運転手

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職業運転手の一例
京都市内のハイヤー

運転手(うんてんしゅ)とは、自動車などを運転するのこと。ここでは日本国内の例について記述する。

総説

営業用の自動車を運転する場合、運転免許第二種運転免許以上の免許が必要であり、旅客輸送が仕事となる。プロドライバーまたは運転士とも呼ばれる。自家用の貨物自動車や乗用車(企業なら社長・会長を、官公庁では要人を乗せる)、自家用バスを運転する者も運転手と呼ばれるが、自家用車であれば、二種免許は必要ではない。貨物自動車営業ナンバーで有償で運送を行っている場合でも一種免許で運転できる。運転技量はもちろん、同乗者全員へのシートベルト着用の呼びかけの他、道路や地理にも明るくなければならない。

鉄道では機関士や運転士と呼ばれ、それぞれの動力方式に応じた免許が必要である(動力車操縦者を参照)。

クレーンなどの操縦者は、運転士あるいはオペレーターと呼ばれる。

旅客輸送に従事するかつての職業には、人力車の「車夫」や、駕篭をかつぐ「駕篭かき」、馬車を御す「御者」などもあったが、現在では観光用などのごく一部を除いて存在しない。

バス運転手

営業用バス

ナンバープレートが緑色の営業用バスは、大型自動車第二種免許、あるいは中型自動車第二種免許(地上の免許で最難関)取得者でないと運転出来ない(ただし、回送など営業運転でない場合は第一種運転免許を持つ者でも運転できる)。

主に、路線バス(乗合バス)貸切バス(観光バス)、特定輸送(送迎バス)があり、運転手はそれらを運行する事業者に属する者が多い。

自家用バス

ナンバープレートが白色の自家用バスを運転する際は、大型自動車第二種免許あるいは中型自動車第二種免許は必要なく、大型自動車第一種免許あるいは中型自動車第一種免許を所持していればよい。主に企業学校幼稚園宿泊レジャーの各施設やレストラン・官公庁などが所有する法人自家用のバスであり、運転手はそれらの団体に属する者または専門の会社より派遣される。

タクシー運転手

金融機関の自動車運転手

銀行および信用金庫信用組合労働金庫といった預金取扱金融機関あるいは証券会社などの職員で、渉外(現金類の受け払い・セールス)・融資関係の役職にある者が得意先を訪問する際に、金融機関所有の車両(軽自動車・コンパクトカー、50ccを超えた小型自動二輪)を営業車として使用する場合がある。これに従事する職員は当然ながら普通自動車運転免許を保有しなければならない。バイクでは「バンクライダー」とも呼ばれ[要検証]、使用する主な二輪車は、ホンダ・カブヤマハ・メイト(いわゆる「ビジネスバイク」)を使用することが多い。

現金輸送車は、金融機関が業務委託した警備会社の警備員が運転する。

トラックの運転手

トラック運転手は、乗務する車ごとに積載量で25t超・10t・8t・4t・3t半・2tなどの貨物自動車を運転する。運転する車ごとに、大型一種、けん引一種、大型特殊一種免許などが必要となる。大手運送会社では、入社時に過去数年間の運転記録証明などを提出されるよう求められることがある(銀や金のSDカードが取れれば更によい)。

トラック運転手による交通事故

業務用車で事故を起こした場合運転手は労働災害となり、労働基準監督署に必ず届けなければならない。 また治療を受ける場合であっても労働災害保険を使うことになる。事業主責任が発生し、大規模な事故を起こすと事業所を強制捜査され、場合によっては運行管理者・会社代表の身柄を取り押さえる場合がある。また運輸局による事業停止処分など厳しい処罰規定がもうけられている。対物損害・人身損害を含めると何億円を超える場合であっても、事業主がこれを負担しなければならない。

反則金・罰金と大型トラック運転手

通常車体が大きくなればなるほど罰金の額は、増えていき普通車より大型車の方が刑罰処分が重くなる。反則金の場合普通車より1000円~3000円ほど高い.

トレーラーの運転手

牽引自動車とは、トレーラーとも呼ばれ、牽引車と被牽引車(積載部分)が切り離し可能で、なおかつ牽引(連結)状態にある車両を指す。

トレーラーにも、セミトレーラーフルトレーラーとがあり、セミトレーラーは、トラクタとトレーラーに分かれるものであって、フルトレーラーは、大型トラック、もしくは、大型バスの後ろに、もう一台、トレーラーを付けたものである。

サファリパーク遊園地などのランドトレイン(列車状の遊具)もフルトレーラーである。空港内ではプッシュバックが該当する。

牽引車両のブレーキホース、電装系の切り離し作業は運転手が主に行い、コンテナなどの荷役作業は主に到着先の会社の社員が行う。このため、トレーラー運転手のうち、工場や配送関係でない輸送の場合は、運転のみの軽作業であり、労働時間も比較的決まっているため、女性運転手の進出も見られる。

牽引式タンクローリーを運転するには、大型一種、けん引一種の他、積荷に応じ、危険物取扱者、高圧ガス、毒物劇物取扱などの国家資格が必要でとなる。

  • 関連企業
    • 日本フレートライナー株式会社
    • トヨタ輸送株式会社

自家用自動車の運転手

職業ドライバーでなくても自家用自動車を運転していると運転手ということになる(法律上の「業務」)。従って営業者でなくても車を運転している人は、運転手という呼び名が正しい。

自家用自動車の運転手が人身事故を起こしたとき業務上過失になるのは、車を運転すること自体社会的には、業務の一環として仕事である為とされている。従って交通ルールを守り円滑な社会貢献を図らなければならない。

緊急自動車の運転手

消防車救急車、警察のパトロールカーなどの運転手は特に「機関員」と呼ばれる(この場合の「機関」はorganisationではなくengine)。

お抱え運転手

近世、近代には家庭内労働者として、お抱え運転手(Chauffeur ショーファー)という職業があった。主人のための馬車自動車の運転者として屋敷に住み込んでいる者である。運転をしない時は、車の整備や洗車・ワックスがけ、馬の世話などをする一種の専門職である。現在でも、リムジンの呼称の一種である「ショーファーカー」に名を残す。

現代では、大企業で専門の要員を確保し、重役に専用車を与えている場合はこれに近いが、運転手が住み込みの個人的な使用人でない、あくまで企業の従業員である点が異なる。社によってはタクシー会社や車両管理会社と契約しハイヤーで送迎を行なっている例もある。白ナンバー車(自家用車)を運転するため、普通二種免許は法的には必要としない。

ホテル正面、都心部繁華街の路上、巨大地下駐車場や車寄せなどで見かける黒塗りの白ナンバーセダンは、お抱え運転手により運行されている車両である場合が多い。

自動車運転手を主に収容する日本の刑務所

交通事故を起こして実刑判決を受けた人を収監する。これらは「交通刑務所」とも称されている。

その他

  • 台湾で話される台湾語にはウンチャンという語彙があり、「運将」、「運匠」等と表記される。語源は日本統治時代の台製和語「運ちゃん」(運転手の愛称)であるという説が有力である。

関連項目