学定期に比べ最大で約6,000円安く購入が可能。
  • 持参人式定期券(通勤定期券のみ)
  • 片道定期券(通学定期券のみ)
    • 青い森鉄道線区内完結が条件で発売される定期券。一方向のみの利用が限定で、運賃は普通定期乗車券の半額。
  • シニア寿定期乗車券
    • 満61歳以上の人を対象に発売する定期券。通常の定期券運賃より7割前後割引となる。ただし、購入時は年齢を証明する公的証明書(運転免許証や健康保険証など)の提示が必要。
  • 青い森ホリデーフリーきっぷ
    • 2012年度からの土休日に青い森鉄道線全線乗り放題のきっぷ。発売・利用条件は、2011年度に発売された「青い森休日フリーパス」と同じ。2013年度以降も発売され、2013年度からは夏休み期間中(7月20日-8月31日[25])は毎日利用できる[26][27]。ただし、8月1日 - 7日(浅虫花火大会開催日と青森ねぶた祭期間中)は、利用適用除外日となる。なお、2014年9月29日からは、これまでの青い森鉄道の有人駅窓口のみだった発売窓口が、日本全国の「マルチメディア端末」が設置されているコンビニ[28]でも発券が可能[29]となった。コンビニで発券した場合の払い戻しは、窓口発売での場合と異なり発売元の「i.JTB HTA販売センター」で取り扱うほか、払い戻し手数料も駅窓口で購入した場合とコンビニで発券した場合で異なる。また、青い森鉄道線で工事が行われ、区間運休が発生する日[30]のきっぷは、コンビニでの発券は行わず、青い森鉄道の駅窓口でのみ発売する。なお、中高生は後述の利用条件がほぼ同じ「中学生・高校生専用 学トクホリデーフリーきっぷ」が利用できる[31]
  • 中学生・高校生専用 学トクホリデーフリーきっぷ
    • 2015年7月16日から発売が開始されたきっぷで、これまで発売されていた中学生のみ対象となっていた「中学生割り・中学生ホリデーフリーきっぷ」を高校生まで対象を拡大したきっぷ。利用条件は2015年春休みまで発売されていた「中学生割り・中学生ホリデーフリーきっぷ」と同じだが、利用可能日が若干変更された[32][33]。発売額は、「青い森ホリデーフリーきっぷ」のこども用と同額。また、購入時は「生徒手帳」「学生証」の提示が必須のほか、利用時も携帯しなければならない。
  • ラビナお買い物きっぷ
    • 青い森鉄道線各駅から青森駅までの往復乗車券(青森駅発のきっぷもあり)とラビナ、A-FACTORYあおもり旬味館(一部利用不可の店舗・商品あり)で利用可能な2000円分相当のお買物券が付いたきっぷ。なお、あおもり旬味館がある新青森駅までのJRおよびバス運賃は別途必要。「青い森ホリデーフリーきっぷ」と同様、発売期間が2014年度以降も延長された[34][27]。ただし、12月24日から翌年1月3日は利用できない[35]
  • 浅虫温泉あさ風呂きっぷ
    • 青森駅 - 野内駅間から浅虫温泉駅までの往復乗車券と浅虫温泉駅前にある南部屋海扇閣での入浴(タオル付き)と朝食バイキングチケットがセットになったきっぷ[36]。なお、前売りは行っておらず、利用当日に青森駅の東口にある青い森鉄道窓口で購入するか、青森駅でJR奥羽本線や津軽線から改札を出ず乗り換える場合および無人駅である筒井駅 - 野内駅から利用する場合は、列車下車時に浅虫温泉駅出札口で購入する。ただし、JR線からの乗り換えおよび筒井 - 野内間から利用する場合は、浅虫温泉駅の営業時間前である6時45分までに到着する電車は利用できない。また、南部屋海扇閣での朝食バイキングは会場に7時から8時30分の間に入場[37]しなければならず、温泉の利用も10時までとなる。なお、南部屋海扇閣でも入浴(タオル付き)と朝食バイキングチケットがセットになった「あさ風呂きっぷ」(1500円)を発売しており、浅虫温泉に6時45分前に到着する上り電車利用者及び浅虫温泉以東の区間から乗車する場合も実質利用可能となる。なお、1月1日と2日は利用できないほか、南部屋海扇閣の都合により利用できない日もあるので、利用前に青い森鉄道への問い合わせや同社ホームページで確認が必要。

発売終了した乗車券

  • 青い森休日フリーパス[38]
    • 2011年のゴールデンウィークから2012年3月末までの土休日に青い森鉄道線全線乗り放題のきっぷ。有人駅の窓口でのみ発売。2012年度からは「青い森ホリデーフリーきっぷ」に名称を変えて、発売が継続されている。
  • 中学生割り・中学生ホリデーフリーきっぷ
    • 学校の長期学休期間(夏休み・冬休み・春休み)に中学生のみ適用されるきっぷ。ただし、先述の青い森ホリデーきっぷと同様に、8月1日から7日は、適用除外日となる。利用する場合は、有人駅の窓口で「生徒手帳」などの中学校に在学している証明書の提示が必要なほか、列車利用時は携帯しなければならない。なお、IGRいわて銀河鉄道でも同種のきっぷを発売しているが、青い森鉄道線といわて銀河鉄道線に跨る乗車券の発売は行っていない。また、前述の青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道が乗り放題の「IGR・青い森鉄道フリーきっぷ」は、中学生もこども(小学生)と同額で購入可能。ただし、この場合も、購入時は有人駅窓口で「生徒手帳」の提示が必要。
    • 2013年度夏期からは「中学生割り」の発売はなく、代わって夏休み期間[39]の毎日(前記の除外期間以外)と9月の土休日に利用できる「中学生ホリデーフリーきっぷ」が発売された[40]。同年度の冬休み期間・春休み期間にも発売される[41]。なお、「中学生・高校生専用 学トクホリデーフリーきっぷ」移行に伴い、2015年春休みをもって、発売を終了した。
  • IGR・青い森鉄道フリーきっぷ
    • 2014年12月5日から2015年1月4日まで期間中の土日祝日(12月27日と12月28日は除き、1月2日金曜日は適用)と2015年7月から2016年3月までの特定の週末で、最大2日間有効な「IGR・青い森鉄道フリーきっぷ」が発売された[42][43]

提携施設

青い森鉄道の定期券を提携施設において提示するだけで、割引などのサービスを受けることができる。

また、2010年11月1日より青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道・十和田観光電鉄の3社が提携し、各社の定期券及び企画きっぷの提示で受けることができる、サービスの共用化を開始した。2010年11月1日現在、3社合わせて82施設でサービスが受けられる。

東北新幹線新青森開業による変更

2010年12月4日の東北新幹線八戸 - 新青森間開業時に、並行在来線である東北本線八戸 - 青森間もJR東日本から青い森鉄道に経営分離されたが、同区間の経営分離に関して以下の処遇がなされている。

運賃

2010年5月31日東北運輸局から認可され[44]、12月4日から実施された新運賃は、八戸 - 青森間については従来のJR運賃から1.37倍(10円未満四捨五入)に、1か月通勤定期運賃については同1.65倍(10円未満切り上げ)に、それぞれ値上げされた。ただし通学定期運賃については据え置かれた。同時に(12月4日から)目時 - 八戸間の通学定期もJR運賃と同額に値下げされた[45]

なお、各駅間の普通運賃・定期運賃については青い森鉄道のサイトで公開されている[46]

大湊線と八戸線の扱い

同区間の青い森鉄道への移管によって、大湊線はJR東日本の他の路線とは接続しない路線になり、八戸線はJR東日本の他の在来線とは接続しない路線になった。この両線も青い森鉄道に経営移管されるのではという見方も一部にあったが、JR東日本は同社の路線として存続させることとした[47]

2009年2月3日、JR東日本は「東北新幹線延伸にあわせて、津軽線・大湊線を走行するハイブリッドシステムを搭載した新型リゾートトレインを導入する」と発表したが、その中で「津軽・大湊線に導入する車両につきましては、青い森鉄道への乗り入れを計画しています」とした[48]。その後、新型車両の名前が「リゾートあすなろ」に決定し、大湊線・津軽線と青い森鉄道線の直通運行も決定した。

いわて銀河鉄道線との接続

2010年12月現在、いわて銀河鉄道線と盛岡 - 八戸間で相互直通運転を実施しているが、青森開業以前と比べて直通列車の本数は減便された。小鳥谷二戸 - 八戸・青森間の直通列車も設定されている。朝6時半小鳥谷発の列車は、八戸から八戸線に乗り入れまで運行される。

イベント

  • 郷土料理を食べながらトークリレー(2011年に開催)
  • 青い森鉄道まつり(2011年10月16日、伊藤桃がゲストで出演)

脚注

  1. ^ 2008年7月1日時点では資本金は6億円だったが(青森県公社等経営評価シート (PDF) を参照)、同年11月に青森県や青森市などを主な引き受け先として23億円を増資した(青い森鉄道(株)第8期事業報告 (PDF) を参照)。
  2. ^ 青い森鉄道(株)第11期事業報告 (PDF)
  3. ^ a b “10月7日本社を青森へ/青い森鉄道”. 東奥日報 (東奥日報社). (2010年9月21日). オリジナルの2014年6月14日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140614081456/http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20100921212705.asp 2010年9月23日閲覧。 
  4. ^ JR北斗星廃止:青い森鉄道大打撃 4億円の利用料大幅減[リンク切れ] - 毎日新聞(2015年1月17日9時24分配信・2月5日閲覧)
  5. ^ 青森)北斗星ラストラン、青い森鉄道への打撃深刻 - 朝日新聞、2015年8月22日
  6. ^ 青い森鉄道に打撃 - 読売新聞、2015年09月17日
  7. ^ 第14期事業報告 (PDF) - 青い森鉄道
  8. ^ 青い森鉄道、車内で地元食材を販売する「産直列車」運行…車両基地見学も - レスポンス、2015年6月17日
  9. ^ 日本初!「祭り囃子観光列車」が新登場 - 星野リゾート青森屋、2015年11月19日
  10. ^ 「酒のあで雪見列車」のリハーサルを行いました - 青い森鉄道、2015年12月9日
  11. ^ a b c d e f g h 青い森鉄道線について”. 青い森鉄道. 2014年12月16日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h i j k 会社概要”. 青い森鉄道. 2014年12月16日閲覧。
  13. ^ "IGRいわて銀河鉄道株式会社、青い森鉄道株式会社及び青森県に係る鉄道事業の許可について" (Press release). 国土交通省. 28 May 2002. 2002年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2002年6月2日閲覧
  14. ^ “並行在来線の事業許可申請 青森県・青い森鉄道”. 河北新報 (河北新報社). (2009年11月26日). オリジナルの2009年11月30日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20091130235737/http://www.kahoku.co.jp/news/2009/11/20091126t22023.htm 2014年3月17日閲覧。 
  15. ^ "IGRいわて銀河鉄道株式会社、青い森鉄道株式会社及び青森県に係る鉄道事業の許可について" (Press release). 国土交通省. 19 February 2010. 2010年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月16日閲覧
  16. ^ "おかげさまで、青い森703系・筒井駅がデビューしました!" (Press release). 青い森鉄道. 15 March 2014. 2014年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月16日閲覧
  17. ^ a b “「青い森703系」導入 八戸駅で出発式”. デーリー東北 (デーリー東北新聞社). (2014年3月15日). オリジナルの2014年3月16日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140316201544/http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2014/03/15/new1403152201.htm 2014年3月17日閲覧。 
  18. ^ “青い森鉄道「青い森703系」を導入へ”. 鉄道ホビダス 鉄道ニュース 最新鉄道情報 (ネコ・パブリッシング). (2013年10月17日). http://rail.hobidas.com/news/info/article/138513.html 2014年12月16日閲覧。 
  19. ^ おかげさまで、「青い森703系」「筒井駅」がデビューしました! - 青い森鉄道、2014年3月15日
  20. ^ 運賃表(各駅一覧) - 青い森鉄道、2014年4月5日閲覧
  21. ^ 消費税率引き上げに伴う運賃の改定申請について (PDF) - 青い森鉄道、2014年2月7日
  22. ^ 普通乗車券・回数券・入場券 - 青い森鉄道
  23. ^ 割引乗車券・団体乗車券 - 青い森鉄道
  24. ^ 青い森鉄道2014年3月15日ダイヤ改正時刻表 (PDF)
  25. ^ ただし、青森県内の学校の夏休み期間とは異なる。
  26. ^ おトクなきっぷを期間延長します! - 青い森鉄道ホームページ・2013年3月29日プレスリリース
  27. ^ a b 「おトクなきっぷ」27年度も引き続き発売! - 青い森鉄道、2015年3月31日(2015年4月21日閲覧)
  28. ^ 扱うコンビニは、ローソンファミリーマートサークルKサンクスミニストップセブン-イレブン
  29. ^ お得なきっぷ(青い森ホリデーフリーきっぷ コンビニ券) - 青い森鉄道ホームページ
  30. ^ 2015年5月4日などが該当した。
  31. ^ ただし、有人駅窓口で「生徒手帳」「学生証」を提示しなかった場合やコンビニで発券した場合は、大人用の「青い森ホリデーフリーきっぷ」を購入することになる。
  32. ^ 2016年4月30日までの土休日、夏休み期間(8月1日 - 7日を除く)、年末年始。
  33. ^ お得なきっぷ 中学生・高校生専用 学トクホリデーフリーきっぷ - 青い森鉄道ホームページ
  34. ^ 青い森ホリデーフリーきっぷとラビナお買い物きっぷの発売期間延長について (PDF) - 青い森鉄道ホームページ
  35. ^ IGRいわて銀河鉄道で2014年度から発売している「フェザン買物きっぷ」は、年末年始も利用できる一方、平日は「さんさ踊り」期間中と年末年始の平日以外は利用できない。
  36. ^ お得なきっぷ(浅虫温泉あさ風呂きっぷ) - 青い森鉄道ホームページ
  37. ^ 朝食バイキングの利用は9時まで。
  38. ^ 青い森鉄道休日フリーパス発売について (PDF)
  39. ^ 「中学生ホリデーフリーきっぷ」の夏休み中の適用期間は7月20日から8月31日だが、青森県内の夏休み期間はこれより短い。
  40. ^ 列車の旅を楽しもう!【中学生ホリデーフリーきっぷ】発売! (PDF) - 青い森鉄道ホームページ
  41. ^ 中学生ホリデーフリーきっぷ - 青い森鉄道ホームページ・2013年10月1日プレスリリース
  42. ^ IGR・青い森フリーきっぷ(2014年版)” (PDF). IGRいわて銀河鉄道ホームページ. 2014年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月4日閲覧。
  43. ^ IGR・青い森フリーきっぷ(2015年版) - IGRいわて銀河鉄道ホームページ
  44. ^ 青い森鉄道新運賃認可 通学定期は据え置き - デーリー東北、2010年6月1日(2010年6月9日閲覧)。
  45. ^ 青森開業後の運賃が認可されました - 青い森鉄道、2010年6月2日。
  46. ^ 全線開業情報 - 運賃情報 青い森鉄道、2010年9月27日閲覧
  47. ^ 新幹線全線開通後もJR大湊線存続 - 東奥日報、2007年11月25日付記事。
  48. ^ 東日本プレスリリース ハイブリッドシステムを搭載した新型リゾートトレインを導入! (PDF)

関連項目

外部リンク