西田佐知子
西田 佐知子(にしだ さちこ、本名:関口 佐智子。1939年1月9日 - )は、日本の元歌手。愛称は「さっちん」。夫は俳優・テレビ司会者・タレントの関口宏、俳優・タレントの関口知宏は息子。
来歴・人物
大阪府大阪市城東区生まれ。帝国女子高等学校(現:大阪国際滝井高等学校)卒業後、西田佐智子の名で歌手デビュー。それ以前には、「浪花けい子」の名で活動したこともあった[1]。代表作「アカシアの雨がやむとき」は、60年安保当時の世相を表現するテーマ曲のように扱われており、その物憂げな歌声はニュース映像のBGMで使用されることが多く見受けられる[2]。
1971年の結婚後は仕事をセーブし、オリジナル作品のほか歌謡曲・演歌・ニューミュージックなどのカバー作品も発表し、レコーディング活動が中心となっていたが、1982年発売のシングルレコード「テレビを見ている女」を最後に、現在は専業主婦となっている。1990年には、作詞家としての活動があった[3]。
この時期の多くのスター歌手はモノラルとステレオの端境期を体験しており、過去のモノラル録音曲をステレオで再録音する歌手も多かった。結婚後の1970年代後半にモノラル時代の主要曲をアルバム用にステレオ再録音したが、現在は廃盤となっている。また、現在発売されるコンピレーション・アルバムでは、モノラル録音のものはそのモノラル・オリジナル音源を収録することで統一されている。
「初めての街で」は現在も菊正宗酒造のTVコマーシャルで歌声が使用されているが、2009年にはジェロが歌うバージョンも使用された。
エピソード
略歴
- 1956年 「伊那の恋唄」でマーキュリーからデビュー。
- 1960年 「死ぬまで一緒に」発売。
- 1961年 ギリシャ映画『日曜はダメよ』同名主題歌のスマッシュヒット、続けて外国曲のカバー「コーヒールンバ」のメガヒットで一躍その名を知られるようになる。
- 1962年 「アカシアの雨がやむとき」で村田英雄の「王将」とともに第4回日本レコード大賞特別賞を受賞。
- 1967年 レコード売上1000万枚突破記念曲「たそがれの恋」発売。9月30日にはレコード売上1000万枚突破記念チャリティ・リサイタルを東京厚生年金会館で開催。
- 1971年 関口宏との結婚を発表する。これを機に芸能活動を大幅に縮小。
- 1982年 現在のところ最終シングルである「テレビを見ている女」を発売。
- 1982年以降表立った活動は無いが、 1990年、歌手・平井菜水のデビュー曲「めざめ」(日本テレビ系列のテレビ番組『知ってるつもり?!』のエンディング曲)の作詞を行っている。
シングル
- 夜が切ない(1959年11月)
- 一対一のブルース(1959年11月)
- アカシアの雨がやむとき(1960年4月)- 1962年にかけてロング・セールスとなり、同年日本レコード大賞・特別賞を受賞。
- 死ぬまで一緒に(1960年) - 1973年に平山洋子(旧芸名:園江梨子、平山三紀の姉)がカバーし、リバイバル・ヒットさせている。
- 日曜はダメよ(1961年)
- コーヒールンバ(1961年) - ザ・ピーナッツとの競作だが、ザ・ピーナッツ版とは歌詞が異なる。後年フリオ・イグレシアスや荻野目洋子らがカバーし再ヒットした。
- スク・スク(1961年)
- エリカの花散るとき(1962年) - 元々は「浜辺と私」のB面から火がつき大ヒットした。後にこちらをA面にし「灯りを消して」とカップリングされたEP盤も発売された。
- 夕日は沈まない / 青いリボンのヘアーピン(1963年3月)
- 故郷のように / どうなるの?(1963年3月)
- あの人はいま(1963年4月)
- 星に希いをかけるとき / 愛の別れ(1963年8月)
- 東京ブルース(1963年) - 淡谷のり子の東京ブルースの同名ヒット曲とは別の楽曲
- 死んでもいい(1964年)
- ある雨の朝… / ひとり渚を(1964年9月)
- ウナ・セラ・ディ東京(1964年) - 和田弘とマヒナスターズ、坂本スミ子、ザ・ピーナッツとの競作
- 博多ブルース / 京都ブルース(1964年11月)
- メリケン・ブルース(1964年12月)
- 異国の女 / アリラン(1965年4月)
- さいはての慕情(1965年4月)
- 札幌エレジー(1965年5月)作詞:水木かおる 作曲:藤原秀行
- こんなに こんなに好きなのよ(1965年6月)
- 喜びも悲しみも / 女の十字架(1965年7月)
- 死んでも離れない(1965年8月)
- 男はいいわ / お座敷ブルース(1965年9月)
- 女の港(1965年11月)
- 赤坂の夜は更けて - 島倉千代子との競作 / 女の意地 - 1970年~1971年にリバイバル・ヒット(1965年12月)
- 花は散りゆく / 裏町酒場 - 美空ひばりの同名ヒット曲とは別の楽曲(1966年1月)
- ねむの木の子守唄(1966年3月)
- はてしなき恋(1966年6月)
- さよならは云えない(1966年6月)
- 信じていたい / 恋のかたみは泪だけ(1966年10月)
- 泪のウエディング・ベル(1967年1月)
- 雲の流れに / どこかで貴方が(1967年3月)
- たそがれの恋 / 愛の引き汐(1967年8月)
- 涙のかわくまで / 嘘は罪よ(1967年12月27日)
- 愛なぜ哀し / 真実(1968年4月5日)
- 夜霧のむこうに / 恋は夢いろ(1968年6月5日)
- あの人に逢ったら / にくい人(1968年9月1日)
- どうして / おんな星(1969年2月)
- くれないホテル / 通り過ぎた恋(1969年4月5日)
- 星のナイト・クラブ / 悲しい夢(1969年8月5日)
- 気になるあなた / さよならは貴方から(1969年10月5日)
- 鍵をかけないで / きのうの涙(1969年)
- 古い傷あと / あなた私のもの
- 神戸で死ねたら / 愛は罪のように(1970年5月1日)
- わかれ道 / お別れバイヨン(1971年7月)
- わたしを許して / 明日への汽車(1973年3月)
- 口紅のあと / 人の気も知らないで(1973年9月)
- 今夜のこと / フライ・アウェイ(1977年8月)
- 初めての街で / ラストコール(1979年11月) - 菊正宗酒造のCM曲。使用は1975年から[4]。CMとシングルでは一部歌詞が違う。前者は非売品の宣伝盤として一部に配布、後者はシングル盤として1979年に発売。共にCD化されている。
- テレビを見ている女 / ワン・ナイト、ワン・キッス(1982年) - 西田の現時点で最後のシングル曲。
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アルバム
- さっちゃんの夢のアルバム/西田佐知子ヒット曲集(1960年:LPJM-4)
- 西田佐知子ヒット曲集/東京ブルース(LPJM-7)
- 西田佐知子叙情曲を歌う(LPJM-143)
- さっちゃんのムード軽音楽集/東京賛歌(SLJM-1120)
- ある雨の朝…(SLJM-1127)(1965年)
- サッちゃん 日本の抒情曲を歌う/城ケ島の雨(MR-3133) - LPJM-143の再発盤
- 雲の流れに(1967年)
- 西田佐知子恋を唄う(1969年4月)
- 星のナイト・クラブ(1969年)
- 鍵をかけないで(1970年)
- 盛り場の女(1970年6月)
- 愛ひとすじに(1971年:MR-2203)
- わたしを許して(1973年:MR-2223)
- 美徳のよろめき(1973年11月1日)
- いつもの午後(1977年:MR-3070)
- 初めての街で(MR-3204)
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ベスト・アルバム
- アカシアの雨がやむとき/西田佐知子ヒット曲集(1961年:LPJ-39) 10インチ
- コーヒー・ルンバ/西田佐知子ヒット曲集(LPJ-64) 10インチ
- 故郷のように/西田佐知子ヒット曲集(LPJ-128) 10インチ
- 西田佐知子ヒットアルバム/赤坂の夜は更けて(SLJM1244)
- 西田佐知子ヒットアルバム/たそがれの恋(1967年:SLJM1375)付録ソノシート「西田佐知子とともに」付き
- さっちゃんのゴールデン・ヒット・アルバム/涙のかわくまで(SMR-3012)
- 西田佐知子悲しみをうたう/愛の終りのときに(1968年:SMR-3021)
- 歌謡大全集(SMR-9011~4) 4LP
- BEST 14(MR-3051)
- 魅力のすべて(MR-2253)ジャケット違い再発(MR-3055)
- あなたに捧げる愛の言葉(1970年:MR-3145)
- さっちゃんと共に(MR-9001~2) 2LP
- ベストヒットアルバム/女の意地(MR-3162)
- ダブル・デラックス・アルバム(1971年1月:MR-9074~5) 2LP カバー曲ベスト 新録「ブルー・ライト・ヨコハマ」収録
- 恋と愛と涙(MR-8001~2)再発(MR-9132~3) 2LP
- GLORIOUS 20(1973年:MR-8537~8) 2LP
- パーフェクト20(MR-8575~6) 2LP
- 歌に生命を(MR-9082~4) 3LP
- PERFECT(MR-9807~8) 2LP
- ゴールデン・ダブル・デラックス(MR-9227~8) 2LP
- パーフェクト(1974年:MR-9849~50) 2LP
- パーフェクト24(1975年:MR-8635~6) 2LP
- パーフェクト24(1976年:MR-9947~8) 2LP
- ベスト・アルバム(1979年:MR-3172)
- NEW PERFECT(1979年:MR-7514)
- トップ・スター/ベスト&ベスト(38MX-9003~4) 2LP 新録「みちづれ」「舟唄」収録
- 全曲集(1985年)
- 西田佐知子 アカシアの雨がやむとき(1993年)
- 全曲集(1994年)
- 西田佐知子全曲集(1999年)
- スーパー・バリュー 西田佐知子(2001年)
- GOLDEN☆BEST 西田佐知子(2003年)
- 西田佐知子 ベスト10(2005年)
- ベストヒット&カラオケ 西田佐知子(2006年)
- 西田佐知子 魅惑のヒット集ベリーベスト(2006年)
- 西田佐知子歌謡大全集(2007年)
- 西田佐知子 エッセンシャル・ベスト(2007年)
- 初めての街で 〜西田佐知子ベストセレクション〜(2009年)
NHK紅白歌合戦
- 計10回連続で出場した。
61年・第12回 | コーヒールンバ | 平尾昌章 | NHK『夢であいましょう』開始、明治からマーブルチョコ発売 | |
62年・第13回 | アカシアの 雨がやむとき |
フランク永井 | 国鉄 常磐線・三河島事故、マリリン・モンロー逝去 | |
63年・第14回 | エリカの花散るとき | 橋幸夫 | アニメ『鉄腕アトム』開始、男児誘拐事件、タッパーウェア日本上陸 | |
64年・第15回 | 東京ブルース | アイ・ジョージ | 新潟地震、1964年東京オリンピック開幕、箱入りティッシュ誕生 | |
65年・第16回 | 赤坂の夜は更けて | 春日八郎 | 歩行者用信号機登場、みどりの窓口開設、250ml缶コーラ発売(50円) | |
66年・第17回 | 信じていたい | フランク永井 | 全日空羽田沖墜落事故、ビートルズ来日、黒い霧事件 | |
67年・第18回 | 涙のかわくまで | ダーク・ダックス | トミー「リカちゃん人形」発売、オールナイトニッポン放送開始 | |
68年・第19回 | あの人に逢ったら | 水原弘 | 初の超高層「霞が関ビル」完成、郵便番号制開始、三億円事件 | |
69年・第20回 | アカシアの 雨がやむとき |
村田英雄 | 全共闘・安田講堂事件、松竹映画『男はつらいよ』第1作封切り | |
70年・第21回 | 女の意地 | にしきのあきら | 大阪万博、よど号事件、三島由紀夫逝去、東京で歩行者天国開始 |
テレビドラマ
関連項目
脚注
- ^ ベスト・アルバム『GOLDEN☆BEST 西田佐知子』(2003年11月26日発売、ユニバーサルミュージック、規格品番:UICZ-6041)の歌詞ブックレットに掲載されているライナーノーツ参照。
- ^ CD-BOX『西田佐知子歌謡大全集』(2007年3月28日発売、ユニバーサルミュージック、規格品番:UPCY-9096/9100)の歌詞ブックレットに掲載されているライナーノーツ参照。
- ^ 平井菜水が1990年4月21日に発売したCDシングル「めざめ」の作詞を担当。作曲は来生たかお。
- ^ 西田佐知子さんが歌い、1975年から親しまれてきたCMソング「初めての街で」をジェロがカバー - 2009年10月14日閲覧。