葦毛湿原

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葦毛湿原
葦毛湿原の位置(日本内)
葦毛湿原
葦毛湿原の位置

葦毛湿原(いもう しつげん、Imou bog)は、愛知県豊橋市岩崎町にある湿原1992年平成4年)2月28日に愛知県の天然記念物に指定[1]された後、2021年令和3年)10月11日に国の天然記念物として新たに指定された[2][3]。別名「東海のミニ尾瀬」とも言われ、花の百名山[4]及び新・花の百名山[5]に選定されている。湿原の入り口は、そのまま赤岩山へつながる豊橋自然歩道の一部になっている。

概要[編集]

石巻山周辺の山域とともに、愛知県の石巻山多米県立自然公園に指定されている[6]。 一帯は、標高75mから60mくらいの小高い山の緩やかな斜面にあり、広さは、約5haである。木の遊歩道が作られており、湿原を1周することができる。湿性の植物が250種類ほど、その他にトンボカエルその他の昆虫、動物などが見られる。尾瀬などの、植物が長年にわたり堆積してしっかりとした水量を蓄えた湿原とは異なり、チャートの基盤岩の上にあり、岩盤から湧き出してくると思われる水がその上を流れていくような湿原で、渇水の季節には水枯れのようになることもある。

葦毛湿原の植物[編集]

ここで見られる植物には、環境省レッドデータブックにおいて絶滅危惧種II類に指定されているミカワバイケイソウ[7]カザグルマシラタマホシクサ、トウカイコモウセンゴケミミカキグサなどがある[8]

ミカワバイケイソウ カザグルマ シラタマホシクサ トウカイコモウセンゴケ ミミカキグサ

豊橋市文化財センターが考古学発掘手法を応用して、豊橋湿原保護の会などと植生など自然環境の再生活動を行っている[9]

ギャラリー[編集]

交通手段[編集]

テレビ番組[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 愛知県指定天然記念物・葦毛湿原” (PDF). 豊橋市教育委員会. 2011年5月16日閲覧。
  2. ^ 絶滅危惧種など多様な植物の宝庫 国の天然記念物に指定 愛知の「葦毛湿原」”. CBC webニュース. 2021年10月14日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ 葦毛湿原が国指定天然記念物になりました』(プレスリリース)豊橋市、2021年10月16日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000025583.html2022年11月26日閲覧 
  4. ^ 田中澄江『花の百名山』文藝春秋、1997年。ISBN 4-16-352790-7 
  5. ^ 田中澄江『新・花の百名山』文藝春秋、1995年。ISBN 4-16-731304-9 (葦毛湿原がある弓張山地が選定されている。)
  6. ^ 石巻山多米県立自然公園”. 愛知県. 2011年5月16日閲覧。
  7. ^ ミカワバイケイソウ(日本のレッドデータ検索システム)”. エンビジョン環境保全事務所. 2011年5月16日閲覧。
  8. ^ 葦毛湿原”. 豊橋市環境部環境保全課. 2011年5月16日閲覧。
  9. ^ 考古学の手法応用、湿原「発掘」し再生『朝日新聞』夕刊2018年3月17日
  10. ^ さわやか自然百景 愛知 葦毛湿原(2008年6月1日放送)”. NHK. 2011年4月19日閲覧。

関連書籍[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯34度44分54.71秒 東経137度27分1.64秒 / 北緯34.7485306度 東経137.4504556度 / 34.7485306; 137.4504556 (葦毛湿原)