長野市一家3人殺害事件

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長野市一家3人殺害事件(ながのしいっか3にんさつがいじけん)は、2010年3月に長野市で起きた一家殺人事件である。なお、この事件が発覚するきっかけとなった貸倉内にあったワゴン車から遺体が見つかった事件についても本記事でも述べることにする。

概要

2010年4月10日に長野市若宮の貸倉庫内にあったワゴン車から長男の知人男性が頭蓋内損傷で亡くなっているのが見つかった事件に絡み、貸倉庫を使用している会社の実質的な経営者の男などから事情聴取を進め、本事件について3月下旬から行方不明となっていて親族が捜索願を出していた一家3人について遺体を埋めたと自供して、その供述に基づいて捜索したところ、2010年4月14日愛知県西尾市南奥田町資材置き場に長野県長野市に在住していた一家3人の遺体が遺棄されているのが発見された(韓国籍男性と長男夫婦)。3人はいずれも窒息死だった。長野県警長野中央警察署は殺人事件として捜査して4月15日にA・B・C・Dの4人を死体遺棄の疑いで逮捕、2010年5月5日に強盗殺人容疑で4人を再逮捕した。そのうち3人の容疑者A・B・Cは韓国籍男性の会社の従業員である[1]愛知県幸田町の資材置き場では遺体を運ぶのに使ったとされるトラックが見つかった[2]。最終的に4人は共謀して2010年3月28日に金銭トラブルから被害者の首をロープで絞めて窒息死させて現金約416万円などを奪い、西尾市の資材置き場にトラックで遺体を運んで埋めたとして強盗殺人罪死体遺棄罪起訴された[3]

長男の知人男性が殺害された事件では殺害されてすでに亡くなっている韓国籍男性について長野市若宮の貸倉庫内に遺体を遺棄した容疑で2010年8月10日に容疑者死亡のまま書類送検している。その後、容疑者死亡のため不起訴。2010年5月31日に死体遺棄の疑いで逮捕されたA・Aの知人のEについては殺人容疑で再逮捕されていたが、殺人については不起訴となり、死体遺棄罪でのみ起訴された。

長野市一家3人殺害事件の裁判経過

2012年3月22日東京高裁は一審を支持してAの控訴棄却した[5]
2014年9月2日最高裁はAの上告を棄却した[6]
  • 2011年12月6日、長野地裁はBに死刑を言い渡した[7]
2014年2月27日、東京高裁は一審を破棄して無期懲役を言い渡した[8]
2015年2月9日、最高裁はBの上告を棄却した[9]
  • 2011年12月27日、長野地裁はCに死刑を言い渡した。
2014年2月20日、東京高裁は一審を支持してCの控訴を棄却した。
  • 2012年3月27日、長野地裁はDに懲役28年を言い渡した。
2013年5月28日、東京高裁は一審を破棄して懲役18年を言い渡した。
2013年9月30日、最高裁はDの上告を棄却した。

貸倉庫の殺人事件の裁判経過

  • 2010年9月16日、長野地裁は死体遺棄の疑いで起訴されていたEに懲役2年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。控訴せず確定。

脚注

  1. ^ 強盗殺人容疑で4人再逮捕 長野の一家3人殺害事件 47NEWS 2010年5月5日
  2. ^ トラック押収、遺体運搬か 長野の一家3人殺害事件 47NEWS 2010年4月22日
  3. ^ 長野3人強殺で4人起訴 裁判員裁判、死刑求刑の可能性 日本経済新聞 2010年5月27日
  4. ^ 長野一家3人殺害に死刑判決 裁判員裁判で5例目 47NEWS 2011年3月25日
  5. ^ 裁判員裁判での死刑判決支持 長野の3人殺害で東京高裁 47NEWS 2012年3月22日
  6. ^ 長野3人殺害、死刑確定へ 最高裁、一審裁判員で初 47NEWS 2014年9月2日
  7. ^ 長野一家強盗殺人 死刑判決の被告が控訴 日本経済新聞 2011年12月7日
  8. ^ 3人殺害、裁判員の死刑判決破棄 東京高裁、「重すぎる」と無期に 47NEWS 2014年2月27日
  9. ^ 裁判員死刑破棄また確定へ 3人殺害 共犯の男 高裁が無期懲役に スポニチアネックス 2015年2月10日