錦川鉄道

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錦川鉄道株式会社
NISHIKIGAWA TETUDOU Co.,Ltd.
本社所在地の錦町駅
本社所在地の錦町駅
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
740-0724
山口県岩国市錦町広瀬7873番地9号
設立 1987年昭和62年)4月1日
業種 陸運業
法人番号 4250001011769 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業、旅行業他
代表者 代表取締役社長 磯山 英明
資本金 1億20百万円(2011年4月1日現在)[1]
売上高 1億92百万円(2011年3月期)[2]
営業利益 △50百万円(2011年3月期)[2]
純利益 △28百万円(2011年3月期)[2]
純資産 1億39百万円(2010年3月31日現在)[1]
総資産 1億92百万円(2010年3月31日現在)[1]
従業員数 21名(2011年4月1日現在)[1]
主要株主 岩国市 45.8%[1]
山口県 16.7%
広成建設 7.5%
山口銀行 5.0%
中国電力 5.0%
外部リンク nishikigawa.com/
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錦川鉄道株式会社(にしきがわてつどう)は、山口県で旧国鉄特定地方交通線岩日線を転換した鉄道路線錦川清流線を運営している山口県岩国市などが出資する第三セクター方式の鉄道会社である。

概要

錦川清流線の運営のほか、関連事業として旅行業(屋号は「清流線トラベルサービス」)、岩国市錦町総合支所からの委託で路線バスの運行(岩国市営錦バス。旧・錦町営バスが岩国市との合併により移行したもの)、岩国市錦町でのレンタサイクル事業、JR岩国駅東口の管理受託業務など幅広く展開している。また特筆すべき事業として、国鉄時代に岩日北線として建設されていた錦町 - 日原間のうち、完成していた錦町 - 雙津峡温泉間の路盤を有効活用したゴムタイヤ遊覧車「とことこトレイン」の運行(旧錦町=現・岩国市錦町総合支所からの委託)があげられる。この未成線活用策に対しては、2004年平成16年)10月国土交通省から地域活性化への貢献部門で「日本鉄道賞」を受賞している。なおゴムタイヤ遊覧車としては片道運行距離(約6 km )は日本一。また、赤・青・黄・緑・白・桃の6色の蛍光石を使用した光るトンネル壁画(広瀬トンネル、全長1,796 m)の連続距離も620 m で日本一である。雙津峡温泉から先、六日市島根県吉賀町)まで路盤が完成しているが今のところ六日市までの延長予定はない。

本業たる鉄道事業では開業から一度も営業黒字を計上していないものの、地元住民および自治体のマイレール意識が高いことに加え、前述のように鉄道運行業務以外での収入が占める割合も高いこと、そして1998年(平成10年)に並行する中国ジェイアールバスが撤退したことにより収支も当初より改善し、公的補助を加えると会社全体としての経営には特段の問題点もなく、今のところ存廃問題とは無縁である。

歴史

年表

路線

  • 錦川清流線(第1種鉄道事業者)
  • ゴムタイヤ遊覧車「とことこトレイン」 - 鉄道事業法に基づく鉄道ではなく岩日北線記念公園上を走る遊具として運行している。

車両

錦川清流線

NT3000形気動車(NT-3001、NT-3002、NT-3003、NT-3004)
2007年(平成19年)3月31日営業運転開始の現行車両。老朽化したNT2000形置換えのため製造された新潟トランシス製の最新軽快気動車 (NDC)。従来のNT2000形(後述)より一回り大きい18 m 級となり貫通扉トイレ付き。車内はセミクロスシートながらクロスシート部分が転換式クロスシートとなり、旅客の乗降口には入口・出口の区分を示す文字表示器が設置されている。JR団体車両や従来型NT2000形との協調運転はできない。
車両ごとに愛称が与えられており(仕様は各車両とも同一)、沿線の自然・生物をイメージしたイメージカラーで塗り分けられており、イメージカラーにちなんだ生物のイラストも描かれている。
車番 愛称 イメージカラー 描画生物 備考
NT-3001 せせらぎ号 清流のブルー アユ 2007年導入
NT-3002 ひだまり号 のピンク 2008年2月導入
NT-3003 こもれび号 森林のグリーン カワセミ 2008年2月導入
NT-3004 きらめき号 の光のイエロー ホタル 2008年12月導入
NT-3001 せせらぎ号
NT-3002 ひだまり号
NT-3003 こもれび号
NT-3004 きらめき号
NT2000形(NT-2003)
(2004年4月4日)
NT2000形気動車(NT-2001 - 2005、NT-2101)
新潟鐵工所製の軽快気動車 (NDC)[4](車両には日立製作所の銘板が取り付けられているが、近隣の下松市に鉄道車両工場(笠戸事業所)がある日立製作所が同車を受注したためで、同車の製造には携わっていない)。全車16 m 級(全長15,800㎜、全幅2,700㎜)の比較的小型な車両で貫通扉はない[4]
外観が南阿蘇鉄道MT-2000形と良く似ており、同様に6H13AS形エンジン (250 PS/2000rpm) を1基搭載している[4]が、MT-2000形より最高出力発生回転数が100 rpm 高い。また、NT-2000形には運転台側面下部の窓が製造当初から無いことも相違点である。なお、MT-2000A形は更新後にこの窓が埋め込まれているため、側面のみでは見分けがつかない。
自動ブレーキなのでJRの団体用車両での牽引も可能であるが、ジャンパ連結器が異なるため総括制御はできない。開業当初から在籍するNT-2001 - 2005にはトイレがない。NT-2101は1989年(平成元年)8月にイベント車として導入され、トイレ付き。2007年(平成19年)3月よりNT3000形と入れ替えで順次廃車されており、最後まで残ったNT-2101が2008年のNT-3004(前述)導入時に運用終了し、全車両が運用終了している。
当初の塗色はクリーム色地に薄緑色、赤色の帯であったが、1999年(平成11年)より車両ごとに描画動物などのデザイン塗装が設定された。描画動物および導入当初から設定されていた愛称は、沿線に関わりのある動物や自然景観などから採用していた。
車番 愛称 塗装地色 描画動物 ちなんでいる沿線地域名
NT-2001 かじか 濃青 カジカガエル 美川町
NT-2002 にしき 淡青 コイ(鯉) 錦町
NT-2003 わかあゆ (鵜) 旧岩国市域
NT-2004 らかん 淡緑(若草) ウシ(牛) 本郷町(旧本郷村
NT-2005 じゃくち カワセミ 美和町
NT-2101 せいりゅう 濃緑 アユ(鮎) 沿線地域共通(広域デザイン)
NT2000形の各車両には、上記の愛称を記したヘッドマークや、ちなんでいる沿線地域名(旧自治体名)のローマ字表記などが入れられている(NT-2101のみ、沿線地域名を側面に列挙)。
NT-2005 製造当初の塗装
(1995年撮影)
NT-2004 らかん号
NT-2005 じゃくち号

とことこトレイン

初代
山口きらら博会場で使われていたトヨタL&Fトーイングトラクター2TG型 LPG改造車の牽引車とトモエ電機工業製造の客車(被牽引車)3両の計4両編成からなるゴムタイヤ遊覧車。2編成を保有していた。2009年(平成21年)9月に後述の2代目車両に置き換えられた。
2代目
愛知万博会場でグローバル・トラムとして使用された電気自動車。佐野車輌製作所製[5]。万博閉幕後三重県ナガシマスパーランドで使用されていたものを購入。動力車(牽引車)1両と客車2両(被牽引車)からなる3両編成で、2編成を保有する。錦川鉄道では公募で決定したテントウムシをイメージしたデザインとなり、2009年(平成21年)9月19日より初代車両に代わって運行を開始した[6][7]

運賃・料金

錦川清流線

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定[8]

キロ程 運賃(円) キロ程 運賃(円)
初乗り1 - 3km 170 19 - 21 610
4 - 6 230 22 - 24 700
7 - 9 280 25 - 27 790
10 - 12 360 28 - 30 870
13 - 15 430 31 - 33 960
16 - 18 520

とことこトレイン

大人片道遊覧料金(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日現在[9]

  • 一般・マイカー利用者: 片道650円、往復1200円
  • 錦川清流線利用者・団体: 片道500円、往復1000円

脚注

注釈

出典

外部リンク