落陽 (映画)
原作は伴野朗の小説『落陽 曠野に燃ゆ』であり、原作者の伴野自身が監督している。にっかつ創立80周年記念作品である。ビデオタイトルは『落陽〜THE SETTING SUN』。
概要
中国大陸での大規模ロケーション撮影も駆使した製作費50億円の超大作であり、にっかつ創立80周年の記念すべき作品であったが、それだけの超大作の監督を、映画経験のない素人に託したことが別の意味で話題となった。興行的には大惨敗に終わり、それによってにっかつは倒産への道を加速していくこととなった。プロデューサーの藤浦敦は、2014年の「映画秘宝」誌連載聞き書きで、当初から事実上の監督は自分であり、ダミーとして何の権限も与えられなかった伴野は途中から現場に出てこなくなったと語っている。
ストーリー
不祥事によって関東軍を追われた元将校賀屋達馬に、石原完爾より満州国建設のための資金調達の命が下された。馬賊の女首領となった昔の恋人張蓮紅との出会い、日本軍の思惑、阿片密売組織の暗躍を絡めながら、賀屋は満州国に夢を託するのだが…。
キャスト
- 賀屋達馬:加藤雅也
- 張蓮紅(馬賊の女首領):ダイアン・レイン
- 杜月笙(秘密結社「青幇」の首領):ユン・ピョウ
- ジョン・ウィリアムス(英国の悪徳商人):ドナルド・サザーランド
- 劉宗仁:中村梅之助
- 間宮精一郎(満州鉄道調査部):中村梅雀
- 山見剛(満州鉄道調査部):室田日出男
- 山見三枝子(山見剛の妻):星野知子
- 竜(八路軍将校):松浦豊和
- 石原完爾:嵐圭史
- 劉立教:尾藤イサオ
- 劉小英:小牧ユカ
- 李梅(張蓮紅の腹心):汀夏子
- 尹 (杜月笙の側近):ナンシー・ラルマン
- 唐紹儀:金田龍之介
- 土門正吾:にしきのあきら
- 高田大尉:新藤栄作
- 満鉄・人事部長:川地民夫
- 青空床屋:立川談志
- 大連の狙撃者:鈴木礼之介
- 棍棒の男:内藤陳
- 胡子高(張学良将軍高級参謀):大林丈史
- 金時山:鈴々舎馬風
- 段毅(ハイラルの首領):宍戸錠
- 康平:黒田アーサー
- 長城の密売人・孫:星セント
- 汪兆銘:小島三児
- 呂(土門の部下・ナイフの男):澤田謙也
- 馬(弁髪の馬賊・張蓮紅の配下):砂塚秀夫
- 田中(玉井の部下):岡崎二朗
- 山下奉文大将:水野晴郎
- 山下大将の妻:根岸明美
- 「キャッツアイ」の女性歌手:桐島かれん
- 女手品師:松旭斎ちどり
- 辻音楽師:灘康次とモダンカンカン
- 満鉄総裁:芦田伸介
- 曽三山(元中華民国政府最高顧問):島田正吾
- 山城太助(日本軍特務機関大尉):田村高廣
- ナレーション:江守徹
スタッフ
- 原作・監督:伴野朗
- 音楽監督:モーリス・ジャール
- 主題歌:エラ・フィッツジェラルド「THE SETTING SUN」
- 脚本:藤浦敦、根本哲史、伊藤信太郎、谷口公浩、伴野朗、ドゥエイン・ダミーゴ
- 製作総指揮:根本悌二
- 総合プロデューサー・総監修:藤浦敦
- 製作者:若松正雄
- プロデューサー:伊藤信太郎、谷口公浩
- キャスティング・プロデューサー:大畑信政
- 共同キャスティング・プロデューサー:リー・フォークナー
- 助監督:工藤雅典、鬼頭理三
- 監督補佐:伊藤信太郎、根本哲史
- 監督補:寄田勝也
- 撮影監督:山崎善弘
- アクション監督:伊奈貫太
- 共同アクション監督:ユン・ピョウ
- アクション・コーディネーター:シャオ・ハイ
- 技斗補:深作覚、辻井啓嗣
- 字幕:戸田奈津子
- 音響効果:斉藤昌利(東洋音響カモメ)
- 現像:IMAGICA
- 特殊メイク:メイクアップディメンションズ
- MA:にっかつスタジオセンター
- 特殊効果:太平特殊効果
- カースタント:スーパードライバーズ
- 車輌:マエダオート
- 協力:前進座
- 製作協力:インターメディア、P・G・I
- 宣伝協力:水野晴郎事務所、ウィズダム
- 中国サイド製作協力:中国電影合作制片公司、中央電影公司製片廠
- 提携:「落陽」映像文化機構
- 製作:にっかつ撮影所
- 配給:にっかつ、東映