酸素

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窒素 酸素 フッ素
-

O

S
外見
無色の気体[1](液体は淡青色)
ファイル:Liquid Oxygen2.gif

酸素のスペクトル線
一般特性
名称, 記号, 番号 酸素, O, 8
分類 非金属, カルコゲン
, 周期, ブロック 16, 2, p
原子量 15.9994(3) 
電子配置 1s2 2s2 2p4
電子殻 2, 6(画像
物理特性
無色[1]
気体
密度 (0 °C, 101.325 kPa)
1.429[2] g/L
融点 54.8[1] K, -218.4[1][2] °C, -361.82 °F
沸点 90.2[1] K, -182.96[2] °C, -297.31 °F
臨界点 154.59 K, 5.043 MPa
融解熱 (O2) 0.444 kJ/mol
蒸発熱 (O2) 6.82 kJ/mol
熱容量 (25 °C) (O2) 29.378 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 61 73 90
原子特性
酸化数 2, 1, -1, -2
電気陰性度 3.44(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 1313.9 kJ/mol
第2: 3388.3 kJ/mol
第3: 5300.5 kJ/mol
共有結合半径 66±2 pm
ファンデルワールス半径 152 pm
その他
結晶構造 立方晶系
磁性 反磁性
熱伝導率 (300 K) 26.58×10-3 W/(m⋅K)
音の伝わる速さ (気体、27 °C)330 m/s
CAS登録番号 7782-44-7[3]
主な同位体
詳細は酸素の同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
16O 99.76 % 中性子8個で安定
17O 0.039 % 中性子9個で安定
18O 0.201 % 中性子10個で安定

酸素(さんそ、: oxygen)は原子番号8の非金属元素元素記号O周期表では第16族元素(カルコゲン)および第2周期元素に属し、電気陰性度が大きいため反応性に富み、他の殆どの元素と化合物(特に酸化物)を作る。標準状態では2個の酸素原子が二重結合した無味無臭無色透明の二原子分子である酸素分子 O2 として存在する。宇宙では水素ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占め[4]、ケイ素量を106としたときの比率は2.38×107である[5]。地球地殻の元素では質量が最も多く[6]47 %が酸素である[1]。気体の酸素分子は大気の体積の20.95 %[7]、質量で23 %を占める[1]

スウェーデン薬剤師カール・ウィルヘルム・シェーレ1771年に初めて見付けた[1]。しかし、これはすぐに公にされず、その後1774年ジョゼフ・プリーストリーがそれとは独立して見付けた後に広く知られるようになった[8]。そのため、化学史上の発見者はプリーストリーとされている[9]

名称はギリシャ語oxys)と genen(生む)に基づく。アントワーヌ・ラヴォアジエは、酸素が酸の素であるとの誤解の元に oxygène(フランス語)と名付けた[1]。英語でも oxygen という。

性質

化学的性質

酸素は、フッ素に次いで2番目に電気陰性度が大きい[10]ため酸化力が強く、ほとんどの元素と発熱反応を起こして化合物をつくる[11]。1962年以降には希ガスであるキセノンも、酸素と化合して三酸化キセノン (XeO3) などの化合物を作ることが判った[12]

物理的性質

同位体については、3種類の安定同位体と10種の放射性同位体(いずれも半減期3分未満)が知られている。

酸素は、地球の地殻(質量比で約46.7%)およびマントルに最も多く含まれている元素であり、多くは岩石中に酸化物ケイ酸塩炭酸塩などの形で存在する。

地球外でも酸素は多く存在している。主な存在形態であるは地球の他、惑星や、彗星小惑星などにも見られる。火星の極には二酸化炭素が固体のドライアイスとして存在している。星が生まれる元となる分子雲では一酸化炭素が分子の中で2番目に存在量の多い分子である。酸素の起源は恒星核におけるヘリウムの核融合であり、酸素のスペクトルが検出される恒星も存在している。

約90Kで液体、約54Kで青みがかった固体となる。ダイアモンドアンビルなどで100万気圧を超えた高圧下では金属光沢を持ち、125万気圧、0.6Kでは超伝導金属となる。

酸素分子

物理的性質

酸素分子(さんそぶんし、: dioxygen化学式O2)は、常温常圧では無色無臭で助燃性をもつ気体として存在する。沸点-183°C(90K)、融点-218.9°C(54.3K)。水100gに溶解する量は6.945mg(0°C)3.931mg(25°C)2.657mg(50°C[3]液体酸素は淡青色を示し、比重は1.14である[3]基底状態の三重項状態では不対電子を持つため常磁性体である。また活性酸素の一種で反磁性である励起状態一重項酸素も存在する。

構造

標準状態において一般の[13]酸素は、2つの酸素原子が縮退した三重項の電子配置で化学結合した分子構造(三重項酸素分子)を持つ無色無臭の気体である。この結合次数は2であり、一般に二重結合[14]、または1個の2電子結合と2個の3電子結合と表記される[15]。三重項酸素分子とは電子の全スピン量子数が1となる状態で、具体的には2つの不対電子が酸素分子に2つあるπ*反結合性軌道[16]をひとつずつ占め、しかも同じ向きのスピンを取っている[17]。このとき、酸素分子のエネルギーは基底状態にある[18]。また、酸素分子の二重結合は反結合軌道にも電子が存在するため、結合軌道のみで電子を充足させる三重結合の窒素よりも安定さは下がり、また、2つの電子が対を作らずビラジカルとして存在するため、結果として酸素分子は窒素分子よりも少ないエネルギーで他の物質と反応しやすくなる[18][19]

通常の三重項酸素分子は常磁性を持つ。これは、不対電子のスピン磁気モーメント(スピンの向きが同じ電子がπ*反結合性軌道に入る[20])とふたつの酸素分子間に働く交換相互作用による[21]。液体酸素は磁石に吸い付けられ、実験では磁極間で自重を支えるに充分強い橋をつくる程である[22][23]

これに対し、外部から高エネルギーが加わり不対電子の一つがスピンを逆方向へ変え[24]、全スピン量子数が0となった酸素を一重項酸素と言い、有機化合物との反応性が高い。自然界で一重項酸素は、光合成の過程で水から作られたり[25]対流圏で短波長の光によってオゾンの分解から発生したり[26]、または免疫システムの中で活性酸素の原料として用いられたりする[27]

その他の特徴

熱力学的に反応性が高く不安定な分子ではあるが、地球上では初期には光合成を行なう嫌気性菌により、後の時代には植物の光合成によって年間約1011トン[9]供給され続けているため多量に存在する。酸素呼吸を行なう生物によって消費される。実際、生命が発生する以前の原始大気では酸素分子はほとんど存在せず、二酸化炭素など他の原子と結合した状態であった。現在の大気中の酸素分子はそのほぼ全てが光合成由来だと考えられている[28][注 1]

酸素は、呼吸をする生物によっては必須であるが、同時に有害でもある[29]。呼吸の過程や光反応などで生じる活性酸素は、DNAなどの生体構成分子を酸化して変性させる[30]。純酸素の長時間吸引は生体にとって有害である。未熟児網膜症の原因になったり、60 %以上の高濃度酸素を12時間以上吸引すると、の充血がみられたりし、最悪の場合、失明や死亡する危険性がある。

25 °C標準気圧下では、淡水は1 L中に酸素を6.04 mL含んでいるが、海水では1 Lあたり4.95 mLしか含んでいない[31]。5 °Cでの溶解度は、淡水では9.0 mL L−1、海水では7.2 mL L−1まで増加している。

液体酸素は液体空気を分留して得られ、強い酸化剤である[3]。液体空気を放置すると、沸点の低い窒素が先に蒸発するため、酸素分子が濃縮される[3]。1 Lの液化酸素が気化すると約800 Lの酸素ガスになる。

酸素は紫外線無声放電などによってオゾン (O3) へと変換される。また、酸素分子のイオンとしてスーパーオキシドアニオン O2-ジオキシゲニル O2+ が知られている。

生物学的役割

光合成と呼吸

光合成は水を分解し、酸素を放出して水素を二酸化炭素と反応させて糖類を得る過程である

自然界において遊離酸素は、光合成によって水が光分解されることで生じ、海洋中の緑藻類やシアノバクテリアが地球大気中の酸素70 %を、残りは陸上の植物が作り出している[32]

簡易な光合成の反応式は以下の通りである[33]

6 CO2 + 6H2O + 光子 → C6H12O6 + 6 O2 (二酸化炭素 + 水 + 日光 → グルコース + 酸素)

光分解による酸素発生は葉緑体チラコイド膜中で起こる。光をエネルギーとするこの作用は多くの段階を経て、ATP光リン酸化 (photophosphorylation) させるプロトンの濃度勾配を起こす[34]。この際、水を酸化させて残った酸素ガスは大気中に放出される[35]

酸素ガスは好気性生物呼吸を行い、ミトコンドリア酸化的リン酸化反応を経てATPを発生させるために使われる。酸素呼吸の反応は本質的に光合成の逆である。

C6H12O6 + 6 O2 → 6 CO2 + 6 H2O + 2880 kJ mol-1

脊椎動物では酸素ガスは肺の膜を通して血液中に拡散し赤血球中のヘモグロビンと結びつき、その色を紫がかった赤から明るい赤へ変える[36][37]。他の動物ではヘモシアニン軟体動物節足動物の一種など)やヘムエリスリンクモロブスターなど)が使われる例もある[38]。1リットルの血液が溶かせる酸素ガスは 200 cm3 である[38]

超酸化物イオン過酸化水素などの活性酸素は酸素呼吸を行う生体にとって非常に危険な副産物であり[36][38]ミトコンドリアを取り込んだ真核生物は進化の過程で DNA を酸素から保護するために核膜を獲得した[30]。その一方で高等生物は免疫系細菌を破壊するために過酸化物を用いている[36][39]。また、植物が病原体に抵抗して起こす過敏感反応 (hypersensitive response) でも活性酸素は重要な役割を果たす[40][41]

成人が呼吸で取り込む酸素は1分あたり1.8 – 2.4 gであり[42]、人類全体が1年間に消費する量は60億トンに相当する[43]

なお、酸素を利用しない呼吸の形態を嫌気呼吸という。最初の地球に酸素が存在しなかったことから、これが最初の呼吸のあり方と考えられる。これは、好気呼吸の経路にも、解糖の名で残っている。現在も、酸素を全く使わずに生活する微生物も存在し、そのような微生物は、酸素の存在下では死滅する(嫌気性生物)。おそらく、初期の微生物にとっても、酸素は有毒物質であったと考えられる。

大気成分中の酸素形成

地球大気における酸素含有量の変遷。1.酸素が作られない期間 2.酸素生成が始まるが海水や海底岩石に吸収される 3.海洋から酸素ガスが放出されるが地表への吸収やオゾン層形成のため消費される期間 4-5.酸素吸収が飽和し大気中に溜まる

地球誕生当初、大気中には遊離酸素ガスはほとんど存在しなかったが、やがて古細菌バクテリアが生じ、少なくとも30億年前には酸素が作られ始めた[28]。当初は海水中の溶解鉄と化合し縞状鉄鉱床を形成したが、酸素ガスが海洋から溢れ始めたのは大規模な大陸変動によって浅瀬が作られた27億年前頃からであった[29]。17億年前には大気中の酸素含有比率は10%に達し[44]、二酸化炭素と酸素の比率が逆転したのは7 - 8億年前と考えられる[28]

24億年前の酸素の大量発生英語版が起こった期間、他の元素と結合していない多くの遊離酸素が海中や大気中に溢れ、当時の嫌気性生物の大量絶滅を引き起こしたと考えられる。しかしながら、酸素を用いる細胞呼吸を獲得した好気性生物はより多くの ATP を作り出せるようになり、地球に生物圏を形成した[45]。この光合成と酸素呼吸は真核生物への進化をもたらし、これが植物や動物などの複雑な多細胞生物が生まれるに至る第一歩となった。

5億4千万年前のカンブリア紀が始まったころからは、大気中の酸素比率は15 - 30%の間で推移した[28]。それは石炭紀の終わりに当たる3億年前頃には最大35 %まで達し[28]、昆虫や両生類の大型化に作用した可能性がある[28]。人類は年間70億トンの化石燃料を使用するにあたり酸素を消費し続けているが、これによって大気中の酸素比率に与える影響は微々たるものである[21]

歴史

初期の実験

フィロンの実験は後の研究者たちに影響を与えた

燃焼と空気の間には何らかの関係があるのでは、と行われた最も古い実験のひとつは、紀元前2世紀の古代ギリシアビザンチウムのフィロンが著した『プネウマティカ (Pneumatica)』に記録されている。器に据えた蝋燭を灯してガラスの壷を上から被せ、壷の口が漬かるまで器に水を満たす。すると、壷の中へ水が吸い上がる様子を観察できた[46]。フィロンは、壷の中の空気が「四大元素の火」に変換され、これが壷のガラス壁を透過して逃げたと考えた。それから遥か時代が下った中世のルネサンス期に、レオナルド・ダ・ヴィンチはフィロンの実験に考察を加え、燃焼や呼吸を通じて空気が一部消費されると考えた[47]

17世紀後半にロバート・ボイルは、燃焼には空気が必要不可欠であることを立証した。これをジョン・メーヨーは、必要なものは彼が「硝気精[48] (spiritus nitroaereus、nitroaereus)」と名づけた空気の構成要素だという説を提唱した[49]。メイヨーの実験はフィロンと同じように水で封じた逆さの容器にそれぞれ蝋燭とマウスを入れ、どちらも水位が1/14程度上昇したことを確認した[50]。これから、メイヨーは燃焼と呼吸のいずれでも硝気精が消費されるとの確証を得た。またメイヨーは、アンチモンを加熱すると質量が増えることも確認し、これは金属に硝気精が結合したためと考えた[49]。呼吸については、硝気精はの中で空気から取り出されて血液に受け渡され、動物の体温や筋肉の動きを生み出す反応に使われると考察し[49]、1668年に発表した[50]

フロギストン説

ゲオルク・シュタール。彼はフロギストン説の構築と普及に寄与した

17世紀から18世紀にかけて、酸素はロバート・フックオーレ・ボッシュ英語版ミハイル・ロモノーソフ、ピエール・バイエンらが実験で作り出していたが、いずれもがそれを元素とは認識しなかった[51]。そこには、フロギストン説と呼ばれる燃焼と腐食に関する広く知られた学説が影響を及ぼしていた。

1667年にドイツ錬金術ヨハン・ベッヒャーが発案し1731年までにゲオルク・シュタールが理論構築したフロギストン説[52]は、可燃物とは燃素(フロギストン)と他の物質の2つが結合した状態にあり、燃焼が起こると燃素が遊離し、残りの物質もしくは石灰が残るというものだった[47]。この説では、木材や石炭などは燃素の含有率が高く、鉄など不燃性のものはほとんど含まないと考えられた。空気の効果は無視され、わずかに行われた実証試験でも可燃物を燃やすと軽くなるという点から確かに何かが失われているという考察がされたに過ぎず[47]、発生ガスへ意識が向けられることは無かった。このフロギストン説が否定される契機は、金属を空気中で燃やすと重量が増すという報告だった。

発見

カール・ヴィルヘルム・シェーレ。惜しくも酸素発見者の栄誉を逃した

酸素は1771年[2]スウェーデンカール・ヴィルヘルム・シェーレ酸化水銀(II)と様々な硝酸塩混合物を加熱する過程で発見した[7][47]。シェーレはこの気体を「火素 (fire air)」と名づけ1775年に論文を作成したが、出版社の都合で[2]発表されたのは1777年となった[53]

ジョゼフ・プリーストリー。一般的には彼が酸素の発見者とされる

シェーレが発見を知らしめるのに手間取っていた1774年8月1日イギリスジョゼフ・プリーストリーはガラス管に入れた酸化水銀(II)に日光を照射して得たガスに「脱フロギストン空気(dephlogisticated air)」と命名した[7]。彼はこのガスの中では蝋燭がより明るく燃え、マウスが活発かつ長寿になることを確かめた。さらに自分でこのガスを吸い、「吸い込んだ時には普通の空気と大差ないと思ったが、少し後になると呼吸が軽く楽になった」と書き残した[51]。1775年、プリーストリーは新聞紙上にこの発見を発表し、2冊目の著作 Experiments and Observations on Different Kinds of Air でも論述した[47]。このように、彼の発表がシェーレよりも先に行われたため、酸素発見者はプリーストリーということになった。

フランスの高名な化学者アントワーヌ・ラヴォアジエは後に自分が新元素を発見していたと主張したが、1774年10月にラヴォアジエはプリーストリーの訪問を受け、ガス発生手段など実験の概要を耳にしている。また、それに先立つ9月30日にプリーストリーは前もって新発見したガスの説明を記した書簡をラヴォアジエに送っているが、ラヴォアジエはこれを受け取っていないと主張した。なおプリーストリーの死後、彼の私物の中から書簡の写しが見つかっている[53]

ラヴォアジエの功罪

アントワーヌ・ラヴォアジエ。旧来のフロギストン説を葬り去った

ラヴォアジエは、厳密な物質量確認を伴う酸化の実験を通じて、燃焼の実態を正しく説明することに貢献した[7]。彼はフロギストン説を否定し、プリーストリーらが発見したガスが元素のひとつであると立証するため、1774年以来行われた実験の追試に乗り出した。

ラヴォアジエは、スズと空気を密閉した容器を加熱しても全体の重さに変化が無いことを観測し[7]、開封すると外気が流れ込む事から空気の一部が減少していると確認し、またスズが重くなっていることも計測した。そして、この流入空気質量とスズの質量増分が同じであることを確認した。1777年、彼はこの実験結果などをまとめた書籍 Sur la combustion en général を発表した[7]。この中でラヴォアジエは、空気は燃焼と呼吸に深く関わる vital air と、これらに関与しない azote古希: ζωτον、「生気のない」の意)」の2種類のガスが混合したものと証明した。azote は後に窒素とされた[7]

1777年ラヴォアジエは「vital air」に、古代ギリシア語 ὀξύς(oxys、味覚の酸味を由来とする「鋭い」の意)と -γενής(-genēs、生み出す者を由来とする「製作者」の意)を合成したフランス語「oxygène」という命名を施した[9]。これは、彼が酸素こそすべての酸性の源泉だという誤解を持っていたためこれらの単語が選択されたものだった[54]。後に、酸性の根本となる元素は水素であることが判明したが、その頃には単語が既に定着していたため変更はできなかった。

イギリス科学界は同国人のプリーストリーが分離に成功したガスにこの名称を用いることに反対だったが、1791年に詩人でもあるエラズマス・ダーウィンチャールズ・ダーウィンの祖父)が出版した有名な書籍『植物の園』 (The Botanic Garden) の中で、このガスを称賛する詩 oxygen を載せたため既に一般に広まっていたこともあり、「oxygen」の単語は英語に組み込まれてしまった[53]

量産・工業化

ジョン・ドルトン原子論では、当初すべての元素は「単元素」であり、原子比も単純なものであるという仮定があり、水は水素と酸素が1対1のHO というみなしの元で酸素の原子量を8と判断していた[55]。これは1805年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックアレクサンダー・フォン・フンボルトによって原子比が1対2に改められ、1811年にアメデオ・アヴォガドロがアボガドロの法則に則って水の正しい構成を解釈した[56]

19世紀には空気の構成も判明してきた。1877年にスイスラウル・ピクテ英語版[57]とフランスのルイ・ポール・カイユテ[57]が相次いで酸素の液体化に成功したと発表し、安定状態での液体酸素はヤギェウォ大学ジグムント・ヴルブレフスキカオル・オルシェフスキ英語版が初めて得た[58]

1891年にはイギリスのジェイムズ・デュワーが研究で用いるに充分な液体酸素の製法を見つけ[21]、1895年にはドイツカール・フォン・リンデとイギリスのウィリアム・ハンプソンがそれぞれ液化分留による商業ベースに乗る量産法を確立した[59]。この酸素を工業的に用いる例として、1901年にはアセチレンと圧縮酸素を用いた溶接法のデモンスチレーションが行われた[59]

製造

実験室的には過酸化水素を触媒で分解することで得られる[9]。触媒としては二酸化マンガンまたは、カタラーゼおよびそれらを含むレバージャガイモなどが利用できる。

そのほか、電気分解でも得られる。純粋な水は電気を通さないため少量の水酸化ナトリウムを加える。酸素は陽極で発生し、陰極では水素が発生する。

黒色となっている酸素ボンベ(MRI用)

工業的には空気の分留で得られる。空気を圧縮冷却し、沸点の差を利用して窒素やアルゴンなど他の成分と分けられる[3]。酸素が圧縮充填されるボンベは内部圧力が14.7 MPaで、容器の色は黒と定められている[3](特に高純度品は表面積の半分を超えない範囲で水色も加えられる)。液体充填されている容器は断熱構造をしており圧力は1 MPa以下(おおよそ700 KPa)程度であり色は地金(ステンレスやアルミ合金の場合)か灰色に黒の帯を配したものである。ただし工業的にはほとんど液体酸素をタンクローリーで1回あたり9 – 10トンが輸送され、低温液化ガス貯槽(コールドエバポレーター)で受け入れされる[3]

用途

酸化剤
化学工業などでは最も安価な酸化剤として多用される。
吸入用
呼吸に不可欠な元素であるため、医療分野での酸素吸入に使われている[60]。また傷病人に限らず、空気中の酸素濃度が低い場所での呼吸を助けるために、飛行機青海チベット鉄道などの酸素放出装置や、高山に登る時などのボンベの中身にも使われている。他にテクニカルダイビングにおいて、減圧用ガスとして用いられる。
助燃剤
ガス溶接鉄鋼の製造工程で助燃剤として使用されている[60]アセチレンを酸素とともに吹き出してえられる酸素アセチレン炎は3000 – 4000 °Cもの高温が得られ、鉄材の溶接や切断に利用されている。特に液体酸素ロケットエンジンの推進剤の酸化剤として用いられている。

酸素ガスの2004年度日本国内生産量は10,422,238,000 m3、工業消費量は4,093,787,000 m3、液化酸素の2004年度日本国内生産量は855,476,000 m3、工業消費量は68,215,000 m3である[61]

化合物

酸素は電気陰性度が高く、ほとんどあらゆる元素と化学結合する。多くの有機化合物は構成元素として酸素を含み、無機化合物の酸素化合物は酸化物として多方面で利用されている。

同素体

オゾンは主に大気中に含まれる希有な気体である

地球上での主な同素体は酸素分子 O2 であり、その結合長は121 pm、結合エネルギーは498 kJ/molである[62]。酸素分子は生物の複雑な細胞呼吸に使われている。

三酸素 (O3) はオゾンとしてよく知られる非常に反応性の大きい単体の気体で、吸入すると肺組織を破壊する[63][37]。オゾンは高層大気において、酸素分子が紫外線によって分裂した酸素原子と別の酸素分子が結合することによって生成している[54]。オゾンは紫外領域を強く吸収するため、高層大気にあるオゾン層は地球を放射線から保護するシールドとして機能している[37][64]。地表近くでもオゾンは生成しているが、これは自動車の排気ガスなどとして生成されている大気汚染物質である[65]

準安定状態分子である四酸素 (O4) が2001年に発見されたが[66][67]、これは固体酸素の6種の相のうちの1種として存在が仮定されていた。2006年にこの相が証明され、O2を20 GPaに加圧することで合成されたが、実際には菱面体晶の O8 クラスターであった[68]。このクラスターは O2 や O3 よりも強力な酸化剤であるためロケットの推進剤としての用途が考えられている[66][67]。1990年には固体酸素に96 GPa以上の圧力を与えると金属状態となる事が分かり[69]、1998年にはこの相を超低温条件におくことにより超伝導となることが発見された[70]

同位体

酸素には安定同位体として 16O, 17O, 18O の3種類が知られるが、天然存在比16O が99.7 %以上を占めている。また、放射性同位体も作られている。

かつては酸素を16として原子量を定義していたが、物理学では 16O の原子量を16としたのに対して、化学においては安定核種の平均原子量を16と置く定義の差があったことから、酸素の同位体の存在が判明して以降混乱が起こり、1961年に炭素12を基準とするように置き換えられた。

安全と注意

酸素中毒は通常よりも高い気圧の酸素を肺が吸い込んだ時に起こりやすい。深度へのスクーバダイビング(ディープダイビング)などで起こる可能性がある

酸素中毒

酸素ガスは高い分圧状態で痙攣症状などの酸素中毒を引き起こす場合がある[71][72]。これは、酸素分圧が50 kPa以上や平均界面の2.5倍に相当する約27 kPaでも部分的に起こる。そこで、標準気圧30 kPaの医療用酸素マスクは、酸素ガス比率を30 %に定めている[51]。かつて未熟児用保育器の中は高い比率の酸素を含んだガスが使われていたが、視神経に悪影響を与える可能性が指摘されてからは用いられなくなった[51][73]

宇宙飛行などにおいて、アポロ計画では火災事故以前の初期段階で[74]、また最新の宇宙服などにて比較的低圧で封じるため純酸素ガスが使用された[75][76]。最新の宇宙服では、服内を0.3気圧程度まで減圧した純酸素で満たし、血液中の酸素分圧が上昇しない方法が取られている[77][78]

肺や中枢神経系に及ぼす酸素中毒は、深い水深へのスクーバダイビング(ディープダイビング)や送気式潜水でも起こる可能性がある[51][71]。酸素分圧60 kPa以上の空気を長い時間呼吸していることは、恒久的な肺線維症に至ることがある[79]。これがさらに高い160 kPa以上となると、ダイバーにとって致命的になる痙攣に繋がることもありうる。深刻な酸素中毒は、酸素比率21 %の空気を用いながら66 m以上潜水することで起こるが、同様のことは比率100 %の空気ならばわずか6 mの潜水で起こる[79][80][81][82]

アポロ1号実験中に発生した火災現場の写真。当時は純酸素が使われていた

燃焼と他の危険

高濃度酸素と可燃物が混在している状況で、そこに何らかの火種があれば火災爆発など激しい燃焼が引き起こされる[83]。酸素そのものは燃えないが、酸化剤として作用する。燃焼発生の危険は、酸素が酸化電位の高い物質、例えば過酸化物塩素酸塩硝酸塩過塩素酸塩クロム酸塩などと混在している場合も高い。

大気中酸素濃度の減少

現在、地球の大気中における酸素濃度は約21 % (209,490 ppm) であるが、年平均4 ppmずつ減少している(1999年から2005年の平均値)という調査結果がある[84]。一方で、大気中の二酸化炭素濃度は年平均2 ppmずつ増加しており、酸素濃度の減少もこれに関連して化石燃料の燃焼などが主な原因になっていると思われる。また、二酸化炭素濃度の増加量と酸素濃度の減少量の差は、二酸化炭素が海面で多く吸収されている(陸上の約2倍)ことや化石燃料燃焼時に二酸化炭素排出量より酸素消費量の方が1.4倍多いことなどに起因する。大気中酸素濃度の1年間を通した変動では、陸上における光合成量が呼吸量を上回る夏季には増加しており、冬季には減少している。

もっとも、大気中の二酸化炭素濃度は2006年時点で約0.038 % (381 ppm) 程であり、約21 %の酸素とは元々の大気中濃度がまったく異なっている。年平均4 ppmの減少は1000年間で0.4 %程度の酸素濃度の減少であり、地球上における生態圏への影響は微々たるものである。

注釈

  1. ^ 原初の地球大気にも、水蒸気が光分解されて発生するメカニズムが指摘されており、ごく微量ながら酸素ガスが存在した可能性はあるが、ほとんどはすぐ酸化反応で消費されるか、オゾンへ変化したものと思われ、いずれにしろ考慮に足る量ではなかった。(『地球時計』p31)

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関連項目

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