長崎市役所

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長崎市役所

2023年1月に移転した長崎市役所新庁舎
情報
用途 地方公共団体である長崎県長崎市の行政機関
主構造物 市役所本館・別館
所在地 850-8685
長崎県長崎市魚の町4番1号
位置 北緯32度44分58.3秒 東経129度52分46.7秒 / 北緯32.749528度 東経129.879639度 / 32.749528; 129.879639座標: 北緯32度44分58.3秒 東経129度52分46.7秒 / 北緯32.749528度 東経129.879639度 / 32.749528; 129.879639
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長崎市役所(ながさきしやくしょ、: Nagasaki City Hall)は日本地方公共団体である長崎市の執行機関事務を行う施設(役所)。

庁舎は長崎市桜町にあったが(1959年建築)、老朽化のために2022年(令和4年)12月28日で閉庁し[1]、2023年(令和5年)1月4日から長崎市魚の町の庁舎に移転した[2]

施設[編集]

長崎市では老朽化した長崎市公会堂を解体し、その跡地に長崎市役所新庁舎を建設することになった。2013年度(平成25年度)中に新たな市役所の基本計画を策定し、翌2014年度(平成26年度)中に設計に着手、2016年度(平成28年度)中に着工、2019年度(平成31年度)中の完成が計画された。市役所新庁舎完成後、旧市役所庁舎を解体し、その跡地に公会堂に代わる新たな文化施設を建設する方針とされている[3]

2023年(令和5年)1月4日、長崎市魚の町の新庁舎が開庁することになった[2]

魚の町の新庁舎では市役所本館、市役所別館、商工会館内、金屋町別館、桜町第2別館、市民会館内、興善町民間ビル内、市民活動センター内、交通産業ビル内に分散していた市役所機能のほぼすべてが集約されることになった[2]

建物概要[編集]

  • 地上19階、地下1階、塔屋1階[4]
  • 延べ床面積 51,748 m2[4]

フロア[編集]

  • 18階 - まちづくり部、建築部
  • 17階 - 土木部、建築部
  • 16階 - 上下水道局事業部
  • 15階 - 上下水道局業務部、上下水道局事業部
  • 14階 - 水産農林部、文化観光部、商工部
  • 13階 - 原爆被爆対策部、市民健康部、環境部
  • 12階 - 福祉部(福祉総務課、介護保険課)、長崎市教育委員会学校教育部、長崎市教育委員会教育総務部
  • 11階 - 福祉部(高齢者すこやか支援課、地域包括ケアシステム推進室)、市民健康部、保健所
  • 10階 - 理財部、市民生活部
  • 9階 - 企画財政部、総務部
  • 8階 - 秘書広報部、企画財政部(都市経営室)
  • 7階 - 総務部(情報統計課)
  • 6階 - 議会事務局(議会傍聴席)
  • 5階 - 議会事務局(議会事務局総務課、議事調査課)
  • 4階 - 理財部(資産税課)、中央総合事務所、上下水道局業務部(料金サービス課)
  • 3階 - 理財部(収納課、特別滞納整理室、市民税課)、市民健康部(国民健康保険課、後期高齢者医療室)
  • 2階 - 福祉部(障害福祉課)、こども部
  • 1階 - 総合窓口

旧庁舎[編集]

旧長崎市役所本館
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本館[編集]

位置
長崎県長崎市桜町2番22号
施設概要
鉄筋コンクリート造、塔屋1階、地上5階、地下1階建て。
  • 敷地面積 6,832.10 m2
  • 建築面積 2,439.77 m2
  • 延べ面積 10,406.79 m2
  • 総工費 3億2,249万円
フロア
  • 5階 - 土木総務課、道路建設課、道路維持課、みどりの課、河川課、用地課、監査事務局、監査委員
  • 4階 - 都市経営室、総合企画室、地域振興課、契約検査課、入札室、教育長室、教育委員会総務課、施設課、学校教育課、健康教育課 
  • 3階 - 市長室、副市長室、秘書課、広報広聴課、財政課、総務課、人事課、行政体制整備室、市政記者室
  • 2階 - 財産活用課、収納課、特別滞納整理室、資産税課、市民税課、国民健康保険課、後期高齢者医療
  • 1階
総合案内、自治振興課(市政資料コーナー、自治会相談・情報コーナー)、地域コミュニティ推進室、安全安心課、市民課、原爆被爆対策部(調査課、援護課、被爆者保健相談室)、出納室、十八親和銀行
  • 地下1階 - 守衛室、食堂、売店

別館[編集]

位置
長崎市桜町6番3号(北緯32度44分59.5秒 東経129度52分43.5秒 / 北緯32.749861度 東経129.878750度 / 32.749861; 129.878750 (長崎市役所 別館)
施設概要
鉄筋コンクリート造、地上4階、地下2階建て。
  • 工費3億3,250万円
フロア
  • 4階 - 環境総務課、環境保全課、廃棄物対策課、環境整備課、まちづくり推進室、まちなか事業推進室、上下水道局(下水道建設課、下水道施設課)
  • 3階 - 福祉事務所(福祉総務課、生活福祉1・2課、地域保健課、地域医療室、健康づくり課、生活衛生課、幼児課、こどもみらい課)
  • 2階 - 上下水道局(上下水道局長室、総務課、経理課、料金サービス課、事業管理課、水道建設課、浄水課)
  • 1階
福祉事務所(高齢者すこやか支援課、障害福祉課、介護保険課、子育て支援課)、保健所(こども健康課、健康相談室、母子衛生相談室、栄養相談室、歯科保健相談室、こども相談室、レントゲン室)
  • 地下1階 - 保健所(衛生教育室、機能回復訓練室、精神保健相談室)、上下水道局(給水課、守衛室)
  • 地下2階 - 保健所(介護実習室、介護相談室、社会復帰訓練室) 

商工会館ビル[編集]

位置
長崎市桜町4番1号(北緯32度44分57.6秒 東経129度52分38.7秒 / 北緯32.749333度 東経129.877417度 / 32.749333; 129.877417 (長崎市役所 商工会館ビル)
フロア
  • 5階 都市計画課 交通企画課 長崎駅周辺整備室 建築指導課
  • 4階 アジア戦略室 産業雇用政策課(中小企業サポートセンター) 商業振興課(金融相談室) 観光政策課 観光推進課 国際課

長崎市民会館[編集]

位置
長崎市魚の町5番1号(北緯32度44分54.9秒 東経129度52分52.4秒 / 北緯32.748583度 東経129.881222度 / 32.748583; 129.881222 (長崎市役所 長崎市民会館)
フロア
  • 7階 - 中央青年の家、人権啓発室
  • 6階 - 国体推進部(総務企画課 競技運営課)
  • 2階 - スポーツ振興課、文化財課、生涯学習課、中央公民館  
  • 1階 - 男女共同参画室(男女共同参画推進センターアマランス)

桜町第二別館[編集]

位置
長崎市桜町1番7号(北緯32度45分1.1秒 東経129度52分36.2秒 / 北緯32.750306度 東経129.876722度 / 32.750306; 129.876722 (長崎市役所 桜町第二別館)
フロア
  • 5階 - 設備課
  • 4階 - 住宅課
  • 3階 - 建築課
  • 2階 - 住宅課

金屋町別館[編集]

位置
長崎市金屋町9番3号(北緯32度44分58.2秒 東経129度52分30.9秒 / 北緯32.749500度 東経129.875250度 / 32.749500; 129.875250 (長崎市役所 金屋町別館)
フロア
  • 5階 - 農業振興課、農林整備課
  • 4階 - ながさきの食推進室、水産振興課
  • 3階 - 水産農林総務課
  • 2階 - 農業委員会

交通会館別館[編集]

位置
長崎市大黒町3番1号(長崎交通会館(長崎駅前))6F(北緯32度45分12.1秒 東経129度52分18.9秒 / 北緯32.753361度 東経129.871917度 / 32.753361; 129.871917 (長崎市役所 交通会館別館)
フロア

長崎市職員会館[編集]

位置
長崎市桜町1番12号(北緯32度45分1.0秒 東経129度52分35.6秒 / 北緯32.750278度 東経129.876556度 / 32.750278; 129.876556 (長崎市役所 長崎市職員会館)
フロア
  • 1階 - しごと改革室

メルカつきまち[編集]

位置
長崎市築町3番18号 (旧・築町別館)(北緯32度44分44.3秒 東経129度52分33.7秒 / 北緯32.745639度 東経129.876028度 / 32.745639; 129.876028 (長崎市役所 メルカつきまち)
フロア
  • 4階 - 長崎市消費者生活センター(長崎市民のパスポート申請・交付を行っている[5]。)、計量業務、市民サービスコーナー

沿革[編集]

長崎市役所本館(大正)
原爆投下直後の延焼にも耐えた庁舎であったが、1958年(昭和33年)の火災で2階部分を消失し、解体された
前身(長崎区役所)
  • 1878年明治11年)
    • 11月20日 - 勝山小学校内に「長崎区役所」が開庁。初代区長に家永恭種が任命される。議政機関として区会を設置。
    • 12月 - 長崎区を6部に区分し、各区公選により戸長をあげ、区役所の隣に戸長役所を設置。
  • 1881年(明治14年)12月 - 戸長役所を長崎区戸長役所に改称。
  • 1889年(明治22年)12月 - 戸長・長崎区戸長役所が廃止され、区政はすべて区長の掌握するところとなる。
  • 1882年(明治15年)12月 - 長崎区役所が磨屋町の薬師寺自暁宅に移転。
  • 1884年(明治17年)
    • 4月 - 桜町に長崎区役所・戸長事務取扱所および議事堂が完成。
    • 5月1日 - 開庁式を挙行。
    • 5月4日 - 新庁舎へ移転を完了。
長崎市役所
  • 1889年(明治22年)
    • 3月5日 - 長崎県令18号により長崎市の区域が定められ、21号により長崎区に市制を施行する旨が発令される。
    • 4月1日 - 長崎区市制を施行し、長崎市となる[6]。面積は7 km2、戸数9,230戸、人口 54,502人。
    • 4月2日 - 市制施行祝賀会を諏訪公園丸馬場で挙行。
    • 4月21日 - 第1回長崎市会[7]選挙を実施[8]。定員36名が選出。
    • 5月9日 - 第1回長崎市会[7]が開かれ、初代議長に家永芳彦が選出。
    • 5月18日 - 市会で市長選挙を行い、初代市長候補者として北原雅長、松原英義、太田資政の3名が選出される。
    • 6月8日 - 天皇の裁可を経て、北原雅長が初代市長に就任。
    • 6月13日 - 市会で初代助役に和田要太郎が選出される。
    • 7月27日 - 市会で初代収入役第十八国立銀行支配人の永見寛二が選出される。
    • 8月9日 - 旧・長崎区役所庁舎(桜町40番地)を継承し、長崎市役所が開庁。6課8係[9]に53名の職員で発足。
      • 庶務課 - 文書係、戸籍係、兵事係
      • 勧業課
      • 土木課
      • 収税課 - 地理係、国税係、地方税係、市税係、司計係
      • 学務課
      • 衛生課
    • 8月10日 - 開庁式を挙行。
  • 1894年(明治27年)11月10日 - 長崎市役所の新築庁舎(木造2階建て本館と木造平屋の別館)が完成。
  • 1913年大正2年)4月2日 - 長崎市役所鉄筋新築庁舎を起工。
  • 1914年(大正3年)12月25日 - 鉄筋コンクリート造2階建ての新築庁舎が完成。設計は山田七五郎による。
  • 1938年(昭和13年)4月1日 - 合併により「西浦上支所」・「小ヶ倉支所」・「土井首支所」・「小榊支所」を設置。
  • 1948年(昭和23年)10月1日 - 保健所の業務が長崎県から長崎市に移管され、長崎市保健所を開設。
  • 1951年(昭和26年)12月6日 - 稲佐町に稲佐保健所を新設。これに伴い、長崎市保健所を中央保健所と改称。
  • 1955年(昭和30年)
    • 1月1日 - 合併により「福田支所」・「深堀支所」を設置。
    • 2月1日 - 合併により「日見支所」を設置。
  • 1957年(昭和32年)
    • 6月 - 新庁舎建設に向けて、市役所望楼[10]を撤去。
    • 7月12日 - 市制70周年を目前に新庁舎を起工。
  • 1958年(昭和33年)
    • 3月29日 - 市議会事務局付近からの出火により、市役所庁舎2階の大半を消失。
      • この日は市議会定例会の終了日で、議決された書類等はすべて焼失。床がコンクリートであったため、1階への延焼は免れ、戸籍・税務・会計・財政・庶務の各重要書類は無事搬出された。
      • 出火の原因は議長室のストーブの残り火をかき出した際、残り火がソファーの下に落ち、じゅうたんに燃え移ったものと断定。
    • 3月31日
      • 戸籍・税務・会計等各窓口が1階で業務を再開。
      • 市と市議会の合同災害対策協議会が行われ、焼けた庁舎の復興対策協議の結果、全部取り壊して改築することが決定された。
    • 4月1日 - 隣接地に建設中で延焼を免れた新庁舎2階に固定資産税・市民税・徴税の3課が移転。
    • 4月3日 - 新庁舎1階に戸籍・会計・庶務の3課と収入役室が移転。
    • 4月10日 - 消防局で執務中であった市長室・助役室・秘書課が新庁舎2階に移転。
  • 1959年(昭和34年)
    • 4月1日
      • 新庁舎(現在の本館)が完成。
      • 長崎市制70周年・市庁舎落成・長崎港開港389周年記念式典が完成したばかりの庁舎屋上で行われる。
  • 1961年(昭和36年)11月15日 - 長崎市役所本館前の元・水道局、建設部庁舎跡に長崎市水道局庁舎が完成し、開庁。
    • 鉄筋コンクリート造、地上2階・地下2階建て、延べ面積3,376 m2、工費8,600万円
  • 1962年(昭和37年)1月1日 - 合併により「茂木支所」・「式見支所」を設置。
  • 1963年(昭和38年)4月20日 - 合併により「東長崎支所」を設置。
  • 1966年(昭和41年)
    • 1月21日 - 別館庁舎が完成。
    • 4月1日 - 別館落成式を挙行。
  • 1969年(昭和44年)5月15日 - 老朽化した稲佐保健所を廃止し、岩川町に北保健所を開設。
  • 1973年(昭和48年)3月31日 - 合併により「三重支所」を設置。
  • 2005年(平成17年)1月4日 - 合併により、旧6町(香焼・伊王島・高島・野母崎・外海・三和)にそれぞれ行政センターを設置。
  • 2006年(平成18年)1月4日 - 合併により、旧1町(琴海)に行政センターを設置。
  • 2007年(平成19年)12月 - 長崎県議会金子原二郎知事長崎県庁舎改築について市役所との合築も選択肢として検討すると答弁。田上富久市長は慎重な姿勢を示す。[11]
  • 2009年(平成21年)7月1日 - パスポート業務が長崎県パスポートセンターから長崎市消費者生活センターに移管され、業務を開始。
  • 2016年(平成28年)10月 - 西浦上支所より滑石事務所が分離し、「滑石支所」として独立。
  • 2017年(平成29年)10月 - 支所および行政センターを「地域センター」に改称・改編[12]
    • 長崎市役所本館1階に「中央地域センター」が、市内4か所(市役所別館・東長崎・三和・琴海)に土木・保健・生活保護などを担当する「総合事務所」が設置された[12]
  • 2023年(令和5年)1月4日 - 長崎市魚の町に市役所新庁舎が開庁[2]

総合事務所・地域センター[編集]

  • 2017年(平成29年)10月より、従来の支所12ヶ所および行政センター7ヶ所は「総合事務所4ヶ所・地域センター20ヶ所」に再編された。
  • 中央総合事務所には総務課・地域福祉課・生活福祉課(1課・2課)・地域整備課(1課・2課)が、その他の総合事務所には地域福祉課と地域整備課が設置されている。

中央総合事務所[編集]

東総合事務所[編集]

南総合事務所[編集]

北総合事務所[編集]

交通アクセス[編集]

最寄りの鉄道駅
最寄りのバス停
最寄りの道路
  • 国道34号 (市役所通り)「市役所前」交差点

周辺施設[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 長崎市で閉庁式 市長「新庁舎でも進化していく」”. 西日本新聞. 2022年12月30日閲覧。
  2. ^ a b c d 新市庁舎のご案内”. 長崎市. 2022年12月30日閲覧。
  3. ^ 広報ながさき 2013年(平成25年)3月号(PDF)- 長崎市役所ウェブサイト
  4. ^ a b 桜町近隣公園平面図 長崎市 2022年5月16日閲覧
  5. ^ 2009年(平成21年)に長崎市民のパスポート業務が長崎県から長崎市に移管された。
  6. ^ この時誕生した市は全国で31市。九州では福岡市久留米市佐賀市熊本市鹿児島市
  7. ^ a b 長崎市議会の前身
  8. ^ 1級(4月23日)・2級(4月22日)・3級(4月21日)に分かれて選挙が行われ、各級で12名ずつが選出された。
  9. ^ 旧・長崎区役所の第1課(庶務・学務・戸籍・兵事)、第2課(収税・会計)を改編した。
  10. ^ 1914年(大正2年)の庁舎建設の際に設置され、1954年(昭和29年)10月に消防局舎ができるまでの間、火の見張りやサイレンで市民に時を告げ、市役所の名物として市民になじまれていた。
  11. ^ [1]
  12. ^ a b 10月から支所・行政センターは地域センターに変わります(p.17) (PDF) (広報ながさき2017年(平成29年)7月号)- 長崎市ウェブサイト
  13. ^ 2016年10月1日より西浦上支所滑石事務所から滑石支所となった。
  14. ^ 琴海行政センターは長崎市長浦町2664番地(旧・琴海町役場)にあったが、地域センター改編に伴い、2017年(平成29年)9月30日をもって廃止され、村松事務所のあった長崎市琴海村松町703-14に移転した。
  15. ^ a b 新市庁舎のご案内(アクセス)”. 長崎市. 2022年1月4日閲覧。

参考資料[編集]

  • 「市制百年 長崎年表」(1989年(平成元年)4月1日, 長崎市役所)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]