谷よしの
谷 よしの (たに よしの、1917年1月17日 - 2006年2月4日) は、日本の女優。数多くの映画で脇役を演じる。登場シーンは短いながら庶民的な味わいのある演技で作品に彩りを添えた。
経歴・人物
1936年7月、松竹入社[1]。デビュー作は、島津保次郎監督の『浅草の灯』(1937年)。島津のもとで助監督を務めていた木下恵介から声がかかり、通行人の役で出演した[1]。以降、『カルメン故郷に帰る』など、木下作品にほぼ毎回出演した[1]。終戦直後に公開された『そよかぜ』にも出演している[1]。
小津安二郎監督作品や『男はつらいよ』シリーズを始めとする山田洋次監督作品など、木下作品以外にも多くの映画に登場した。『男はつらいよ』シリーズでは36作品に出演し、うち28作品にクレジットされている。与えられた役もいろいろだが、主に柴又「とらや」のご近所さん、旅館の仲居、「とらや」の客、花売りなどが多い。映画ほど多くはないがテレビドラマへの出演もある。
最後の出演作は、2000年公開の『ホーム・スイートホーム』(入院患者の役)だった[1]。2006年2月4日に89歳で死去。
出演
テレビドラマ
- 日高川(1967年、TBS)
- 日産火曜劇場 木下恵介アワー「あしたからの恋」(1970年、TBS)
- ファミリー劇場(日本テレビ)
- おれは男だ! 第20話、38話(1971年 - 1972年、日本テレビ) - 漁師(20話)・看護師(38話)
- 青春をつっ走れ(1972年、フジテレビ)
- 特捜記者 犯罪を追え(1974年、関西テレビ)
- 花王 愛の劇場「別れて生きる時も」(1978年、TBS)
- 土曜ワイド劇場(テレビ朝日)
- 「死刑台の美女」(1978年4月8日)
- 「帝銀事件 大量殺人 獄中三十二年の死刑囚」(1980年1月26日)
- 傑作推理劇場「砂の密室」(1981年8月19日、テレビ朝日)
関連書籍
- 阿部清司『谷よしの映画人生 天の巻』堀内家内工業、2005年
- 阿部清司『追悼 女優・谷よしの』堀内家内工業、2006年
- 上記の続編。追悼本。
- 山田太一ほか著『人は大切なことも忘れてしまうから―松竹大船撮影所物語』マガジンハウス、1995年 ISBN 4838702698
- 谷へのインタビューを収録。