雀-肌上の猛牌

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雀-肌上の猛牌
ジャンル 学園脱衣麻雀
小説
著者 櫂末高彰
イラスト 一葉モカ
出版社 集英社
レーベル 集英社スーパーダッシュ文庫
発売日 2014年7月25日
巻数 全1巻
その他 麻雀監修:神崎ちろ
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

雀-肌上の猛牌』(すずめ きじょうのもうぱい)は、櫂末高彰による日本ライトノベル作品。イラストは一葉モカが担当。麻雀監修は声優プロ雀士神崎ちろ集英社スーパーダッシュ文庫集英社)から刊行された。全1巻[1]

脱衣麻雀を取り扱った学園ラノベ作品。女顔にコンプレックスを持つ主人公の少年が、女子高に通う双子の姉の策略により、女装して姉の影武者を演じてその女子高の校則である「勝負の細事は脱衣麻雀の勝敗で決まる」という脱衣麻雀に挑み、様々な猛者と戦い勝ち抜いていく物語。

あらすじ

私立竜虎凰亀学園女子高等学校は、「勝負とは非情なり 勝者は全てを手に入れ 敗者は身ぐるみ剥される」という校訓のもと、あらゆる物事は脱衣麻雀の勝敗で決めることが絶対とされていた。その生徒たちは、取り決めを脱衣麻雀で互いの尊厳を賭けて闘牌することに汗を流しながら、勝負に挑んでいく。

開幕(プロローグ)
サッカー部の部員2人は、生徒会の春風杏子と三載里桜を相手に部の存続と廃部を賭けた勝負をしていたが、杏子に歯が立たずに高手を和了られてトビ終了となり敗北し、サッカー部は廃部に追いやられる。
東一局・拉致
男子校に通う少年・麻枝雀は、自身の女顔にコンプレックスを持っていた。ある日、帰宅を前後して雀の母と女子高・竜虎凰亀学園の生徒・春風喚子、森橋奈々によって、その学園の寮に拉致されてしまう。それを指示したのは、雀の双子の姉・燕であった。燕はおたふく風邪にかかり、雀に自身の代わりに脱衣麻雀勝負に出ることを強要する。その真意は、竜虎凰亀学園での校訓によって燕が所属する部活動・その他部にも危機が及んだため、それを回避しようと脱衣麻雀で勝利することが目的だった。雀は燕に弱みを握られていたため、渋々女装して参戦する破目になる。
東二局・困惑
その対戦相手は、演劇部の一年桜組・紅孔雀一美と、同じく一年の白山花子(通称「アンドレ」)であった。勝負する理由は、演劇部が奈々のところにチャイナドレスの貸し出しを申請してきた際に、奈々が演劇部部員のそれぞれのサイズに合わせて採寸を測って縫い直して貸し出しすることを提言したが、紅孔雀はサイズの測定を嫌がり、それを燕が怪しんで紅孔雀に偽乳疑惑を指摘し発言した。これに憤慨した紅孔雀は燕に校則である脱衣麻雀勝負を持ちかけ、演劇部が勝てば燕の発言の撤回と謝罪を、その他部が勝てば紅孔雀の偽乳疑惑を認めることを要求を賭けて麻雀勝負を仕掛けたのが真相であった。
試合当日、燕の影武者として雀と奈々は、演劇部に立ち向かう。燕の入学以来、久々に麻雀を打つことになった雀は、燃える闘志が沸いてやる気を出し、紅孔雀に一矢報いるも、燕の打ち筋とは異なる打ち方に疑問を抱かれたことで正体がばれそうになることを危ぶんで燕の打ち方に切り替える。しかし、それが災いして演劇部が優位に立ち、その他部が危機に陥るも、奈々に落ち着く様に諭され、雀は自分の打ち方でオーラスに望む。その結果、雀は連荘(レンチャン)することで点数を取り戻し、最後は奈々が高手をあがることでその他部が勝利する。さらに、不慮の事故で紅孔雀の偽乳疑惑も公になった。

登場人物

麻枝家

本来4人家族だが、父が行方不明になり、燕は女子寮住まいとなっているため、雀と母親の2人暮らし。

麻枝雀(まえだ すずめ)
本作の主人公。男子高校に通う少年だが、双子の姉・燕とそっくりな女顔であり、その容貌のために同姓から告白されることも多かった。そのため、自身の容姿にコンプレックスを抱いていたが、ある時姉の策略により女装させられて姉の影武者として脱衣麻雀勝負に参戦することになる。
麻雀では、鳴いて早あがりする「鳴き麻雀」を得意とする。これは、自分が泣き虫であったことに由来している。
麻枝燕(まえだ つばめ)
雀の双子の姉。女子高校・竜虎凰亀学園に通う少女で、その他部の部員。現在は寮暮らしをしているが、おたふく風邪にかかり、自身の所属する部活動・その他部の危機を救うために弟に自身の影武者として脱衣麻雀勝負に参戦することを強要した。
探偵かぶれで、あらゆるミステリ作品の台詞を口にすることが多い(「その犯人は、この中にいる!」「じっちゃん(の名にかけて)」「謎は全て解けた」「ふふん。初歩的な推理だね、ワトソンくん」「真実はいつも一つ」など)。
麻雀では、門前で役を作りリーチをかけて高手をあがることを得意とする。また、校内ランキング271位だが、入学して早々のし上がったとのことであり、一年生では上位の方である。
雀・燕の母
本名不明。おたふく風邪に冒された燕のために、帰宅した雀の竜虎凰亀学園の女子寮への拉致に加担するなど、親として常軌を逸した行動をとっている。そのうえ天然で、双子であることを理由に、雀が幼い頃におたふく風邪にかかり、燕にも免疫ができたと思っていた。

竜虎凰亀学園

ソノタブ(その他部)

春風喚子(はるかぜ かんこ)
本作のヒロイン。天然で巨乳の美少女。その他部の部員で、女子寮での燕のルームメイト。麻雀は初心者であり、雀から手ほどきを受ける。雀に一目惚れする。
森橋奈々(もりはし なな)
部長の代わりにその他部をまとめる燕たちの先輩。チャイナドレスを好んで着る。麻雀では校内ランキング135位の実力者。

生徒会

桃瀬サリー(ももせ サリー)
三載に憧れる取り巻き。
三載里桜(さんざい りお)
生徒会の一人で、校内順位7位の雀力を持つ猛者。麻雀であがると性的興奮を発症する奇癖がある。
春風杏子(はるかぜ あんこ)
喚子の姉。元はその他部だったが、生徒会との脱衣麻雀勝負によりその他部から切り離された。ブレザーの上からベルトを複数巻きつけている。物語のプロローグで、生徒会の刺客としてサッカー部の部員を麻雀で圧倒する。普段は無表情だが、実は超絶なシスコン。

演劇部

紅孔雀一美(べにくじゃく かずみ)
一年桜組の女子生徒。高飛車な性格。実はブラにパッドを仕込んでおり、燕にそれを指摘されて憤慨し、その発言の撤回と謝罪を要求して脱衣麻雀に臨む。燕(雀)の麻雀の打ち筋を見て指摘して雀を窮地に陥れて優位に立つも、オーラスで巻き返された上に奈々にあがられ敗北。その拍子に、偽乳であったことが公になるという、自業自得とはいえ屈辱的な羞恥心を味わうこととなった。
麻雀では、解説の新開によると1ソーであがると高手になる傾向があると評されるほどの運の持ち主で、校内ランキング306位と、入学以来の燕に引けをとらない。
白山花子(しろやま はなこ)
芸名は「アンドレ」。演劇では男役を演じ、会話にフランス語を交えるのが特徴。本名で呼ばれると怒る。
麻雀では、ポンできることや雀から何度もあがるなど強運の持ち主だが、結果的に紅孔雀ともどもその他部に完敗。

その他の生徒

東実今日子(とうじつ きょうこ)
放送部三年生。その名のとおり、深奥殿での実況を務める。
新開節子(しんかい せつこ)
新聞部部長。その名のとおり、深奥殿での解説を務める。

用語

竜虎凰亀学園(りゅうこおうきがくえん)
正式名称「私立竜虎凰亀学園女子高等学校」。「勝負とは非情なり 勝者は全てを手に入れ 敗者は身ぐるみ剥される」という校訓により、物事の争いは麻雀で勝負することが主要な校則となっている。勝者は敗者から賭けた物を奪うことができ、それに対して一切の妥協もなく、文字通り身包みを剥がされ、辱めを受けることとなる。これらの校則は、現在の理事長が10年前に廃校寸前だった本校に就任して間も無く設立され、「人生の縮図」と比喩される麻雀の勝ち負けによって勝負の厳しさを学び、進路や人生を左右させる感性を育ませ、たとえ丸裸にされようがそれに耐えられる精神力を鍛え、社会に出てからも力強く生きていけることを教育目標としたものであり、これらによって学園が復興された。全寮制で門限あり。
竜虎凰亀学園の麻雀のルール
麻雀は深奥殿(しんおうでん)という麻雀専用の建物の中にある「決戦卓」で行われる。椅子の右横に液晶パネルつきの籠がある。パネルには最初、校章分の1000点だけ表示され、点数が減ると表示がマイナスになる。卓には全員の持ち点が表示されるが、籠はプラスかマイナスかが表示され、パネルの数字がマイナスになったら服を入れ、常時プラスになるように保持しなければならない。
  • 学生服のブレザー校章1000点。リーチ棒(1000点棒)を現しており、学年が上がるごとに赤丸が増える。
  • 振り分け方は自由。服一枚の上限は5000点。下限1000点。1000点刻み。
  • 原点25000点持ち。
  • 2900点。7700点などの100点刻み(切り上げ満貫なし)。
    • 3900点であがれば、ブレザーが5000点の場合、5000-3900で1100になり、そのブレザーを籠に入れればパネルの数字が1100になるという仕組み。
  • 点数の振り分けは前もって登録する。
    • 例:燕の場合 - ブレザー5000点、スカート5000点、ブラウス3000点、リボン1000点、Tシャツ4000点、靴下左右各1000点、上履き左右各1000点、ブラジャー1000点、パンツ1000点、といった具合。
  • 脱ぎ方は自由。その服の点数の分だけ脱げばいい。
  • 服が自分で脱げない場合は、相手に脱がしてもらっても問題ない。

書籍

出典

  1. ^ a b スーパーダッシュ文庫 雀-肌上の猛牌

外部リンク