花巡礼

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花巡礼』(はなじゅんれい)は、河惣益巳による日本少女漫画作品。『花とゆめ』(白泉社)にて1997年15号から1998年17号まで連載された。単行本は同社の花とゆめコミックスから全3巻。2008年には同社の白泉社文庫からも全2巻が刊行されている。

概要

第2次、第3次十字軍遠征時代を舞台に、アリエノール・ダキテーヌに仕えた母娘3代(リドウィナ・ミレジーヌ・ブランシュ)の物語。アリエノールやその夫ルイ7世ヘンリー2世など、実在した諸侯、史実を元にしたフィクション。

登場人物

リドウィナ・ド・オーニス
リドウィナ編の主人公。愛称リドナ。ポワトォーの貴族の生まれで、領主アリエノール・ダキテーヌの義妹として大切に養育されていた。第2次十字軍遠征の準備の最中、アリエノールの夫・フランス王ルイ7世の従者アラールと恋に落ちる。両君主の不和の際駆け落ち、たどり着いた聖地パレスチナで娘ミレジーヌを授かる。
ミレジーヌ
ミレジーヌ編の主人公。愛称ミレイ。パレスチナで生まれたリドウィナとアラールの娘。幼少期を中東とエジプトとの国境近くの街を守る小さな砦で、父母や修道騎士達と共に過ごす。「代父」である修道騎士たちを「父しゃま達」と呼んで慕った。母リドウィナが世俗を捨てた後は、アリエノールが「代母」として後見となる。ずっと想い続けたアリエノールの三男リチャード1世と義兄妹の関係を超えて結ばれる。
ブランシュ・プランタジネット
ブランシュ編の主人公。イングランド王リチャード1世とミレジーヌの娘。第3次十字軍の際、パレスチナで生まれる。父母の死後、後見の祖母アリエノールにイングランド女王にと望まれたが、それを阻止しようとする叔父ジョン王に命を狙われ続け、彼女と間違えられて暗殺された従姉妹ブランシュ・ド・カスティーユの代わりにプランタジネットとアキテーヌの血を残すため王太子ルイ(後のルイ8世)に嫁ぐ。貴族の女性として束縛されることを嫌い、自由に生きること、想い人カイルワーンの待つパレスチナに行くことを願った。
アリエノール・ダキテーヌ
アキテーヌ女公にして、フランス王妃とイングランド王妃の2つの王冠を頂いた女性。リドウィナ、ミレジーヌ、ブランシュを姉のように、時に母のように見守る。
レニエ・シヴリー
誰もが見とれる美貌を持つフォントヴロー修道院の修道僧。予知や治癒の力を持ち、リドウィナ達を導く。その正体は、異能の力を持った修道女が産んだ、先代アキテーヌ公の庶子(アリエノールの異母弟)。その予言の力を以ってアキテーヌの「血」と「名」の永代の存続を使命としてこの世に生み出された。ミレジーヌの生まれてくる子供はキリストの生まれ変わりであると予言し、聖地パレスチナで生まれなければならないと進言する。数十年の時を経てもなお、まったく年老いる様子はなく、若々しい姿をしている。

その他

ミレジーヌ編に、ジェニー・シリーズのアルフレッド、エルンスト、ジュリアン、ジョージ、ペドロ、エンツォに容姿のよく似た人物が修道騎士として登場する。

単行本