西田雄一郎

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西田雄一郎
福島競馬場(2023年11月12日)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県横浜市[1]
生年月日 (1974-10-14) 1974年10月14日(49歳)
身長 152.4cm(2020年)
体重 51.0kg(〃)
血液型 A型
騎手情報
所属団体 JRA
所属厩舎 美浦・境征勝(1995.3.1 - 1999.9.30)
美浦・境征勝(2005.3.1 - 2008.2.29)
美浦・フリー(2008.3.1 - 2020.12.31)[2]
初免許年 1995年
免許区分 平地・障害[3]
騎手引退日 2020年12月31日
重賞勝利 3勝
通算勝利 6907戦229勝
(JRA6775戦224勝、地方競馬132戦5勝)
調教師情報
初免許年 2021年2022年開業)
経歴
所属 美浦トレーニングセンター
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西田 雄一郎(にしだ ゆういちろう、1974年10月14日 - )は、JRA美浦トレーニングセンター所属の元騎手・現調教師

来歴[編集]

神奈川県横浜市生まれ。小学2年から中学まで野球をしていた。同級生に競馬好きがいて競馬に興味を持ち、引退レースのオグリキャップが勝った有馬記念を見て感動し、騎手を志す[4]。高校を2年で中退後、1995年、第11期生として競馬学校騎手課程を卒業しJRAの騎手免許を取得する。同期には青木芳之西谷誠野元昭嘉矢原洋一山本康志らがいる。

美浦・境征勝厩舎所属の騎手としてデビュー。初騎乗は3月4日中山競馬第12競走のグレイトスターオーで、15頭立ての5着。初勝利は5月6日福島競馬第12競走のサクラファイターで挙げた。デビュー35戦目での事だった。8月27日新潟記念でカルパートに騎乗し重賞初騎乗(11着)。同年は10勝を挙げ、民放競馬記者クラブ賞を受賞した。

1996年7月6日七夕賞サクラエイコウオーに騎乗しデビュー2年目で重賞初制覇。

1998年、自動車運転でスピード違反を起こし、出頭を前に再びスピード違反で摘発され[5][6]、その責任を取る意味で騎手免許を自主返上し、1999年10月1日付で免許取り消しとなった[7]。その後、宮城・山元トレーニングセンターで牧場スタッフとして勤務[8]。6年後にJRAの2005年度の騎手免許試験を再受験して合格した[9]。このためJRAの公式ホームページのデータファイル欄には1999年度の引退騎手のページと現役騎手ページの両方に記載されている。なお西田は2005年3月から再びレースに騎乗している。

2010年7月18日アイビスサマーダッシュで8番人気ケイティラブに騎乗し、14年ぶりに重賞制覇。インタビューで「華のない、地味な、髪の毛の薄いジョッキーですが、これからも頑張ります」とユーモラスに語った[10]

2014年4月26日、福島8R(4歳上500万下)で16頭立て16番人気のリバティーホールに騎乗して勝利。単勝払戻金は5万6940円で、JRA史上最高単勝配当となった[11][12]1955年に阪神で記録された5万5870円を59年ぶりに更新した。

2017年7月30日、アイビスサマーダッシュで8番人気ラインミーティアに騎乗し、7年ぶり3度目の重賞制覇。

2021年度の新規調教師免許試験に合格したため、2020年12月31日をもって騎手を引退し翌2021年1月1日より調教師に転身する[13]。通算成績はJRA6775戦224勝(地方競馬132戦5勝)。

2022年3月1日付けで厩舎を開業した。前日付で調教師を引退する堀井雅広厩舎から9頭を引き継ぐ[14]。同年3月21日中山第7競走をリリーブライトで勝利し、開業12戦目で初勝利[15]

エピソード[編集]

  • アイビスサマーダッシュを2度制するなど新潟競馬場の芝直線1000mを得意とし[16]、“ミスター千直”“千直マイスター”の異名を持つ[17][18]
  • 1996年4月7日の中山5R(障害4歳上未勝利)で一度だけ障害レースに騎乗したことがある(サクラジェイボーイで11着)。
  • 2023年2月19日の東京12Rで日本でラストとなった福永祐一が騎乗した(ゲンパチアイアンで5着)。

おもな騎乗馬[編集]

騎乗成績[編集]

年度 1着 2着 3着 騎乗数 勝率 連対率 複勝率
1995年 10 13 16 239 .042 .096 .163
1996年 26 26 26 355 .073 .146 .220
1997年 26 22 25 358 .073 .134 .204
1998年 29 23 24 394 .074 .132 .193
1999年 4 3 3 67 .060 .104 .149
2005年 7 3 3 215 .033 .047 .060
2006年 7 5 15 316 .022 .038 .085
2007年 4 7 9 319 .013 .034 .063
2008年 10 13 14 288 .035 .080 .128
2009年 12 15 9 434 .028 .062 .083
2010年 11 14 27 475 .023 .053 .109
2011年 8 20 22 405 .020 .069 .123
2012年 6 20 11 408 .015 .064 .091
2013年 13 17 17 469 .028 .064 .100
2014年 11 14 7 461 .024 .054 .069
2015年 15 14 10 343 .044 .085 .114
2016年 3 11 8 293 .010 .048 .075
2017年 8 9 12 271 .030 .063 .107
2018年 3 6 13 300 .010 .030 .073
2019年 9 4 11 219 .041 .059 .110
2020年 2 3 5 145 .014 .034 .069
平地 224 262 287 6775 .033 .072 .114
障害 0 0 0 1 .000 .000 .000
地方 5 8 6 132 .038 .098 .144
日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初騎乗 1995年3月4日 2回中山3日12R 5歳上500万下 グレイトスターオー 15頭 6 5着
初勝利 1995年5月6日 1回福島5日12R 5歳上500万下 サクラファイター 14頭 9 1着
重賞初騎乗 1995年8月27日 1回新潟6日11R 新潟記念 カルパート 11頭 10 11着
重賞初勝利 1996年7月6日 3回中山7日11R 七夕賞 サクラエイコウオー 17頭 5 1着
GI初騎乗 2009年5月24日 3回東京2日11R 優駿牝馬 パドブレ 17頭 17 16着

調教師成績[編集]

日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初出走 2022年3月5日 2回中山3日1R 3歳未勝利 ブエナスエルテ 16頭 4 8着
初勝利 2022年3月21日 2回中山8日7R 4歳以上1勝クラス リリーブライト 14頭 11 1着
重賞初出走 2023年3月11日 1回阪神9日8R 阪神スプリングジャンプ ミッキーメテオ 12頭 2 4着
重賞初勝利
GI初出走
GI初勝利

脚注[編集]

  1. ^ 競馬ブック 2012年7月28・29日号「競馬人 Vol.115」西田雄一郎騎手
  2. ^ 西田雄一郎騎手、フリーに”. ラジオNIKKEI. 2022年4月29日閲覧。
  3. ^ 平成28年度 騎手免許試験合格者” (PDF). 日本中央競馬会 (2016年2月11日). 2016年4月7日閲覧。
  4. ^ 子供を襲った不運や引退の危機を乗り越えて重賞を制した西田雄一郎騎手の、ガッツポーズに込められた意味”. Yahoo!. 2022年4月29日閲覧。
  5. ^ 「強制引退」か。無免許運転及び速度超過で正式処分待ちの中、騎手業引退を示唆する「前例」と「環境」
  6. ^ 【アイビスSD】直千ラブ♪重賞初挑戦V
  7. ^ 競馬ブックコーナー ニュースぷらざ
  8. ^ 記者コラム「見た 聞いた 思った」回り道で見つけた物(日刊スポーツBLOG、2005年4月20日)
  9. ^ 中央競馬を振り返る 2005年2月17日付(競馬ニホン)
  10. ^ 【アイビスSD】ラブに感謝!西田14ぶり重賞V
  11. ^ JRA単勝史上最高払戻金出た 59年ぶり!5万6940円
  12. ^ JRAホームページ|データファイル|払戻ランキング
  13. ^ 2021年度 新規調教師免許試験合格者 JRA”. www.jra.go.jp. 2020年12月10日閲覧。
  14. ^ 【JRA】堀井雅広厩舎からの転厩馬一覧、25頭中9頭が西田雄一郎厩舎へ”. netkeiba.com. 2023年6月25日閲覧。
  15. ^ 西田雄一郎調教師が開業12戦目で初勝利「コツコツ積み重ねていきたい」”. netkeiba.com. 2022年4月29日閲覧。
  16. ^ 【アイビスSD】“直千”名人・村田&西田の集中講座で的中率アップ
  17. ^ 【アイビスSD】“ミスター千直”西田、今年はミーティア
  18. ^ 【アイビスSD】極限の末脚引き出した西田「切れ味を出すことだけ心掛けた」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]