連邦軍指揮幕僚大学校

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座標: 北緯53度33分39秒 東経9度49分49秒 / 北緯53.5608097度 東経9.8303439度 / 53.5608097; 9.8303439

連邦軍指揮幕僚大学校
創設 1957年5月15日
所属政体 ドイツの旗 ドイツ
所属組織 戦力基盤軍
所在地 ハンブルク
標語 MENS AGITAT MOLEM
Der Geist bewegt die Materie
上級単位 全軍局
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連邦軍指揮幕僚大学校(れんぽうぐんしきばくりょうだいがっこう、ドイツ語Führungsakademie der Bundeswehr略称FüAkBw)は、戦力基盤軍全軍局隷下の参謀養成学校。ドイツ連邦軍全軍を対象とした参謀将校養成学校で1957年5月15日にバート・エムスにて設立される。翌1958年にハンブルクのニーンシュテーテン(Nienstedten)へ移転する。

概要[編集]

入校許可が与えられた将来の幕僚候補士官に対して連邦軍全軍の枠内で候補生に対して最適化された教育訓練を施す。

この目的のために指揮幕僚大学校は一般幕僚活動および海軍幕僚活動(国軍の一般要員と同様に国際関係に基づき外国軍からも受け入れる)の2つの異なる教育課程(ワークショップ)を用意している。国立課程(LGAN、北大西洋条約機構加盟国と欧州連合加盟国の士官を含む)は2年間に及ぶ。参加者は通常大尉または少佐である。教育課程の年間業務の一環で課程受講生は科学をテーマに取り扱う。毎年、特に優れた作品はクラウゼヴィッツ学会(Clausewitz-Gesellschaft)で評価される。

1962年以降、NATO加盟国軍の参謀将校の教育訓練を受け入れ始める。このための「国際参加一般幕僚海軍幕僚(LGAI)」課程は10ヶ月間に及ぶ。課程最優秀者にはホイジンガー将軍賞(General-Heusinger-Preis)が授与される。参加者の選抜は連邦国防省および各国の外交レベルでの推薦もしくは投票で選ばれる。

1962年から1997年までにハンブルクでのLGAI課程で80カ国以上から800人以上の参謀将校の教育を施した実績がある。定期的に、外国軍人の一般幕僚海軍幕僚課程修了者がその出身国軍おいて国軍の指導的立場に就任することがある。

さらに、指揮幕僚大学校では「幕僚士官課程(SOL)」があり、参加条件を満たす階級は少佐、大尉または中尉が指定されている。

LGAN非参加士官は大隊・連隊級幕僚向けの「指揮幕僚先進的訓練課程(SFL)」が用意されている。

2004年から課程教育に選抜士官の参加数は次の配分比率を取り入れる。全軍の内LGAN参加者が17%、残りの83%がSFLを通過する。

広範囲に及ぶ講義の申し込みは大学校を通じて一巡して受け付けられている。国際連合委任による活動の枠組みで行われる指揮幕僚である英語で開催される「国際連合参謀将校課程(UNSOC)」にドイツ人枠での申し込みについては本校修了者から選ばれる。

1999年以降、指揮幕僚大学校は大部分が最新技術で構成されたコンピューターを利用する演習センター(マンフレート・ヴェルナー・センター)が設けられる。また、各軍種ごとに分かれる幕僚活動を統合する目的で、いわゆるCAXと称される指揮支援コンピューターを開発して新しい基礎の上で支援される。

指揮幕僚大学校はしばしば批判に晒される。1997年、当時よく知られる極右活動家でホロコースト否認を持論として持つマンフレート・レーダー(Manfred Roeder)による「ケーニヒスベルク地域のロシアからドイツへの返還」と題した講義を1995年に実施していたことが明らかとなった[1]

歴代校長[編集]

氏名 着任 離任
代行 デレトフ・フォン・ルーモール陸軍大佐
Detlev von Rumohr
1957年1月1日 1957年7月31日
1 ハインツ・ゲートケ陸軍少将
Heinz Gaedcke
1957年8月1日 1959年9月30日
2 ヘルムート・レーゲラー陸軍少将
Hellmuth Laegeler
1959年10月1日 1962年3月31日
3 ウルリッヒ・デメジエール陸軍少将
Ulrich de Maizière
1962年4月1日 1964年9月30日
4 ユルゲン・ベンネッケ陸軍少将
de:Jürgen Bennecke
1964年10月1日 1966年9月30日
5 ハンス・ヒンリクス陸軍少将
de:Hans Hinrichs
1966年10月1日 1970年9月30日
6 ルードルフ・イェーネット空軍少将
Rudolf Jenett
1970年10月1日 1974年9月30日
7 エーベルハルト・ヴァーゲマン陸軍少将
Eberhard Wagemann
1974年10月1日 1977年9月30日
8 ハインツ・フォン・ツア・ガーテン陸軍少将
Heinz von zur Gathen
1977年10月1日 1981年3月31日
9 ディーター・ヴェラースホフ海軍少将
Dieter Wellershoff
1981年4月1日 1984年3月31日
10 ディーター・クラウス陸軍少将
Dieter Clauß
1984年4月1日 1986年3月31日
11 イェルン・ゼーダー陸軍少将
Jörn Söder
1986年4月1日 1988年3月31日
12 ヴェルナー・フォン・シェーヴェン陸軍少将
de:Werner von Scheven
1988年4月1日 1990年10月22日
13 クラウス・ラインハルト陸軍少将
de:Klaus Reinhardt
1990年10月23日 1993年6月30日
14 ハルトムート・オルベーター空軍少将
Hartmut Olboeter
1993年7月1日 1996年1月26日
15 ルードルフ・ランゲ海軍少将
de:Rudolf Lange (FDP)
1996年1月27日 2001年3月31日
16 ハンス=クリスティアン・ベック陸軍少将
Hans-Christian Beck
2001年3月31日 2005年7月14日
17 ヴォルフ=ディーター・レーザー陸軍少将
de:Wolf-Dieter Löser
2005年7月14日 2008年2月7日
18 ローベルト・ベルクマン陸軍少将
de:Robert Bergmann (General)
2008年2月7日 2011年7月14日
19 アヒム・リツバ陸軍少将
de:Achim Lidsba
2011年7月14日 2016年8月31日
20 カルステン・シュタヴィツキ海軍少将
de:Carsten Stawitzki
2016年9月1日 2018年5月9日
21 オリバー・コール陸軍少将
de:Oliver Kohl
2018年5月10日

著名な外国軍人の卒業生[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]