諏訪市

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すわし ウィキデータを編集
諏訪市
諏訪市旗
諏訪市章
市旗・市章、共に1941年昭和16年)8月10日制定
日本の旗 日本
地方 中部地方甲信越地方
都道府県 長野県
市町村コード 20206-1
法人番号 2000020202061 ウィキデータを編集
面積 109.17km2
(境界未定部分あり)
総人口 47,403[編集]
推計人口、2024年2月1日)
人口密度 434人/km2
隣接自治体 岡谷市茅野市伊那市
上伊那郡辰野町箕輪町
諏訪郡下諏訪町小県郡長和町
市の木 きはだかりん
市の花 あやめ(はなしょうぶ)
ニッコウキスゲ
諏訪市役所
市長 金子ゆかり
所在地 392-8511
長野県諏訪市高島一丁目22番30号
北緯36度2分20.9秒 東経138度6分50.5秒 / 北緯36.039139度 東経138.114028度 / 36.039139; 138.114028
諏訪市役所
外部リンク 諏訪市

諏訪市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

諏訪市(すわし)は、長野県南信地方

概要

諏訪湖に隣接する工業都市であるとともに、諏訪湖や上諏訪温泉諏訪大社の上社(本宮)、霧ヶ峰高原を抱える観光都市でもある。セイコーエプソンの本社および基幹部門、タケヤ味噌の竹屋の本社がある。

江戸時代は高島藩の城下町であった。戦後、時計カメラレンズなどの生産が増え、山と湖のある風土と相まって「東洋スイス」と称されたことでも有名である。地酒メーカーも沢山あり、真澄舞姫、麗人、本金、横笛がある。

諏訪市周辺の3市2町1村からなる諏訪広域連合の一都市であり、中心都市である。

地理

北西側を諏訪湖に接し、西部、東部を山地に挟まれ、南側には茅野市、富士見高原を望む、諏訪盆地のほぼ中央に位置する。長野県内では南信地方諏訪地域天気予報では長野県中部もしくは諏訪地方に分類される。

県内主要都市との位置関係は、一般的な交通手段を用いた場合、県庁所在地の長野市から南方へ約100kmである。交通手段としては、中央自動車道JR東日本中央本線が市内をほぼ南北に通る。東京からのアクセスは2時間強、また、中央自動車道経由で名古屋からも2時間程度でアクセスでき、これらの都市圏からの交通の便が比較的よい。

山梨県に比較的近く、障害となる山がないことから、天候がよい時、場所によっては平地でも富士山を望むことができる。

地形

諏訪湖サービスエリアから望む諏訪市中心部
諏訪盆地
諏訪市中心部周辺の空中写真。1975年撮影の5枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

諏訪盆地には、を挟んで諏訪側が反対側に比べて急勾配である、という地形が見られるが、諏訪市も例外ではなく、同様の地形が、例えば諏訪市と上伊那郡辰野町を結ぶ県道50号有賀峠)などに見られる。これは、諏訪地方に中央構造線糸魚川静岡構造線が通ることに起因する断層地形である。なお、この2つの構造線は諏訪市付近で交差(接触)しているとされている。東側の山地のふもとは、いくつかの小さな扇状地を成しており、ここには住宅や田畑などが広がっている。

市内平地を見てみると、諏訪湖へ向かう幾本かの河川の間に田畑住宅地が広がっている。赤沼(あかぬま)、中洲(なかす)といった地名が表すように、古くはだったり、もしくは諏訪湖が最大面積であったときに水中だった場所も多く、地盤は全体的にゆるい。そのためか、地震が観測されるときも、長野県の近隣地域に比べ震度が大きくなることが多い。このような点から、東海地震想定震度は最大で6弱となっており、非常に大きな揺れが懸念され、地震防災対策強化地域となっている。

気候

周囲を北東にかけては八ヶ岳に連なる山々、南西にかけては南アルプスに連なる山脈に囲まれ、それらの山々と諏訪湖の影響を受け、内陸性気候の特色を示す県内にありながら、例えば、春夏秋季の降水量は県内比で多め、冬季の降水量は圧倒的に少ないというように、内陸気候の中でも特徴的な気象環境下にある。

東京名古屋などの都市部より標高が高いためか避暑地と呼ばれる傾向にあるが、平地では夏場の日中の最高気温は30度くらいに達し、それほど涼しくはない。ただし、夜から朝にかけては気温は下がり、すごしやすい気温になる。熱帯夜になることはめったにない。冬場の朝夕の冷え込みは厳しく-10度以下まで下がることも珍しくなく、特に諏訪湖が全面結氷すると冷却効果により-20℃近い冷え込みになることもあるが、日中は晴れて気温が上がる。

市北東、標高約1500mから約1900mに位置する霧ヶ峰高原は、夏場ひんやりとしていて、市内では避暑に最適な場所といえる。

諏訪市
雨温図説明
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気温(°C
総降水量(mm)
出典:気象庁
インペリアル換算
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気温(°F
総降水量(in)

極値

諏訪アメダス観測

要素 観測値 観測年月日
最高気温 35.5℃ 1995年8月20日
最低気温 -23.1℃ 1947年2月18日
日降水量 161.5mm 1983年9月28日
最深積雪 69cm 2001年1月27日

[1]

歴史

市域には縄文弥生時代からの考古遺跡が分布し、高原を中心に集落遺跡が分布している。下諏訪の和田峠を始めとする黒曜石による石器、また、縄文・弥生時代の土器の破片も出土している。

中世には諏訪の国人領主諏訪大社上社の大祝家・諏訪氏によって治められる。南北朝時代には諏訪頼重中先代の乱を起こしている。戦国時代には諏訪頼満が分裂した諏訪一族を統一し、隣国である甲斐国の国人勢力と同調し甲斐国内へも侵攻する。頼満の頃には武田氏と和睦し婚姻同盟を結ぶが、頼満の孫にあたる諏訪頼重は天文10年(1541年)に甲斐武田氏、信濃村上氏に独断で関東管領上杉憲政と和睦し所領を分割し、甲斐の武田晴信(信玄)は諏訪侵攻を行い、諏訪氏は一時滅亡した。

その後、諏訪地方は信濃侵攻を行う武田氏の領国となり、信濃中部の拠点として支配を受ける。信玄四男の勝頼は頼重の外孫に当たり、当初は高遠諏訪氏を継ぎ諏訪勝頼と称し、信玄没後に武田宗家を継承し当主となった。

天正10年(1582年)、武田氏の滅亡後に発生した天正壬午の乱において諏訪頼重の従弟である諏訪頼忠によって諏訪氏は再興され、その息子の諏訪頼水1600年慶長5年)の関ヶ原の戦いにおける功によって、徳川氏により高島藩に封じられている。

近世には高島藩領で、高島城を藩庁に諏訪氏による統治が行われた。江戸時代に整備された甲州街道の終着の宿場町である下諏訪のひとつ手前にあたる上諏訪宿として栄える。

近世以降

人口


諏訪市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


行政

議会

  • 市議会議長:小林佐敏
  • 定員:15名(2012年現在、法定数30名、任期 2015年4月まで)
  • 選挙人名簿登録人数:41,280人(男20,062人、女21,218人、2012年9月現在)

国家機関

司法機関

行政機関

経済・商業

セイコーエプソン本社
竹屋本社工場

産業

諏訪市の産業は、明治から大正にかけては製糸業で賑わったが、セイコー腕時計をはじめとする精密機械工業を経て、現在は、セイコーエプソンを中心とするハイテク産業が栄える。

主要企業

事業所・農業・従事者数

全事業所数
事業数:4,211(2001年10月1日事業所・企業統計調査)
従業者数:34,923人
工業(2003年12月31日工業統計調査)(4人以上の事業所)
事業所数:252
従業者数:5,341人
製造品出荷額等:1,013億4,904万円
商業(2002年6月1日商業統計調査)
総数:946
従業者数:6,249人
商品販売額:2,145億円
卸売事業所数:282
従業者数:2,142人
商品販売額1,390億円
小売事業所数:664
従業者数:4,107人
商品販売額:755億円
飲食店:217(1992年10月1日商業統計調査)
従業者数:1,144人
商品販売額:86億円
農業(2000年2月1日農業センサス)
農家数:1,319戸(専業110戸、兼業1,209戸)
農家人口 5,690人(男 2,828人、女 2,862人)・農家率 6.4%
経営耕地面積 659.6ha (市全体面積の約6.5%、田455.7ha 畑174.2ha 樹園地 29.8ha)
林業 (2002年度末)
森林面積:7,232ha(市全体面積の約65.8%)
  • 市民所得:337.7万円/人 (1997年度推計)

商業

主な商業施設

姉妹・友好都市

国内

海外

地域

保健・衛生・福祉

医療施設(2004年4月1日)
病院 4(650床)
諏訪赤十字病院、上諏訪病院、諏訪城東病院、
一般診療所:47(34床)
歯科診療所:26
助産所:2
医療関係施設
長野県赤十字血液センター諏訪出張所(旧諏訪赤十字血液センター)(献血血液関係)
医療関係従事者数 (2002年12月末概数)
医師:115人
歯科医師:36人
薬剤師:108人
保健師:29人
助産師:27人
看護師:437人
准看護師:137人
公共保険・衛生施設
諏訪市保険センター

社会福祉

総合福祉
諏訪市総合福祉センター「湯小路いきいき元気館」

スポーツ・健康増進施設

教育

小学校


中学校

  • 高等学校を併設しない中学校はすべて市立


高等学校

その他

交通

上諏訪駅

鉄道

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線
上諏訪駅
ただし、市内南部の一部地区においては、隣接する茅野市の茅野駅が最寄り駅になる地域がある。

隣接市町村への連絡

諏訪地域内輸送
  • 茅野市 - 普通列車:約6分(上諏訪駅 - 茅野駅
  • 岡谷市 - 普通列車:約10分(上諏訪駅 - 岡谷駅
  • 下諏訪町 - 普通列車:約4分(上諏訪駅 - 下諏訪駅
  • 富士見町 - 普通列車:約20分(上諏訪駅 - 富士見駅
隣接地域都市間輸送

都道府県庁への連絡

  • 長野市 - 普通列車:最短で約2時間、優等列車:普通列車または特急「あずさ・スーパーあずさ」で塩尻駅もしくは松本駅まで、特急「しなの」に乗り換え:約1時間30分(待ち時間を除く)

広範囲な連絡

  • 新宿東京都) -
  • 名古屋愛知県) - 普通列車で塩尻まで、塩尻より特急「しなの」に乗り換え:合計約2時間20分(待ち時間を除く、上諏訪駅 - みどり湖・塩尻経由 - 名古屋駅
  • 甲府山梨県) - 普通列車:最短で約1時間10分、特急「あずさ」「スーパーあずさ」:最短で約45分(上諏訪駅 - 甲府駅

バス

道路

高速道路

諏訪IC - 諏訪湖SA

一般国道

市内で2箇所、中央本線と踏み切りで交差することから渋滞の発生が日常化し、渋滞解消のため1964年からさまざまな議論などが行われている。
国が、街づくりを推進する上で、踏み切り解消と立体交差工事を広範囲にわたる事業が行える機会として、連続立体交差事業区間において、市街地再開発事業や都市計画事業、街路事業などの具体的な街づくり事業を伴わせることを事業実施の条件としている。そのため、諏訪市では駅周辺の開発などに関わる議論が行われてきたが、進展がみられず、この計画は遅々として進んでいない。参考国道20号諏訪バイパス

県道

主要地方道
一般県道

マスコミ

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

寺社・旧跡

寅・申の年に御柱祭(式年造営御柱大祭)

美術館・博物館

温泉

名勝・景勝

八島ヶ原植物群落、踊場湿原(池のくるみ)植物群落、車山樹叢、湿原および草原植物群落から成る霧ヶ峰湿原植物群落は国指定の天然記念物である。亜高山性植物の宝庫で、コバイケイソウレンゲツツジニッコウキスゲマツムシソウススキ等が春夏秋冬替わって咲き乱れる。
長野県最大の湖。湖周は約16kmで、岡谷市、下諏訪町にも接している。諏訪市内においては、ジョギングロード、湖畔公園、石彫公園、ふれあいなぎさ、初島などが整備されており、遊覧船の発着所もある。また、周囲には諏訪市原田泰治美術館、諏訪市ガラスの里、サンリツ服部美術館や片倉館などがある。高台にある立石公園は眺望が良く、「夜景100選」、「信州のサンセットポイント100選」に選定されている。

祭・催事

主な出身者

五十音順

その他

脚注

関連項目

外部リンク

座標: 北緯36度2分20秒 東経138度6分49秒