辨野義己

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辨野 義己
(べんの よしみ)
生誕 1948年8月28日
大阪府
国籍 日本の旗 日本
研究分野 腸内細菌
研究機関 理化学研究所
出身校 酪農学園大学酪農学部
東京農工大学大学院
東京大学大学院
主な業績 腸内細菌を新発見
影響を
受けた人物
光岡知足
主な受賞歴 日本獣医学会賞(1986年)
日本微生物資源学会・学会賞(2003年)
文部科学大臣科学技術賞(2009年)
プロジェクト:人物伝
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辨野 義己(べんの よしみ、1948年8月28日[1] - )は、日本の生物学者独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室の元室長。一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長、国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員[2]、日本微生物資源学会名誉会員[1]東京大学農学博士。名前は本名である[3][4][5][6]

経歴[編集]

大阪府枚方市出身。大阪府立寝屋川高等学校を経て、1973年酪農学園大学酪農学部獣医学科卒業。東京農工大学大学院獣医学専攻中退、1974年から理化学研究所研究員。1982年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了、農学博士東京農工大学大学院を経て、理化学研究所所属。理化学研究所培養生物部室長を経て、2004年から理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室室長。2009年に定年退職し、理化学研究所知的財産戦略センター辨野特別研究室特別招聘研究員を経て、理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員(2009年~2020年)[7]

理化学研究所では光岡知足の業績を引き継ぎ、腸内細菌についての研究を行っている。腸内細菌のDNA解析によって従来発見されていなかった腸内細菌を発見した。

イモ類を大量に食べるパプアニューギニアの人々を調査したところ、アンモニアの中の窒素アミノ酸として取り込むことのできる腸内細菌が多いことを発見した[8]。青汁だけで暮らす日本人女性の腸内細菌を分析したところ同様の細菌が多く存在した[9]

受賞歴[編集]

  • 1986年 日本獣医学会賞受賞
  • 2003年 日本微生物資源学会・学会賞受賞
  • 2009年 文部科学大臣科学技術賞(理解増進部門)受賞

著作[編集]

図書[編集]

共著[編集]

編著[編集]

監修[編集]

記事[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 理事長プロフィール”. 一般財団法人辨野腸内フローラ研究所. 2022年6月25日閲覧。
  2. ^ <連載> べんの博士のウンチ講座 第8回 食物繊維不足、高脂肪食が腸内環境を悪化させる”. 朝日新聞 Reライフ (2022年4月22日). 2022年6月25日閲覧。
  3. ^ ほとんどの方はペンネームだとおもっていますが、本名です。自分でもこんな道に入るとはおもっていませんでした。もともと、ぼくは獣医だったんですが、担当していた先生に「腸内フローラの研究は人の研究にとって大事。獣医は人の健康と動物の健康を含めた仕事だからこの分野は重要だ」と騙されてこの道に入りました21世紀は腸の時代!?――健康を左右する腸内フローラとは 辨野義己×荻上チキ”. SYNODOS (2016年5月20日). 2022年6月25日閲覧。
  4. ^ 『ベンのヨシミ』とはよくできた名前世界6000人の「便り」で実現 腸内細菌の健康診断”. 日本経済新聞 (2010年11月15日). 2022年6月25日閲覧。
  5. ^ 「便の研究をしている辨野義己です!」と自己紹介するようになって約50年になります。2022・No.1375 月刊保団連 5”. 保団連. 2022年6月25日閲覧。
  6. ^ 生まれた時から、便の研究をするのが天命なのです。(笑)【7】「おなかクリニック」プロジェクトとは”. QLife. 2022年6月25日閲覧。
  7. ^ 辨野特別研究室”. 国立研究開発法人理化学研究所 バトンゾーン推進プログラム. 2022年6月25日閲覧。
  8. ^ “シンポジウム 「腸内細菌と健康」/東京テクノ・フォーラム21”. 東京読売新聞 朝刊 (読売新聞社). (1995年10月9日). http://www.asahi-net.or.jp/~NY7T-OOJ/95100900.htm 2013年12月14日閲覧。 
  9. ^ 「驚異の人体パワー解明『第二の脳』の謎を追え!」(日本テレビ、2005年9月3日13:30-14:25)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]